マボロシ少年の航海日誌   作:ネメシスQ

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 今話を始める前に言っておく! おれはちょっぴりだが作者の陰謀を体験した!
 い、いや……体験したと言うよりは全く理解を越えていたのだが……
 あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
 ちょっと散歩に行って帰ってきたら、何故か村人たちが魚人の支配から解放された喜びの宴を開いていた。
 な、何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……
 場面転換だとか視点切替だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 結論:いつの間にかアーロンパークが崩壊していたらしい。仮にもこの小説の主人公のおれが原作に全く関わらないってどうよ?

 メタ発言だらけの前書きでした。それではスタートです。
 て、手抜きじゃないですよ? 本当ですよ?
 真面目なシーンが書けない訳じゃないですからっ!
 今回はちょっぴりシリアスな場面のある話です。




よん

 よくわからんが、有限会社アーロン商事が倒産したらしい。なんでも多額の借金を抱えていて、借金の取り立て屋に会社を物理的に潰されたのだとか。取り立て屋スゲー。

 それにともない、巻き上げられていた地上げ料も帰ってきたらしい。ふむ、ハッピーエンドってやつですな。

 みなさん大喜びで宴を開き、どんちゃん騒ぎをくり広げています。

 

「そして現在、時刻は0時。夜中になってもまだ宴はヒートアップしていっています」

「誰に説明してんのよ」

「三次元の方々」

「?」

 

 ノジコが訳わからんといった顔をしている。当然だな、おれも口をついて出ただけで意味はわからんし。

 

「それじゃ、少し盛り上げてきますか。見よ、おれの一発芸! アーロンのものまね!」

「やめんか!」

 

 ノジコにはたかれた。実に痛い。

 

「よく考えたらおれ、実物のアーロン見たことなかったわ」

「ああ、そういえば昼の騒ぎにもいなかったもんね、あんた」

「知らない間に全部終わってて悔しかったとです」

「あんたがあの場にいたら絶対ロクな事にならなかっただろうし、むしろ助かったわ」

「失敬な! いくらおれでもTPOはわきまえているぞ!」

「じゃあ魚人が倒れてたら?」

「魚拓取る」

「それ見たことか」

「くそっ、ノジコめ! こんな屈辱は初めてだ!」

 

 閑話休題

 

「そろそろノジコと話すのも飽きてきたんで、ゲンゾウのおっちゃんでもからかってくるわ」

「はいはい、いってらっしゃい」

「なっ、ノジコがツッコまない……だと? どうしたノジコ、病気か?」

「あんたにいちいちツッコんでたらこっちの気力が持たないってようやく気づいたのよ」

「なん……だと……」

「いや、何でそんなショック受けてるのよ」

「……そっ……か。そう、だよな……おれ、ノジコに迷惑かけてたよな……おれのせいでノジコに負担がかかるなら、おれは……」

 

 とぼとぼと肩を落とし、ノジコから離れる、離れる、離れる……

 ちらっ、

 

「いや、バレバレだから」

「ですよねー」

 

 さすがノジコ。同情を誘う作戦は通じなかったようだ。

 

「ったく、心にもないことを」

「ふひひ、サーセン」

「気持ち悪いからその笑い方やめなさい」

「ノジコの辛辣さに全おれが泣いた」

 

 悲しかったのでふて寝した。嘘です。もう夜遅かったのでフツーに寝ました。

 おれ10歳児。さすがに睡魔には勝てません。ぐー。

 

 

 

 

 その後幾日かが過ぎ、麦わらさんたちの出発の朝がやって来た。

 村人たちは総出で麦わらさんたちの見送りに来ている。

 話を聞くに、当のナミは今まで盗んできた1億を村に置いてくらしい。ならおれにくれ、と言ってみたが、返ってきたのは拳骨だった。

 そろそろ出港の時間が迫ってくる。遅いな、と麦わらさんたちがぼやいていると、ようやくナミが姿を表した。おれたちの後方、船から一直線上にある道の上。

 

「船を出して!」

「えっ、第一声がそれ?」

 

 おれのツッコミはむなしく宙に消え、ナミは全速力で船に向かってダッシュする。

 麦わらさんたちは戸惑いながらも錨を上げて、帆を張り、船を出す。

 お礼参り……間違えた、お礼も言わせずに立ち去るなど許さんとおっちゃんらがナミを止めようとするも、するするとスっていきながらナミはおっちゃんバリケードを抜け、船に向かってアイキャンフラーイ!

 見事に着地したナミは、懐からバサバサと財布を甲板に落とす。

 

「みんな、元気でね♥」

「や、やりやがったあのガキャーーッ!!」

 

 諭吉……あ、違った、一万ベリー片手に笑うナミに、おっちゃんらの怒りが有頂天。ノジコもさり気に盗られていた模様。

 みんなナミに向かって怒鳴り付けるも、徐々に内容が変化していく。

 

「いつでも帰ってこいコラァ!」

「元気でやれよ!」

「お前ら感謝してるぞォ!」

 

 ではおれも一言。

 

「バルス!」

「そんな物騒な単語叫ぶな!」

 

 ノジコにしばかれた。

 そして一通り叫び終わると、みんなして地面に座り込む。なんだかんだ言って楽しく別れたようだ。

 

「んじゃ、そろそろおれも帰りますわ」

「……………」

 

 言うと同時におれの体が透けていく。村のみんながざわめきだすが、ノジコが手で制すると、即座に静まった。

 

「行くんだね」

「まあ、そろそろ帰んないと、ばーちゃんに迷惑かかるしな。楽しかったぜ」

「こっちは気の休まる暇もなかったよ」

「HAHAHA! 子供ができたらそんなもんだ。ノジコも早くいい人見つけないと嫁き遅れるぞ」

「余計なお世話だよ!」

 

 そろそろ時間だな。

 

「んじゃ、また遊びに来るわ」

「…………いつでも待ってる。楽しくやれよ、バカ弟」

「! おう!」

 

 そして、おれは自身の体を消した。

 

 




シリア……ス?
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