東方武装記録   作:祝神✯

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実戦演習前段

影涼「なんだよ・・・始末書か?」

 

影涼の机の上にボンと置かれた紙、23枚はあるだろう・・・

 

森和気「実戦演習にあたっての詳しい書類だ・・・今日中に目を通しておけ」

 

影涼「もうちょっと紙を節約できないのか?」

 

森和気「新人隊員に文句を言うんだな・・・」

 

影涼は、曖昧な返事をして運び込まれた資料に目を通していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

第七偵群は格闘訓練をしていた。全員一言もしゃべらずただただ訓練に没頭していた。

 

慧音「早苗、動きが遅くなっているわよ・・・美鈴はもっと攻めなさい」

 

慧音は、バインダーを片手に4人の訓練を見ていた。うしろから誰かが近づいてきて慧音の隣に来た。

 

村田「頑張りますねぇ~」

 

慧音「お前、仕事は・・・あぁそうだった・・・患者がいなくて暇なんだろ?」

 

村田「当たり前だ・・・いい患者を紹介してくれよ」

 

大げさに両手を挙げてリアクションを取る村田を無視して慧音は訓練を見ていた。

 

慧音「訓練の邪魔だぞ・・・」

 

村田「影涼には甘くて私には厳しいのですね」

 

慧音「二佐と三佐では、はるかに階級が違うからな」

 

村田「嘘つくなよ・・・私にはお見通しなんだよ?恋する慧音」

 

慧音「なっ!?」

 

慧音が振り向くと村田はすでに基地に入ろうとしていた。

 

慧音「(・・・職権乱用しやがって)」

 

 

 

 

 

 

 

偵察作戦群第一会議室に第七偵群は集められた。実戦演習の説明が行われようとしていた。

 

影涼「今から、演習についての作戦会議を開始する」

 

咲夜「この資料の量はどうにかならないのかしら?15枚って・・・」

 

影涼「23枚あった物を私が15枚に何とかまとめたんだよ・・・文句はこれを製作した奴に言うんだな・・・あっ私か・・・」

 

小さな笑い声が会議室に響いた。慧音は、パソコンでプロジェクターを操作して影涼が説明をしていた。

 

影涼「詳しい内容はこうだ・・・外国からの工作員が松本市に潜伏している情報が入って来た。工作員の目的は破壊活動だ。早急に見つけて捕まえるのが目的だ。何時何分かはもちろん不明だ・・・唯一判明しているのは、松本市内に潜伏していることのみだ」

 

幽香「もし、第一偵群と遭遇したらどうしたらいいのかしら?」

 

影涼「第一偵群は、外国からのスパイ扱いだ・・・見つけ次第排除してかまわない」

 

早苗「逆に向こうからしてみれば私たちは、外国からのスパイ扱いですね」

 

美鈴「先に見つけて無力化すれば簡単そうね」

 

影涼「言っておくが、目的はあくまで工作員の生け捕りだ。スパイの排除ではない・・・例え、第一偵群を全滅させたとしても工作員が捕まえられなければ、演習は・・・作戦は失敗だ」

 

咲夜「何が何でも工作員の生け捕り・・・ね」

 

影涼「そうだ・・・現場には、市民に紛れた自衛官が配置されるようだ。君たちの監視役だよ・・・気を抜くなよ・・・それから、コールサインを決めておかないとな」

 

美鈴「コードネームですね!!」

 

影涼「いつ、どこで傍受されているかわからないからな・・・自分の好きな奴でいいぞ」

 

早苗「影涼教官と慧音教官は何ですか?」

 

影涼は慧音の方を向いて目で指示をした。

 

慧音「私は歴史・・・影涼は霊だ」

 

咲夜「歴史と霊ね・・・了解したわ」

 

慧音「みんなも自分のコードネームを考えておいてね」

 

プロジェクターの電源を落として演習の説明は終わった。4人が会議室を出ていくのを確認した慧音は、背伸びをしてリラックスしていた。

 

影涼「お疲れですか?」

 

慧音「そうだな・・・昨日誰かさんが泊まってくれなかったからな」

 

影涼「私がいたらゆっくりできないでしょ?」

 

影涼は笑いながら手元にある資料をまとめながら立ち上がって会議室を出ていった。

 

慧音「・・・鈍すぎるでしょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴「レッドドラゴンなんてどうですか!?」

 

咲夜「変なの・・・」

 

早苗「えーっと・・・美鈴さんらしいですよね(困)」

 

幽香「却下」

 

第七偵群が切り盛りしているバーテンダー・時の奇跡店内では、自分のコードネームを決めていた。

 

美鈴「えぇ~何でよ」

 

幽香「今後も使うものでしょ?だったらマシなものにしなさいよ」

 

すでに美鈴は、45を超える候補をことごとくみんなに却下されていった。

 

咲夜「私のコードネームは時のナイフでいいでしょ?」

 

幽香「そうね・・・美鈴よりマシだわ」

 

早苗「私は何にしましょうか?」

 

幽香「そうねぇ・・・奇跡の風なんてどうかしら?」

 

咲夜「いいわね!」

 

早苗「そうですか?それじゃあ私のコードネームは奇跡の風ですね」

 

咲夜「ちなみに幽香は何かしら?」

 

幽香「私は、やっぱりフラワースカートかしら」

 

何か不満げに幽香を見る美鈴だった。幽香はため息を吐きながら言った。

 

幽香「レッドドラゴンでいいんじゃないの?」

 

美鈴「よっしゃー!」

 

右手の拳を握りながら喜んでいた。

 

幽香「単純ね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日・・・

松本駐屯地訓練場では、第七偵群は整列をしていた。影涼に昨日考えたコードネームを発表していた。

 

影涼「えーっと・・・時のナイフに奇跡の風にフラワースカート・・・レッドドラゴン・・・うん・・・いいと思うよ」

 

困りながらメモを取る影涼だった。

 

影涼「さて、これでみんなのもう一つの名前が決まったことだし、演習まで時間が無い、早速訓練を開始しよう」

 

影涼を先頭にまずは、15キロを走った。そのあとすぐに腕立て伏せ・スクワットなどの基礎的な筋トレをした。そのあとは、爆弾解除の訓練をしていた。偵察作戦群は、爆弾処理も任務次第では行うのだ。演習では破壊活動を想定して行われる為、ダミーの爆弾を使って訓練をしている。演習までの間、格闘・偵察を中心とした訓練をした。

 

 

 

 

そして実戦演習の日になった。私服姿の隊員は、基地で最終説明を受けてから松本市に向かった。

 

影涼(あーあー聞こえるか?)

 

4人の持っている小型のインカムから影涼の声が響いた。影涼と慧音を含む指揮官は、基地内の通信室で指令を出している。町にいるのは、演習に参加している隊員と民間人に紛れて監視をしている自衛官・・・そして、町に住んでいる住民などである。

 

咲夜「よーく聞こえるわよ」

 

早苗「聞こえますよ」

 

幽香「問題なし」

 

美鈴「こちらもです」

 

影涼(よし・・・今から演習開始だ。目標は、破壊活動を行おうとしている工作員の生け捕りだ。工作員の特徴は一切不明だ・・・難しいと思うが何とか頑張ってくれ・・・状況開始!)

 

咲夜「行きましょう」

 

4人は、町の探索に向かった。咲夜は指示をだして2人1組に分けて捜索することにした。咲夜と早苗は、路地裏などの目立たない場所、幽香と美鈴は人通りの多い商店街付近・駅を中心に捜索を開始した。

咲夜・早苗は、路地裏を探索したが一向にそれらしき人物はいなかった。重要そうな工場・ガソリンスタンドにもいなかった。

 

咲夜「時のナイフからフラワースカートへ状況報告」

 

幽香(こちら、フラワースカート)

 

咲夜「重要な建物の付近を捜索したがそれらしき人は発見できなかった」

 

幽香(了解・・・早くそこから離れたほうがいいわよ)

 

咲夜「そうね・・・第一偵群と遭遇したら面倒になるものね」

 

咲夜と早苗は、路地裏を離れようとしたところ、こちらに向かってくる足音が聞こえた。2人は物陰に隠れた。男が1人ポケットに手を入れて歩いていた。

 

早苗「奇跡の風より緊急連絡」

 

影涼(どうした?)

 

早苗「工作員とは、また別の敵を1名発見・・・これより、無力化します」

 

第一偵群の隊員を発見した際の言い方は、別の敵もしくはスパイと呼称するようにしている。

 

影涼(1名で行動・・・何か危険な気がする・・・その場で待機してやり過ごせ)

 

早苗は、ハンドサインで咲夜に待機の合図をした。ポケットに手を入れて歩いている男が曲がり角をまがって見えなくなってから、もう一人の男が後を追う形で現れた。

 

咲夜「危なかったわね・・・」

 

早苗「そうですね・・・影涼教官の指示は的確ですね・・・幽香さんたちに、あの2人の位置情報を伝えて置きますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「分かったわ・・・そっちも気を付けてね」

 

早苗からの無線報告を受け取った幽香たちは、公園に向かった。公園には、子供たちがたくさん遊んでいた。幽香と美鈴が公衆トイレの裏側を横切ってあるものに気づいた。茶色の紙袋が置かれていたのだ。2人は周囲を見ながら恐る恐る紙袋の中をのぞいた。

 

幽香「なっ・・・」

 

美鈴「これは・・・」

 

中に入っていたのは、小型の着火装置だった。おそらく、遠隔で操作ができる品物だろう、美鈴はすぐに解体作業に入った。幽香は、すぐにみんなに知らせた。

 

影涼(了解した・・・時のナイフと奇跡の風は、その場で待機・・・おそらく、破壊活動をするにあたってみんなの気を引き付ける物だと思われる・・・)

 

慧音(電波を逆探知しなさい・・・装備品の中に小型の探知装置あるわよね?それを使いなさい)

 

慧音の指示で幽香は、探知機で電波を逆探知しようとした。

 

幽香「・・・ビンゴ」

 

 

 

 

 

 

 

 

早苗「分かりました!すぐに向かいます!」

 

連絡を受け取った早苗と咲夜は、急いで目標がいると思われる場所に向かった。

 

咲夜「まさか、デパートの地下駐車場にいるなんてね・・・」

 

電波の発信源は、とあるデパートの地下駐車場だった。二人は、駐車場の近くにたどり着いた。階段で地下駐車場に入って行った。電波の発信源に近づいた時、早苗がある物に気づいた。

 

咲夜「どうしたの?」

 

早苗「罠です・・・柱を見てください・・・」

 

地下駐車場の柱を見ると小型の装置のような物が付けられていた。

 

咲夜「これが電波を発信していたのね・・・」

 

早苗「いえ・・・あの車から発せられているようです」

 

早苗は、探知機を見ながら答えた。2人の近くにある装置からではなく前方に見える黒い車から電波が発信されていた。

 

咲夜「まって!誰か来る!」

 

2人は、近くにあった赤い車の影に隠れた。2人の男が電波が発せられている車を開けた瞬間、ポンッという音と共に2人の男は、ペイントまみれになった。今回の演習では、ペイント爆弾と言う代物を使用している。もちろん、ペイントが付いたら死亡扱いとなるので脱落になる。ちなみに色は、ピンク色である。時間が経過すると透明になる特殊な素材を使用しているので、大事になること無いのである。

 

早苗「あ・危なかったですね・・・」

 

咲夜「これで、第一偵群の残りは2人になったわね・・・でも、判明したことは彼らも気づき始めていることね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香「罠だったの!?大丈夫なの?」

 

早苗(私も時のナイフも無事ですよ・・・罠に引っかかったスパイは2名脱落しました)

 

慧音(罠にまんまと引っかかるところだったな・・・しかし、また振り出しに戻ったぞ)

 

影涼(奇跡の風、ほかに何か発信器みたいなものはありませんでしたか?)

 

早苗(ありましたけど・・・)

 

影涼(今度はそれを逆探知してください)

 

早苗(・・・電波の発信源は駅のようです)

 

幽香「私たちが近いわね!すぐに向かうわ!!」

 

影涼(いや・・・行かなくていい)

 

思いもよらぬ指示に全員が驚いた。

 

幽香「なぜよ!?」

 

影涼(いま、工作員は、君たちが電波に気を取られている間に行動していると思われる。電波で君たちを破壊目標から遠ざけているのかもしれないぞ)

 

美鈴「今、奇跡の風と時のナイフはデパートですよね・・・公園から約1キロは離れているはず・・・」

 

幽香「地図を開いて確認しているわ・・・公園から1キロ圏内で破壊目標になりそうなのは・・・」

 

地図を開いていた幽香は、恐ろしく驚いた。

 

幽香「警察署だ!」

 

影涼(直ちに向かってくれ・・・奇跡の風と時のナイフも警察署に向かってくれ・・・そこで合流し捜索を開始しろ)

 

4人は、警察署に向かって走り出した。警察署が破壊されれば大きな不安を民間人に与えることができる他に、混乱の中で堂々と行動ができるからだ。もはや演習であることを忘れて無我夢中で行動をしているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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