神奈子の部屋では、選抜メンバーと狂狼空挺団が集められていた。そう、ついに中国本土の潜入及び作戦の詳しい目標が明らかになるのだ。
神奈子「みんな集まってくれたわね・・・緊急で作戦の時間が早まったわ、明日の早朝4時に北海道千歳基地に向かって飛んでもらうわ」
レミリア「まず、あなた達ができることは何もないわ・・・ロシア領に到着してからがあなた達の任務よ」
神奈子「チェグエフカ空軍基地に着陸したらアルファの隊員と合流しなさい・・・そのあとは、Mi-26で中国の手前まで接近するわ、そのあとラぺリング降下して歩きでまずは南京軍区に行きなさい、そこでの任務は中国海軍の整備拠点を爆破してもらうわ・・・そして最終目標は、広州軍区にある中距離核弾頭の無力化よ」
レミリア「副目標で空母キラーの無力化もできたらお願いするわ」
神奈子「武器は、全てロシア側が用意してくれる・・・ハンドガンとナイフだけ携行するように」
レミリア「米軍の特殊部隊がすでに中国で活動しているはずだから気を付けてね」
影涼「もしも、米軍と鉢合わせしたら?」
神奈子「それは認めないわ・・・ただ、もしも見つかった場合は・・・好きに処分しなさい」
咲夜「つまり私達の存在を知られないようにすればいいのですね?」
レミリア「オブラートに包まなくてもいいわ・・・見つかったら、見つけた奴を消しなさい」
神奈子「任務完了の合図は「現つ神」だ」
影涼「神の意ですね・・・わかりました」
レミリア「脱出は2種類あるわ・・・一つは、チェグエフカ空軍基地に戻るか・・・海に飛び込みSBUが待機している海域まで泳ぐかよ」
影涼「また泳ぐのか・・・」
慧音「それは嫌だわ」
レミリア「だったら、チェグエフカ空軍基地まで退避することね」
幽香「苦行ね・・・」
早苗「どっちにしても、脱出方法はどれも厳しいですね」
咲夜「泳ぐって・・・どのくらい時間かかったの?」
影涼「確か・・・5時間かけました」
美鈴「そんなに!?」
影涼「あの時は、慧音さんの様態があまりにも悪かったので、傷口に海水が入らないように工夫して泳いでいたので時間が掛かったのですよ」
神奈子「とにかく話は終わりだ。今日はゆっくり休んでくれ・・・里に帰るのもよし、飲みに行くのも、とにかく何でもいい・・・好きに過ごしたまえ」
全員敬礼をして部屋を後にしようとしたが、早苗だけが呼び戻された。
早苗「なんでしょうか?」
神奈子「・・・本当に行くの?」
神奈子は、心配そうに早苗を見た。
早苗「はい・・・本当に行きます!」
神奈子「・・・絶対に帰って来なさいよ・・・それと、影涼の傍を離れたらだめよ・・・いいわね?」
早苗は神奈子の言葉に疑問になりながら深く頷いた。部屋出ると咲夜・幽香・美鈴が待ってくれていた。
咲夜「これからドライブに行かない?」
早苗「はい!」
駐車場にある軽装甲機動車に4人は向かった。早苗は、助手席に座り、幽香と美鈴は後部座席に座った。咲夜が運転する軽装甲機動車は、夜の街を走行していた。誰もいない、あるのは自衛隊の車両のみ、軍事オタクなら発狂するくらいのいい景色である。咲夜は自衛隊車両の見えない星空が見える公園の駐車場に駐車した。
幽香と美鈴はすぐにドアを開けて星空を見に公園のベンチに向かった。早苗も星空を見ようとドアを開けようとしたが、咲夜に手を掴まれた。
早苗「咲夜さん?」
早苗は咲夜の方を見た。
咲夜「・・・ちょっと来てくれない?」
早苗「ここですか?」
咲夜「そうよ」
公園にいる幽香と美鈴から完全に見えない位置にある公園の水道管理をしている小屋の裏に連れてこられた。
咲夜「いよいよね・・・早苗・・・今何時?」
早苗は腕時計を見た。時刻はもうすぐ5時半を示そうとしていた。時刻を咲夜に言うと咲夜が早苗を痛いぐらい強く抱きしめた。
早苗「きゃっ!?さ・咲夜さん!?」
早苗は、驚きのあまりいつもより高い声が出た。
咲夜「この為にここに来たのよ」
美鈴「いや~、もうすぐ綺麗な朝焼けが見れますね~」
幽香「お昼はゆっくりと寝ようかしら・・・出発は明日の4時だしね・・・それよりも、咲夜と早苗は?」
美鈴「あれ?まだ来ていませんか?」
幽香「どこに行ったのかしら・・・」
2人は、咲夜と早苗を探しに向かった。小屋の近くに差し掛かった瞬間、2人の声が聞こえた。
美鈴「なんだ~そこムガッ!!」
幽香「待ちなさい・・・」
幽香は美鈴の口を両手で塞いだ。美鈴は両手を振ってジタバタしていた。
幽香「静かにしなさい!」
幽香の言葉に美鈴は動きを止めた。
美鈴「(何で?)」
幽香「(お邪魔虫は退却~)」
幽香は美鈴の襟元を引っ張て行った。
咲夜「(ありがとうね幽香)」
早苗「あの・・・咲夜さん・・・さっきのは幽香さんと美鈴さんでは」
咲夜は、早苗の頬を右手で優しく撫でた。
咲夜「気のせいよ・・・」
咲夜は、静かに早苗の顔に近づいた。
美鈴「何で口を押さえたのですか!?」
幽香「あのね・・・邪魔をしたらいけないわ・・・おっと・・・来たわね」
笑顔の咲夜と、顔を紅くして咲夜の右腕にしがみついている早苗が歩いて来た。
幽香「どうだった?」
咲夜「めっちゃよかったわ」
美鈴「早苗さん?どうかしましたか?顔を紅くして・・・」
早苗「な・何でもないです・・・はい・・・」
そんな早苗の姿を見て咲夜は、微笑んでいた。
幽香「来たわね」
幽香の言葉に咲夜・早苗・美鈴は空を見た。朝焼けの光が町を照らしていた。
早苗「綺麗な朝焼け・・・」
美鈴「明日から見れなくなるのですよね・・・」
咲夜「絶対に帰りましょう・・・日本に」
幽香「そうね」
4人は、朝焼けの光を見ていた。
影涼「日本を出る前に会いに来たぞ・・・村田・森和気」
影涼と慧音は、村田と森和気のお墓参りに来ていた。村田の本当の墓は、実家の岡山にある。森和気は千葉県にあるのだが、市ヶ谷に2人の功績を称えた石碑があるのだ。森和気の功績は知られていないが、数々の任務を裏で遂行して来た人物なのだ。
影涼「村田は飴玉でいいよな・・・森和気は酒が好きだったな・・・本当はしたらいけないんだが、お酒を置いておくよ」
影涼は、それぞれのお墓に、飴玉とお酒(430円の缶ビール)をお供えした。
慧音「村田・・・ちゃんと呼んでやる・・・それまでここで休んでおけよ」
影涼「何に呼ぶのですか?」
慧音「日本に帰ったら・・・大切な話があるんだ・・・聞いてくれるか?」
影涼「いいですよ・・・生きて帰れたらね」
2人は、敬礼をして石碑を後にした。2人は、誰もいない基地の廊下を歩いていた。聞こえるのは、2人の足音のみだった。
慧音「綺麗な朝焼けね・・・」
慧音は影涼の手を握った。
影涼「さてと・・・明日の4時まで何をして過ごしましょうか」
慧音「だったら続きを」
影涼「断る・・・のんびりとしておきましょう」
不満そうな慧音を横目に影涼は、朝焼けを見ていた。
慧音「させないわよ」
影涼「鰹節!!」
慧音は、近くの部屋に影涼を引き込んだ。部屋は物置小屋であるため、誰もいない、慧音は影涼を半ば強引に壁に押し付けた。
影涼「慧音さん・・・一応私が怪我人って知っていますよね?」
慧音「ねぇ・・・どうして、私を避けているのよ?」
慧音は、うるんだ瞳で影涼を見た。
影涼「どうしてそう思うのですか?」
慧音「・・・私が何回もこうしているのに」
影涼「はぁ・・・」
影涼は、素早く慧音を壁に押し付けた。いきなりの事に、慧音は驚きよりも胸の鼓動が一気に加速した。
影涼「・・・これでいいですか?」
慧音「キスもしてくれたら5点かな?」
影涼「どこまでしたら100点ですか?」
慧音「う~ん・・・それは日本に帰ってからね」
影涼「そうですか・・・とにかく、これ以上は何もしませんよ」
慧音「えぇ~」
影涼「エロ本じゃあるまいし、変な展開を考えていませんよね?」
慧音「普通、チャンスじゃないの?」
影涼「慧音さん・・・とにかく、何もしません・・・これ以上これ以下もありません・・・まったく、作戦前と言う緊張感は無いのですか?」
慧音「あったら、こんなことしないわよ」
影涼「そうですね」
霊夢「・・・暇ね」
文「・・・そうですね」
横田飛行場の滑走路のど真ん中に、椅子を置いて霊夢と文は座っていた。後ろには、待機しているC-13機とF-15Jが4機あった。にとりを含めた整備員達は、忙しそうに機の点検を入念にしていた。
霊夢「文・・・ちゃんと護衛しなさいよ。こっちは狙われたら一瞬で終わりだから」
文「大丈夫ですよ。今回は、あの片霧一佐もいますから」
霊夢「その老兵は今どこに?」
文「こっちに向かっている最中らしいですよ」
霊夢「へぇ~」
2人は、他愛も無い会話を続けていた。
霊夢「任務が終わったら飲みに行かない?その老兵は板前らしいじゃない」
文「そうですね。奢ってくれるかもしれませんね!」
2人は笑いながら空を見上げていた。
各隊員は、作戦の時間になるまで思い思いの過ごし方で過ごした。
そして・・・作戦の時が来た。
C-1の前に影涼・慧音・咲夜・早苗・幽香・美鈴・特殊作戦群の隊員4名が整列をしていた。
霊夢「全員いるわね・・・文と村紗はすでに行動を開始しているわ・・・私達も急いで空に飛ぶわよ」
影涼から、順番に機内に搭乗した。上空では、疾風の天狗隊がC-1の離陸を待っていた。市ヶ谷の屋上では、神奈子・レミリア・幽々子・聖が敬礼して選抜メンバーを見送っていた。
レミリア「絶対に帰って来なさいよ」
幽々子「伝説のパイロットは、あと10分で準備が完了するわ」
聖「村紗は、すでに秋田の海域にいるわ・・・あと例のLCACももうすぐ合流するわ」
神奈子「・・・作戦が成功することを祈りましょうか」
選抜メンバーを乗せたC-1輸送機と囮のC-1輸送機2機が空高く飛んでいき、北海道方面に向かう姿を見て4人は、大きな声で状況開始と言った。