『もっとこうしたほうが臨場感が出る』等々、よろしければアドバイスを頂ければ幸いです。
では、どうぞ~
――さて、どうするか。
とは言ったものの、剣と無手が相対してやることなんて決まりきっている。相手はこちらの懐にもぐりこもうとする。こちらはそれを防ぐ。相手の攻撃が届かない間合いから、こちらの攻撃だけを当て続ける。そうすれば勝てる。戦闘だろうが戦争だろうが変わらない世の真理だ。
剣道三倍段、というわけにはいかないが、一般的にはわずかばかり剣の方が有利ではあると思う。そう、一般的には。
残念ながら、目の前にいる修羅はそんな一般論が通じる相手じゃない。僅かでも隙を見せれば簡単に懐に入られる。それだけであっさりと負けるつもりはないが、苦しくはなるだろう。
普通に攻撃しても避けられる、または防がれることは目に見えている。
――なら、小細工を弄してみるか。
左腕を軽く一振り。準備運動のための切り払い、じゃない。それに合わせて針が飛んでいる。それを追って自分から距離を詰める。防具を身に着けていない幻斎には防ぐ術がない。確実に避けられるだろうが、その避ける一瞬があれば十分だ。
――なんて目論見はそれこそ一瞬で打ち砕かれた。
驚愕する。幻斎もまた距離を詰めてきたことにじゃない。この男ならば前進しつつ針を避けるぐらいのことは難なくやってのけるであろうころは想像していた。が、不破幻斎という男はそんな想像を軽々と越えていく。
飛んできた針を避けるでもなく。腕などで防ぐでもなく。ただその胸で受け止めて見せたのだ。
「っ!?」
無茶をする。一歩間違えれば心臓に届くかもしれない。そんなこちらの考えはお構いなしに距離を詰めてくる幻斎。
――御神流奥義ノ参・射抜。
一射目。躱される。すかさず腕を引く。持ち手を滑らせ、捻りを加える。初太刀より疾い二射目。頬を斬る。浅い。更に距離が詰まる。拳の間合い。幻斎が構える。
――本命は、こっちだ!
右の小太刀を下から掬い上げるように切り上げる。やや水平気味の胴薙ぎ。同時に体を自ら詰めて、拳の勢いを殺す。
衝撃。
重い。が、耐えられないほどじゃない。それよりも。こちらの刃が、入っていかない。勢いを殺されたのはあるだろう。しかし、それでもおかしい。まるで、筋肉で止まっているかのような――。
――っなんだ!?
――――――――――――――――――世界が、引き伸ばされる。
こちらの腹に押し当てられたままの拳。何も変わりはない。止まったままだ。しかし、直感が危険だと告げている。右の小太刀は手放せない。全力で身体を捻り半身にする。
――――――――――――――――――そして世界が動き出す。
再びの衝撃。咄嗟に左手首を捻る。鋼糸を幻斎の手首に巻き付け縛り上げた。
吐く息が荒い。なんなんだ、今の業は。掠めただけで、肋が1本もっていかれた。
「虎砲も躱すかよ。つくづく、疾いな」
幻斎が言う。虎砲。虎のような一撃だった。
「なあ。1つ聞きたいことがあるんだが」
なんだ?殺し合いの最中に。そう思って視線を合わせると。
何かが、当たった。
思わず、右目を閉じる。
落下音。音の大きさからすると、小さい、粒のようなもの。この鈍い音は、鉛か何かか。今更そんなことがわかっても、どうしようもない。
「さっきの動き。そうそう連発はできないんじゃないのか?」
まずい。見破られている。両腕が掴まれた。足が払われる。巴投げか?足を絡めて投げを潰そうとする。幻斎と俺の身体が、折り重なって倒れていく。そのまま、放り投げられた。
なんとか受け身をとって立ち上がる。右目の視力はまだ回復していない。遠近感が戻らないままこの男と戦うのは――まずい。そう、思っていたのだが。
「――――やめだ」
先に立ち上がっていた幻斎は、ひどくつまらなそうな顔をしていた。
「……俺はまだ死んではいないぞ。議員を殺したいのなら、まず俺を殺してからにするんだな」
そう言って睨みつけるも、幻斎からは修羅の気配は既に消えてしまっていた。
「……俺は依頼された殺ししかしない。依頼主が殺されたなら、俺の仕事は終わりだ。そこまでの義理もない」
「なんだと?どういうことだ?」
それには答えず、幻斎は背を向ける。
「今回は、分けだ。次に会う時は――殺す気でこい」
それだけ告げて去っていく。理性では仕掛けるべきだとわかっていても――何もできなかった。
如何でしたでしょうか?
今回も相変わらず短いですねえ。そのうち3つを1話に結合する予定です。それでようやく短めの1話分になるかな?
このクロスで書きたい戦闘シーンはまだまだあるので、次の話を投稿するときにでも結合しておきます。
感想お待ちしております。