「いや~お世話になりました、面倒を見ていただいてありがとうございました」
「気にするな、もとを言えば私との闘いでの怪我なんだから面倒を見るのは当たり前だ」
「そうじゃぞ陽君、君がいてくれたおかげで百代も嬉しそうじゃったからな。またいつでも来てくれ」
「な!?べ、別に嬉しそうなんかじゃなかったぞ!私のせいなんだから責任をとって世話してただけだ!変なこと言うなジジイ!」
「フォッフォッフォッ、これはすまんな、年寄りが余計なことを言ってしまったようじゃ。しかし、いつでも来ていいというのは本当じゃぞ?陽君が来てくれれば一子もよろこぶじゃろ。それに消力といったか?あれももっと見てみたいしの」
「まぁ機会があればそのときにでも……」
「ふむ、いやそうじゃの、まぁ無理にとはいわんよ。それじゃあ、あとは若い二人に任せて年寄りは稽古にもどるとしようかの。お大事にの陽君、百代をよろしくたのむぞ」
スタスタ
「まったくあのジジイは……さっきジジイが言ってたことは気にしないでいいからな?」
「消力を見せるってやつ?まぁあんまし見せる気はないから大丈夫だよ、鉄心さんも戦闘狂っぽいしね」
「いや、そっちじゃなくて私が嬉しそうだったとか言ってたことなんだが……ま、まぁ、気にしてないならいいんだ!」
「ま、とりあえず世話してくれてありがとね、百代ちゃんみたいなかわいい娘に世話してもらって男冥利につきるよ」
「な!?い、いきなり変なこと言うな!?///」
はい、ということで今回川神院にお世話になってわかったことが1つあります。
それは……
百代ちゃんオレに惚れてるわ。
これは自意識過剰とかではない、決して。だって面倒みてくれるときも挙動不審になるし、今日の朝御飯も俺の卵焼きだけあからさまに形悪かったし、俺が食べるときすっごい気にしてたもん。
いや、マジで、さすがに気づくわこんだけあからさまにツンデレヒロインみたいな言動されたら。
「だいいち、私なんて武道ひとすじで家事もろくにできないし……かわいくなんてない」
「そんなことないよ、百代ちゃんは美少女だから自信もって。自分でも言ってたじゃん、かわいいよ」
「!?……あまりからかうな//////」
ヤベェ、かわいい。
ちょっとからかいすぎな気もするけど、真っ赤になってうつむく百代ちゃんがかわいいのが悪い。普段とのギャップがデカイ分破壊力もとんでもないことになってる。
なんだこれ戦闘力53万はくだらないぞこれ、スカウター壊れそう。
第一、筋力がゴリラだとしても外見はマジで美少女だしね百代ちゃん。だってエロゲのヒロインだぜ?かわいくないことがあるだろうか?いやない!
「と、とにかく!怪我が治ってよかった!……陽が闘ってくれたおかげで私にも目標ができたしな、本当にありがとう」
「目標?」
「あぁ、陽に勝てるようになろうと思ってな、今まで負けたことはなかったし、始めて負けて悔しかったが……それ以上に嬉しかった、私よりも強いやつが、それも年下にいるなんてな……。本気で陽に勝ちたいと思ったんだ。だから、私が陽に挑めるくらいにまで強くなったら、そのときはまた私と闘ってくれるか?」
「ゆーてオレもギリギリだったからほぼ引き分けぐらいだと思うんだけどね……、まぁ百代ちゃんがそれで納得できるんなら受けてたつよ。てか、今より百代ちゃん強くなったらオレがヤバくね?……本格的にトレーニングしようかな……」
「陽もまだ強くなるのか……楽しみだな!だが、今度こそ負けないぞ!……それに、私が勝ったら言いたいこともあるしな……///」
ボソッ
「ん、最後何か言った?」
「い、いや、なんでもないぞ。ほ、ほら!もう元気になったんだから早く帰れ!私も陽に勝つために修行しなきゃいけないからな!」
「はいはい、じゃ~帰るね。面倒見てくれてありがと、百代ちゃん」
「ああ、気を付けて帰れよ」
「うん……あ、そ~だ、百代ちゃん」
「なんだ?」
「今日の朝ごはんの玉子焼き、美味しかったよ。ごちそうさま」
「な!?お前!?気付いてたのか!?///」
「じゃ~ね~」
スタスタ
「おい!こら!……まったく、あいつは……美味しかった、か
……よかった……///」
-帰り道-
「おーい!陽ーーー!」
「あれ?天衣さんじゃない、どしたの?」
「どうしたもなにもお前を向かえに来たんだろうが」
「それはそれは、わざわざありがとね」
「もう少し早く来たかったのだがな、ピトーにご飯をあげていて遅れた」
「そか、それにしてもごめんね?百代ちゃんとの闘い見たいって言ってたのに」
「気にするな、鉄心さんに連れ去られたのだろう?ならばしかたがないさ。しかし、あのときは本当に心配したぞ。起きたら陽がいなくてその日一日帰ってこなかったからな、町中を探し回った」
「面目次第もございません……」
「しかし陽の本気を見れなかったのは残念だったな……、百代に勝ったのだからなおさらだ」
「そういえばそのうちまた百代ちゃんと闘うからそのときはちゃんと天衣さんも呼ぶよ。……そだ、そのときまで天衣さん、オレと修行してくれない?たまにでいいからさ」
「陽と?どういう風の吹き回しだ?いつもは少し体を動かすぐらいしかしないというのに」
「いやね、なんか今回の闘いで百代ちゃんに火着けちゃったみたいでさ、ちょっと鍛えとかないとヤバイかなって」
「そうか……わかった!そういうことなら私が修行の相手になろう!頼ってくれていいぞ!」
「ありがとね、でもそんなに張り切らないで大丈夫だからね」
「そうと決まれば今日は豪華に外食でもするか!陽が百代に勝ったお祝いをしよう!」
「お~いいね~川神院のご飯も美味しいんだけど健康的な感じで……久しぶりにジャンキーなものが食べたいかな」
「ふむ、ならちょうどいいしそこの梅屋にでも入るか?お昼時だしな」
「いいね、そうしよか。あれ?でもここの梅屋ってたしか……まぁいいか」
ウィーーン
「いらっしゃいませ~」
「あ、やっぱり釈迦堂さんいる」
「お、陽じゃねーか、そーいや今日帰るとか言ってたか」
「む?釈迦堂さんじゃないか、梅屋でバイトをしてたのか」
「そっちは天衣か、まぁな、ここでバイトしてりゃ豚丼が食えるからな。ここに座れや、陽の復帰祝いってことで一杯おごってやる」
「お、マジで?さすが釈迦堂のアニキ、カッケーっす」
「いいのか?ならばありがたくいただこう」
「おう、食ってけ食ってけ。お前に負けたせいか最近百代が急に成長しててな、オレも楽しいからよ」
「マジすか……こりゃ本格的に修行しなきゃだな……」
「なんだ?百代とまた闘うのか?」
「さっきリベンジしてやる的な宣言をいただいてきたところですよ」
「安心しろ、私が修行の相手をしてやるんだ。私だって、最近は百代といい勝負なんだぞ?」
「ほー、お前修行すんのか……オレが相手してやろうか?百代と同じ川神流だしよ」
「マジ?そりゃありがたいわ、じゃ天衣さんと交代な感じでお願いできる?釈迦堂さんなら加減とかいらなそうだし……」
「おいおい、さすがにお前のあの百式観音とかいうバケモン本気で食らったらオレも耐えらんねーぞ」
「いや、さすがにそこまではしないけどね」
「……むぅ、私だってそこそこ強いんだぞ……そりゃ百代や釈迦堂さんには負けるかもしれないが……」
イジイジ
「大丈夫大丈夫、天衣さんは強いから、天衣さんも修行お願いね?ほら、豚丼食べて元気出して、おいしいよ~はい、あ~ん」
「!?ちょっ!?」
「あ~ん」
「むぅ……///」
パクッ
「昼間から見せつけるねー、大丈夫か?そんなことしてっとそのうち百代にぶん殴られるぞ?」
「まぁ天衣さんはペット的なポジだからセーフでしょ、ほら、あとは食べられるね?」
「ば、バカにするな!///まったく!だれがペットだ!」
バクバク
「のどに詰まらせないように気を付けてね~」
「ま、せいぜいうまくやるんだな。修行する場所はあそこの河原でいいか?」
「あそこのって、オレと釈迦堂さんが始めて会ったとこ?」
「そーだよ、あそこら辺に適当に来いや、あそこならオレの弟子もいるしよ」
「え、釈迦堂さん弟子とかいたの?てか大丈夫なん?それ、鉄心さんに怒られそうだけど……」
「ジジイには許可とってあるから大丈夫だ」
「ふむ、陽と釈迦堂さんは川神院で出会ったのではないのか?てっきりそうだと思っていたのだが」
「いやいや、釈迦堂さんとは百代ちゃんと会うより前に知り合いだったよ、たしかオレが中1のときだったかな……盗んだバイクで走り出そうと思ってたんだけど
バイクの盗み方がわからなくて、知ってそうな人に声をかけたら釈迦堂さんだったんだよね……」
-過去・河原-
「…あの~すいません、つかぬことをお聞きしますが
どうすればバイクを盗めるかご存じですか?」
「あ?いきなりなにいってんだ坊主?」
「いえ、ですから、どうすればバイクを盗めるのかと思って……あわよくばそのまま走り出したいので操作方法も教えて欲しいのですが……」
「普通に犯罪じゃねーか、ダメに決まってんだろーが。……つーかなんでオレにそれを聞いたんだよ」
「いえ、平日の昼間から河原でたそがれている人なら
なにかしらそういった知識を持っていてもおかしくないかな、と思いましてなんとなくそういったことできそうな顔ですし」
「……まぁ確かに平日の昼間から河原にいるような大人はまっとうな大人ではねーわな。てか、そういったことできそうな顔ってどーゆう意味だおい?それに平日の昼間から河原にいるならお前も一緒だろうが、学校はどうしたんだよ」
「いや、実は四時間目の体育で二人一組になってと言われたときに、余ってしまい先生と組むことになったのですが、ふと『あれ?オレもしかしてボッチじゃね?』と気づきまして……ちょうど昨日15歳になったので衝動的に盗んだバイクで走り出そうと思い、昼休みに抜け出した次第です」
「……よくわかんねーが、とにかくバイクを盗むのはやめとけ。オレもバイクの盗み方はわかんねーしよ」
「はぁ、そうですか……なら今回は諦めるとします……ところであなたはこんなところでなにをしてるんですか?もしかして無しょ……いえ、フリー……でもなくて、えーと……プーなんですか?」
「おい、なんでそれ選んだんだ、まだ無職のがましだろどう考えても……まぁ、まちがっちゃいねーがな。つっても一応仕事はしてるぞ?あんま人には言えない仕事だがよ」
「パチンコですか?」
「ちげーよ、お前オレのことバカにしてんのか?」
「まさか、滅相もないです、あなたみたいな、まるで用心棒とか荒事でお金稼いでそうな人をバカにするわけないじゃないですか」
「…………はぁ、なんかお前と話してると調子狂うな」
「ありがとうございます」
「褒めてねーよ。ったく、用事がすんだならさっさと学校にでも行け」
「いや、今日はもう行きませんよ、めんどくさいですし。それよりもお話しましょうさすがに平日の昼間だけあって人がいないのでオレも暇なんですよ」
「なんで俺がお前と話さなきゃなんねーんだよ」
「オレが暇なので、ほら、なんか悩みとかでもいいですよ、聞くだけ聞きますよ」
「聞くだけかよ……ガキに話すことなんてなんも……いや、待てよ……おい」
「なんですか?」
「お前は力を求める事をどう思う?」
「力ですか?」
「そう、力だ。他の奴等は誠心を鍛えろだのなんだの言って、仲良しこよしで中途半端な力で満足してるなか、ただ一人で相手を打ち倒すためだけの力を求める奴を
お前はどう思う?」
「はぁ、どう思うと言われましても……まぁ、自分が欲しいだけ力を求め続ければいいんじゃないですか?」
「……そりゃなんでだ?」
「そりゃ男なら強い力を欲しがるのは当然じゃないですか、他の人達も力が欲しいから鍛えてるんだろうし……
……きっとその人たちは満足しちゃってるんですよ。で、あなたは満足出来てない。なら、あなたがもっと力を求めるのはフツーのことじゃないっすかね?」
「…………フフッ!……ハッハッハッハッ!」
「え、なんかバカうけしたんだけど」
「男だから強い力を欲しがるのは当然か……そりゃそうだ、……そうだよな、いちいち他の奴の意見なんか気にするなこたぁねーよな。俺は俺が欲しいだけ力を求めりゃいいんだよな」
「あら?この人戦闘狂だった?やべ、適当なこと言いすぎためんどくさいことになんなきゃいいけど……」
「ありがとよ、坊主、お前名前はなんて言うんだ?」
「あ、はい、浅倉陽と言います」
「浅倉陽か……俺は釈迦堂刑部ってもんだ、お前のおかげでスッキリしたぜ。どうだ?話聞いてもらった礼にそこの梅屋にでも行かねーか?奢ってやるよ」
「マジすか!行きます行きますいくらでもお話聞きますよ!」
「んじゃ行くか!実はよ、俺は川神院で修行しててな、そこのルーってヤツがムカつくヤツでな……」
-現在・梅屋-
「って感じだったよね確かに」
「あぁ、まさか中1のガキに教えられるとは思わなかったぜ、そのあと行った梅屋で、こいつに梅屋でバイトすれば?って言われてな、それからここでバイトしてるってわけよ」
「なるほど……陽は昔から適当だったんだな……」
「あ、やっぱわかる?」
「今の話を聞いたら誰でもわかるだろうが……」
「まぁそんなこんなでコイツとはちょくちょく河原で会って話すようになったって感じだ、そこそこ戦えるのは知ってたが、まさか百代に勝っちまうほどだとは思わなかったがな」
「ふむ、陽は気を隠すのが上手いから見ただけじゃ実力なんてわからないしな、私も最初会ったときは普通の少年だと思ったしな」
「思いで話もこれくらいにしよっか、お店もこんできたみたいだし。じゃ、釈迦堂さん、今度修行よろしくね」
「おう、まかせとけ」
「ごちそうになった、ありがとう釈迦堂さん、それじゃあ失礼する」
「ありがとうございましたー」
ウィーーン
-自宅-
「ただいまピトー!!!」
ニャー
帰宅すると同時に足元にすり寄ってくるピトー、なんだこれ?こんなかわいい生き物いていいのか?マジ百代ちゃんとか足元に及ばないレベルなんだけど。いや、そんなこと言うと殴られそうだから言わないけど。
「よーしよしよしよし、長い間留守にしてごめんな~会いたかったぞ~」
ギュー
ゴロゴロゴロゴロ
ニャーニャー
「……相変わらずピトーにはデレデレだな……」
「当たり前だろうが!ピトーにデレずにいることができる人がいるだろうか、いや、いない!」
ニャーニャー
「ピトーがかわいいのは認めるがな……」
「ほらほら、ここがええんか?ここがええんか?」
ウニャーン
「………………」
「もう、かわいいな~、かわいいな~……あれ?ん?……あ、うん、やっぱかわいいな~」
ゴロゴロゴロゴロ
ニャーニャー
「お、おい、私にもちょっと抱かせて……」
「もう一生キミを離さないよ」
ギュー
ニャー
「おい!聞いてるのか!私にもピトーを抱かせろ!
おいったら!無視するなよ~!」
-深夜・森にて-
森は静寂に包まれていた。
深夜のため辺りは暗く、わずかに木々の隙間からのぞく月明かりのみが地面を照らしている。
男が一人、森の少し開けた場所に立っていた。
その男はまるで全身の力が抜けているかのように、ダラっと腕を垂らし直立している。
次の瞬間、男の背後になにかが現れた。
そのなにかはまるで観音様のような姿をしており、背中から沢山の腕を生やしていた。
そしてその腕の一本一本がまるで男と連動しているかのように力が抜け、揺れている。
ふと、男が呟く。
百式観音・消乃掌
ゴッ!!!!
それを認識できる人間は、おそらく存在しないだろう、それほどの早さの一撃だった。
脱力状態だった観音様から放たれた掌打は、男の目の前の地面に炸裂し、穿った。
地面には掌の形に穴があき、深く傷跡を残した。
この技を人に向けて放てば恐らくは体が粉々に吹き飛ぶであろう、そう簡単に予想させるほどの一撃だった。
「……………………………………………………
……………………………………………
………………………………
……………………
…………
……
え?なにこれ?」
百代のキャラがマジでツンデレヒロインみたいになってるんだけどどーしよこれ
このままでいーんかな
いや、まぁいまさら治さないけど
というわけで、はい、まぁこんな感じです
なんかすいません