東方武装記録   作:祝神✯

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利用

霊夢「遅い!どこで何していたの!?」

 

千歳基地のC-1輸送機の機内で霊夢は、軽く怒っていた。釧路ラーメンを食べる前に、工作員を釧路駐屯地に引き渡した後食べに行ったのだ。

 

影涼「まぁまぁ、いろいろあったんですよ」

 

霊夢「あんたたちが遅いからみんなでいくら丼を食べに行ってたわよ」

 

妖夢「何!?」

 

うどんげ「うわ~、ラーメンじゃなくていくらの方が・・・」

 

咲夜「あんたたちね・・・奢ってもらっておいて・・・」

 

霊夢「はは~・・・ラーメンね・・・まぁいいわ・・・いくらが食べれたし」

 

C-1輸送機は、横田飛行場に向かって飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

横田飛行場上空・・・

 

 

早苗「また飛ぶのですか!?」

 

霊夢「私と一緒にいるときは、問答無用で飛んでもらうわ!」

 

美鈴「霊夢さんたちは、どうして座っているのですか!?」

 

霊夢「私たちは習志野に帰るのよ、いちいちあんたたちの為に着陸しないわよ」

 

どうやら、パラシュートで帰らないとダメなようだ・・・さすが、狂狼空挺団・・・無茶クチャクチャ過ぎるとみんなが思った。

 

霊夢「影涼教官から飛んでいきなさいよ・・・降下降下!」

 

影涼からまた咲夜・早苗・幽香・美鈴・慧音が降下した。C-1輸送機は習志野に向かって飛んでいった。ちょうどお昼前の時間帯なので、夜間と違って降下しやすく恐怖も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村田「ははは、そいつは災難だったな」

 

影涼「笑い事じゃないぞ・・・霊夢さんと一緒にいると疲れるよ・・・」

 

慧音「狂狼の異名は伊達じゃないと改めて感じるよ・・・」

 

偵察作戦群の教官待機室でぐったりしていた。横田飛行場から市ヶ谷駐屯地でレミリアに報告してから、松本駐屯地に戻って来たのだ。第七偵群は、現在各人家で休んでいる。

 

慧音「・・・港から大量の爆薬が引き上げられたらしいわね」

 

釧路港で工作員が持ち込んだと思われる金属の箱から大量の爆薬が発見された。すぐに、特殊作戦群の隊員が工作員と爆薬を回収して、爆薬は解析に、工作員は61398と同じように尋問を行っている。

 

影涼「・・・尋問は全く進展してないそうですよ」

 

村田「俺が行けばあっという間に解決できるのにな・・・」

 

慧音「私たちの立場は」

 

村田「分かっているよ・・・退職するまで教官勤務ですよ」

 

村田は、大げさに肩を竦めて答えた。

 

慧音「・・・森和気の奴は、あのネズミの監視をしているんだよな」

 

森和気は、CIA局員ラットの監視を行っているので、偵察作戦群にはいないのだ。

 

村田「いいのか?あいつに任せておいて?」

 

影涼「あいつは、特殊作戦群の次期群長になる男ですよ」

 

影涼は、そう言って待機室を出ていった。待機室には慧音と村田だけがいた。村田は慧音の近くに行って小声で話しかけた。

 

村田「気持ち伝えたか?」

 

慧音「なっ・・・で・・・」

 

村田「で?」

 

慧音「出来るわけないでしょ!!」

 

大声で答えては、机に顔を伏せて右手で机を叩いていた。

 

村田「わかった!わかったから机を叩くのやめろ!!」

 

10分後・・・

 

 

村田「お前にいい病院をお勧めするぜ・・・村田診療所と言う・・・」

 

慧音「誰がお前の診療所で治療を受けるか!あと私は、病気じゃないぞ!!」

 

村田は、何やらカルテを書きながら話を始めた。

 

村田「はいはい、幽香さんもそうでしたが、精神の病気は自覚することができないのですよ・・・精神じゃ無いな・・・恋の病気か?いつから好きになったのですか?」

 

慧音「・・・誰がお前に言うか!!」

 

慧音は、待機室の扉をバンッと勢いよく開けて出て行ってしまった。

 

村田「どうしたんだ?鼻血なんかだらだら出して・・・」

 

慧音が出て行ってからすぐに別の人が入って来た。

 

特戦群隊員「・・・慧音三佐が扉をおもっきり開けるからですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「まったく村田の奴・・・」

 

慧音はちょっと不機嫌になりながら廊下を歩いていると、休憩室に影涼が入って行く姿を目撃したので、慧音も休憩室に入った。

 

慧音「影涼」

 

影涼「慧音さんも何か飲みに来たのですか?」

 

影涼は、微炭酸を自販機で購入していた。

 

慧音「そんなところだ」

 

慧音は、コーヒーを購入した。慧音と影涼は、向き合う形で椅子に座った。特に会話も無く飲み物を飲んでいるだけである。慧音の脳裏に村田のセリフがよみがえった。「気持ち伝えたか?」

 

慧音「な・なぁ!影涼って好きな人とかいるか!?」

 

影涼「えっ?なんですかいきなり・・・」

 

影涼の反応は当然だった。会話の最初がこんな質問では、誰もが疑問に思うだろう。

 

慧音「いいから!いるの?いないの?」

 

慧音は、缶コーヒーを握りしめながら聞いてきた。

 

影涼「いますけど・・・」

 

恐る恐る言ってきた。

 

慧音「誰なの!?」

 

影涼「言えませんよ」

 

慧音「特徴だけどもいいから!」

 

手を合わせて頼み込む慧音だったが影涼は首を横に振るだけだった。そんな中、携帯が鳴り始めた。

 

影涼「もしもし」

 

ラット(昨日はお手柄だったな)

 

影涼「お前・・・どうやってこの番号を・・・」

 

電話の相手はラットだった。レミリアから代わりにもらった携帯の番号がもう、知られていたので驚きを隠しきれなかった。

 

ラット(携帯を変えたくらいじゃあ意味がないよ・・・さてと、今日もお願いをしようかな・・・)

 

影涼「ふざけるな・・・切るぞ」

 

ラット(待てよ)

 

影涼「あっそうですか」

 

ラット(あそこにいる綺麗な女の子は誰かな?美しいなぁ、緑髪の・・・名前は確か早苗だったかなぁ?)

 

影涼「貴様・・・何をするつもりだ」

 

慧音の携帯が突然鳴り始めた。森和気からだった。

 

森和気(どうなっているんだよ!あいつの携帯つながらなかったぞ!そんなことよりも、あのアメリカ人早苗を尾行しているぞ!慧音!お前でもいいからすぐに早苗を保護しろ!!)

 

慧音は、ハンドサインで影涼に電話の内容を伝えた。

 

ラット(どうしようかな?死なない幽霊君?)

 

影涼「・・・今すぐにお前に会ってやる」

 

携帯を切ってすぐに高機動車で向かった。慧音は早苗を保護しに行き影涼は、ラットに会うために途中高機動車を降りてラットの元へ向かった。

早苗の後方30メートル手前に黒いジーパンにカジュアルなパーカーを着たラットがいた。

 

ラット「迷彩服のままで来るなんて相当焦っているようだな」

 

陸自のⅢ型迷彩を着たまま影涼は、来てしまっていた。影涼はただ黙ってラットを見ていた。

 

ラット「こんな住宅街が多い場所では目立つだろう・・・服を着替えてからこの場所にこい」

 

ラットは影涼に、場所を記した地図を渡してどこかへ行ってしまった。影涼が地図をしまってから、私服姿の森和気が近寄って来た。

 

森和気「お前・・・面倒な奴に狙われたな・・・」

 

影涼「・・・私は私のやり方で、対処します」

 

森和気「処分されているのを忘れるなよ!・・・何かちょっとでも目立つことをしたら、もう自衛隊に残れないぞ!」

 

影涼は、着替える為に走って松本駐屯地に戻って行った。教官待機室に入ると慧音と早苗がいた。早苗の方は、突然慧音に連れてこられたので混乱しているようだった。

 

早苗「影涼教官・・・何が起きているのですか?」

 

影涼「何でもないですよ・・・慧音さん、ちょっと出かけてきます。何かあったら連絡してください」

 

影涼は引き出しから、特殊警棒を取り出して更衣室に向かった。

 

早苗「あの・・・どうして、特殊警棒を持っていったのですか?」

 

慧音「・・・何でもないわ・・・それよりも今日は・・・」

 

更衣室で着替えをすました影涼は、走って地図に書かれた場所に向かった。地図に記されている場所は、廃工場の資材搬入口付近だった。人通りも無く秘密の話をするにはもってこいの場所だった。15分かけてようやく目的地に到着した。

 

ラット「遅いぞ!」

 

煙草を吸いながらラットは、そこらへんに積まれた木材の上で座っていた。

 

影涼「・・・何で私たちに付きまとうんだ?」

 

ラットは、煙草の吸殻をその辺に投げ捨てて立ち上がった。

 

ラット「まずは、私からだ・・・あの女の子は一体何者なんだ?いくら調べても東風谷早苗と言う名前の特殊作戦群の隊員はいなかったぞ」

 

どうやら、特殊作戦群の隊員だとまだ勘違いしているようだ。調べても出てこないのは、偵察作戦群に所属している隊員の情報はデータ化されていないからだ。いわゆる、紙にしか記録していないという事だ。非常に原始的だが物質に記録するほど安全な情報管理は無い。

 

影涼「・・・何で彼女を調べているんだ?」

 

ラット「陸上幕僚長の娘だからもあるが・・・彼女の教官がお前だからだよ」

 

影涼「はぁ?何の関係があるんだよ?」

 

ラット「お前に話しても意味はない・・・」

 

相変わらず自分の都合に合わせて話をするラットに、影涼は軽く殺意が湧いた。

 

影涼「あぁそうですか・・・で、なんで付きまとうんだ?」

 

ラット「そういえば、あの十六夜と言う」

 

影涼「さっさと言え・・・アメリカ人」

 

影涼は、特殊警棒を伸ばしてラットの首筋に当てた。影涼の目は、鋭くなっていた。

 

ラット「相変わらず・・・怒るという感情が無い奴だ・・・」

 

影涼「相変わらず?何を言ってんだ・・・とにかく、何で付きまとうのか言え・・・さもないと顎の骨を粉々にするぞ?」

 

ラットは、懐からグロック17を取り出して影涼の眉間に向けた。

 

ラット「まぁまぁ、落ち着けよ・・・ちゃんと話すから」

 

2人は、いつでも攻撃ができるように準備しながら話をした。

 

ラット「お前らが過去に中国に潜入しただろ?それが原因で日本に潜伏していた中国の特殊部隊が活発に活動を開始したんだよ・・・中国政府としては日本と繋がる決定的な証拠が無いから公では何も言えないのだろうが奴らの目的は証拠探しだ・・・日本が不利になるような一番危険な奴らから排除するように君たちに伝えているだけだよ」

 

影涼「・・・防衛大臣に情報を流しているな」

 

ラット「そうでもしないとお前らは動かないからな・・・」

 

影涼が特殊警棒を、下げたのを確認してからラットもグロック17を懐に閉まった。

 

影涼「・・・つまりこういう事か、お前の指示に従えば日本は安全だという事だな?」

 

ラットがどれほど中国の特殊部隊が日本に潜伏しているかを把握しているか分からないが、現にこいつの情報提供のおかげで迅速に捕まえることはできている。影涼は、利用目的で指示に従おうと決めた。もちろん、神奈子幕僚長に相談をしてからだが・・・

 

ラット「そういうことだ・・・よろしく頼むよ・・・要件はこれだけだ」

 

ラットは、そのまま廃工場の奥に入って行って消えてしまった。影涼は、携帯で神奈子に電話をしながら松本駐屯地に帰って行った。松本駐屯地についたころには、すでに夕方だった。中に入ろうとすると慧音と早苗が一緒に駐車場に向かう姿を目撃した。

 

影涼「どこに行くのですか?」

 

早苗「影涼教官!これから、慧音教官のアパートに行くのですよ」

 

慧音「今日は、泊まってもらおうかなって・・・」

 

慧音は、ラットの事を警戒しているようだ。自分の部屋に連れていけば安全だと思っての判断だろう。

 

慧音「影涼も来ないか?」

 

影涼「すいません、これから大事な用ができたので・・・」

 

影涼は、そのまま中に入って行った。慧音は察したのか、今までのようにしつこくお願いするのはやめた。

 

早苗「何だか、非常に疲れている様子でしたが・・・」

 

慧音「何かあったのでしょうね・・・それよりも、今日はすき焼きにしましょう!2人なら何とか食べきれそうだしね」

 

慧音のアクアに乗って近くのスーパーに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影涼は、教官待機室で特に何もせずに、ボーっとしていた。夕日が待機室を寂しく照らす。ここに来る前に神奈子にラットとのやり取りを報告したのだが、すでに監視していた森和気から報告を受けていたのだろう・・・影涼のラットを利用する案は、すぐに承諾がきた。影涼は、いくら利用でもあんな奴にお世話になるのが正直嫌なのだが、仕方がないと自分に言い聞かせていた。

 

影涼「・・・発端は私たちなのだよなぁ」

 

ため息交じりの独り言をフッと口に出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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