マボロシ少年の航海日誌   作:ネメシスQ

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生存報告を兼ねて。
とりあえずキリのいいところまで上げることに。
そしてまたすぐに失踪します。


Five

 

 

「で、ローグタウンが見えてきた訳だけど、アンタはこれからどうすんの?」

 

 海賊王が処刑された町が見えてきたところで、ナミにこれからの指針を尋ねられた。

 ふむ、とりあえずは……

 

「海軍を顎で使って家に帰る」

「冗談は抜きにして本当にどうするの?」

「え、冗談じゃないけど」

「なんつー恐ろしい事しようとしてんのこのガキんちょは!?」

 

 えー、ばあちゃんの名前出してお願いすれば、大体の人は聞いてくれるんだけど。

 

「まあ、何はともあれ、色々お世話になりますた。あ、餞別はみかんいくつかもらえればそれでいいよ」

「あげないわよ。勝手に乗り込んだくせに本当に図々しいわね」

「まあ、モグモグ……もう勝手に……モグ……もらっちゃってるけど」

「返せ!」

「はい」

 

 剥いた皮を渡したらアッパー食らった。

 

「ちゃんと返したというのに何が不満だと言うのだね?」

「不満しかないわ!」

「怒ると小皺が増えるぞ」

「うっさい!」

 

 ナミの頭に角が生えたので、すたこらさっさと退散する。

 

「という訳で、ナミはもうちょっと謹み深さを身に付けてほしいと思うのですよ。あ、これうっめ」

「つまみ食いしてんじゃねえクソガキィ!」

 

 ぐる眉さんの踵落とし!

 こうかは ばつぐんだ!

 まったく、ちょっと夕食の仕込みの一部を食べたぐらいで……

 

「ひどいわっ! こんないたいけな美少年に暴力を振るうなんて……」

「気持ち悪いからその口調やめろ。つまみ食いするなら、厨房から出ていけ」

「何を言いますか。拙者はただ味見をしていただけでござるよ。うまうま」

「言ってる側から食ってんじゃねえ!」

「変わり身の術」

「ぶへぇっ!?」

「んな!? ルフィ!?」

 

 我輩同様つまみ食いしようと、こっそり皿に手を伸ばしていたしていた麦わらさんを身代わりに、厨房脱出成功。

 したのだが、結局すぐに捕まって説教されたのであまり意味はなかったです。まる

 

「おら、もう島に着くんだ。降りる支度でもしてろ」

「支度も何も、着の身着のままなんですが」

「じゃあ大人しく海でも眺めてろ」

「もう見飽きたでござる」

 

 何日も海の上にいて今さら何を見ろというのか。

 

「仕方ない、またナミで遊んでくるか」

「ナミさんを弄ぶだと! 三枚におろしてやる、そこに直れクソガキ!」

 

 何故かぐる眉さんの中で、おれはイタズラ小僧からチャラ男にクラスチェンジしているようだ。

 言いがかりにも程があるのだが、つまみ食いの時の比じゃないくらいの怒りを見せたので、トルネード土下座を披露してやった。

 ものすごいドン引きされた。解せぬ。

 

 

 

 

 そうこうしているうちに船は目的地へと到着。人目につかない海岸沿いに錨を下ろした。

 

「いやー、お世話になりました。このご恩は忘れるまで忘れません」

「いや、結局忘れるんじゃねえか」

 

 さすが長鼻さん。ちゃんと拾ってくれた。これからもツッコミ道を極め続けてください。

 

「貸しにしておくわ。だから忘れるんじゃないわよ」

「わかった。いつか仇で返すよ」

「普通に返せ!」

 

 本日最後の右ストレート。

 この拳とも今日でおさらばかと思うと感慨深い。いや、そうでもなかった。痛いもんは痛いわ。

 後でドアノブをさわると必ず静電気が走る呪いをかけておこう。

 

「これでつまみ食い犯が減ると思うとせいせいするぜ」

「ぐる眉さんの料理が美味すぎるのがいけないと思うんだ」

「けっ」

「あれ? もしかして照れてるぅ? 男のツンデレなんて見苦しいだけだゾ☆」

「やっぱり三枚におろしてやろうかクソガキがぁ!!」

 

 はいはい、ツンデレツンデレ。実はぐる眉さんの料理少しくすねてきたんだが、この分だとバレてなさそうだな。ごちになりまーす!

 

「お前は色々と興味深かった。一度手合わせしてみたかったが、まだガキだしな。お前が成長するまで楽しみはとっておくことにする」

「ほほう、我に喧嘩で勝つつもりか? 自慢じゃないが、おれはカラスにも負ける程度の戦闘力しかないぞ」

「本当に自慢じゃねえな。それマジかよ」

 

 能力なしならこんなもんです。

 マリモさん、箱入り息子事件の時は、お世話になりました。お礼に感謝の舞を踊ってしんぜよう。え、ノーサンキュー? そうですか、いらないですか。

 同感です(笑)

 

「なぁモブ太、お前も一緒に海賊やろーぜ! お前すっげー面白ぇし、一緒に冒険すると楽しそうだ!」

「ふむ、確かに麦わらさん達と過ごしたこの数日は楽しい日々でござった。だが断る」

「えぇーー?」

「ほらルフィ、断られたんだから、潔く諦めなさい。というかこんな奴を仲間に入れたら、胃がやられそうだわ」

 

 麦わらさんはまだ渋っていたが、ナミに諭されて諦めてくれたようだ。

 

「それじゃ、お世話になりますた。お互い死んでなかったらまた会いまっしょい!」

「「縁起でもないこと言うな!」」

 

 こうしておれは麦わらの一味の捕虜を卒業し、モブの一人へと生まれ変わりましたとさ。

 

 

 

 




次で第1章は終わりです。
午前6時に投稿予定。
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