東方武装記録   作:祝神✯

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学校が本格的に忙しくて中々、進みませんでした。

楽しみにしている方たちには、本当に申し訳ありません。


第四作戦 朝月夜の見える炎

慧音「見えてきたな・・・」

 

影涼「・・・あぁ」

 

暗視装具越しから見える風景は、まさしく南京の街並みだった。慧音は、上部にあるレバー式のボタンをパチンと何やら操作していた。

 

慧音「影涼・・・無線で一体何を伝えられたんだい?」

 

影涼「・・・何でもないですよ」

 

影涼は、操縦室を隔てる扉にもたれ掛り下を向いて言った。

 

慧音「・・・なぁ・・・1人で抱え込むなよ」

 

影涼「・・・信じられますか?」

 

慧音「?」

 

影涼「いや・・・何でもないですよ・・・新しい仮説ができました・・・仮説が正しければ、慧音さんにもわかりますよ」

 

慧音「今、話してくれないのか?」

 

影涼「真実は・・・パンドラの箱だ」

 

慧音は、何かを話そうとしたがヘリの無線が鳴り響いた。慧音は、緊張した表情で無線機を見た。影涼も、慧音の肩に手を置いて無線機を見た。

 

中国指揮官(現在、南京軍区上空を飛行中のヘリに次ぐ・・・貴機の飛行目的を明らかにせよ・・・任務は、侵入者の捜索のはずだ)

 

慧音「潮時かしら・・・」

 

影涼「適当な場所で着陸しましょう」

 

慧音「あぁ、上官かな?悪いが無視させてもらおう」

 

慧音は、安全に着陸できる広さを持つ場所を探りながら補修基地に向かって飛行を続けた。慧音よりもはるかに、階級が上であろう指揮官の無線を、ことごとく無視していった。そのたびに、無線機が壊れるくらいの怒鳴り声が聞こえてきた。

 

中国指揮官(おい!貴様!!返事をしろ!!)

 

慧音「はーい」

 

影涼「無線機のスイッチを押してないじゃないですか」

 

慧音は、わざと冗談を言った。ヘリは、補修基地が見えると、近くにあった適度の広さを持つ駐車場に着陸した。後部ハッチから、次々と隊員が下りて、人目のつかないように隠れた。影涼と慧音は、一番最後に出てきた。全員の点呼をすぐに終えて、補修基地に向かって侵攻した。

 

影涼「距離は?」

 

咲夜「・・・6キロね」

 

咲夜は、頭を手で押さえながら答えた。

 

セルジー「チラッと見えたが、DF-21Dが大量に配備されていたぞ」

 

今回の任務の副目標で、DF-21Dの破壊も入っている。影涼はもちろん、慧音も咲夜達も、特殊作戦群の隊員達も、破壊を実行しようと決めている。

 

影涼「DF-21Dを破壊するチームと補修基地無力化のチームに別れたほうがいいな」

 

大人数で、補修基地を破壊するのは、あまりにも目立ちすぎたため、二手に分かれて任務を遂行する方が、いいと判断をした。

 

セルジー「割り当てはどうするんだ?」

 

影涼「まず、私と幽香さん・美鈴さん・セルジー達で補修基地を破壊する。慧音さんと早苗さん・咲夜さん・えーっと・・・」

 

影涼は、特殊作戦群の隊員の顔を見て言葉が詰まった。そもそも、名前を作戦前に聞いていなかった。特殊作戦群の隊員も、気がついたようで自分から名前を言い始めた。

 

桜1「俺は、吉高 卓(よしたか すぐる)二等陸尉だ」

 

桜2「私は、南川 高志(みなみがわ たかし)三等陸尉だ」

 

桜3「柳田 正平(やなぎだ しょうへい)三等陸尉」

 

桜4「高鷲香 賢(たかすか けん)一等陸曹です!」

 

影涼「君達は、慧音さんの指揮に従ってください」

 

影涼の、言葉に特殊作戦群の隊員は、敬礼をした。2チームに別れた後は、建物の物陰に隠れながら目的地に近づいて行った。南京に入ってわかったことだが、民間人が1人もいなかった。それほど、警戒しているのだろう。上空では、武直10が飛び交っていた。あの無線の指揮官が、確認して来いと指示でも出したのだろう。時間はあまり残されていなかった。実際どうなっているかは不明だが、中国軍も馬鹿じゃない。影涼達は、警備をしている中国兵を避けながら、補修基地に向かっていた。やはり、DF-21Dが配備していることもあり、厳重に警備が引かれていた。約45分後に、補修基地の近くまで到着した。

 

早苗「強襲揚陸艦と護衛艦がドックに入っていますね」

 

早苗は、3つ目暗視装具越しから報告をした。

 

影涼「作戦開始しよう」

 

全員が頷き、行動に移した。

 

影涼「慧音さん」

 

影涼は、慧音の肩を叩いて言った。

 

影涼「DF-21Dは、あくまで副目標・・・無理しないでくださいよ」

 

慧音「分かっているわ」

 

慧音は、咲夜達を引き連れて海岸に配置されているDF-21Dに向かって走って行った。影涼も、セルジーに目で合図しながら、補修基地に向かって行った。補修基地の周りには、高電圧式のフェンスが設置されており、触ると一瞬で倒れてしまうほどのものだった。

 

セルジー「どこから、潜入するんだ?」

 

セルジーと影涼は、暗視装具越しから補修基地を監視していた。フェンスの周りには、基地警備をしている陸戦隊の隊員と、軍用車両で巡回をしていた。

 

影涼「高電圧フェンスか・・・あれは、最近設置した奴だな・・・」

 

セルジー「どうしてわかるんだ?」

 

影涼「フェンスの後ろに、高電圧を発している発電機がむき出しじゃないか」

 

フェンス越しには、電力を出している発電機が、外に無防備に置かれていた。どうやら、即席に設置されているものらしい。

 

セルジー「あれを、破壊することはできるか?」

 

影涼は、幽香と美鈴を呼んで、グロック24で狙えるかと聞いた。2人は頷き、サプレッサーを装着してグロック24を構えた。カチッと銃声を押し殺したような乾いた音が2発響いた。発電機に命中して高圧電圧に供給していた電力は絶たれた。

 

影涼「少し待っていろ」

 

影涼は、ナイフを取り出して単独で、フェンスの周りを巡回している陸戦隊の隊員に近づいた。軽々しく、後頭部を打ち付けて気絶させた。すぐに、陸戦隊の隊員を抱えて戻って来た。

 

影涼「ここに隠せばいいでしょう」

 

気絶した隊員を、茂みに中に隠して、今度は全員でフェンスに近づいた。美鈴は、ニッパーを取り出し、フェンスに人1人が通れるようにフェンスを切った。補修基地内部へと潜入を開始した。すぐに、ドックの扉を開けて中に入った。目の前には、護衛艦であるO54A型が弾薬補給と燃料補給をしている最中だった。強襲揚陸艦は、別のドックに入っているらしい。

 

美鈴「あれを破壊するのですか?」

 

影涼「まずは、補修・補給が出来ないように基地を破壊するぞ・・・船はその後だ」

 

影涼は、軽く焦っていた。なぜなら、補修基地を無力化するだけの爆薬が明らかに足りなかったのだ。例え、爆薬を設置して爆破しても、数時間で補修・補給が再開できるように修復される可能性が高かった。

 

セルジー「補給用の燃料を利用できないか?」

 

察したのか、セルジーが小声で言った。

 

影涼「あれを爆破したら、私達も危ないんですよ?」

 

現在、O54A型に補給されている燃料チューブを見ながら影涼は言った。燃料チューブの先を見ると、大きなタンクが5つほどあった。確かに、燃料タンクの破壊は、無力化にもつながるが、爆発の威力がどれほどかわからなかった。外にいる慧音達に破片が飛来する可能性も無くはなかった。

 

セルジー「確実にするなら、多少のリスクは負うべきだろう?」

 

影涼「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「状況報告」

 

早苗「DF-21Dが7輌あります」

 

海岸線に展開するDF-21Dを、路地から監視をしている早苗が、隣にいる慧音に報告した。

 

慧音「周りに兵はどのくらいいるかしら?」

 

早苗「巡回している陸戦隊が8名・・・軍用車両が2輌巡回しています」

 

咲夜「どうやって、あれを破壊するの?」

 

慧音は、手招きをして全員を集めた。

 

慧音「早苗は、後方で緊急時の為に、狙撃の準備をして、吉高は狙撃手カバーに着きなさい、私と咲夜・南川は破壊に向かうわよ。残りの貴方達は、私の指示でいつでも動けるように待機」

 

慧音の指示で、早苗はSV-98を構えいつでも狙撃ができる体制になった。その後ろでは、AN-94を構えて警戒に当たっている吉高がいた。慧音と咲夜・南川は、C-4爆弾を2つずつ持って中腰になりながら、DF-21Dに近づいて行った。小さな街灯に照らされているだけで、巡回している陸戦隊から、こちらの方はかなり見にくかった。陸戦隊に接触しないように何とか、DF-21Dの真横まで来た。

 

咲夜「ミサイルに設置すれば、隣のDF-21Dも誘爆できるわね・・・弾頭に設置しましょうか」

 

咲夜は、バックパックからC-4を取り出し弾頭に設置した。南川も弾頭の燃料部にC-4を設置した。

 

咲夜「終わったかしら?」

 

南川「設置完了」

 

咲夜「慧音・・・早く離れましょう」

 

慧音「伏せなさい!」

 

慧音の押し殺した声で、咲夜と南川はその場にしゃがみ込んだ。咲夜が周りを見ると、陸戦隊の隊員2名が近づいてくるのが見えた。

 

咲夜「どうするの?」

 

咲夜は、小声で慧音に言った。

 

慧音「このまま、素通りできればいいけど・・・無理な場合は、早苗と待機しているあの2人の出番ね」

 

慧音は、AN-94のマガジンを外して、弾薬を確認し、マガジンを戻してレバーを静かに引いて初弾が排出され次弾が装填された。排出された初弾は、静かな音と共に乾いた路面に転がって行った。

 

慧音(お願い・・・こっちに来ないで・・・)

 

慧音は、目を瞑り銃を握っている手を強く握った。

 

咲夜「こっちに来ている!?」

 

咲夜と南川は、同時にAN-94のレバーを引いた。慧音は絶望した表情で、無線機に手を付けた。早苗達に連絡をする為である。

 

慧音「奇跡のか・・・」

 

突然、補修基地の方で大爆発が起きた。補修基地の周りが、まるで太陽に照らされているかのように、明るかった。陸戦隊の隊員達が、一斉に補修基地の方に気を取られた。慧音は、このチャンスを逃さなかった。すぐに、咲夜と南川の肩を叩いて後退する合図を出した。

 

慧音「影涼・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影涼「フラワースカート!弾幕を張れ!」

 

幽香は、PKPの引き金を引き続けて、弾幕を張っていた。その間に、セルジー達と美鈴が後方へ退却していた。大きなタンク5つが、凄まじい炎で燃えていた。補給をしていたO54A型にも燃え移っていた。燃料タンクに起爆した後、外で警戒をしていた陸戦隊と、艦内の乗員が95式自動歩槍を構えて撃ってきていた。

 

幽香「交代!」

 

幽香と入れ替わるように、影涼がPP-2000を構えて単発で撃ち始めた。幽香が後ろへ後退したことを確認したセルジー達と美鈴は、AN-94の発射レバーを2点にして撃ち始めた。

 

セルジー「早く後退しろ!」

 

影涼は、セルジー達の後方支援のおかげで後ろに後退することに成功した。補修・補給基地の半分が爆発によって吹き飛んだため、当分の間は、補給も補修もできないだろう。しかし、爆発によって連絡されたのは言うまでもない。ここから、早く離れなければ敵がどんどん集まってきてしまう。

 

セルジー「脱出するぞ!」

 

セルジーは扉を蹴破り、全員が外に出ていった。幸いな事に、まだ敵は集結していないので脱出には、それほど手間は無かった。急いで慧音達と合流をした。

 

咲夜「随分と派手なやり方ね!」

 

影涼「そっちは?」

 

慧音「爆薬セット完了!」

 

影涼「起爆しろ!」

 

慧音は、起爆装置のスイッチを押した。後ろで大爆発が起きた。DF-21Dがどうなったは、不明だが確認している暇も無かった。影涼達は、急いで近くにあったマンホールの中に入って行った。

 

咲夜「酷い匂いね・・・」

 

はしごで下水道に下りてすぐに、咲夜は愚痴った。全員がライトを付けた。ライトに照らされた酷い生ごみとネズミの死臭が酷かった。死体に群がるゴキブリや、見たことも無い昆虫が群がっていた。見るだけでもおぞましかった。

 

慧音「我慢しなさい・・・2年前は、この中を私達は泳いだこともあるのよ」

 

早苗「えっ?」

 

早苗は、信じられない表情で慧音の方を見た。いや、早苗だけでなく、幽香も美鈴も同じように見ていた。

 

影涼「とにかく、急いで離れるぞ・・・敵は、完全に混乱している・・・このまま基地から離れるぞ」

 

影涼を先頭に下水道の奥を進んで行った。酷い匂いに必死に我慢しながら汗と泥まみれになった体を動かしていた。咲夜達の秘匿傍受無線機がうるさく中国軍の無線を傍受していた。

 

慧音「・・・基地の襲撃とDF-21Dが破壊されたことで、警戒をさらに厳重にしたらしいわ・・・」

 

影涼「ばれましたかね?」

 

慧音「大丈夫だ、所属不明の敵に襲撃されたと言っている・・・まだ、特定はされていない」

 

影涼「ひとまず安心ですね・・・」

 

影涼は、額の汗を袖で拭った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「・・・情報通りに動いているな・・・影涼」

 

ビルの屋上で、闇を照らすように燃えている補修・補給基地を見ている男は、ボソッと言った。男の携帯が突然鳴った。

 

???(奴らが、下水道を通って基地から離れる気だ・・・座標位置を送る・・・すぐに片づけてこい)

 

一方的に切られて、男は怒りを露わにしながらポケットに携帯をしまった。

 

???「せっかく、屋上に来たのに・・・地下から逃げるとは・・・」

 

男は、M4を抱えて屋上を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なるべく、投稿を早くしたいと思います。
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