百代ちゃんに目をつけられてから何日かたった。
あれから毎日怯えながら、絶や円を使いまくってなんとか見つからないようにすごしてきた。
極力家から出ないようにし、学校に行く以外には買い物すらあまり行かないようにしている。
ニャー
しかし、ここにきて下校途中だというのに足を止めざるをえない事態に遭遇している。
ニャー
万が一に百代ちゃんと遭遇してしまったらもう一度逃げられる保証はないにもかかわらず、なぜおれが足を止めているかというと…。
ニャー
このあいだ助けた小猫が足にすり寄ってきたからである!!
半端ねーカワイイなにこれなんて生き物?いや、小猫だけどさ。
俺この前助けたときに覚えたのか、俺のこと見つけてすぐ足にすり寄ってきたんだけど、マジこの前助けてよかったわ百代ちゃんに見つかったこととかもうどうでもいい。
この子が無事ならなにもいらない。
「陽?大丈夫?準が小さい女の子に近づいたときみたいな顔してるよ?」
「それはヤバい、犯罪者みたいな顔ってことじゃん」
「おい、犯罪者っておれのことか!?」
「自覚ないのが一番怖いからなー、準のロリコンっぷりは通報レベルだってのに」
実際に公園で遊んでるロリに声をかけて何度か通報されてるから、マジで救いようがない。
「だれが犯罪者だ、おれは幼女に手をだしたりしない。幼女はながめているだけで十分なんだ!あわよくば頭を撫でたりできればいーなーと思ったりもするがしかし、そんなことしないでも…」
「おい、冬馬このロリコン早いとこどうにかしないとそのうちマジで捕まるぞ」
「準の幼女趣味は筋金入りですからねー。いまさら治すのはむずかしいのではないでしょうか。」
「陽が叩けば治るんじゃない?」
「その手があったか!えらいぞ小雪~」
「えへへ~ 僕は天才なのだ~」
とりあえずハゲの治療だな。
「えいっ」
ゴッ
「ッ~~!」
あれ?強すぎたか?このハゲおもいのほか耐久値高いからちょっと強めにしたんだが…。
「いきなりなにすんだ!頭凹んだかと思ったわ!あれ?凹んでないよね?おれの頭大丈夫だよね?」
「大丈夫ですよ、いつもどうりです。」
「あはははは ハ~ゲハ~ゲ」
「大丈夫そうだ、よかった。ちょっと凹んだかと思った」
「お前自分の力ちゃんとわかってる!?おれの頭凹んだらどーすんの!?」
「準の頭はどーでもいーのだ、それよりさっきから陽の足にすり寄ってるこの小猫は陽のペットなの?」
「あれ?小雪ちゃん?どーでもいーの?おれの頭凹んじゃうんだよ?」
「違うよー小雪。この前挽かれそうなところを助けたんだけど覚えてるのかなつかれちゃって」
足に体をスリスリとしてくる小猫ギャンカワ。
「轢かれそうな小猫を助けるとはさすが陽、優しいですね。」
「おれにも少しでもその優しさを分けてくれよ…」
とりあえず準はおいておこう。
「この小猫はどうしたらいーだろーか。すり寄ってこられると離したくなくなる、てかもうすり寄ってこないでも離したくない。連れて帰る」
「飼う気まんまんじゃねーか」
「じゃーこのプリティーな小猫をこのまま放置して帰れと言うのか!お前それでも男か!もしお前の足元に幼女がすり寄ってきたらお前はどーするんだ!」
「家に持ち帰るに決まってんだろーが!!」
「くたばれこのロリコンが!」
「あれ?陽が言ったよね今?ひどくない?」
「準をけなしているところ悪いのですが、陽はたしかアパートで一人暮らしでしたよね?アパートはペットは大丈夫なのですか?」
「準のはただの犯罪なのだ~」
そーいえばうちのアパートはペットは大丈夫なのだろうか?大家さんに聞いたことないけど……。
「大丈夫なんじゃね?ペットみたいなの家にいるし、あと一匹ぐらい増えても大丈夫だと思うんだよね~」
「そーいえば、陽の家って行ったことねーけどペットなんて飼ってるのか?」
「うん、ペットっていうか居候ってかんじだけどな。小雪は会ったことあるよな?」
「うん、前に遊びに行ったときに一緒に遊んだのだ~。天衣とは友達なのだ~」
「お前…ペットじゃねーだろそりゃ、てかあれ?名前からして女か?もしかして幼女じゃねーだろーなー!?」
「ちげーよ。普通に女性です」
「女性と同棲ですか…さすが陽ですね」
「天衣とはよく遊ぶのだ~」
まぁ、しょーがないんだよね天衣さんの不幸体質なんとかできんの俺ぐらいなんだから…。
天衣さんもこの子のかわいさを見たらいちころだろな……。
「よし、決めました。この子は今日からうちの子です」
「お~ おめでと~」
「よかったですね。この子の名前はなににするんですか?」
「おれはこれ以上大きくならないようにと願いを込めてロリという名前を推薦する」
「おいハゲ、テメー願望でうちの子汚すんじゃねーよ。半径一メートル以内に近づくな、ゲーハー菌がうつる」
「やめろー、小学生みたいなイジメするなよー」
「ハ~ゲハ~ゲ」
「やはりここはこの子を助けた陽が決めるのが、この子にとってもいいのではないですか?」
「なるほど、一理ある……ならば俺が決めることにしよう」
ネコということは…ハッ!?
すばらしい名前があるじゃないか!
「決めたぞ、お前の名前は今から『ピトー』だ!」
「ピトーですか、なんだかわかりませんが強く育ちそうそうな気がする名前ですね」
「かわい~のだ~」
「ロリ…なんでもないです」
「よし、名前も決まったところで今日はこの子を飼うために必要なものを揃えなければ!行くぞピトー!」
「行っちゃったのだ」
「相変わらず速いですねー」
「行くぞって…抱えてんじゃねーか」
ふぅ、なんとか必要なものは揃った。
まさか店内にペットを持ち込み禁止とは予想外だったが、預かってくれる優しい人がいてよかったよかった。
「かわいーなーピトー、なぁ私にも抱っこさせてくれよーいーだろー」
まぁ百代ちゃんなんですけど…
「わかったから揺らさないでピトー酔ってるから、潰さないように気を付けてね?」
「潰すか!小猫ぐらい私にも抱っこできるわ。うわぁ、かわいーなーコイツもらっていーか?」
「いいわけあるかぶっ飛ばすぞ」
「そ、そんな怒るなよ、冗談だって。真顔で言われるとホントに怖いな」
「ならいい」
「てゆーかぶっ飛ばすぞってことは私と戦ってくれるの
か!?」
しまった!?ついノリで言ってしまった……。
「いや、今のはあれだよ、言葉のあやっていうかなんというか……」
「へっへっへっ、ちゃんと聞いたからな。今日こそ戦ってもらうぞ。あれから毎日探してたのに全然見つからなくてちょっと諦めようかと思ってたからな」
やっちまった、大人しく諦めてくれればよかったのに。
……しかたない、こうなったら腹くくるしかないか…。
「よーしそれじゃあ私の家が近いから道場でやろう。勝った方がピトーを飼うってことでいいな?」
「よくねーよ!?なにいっちゃってんのあんた?ホント根っからのジャイアニストだな」
「いーじゃないか私だってピトー飼いたいし、それにお前が負けなきゃいい話しだしな。まぁ私に勝てたらだが」
このアマ調子にのりやがって、なんだその絶妙に人をイラッとさせる顔は。
しかし、俺はコイツよりも精神年齢が大人だからな。そんなバカみたいな賭け乗りませんよ、多少は付き合ってあげてもいいがな。
「しょうがない……、じゃあ広い場所にでも案内して」
「お!やっとやる気になったか!よしそれじゃ早く行くぞ、着いてこい!」
まぁ子供のわがままに付き合うのも大人の役目ですからね、決して煽り顔がムカついたとかではないですよ?ないったらない。
お、あれが川神院か……デカくね?想像の3倍ぐらいデカイんだけど。
「ここが私の家だ、道場はこっちだからついてこい。へっへっへっ、まぁ負けてもピトーには会わせてやるから安心しろ。」
コイツ絶対もう勝った気でいるよね間違いないよね。
チクショー武神だかなんだかしらねーが絶対負けねー。
「ジジイー道場借りるぞー」
「百代帰ってきてたのか、貸すのはいいがなにに使うんじゃ?」
「コイツと戦う」
「……この少年とか?冗談じゃろ?」
「いや、ホントだ。ポンコツに見えるけど隠してるだけで気の量もなかなかだぞコイツ」
おいおいジジイいるとか聞いてないよ。
まぁ大丈夫だよねたぶん、前に会ったの小学生のときだし、覚えてないよね?
「オヌシ、本当に百代と戦う気か?」
「いや、戦う気はないっすよ?」
「な!?おい、戦うっていったじゃないか!」
「勘違いするな、戦うなんて俺は一言も言ってないよ?
広い場所に案内してくれって言っただけで」
「ふざけるなよー、じゃあなんでここまでついてきたんだよー」
「話を聞きなさい、戦わないけど一発だけ百代ちゃんの本気の一撃受けてあげる。もしも俺が百代ちゃんの一撃を受けきったら俺の勝ち、耐えられなかったら百代ちゃんの勝ち、どう?」
「お前、ケンカ売ってるのか?」
「俺は本気だよ?ピトーも返してもらいたいし、ここまでついてきたのも百代ちゃんが買い物手伝ってくれたからそのお返しだし。じゃなかったらすぐに帰ってるよ」
「………いいだろう、その条件でやってやる」
「オヌシ本気か?女だと思ってたら死ぬかもしれんぞ?」
「たぶん大丈夫です」
さすがになんの考えもなしに原作チートにこんなこと言わないからね。
「ただし、お前が負けたらちゃんと戦ってもらうからな!」
「いーよー」
「ハァ、どっちも退きそうにないのぉ。しょうがない、治療の準備をしておくから死なない程度にやりなさい」
物分かりのいいじいさんでなによりだ。
……てか大丈夫だよね?たぶん消力でなんとかなると思うんだけど…。あれ、いまさらながらちょっと不安になってきた。
どうしよう、激しく帰りたい。家が恋しい。
「容赦はしないからな」
「……ちょっとぐらい弱めでもいいんだよ?」
「行くぞ!」
あ、ヤベェ
side鉄心(ジジイ)
百代が道場を貸してくれというからなにをするのかと思っていたら、いつのまにかワシも初めてみる普通そうな男の子に百代が一撃ぶちこむことになっていた。
あの子は大丈夫なんじゃろーか。
普通なら止めるんじゃが、不思議とあの子をどこかでみたきがするのー。本人もなぜか自信がありそうじゃし、まぁ死にはせんじゃろ。
と、思っていたら、百代が本気でぶちこんだ。
……これはヤバいかのぉ。
side百代
やっと戦えると思ったらなんだコイツは!
私の一撃を受けきるだと!
ケンカを売るのも大概にしろ!
そんなに受けたければ喰らわせてやる、後悔してもしらないからな!
……と、アイツに当てる瞬間までは思っていた。
しかし、アイツにあたった瞬間、アイツがなんであんなに自信まんまんで攻撃しろと言っていたのか理解した。
なんだあれは!?確かにアイツの体の中心を捉えたはずだったのに、まるで布でも殴ったかのような感覚だった…。
当たった瞬間にわかった。
これは私の負けだと。
side第三者
それは不思議な光景だった。
百代の攻撃を前にして少年はまるで全身の力を抜いているのか、ダランと腕をたらし、いかにも自然体といった格好で恐れている様子も見えない。
そして、百代の一撃が決まる。
それは大人がうけても耐えきることは不可能であろう、そう直感でわかるほどの速さと重さをそなえていた。
たしかに百代の一撃は少年の体を捉えていた。
しかし、百代の一撃を受けた少年はなんと、そのまま空中で何回、いや何十回と回転し、そのまま何事もなかったかのようにスタッと着地したのである!
驚くことに少年は百代の一撃のダメージを、空中で回転することにより殺しきったのだ!
side鉄心(ジジイ)
こりゃ驚いた!?
あの少年は一体何者じゃ!?
百代の一撃をダメージを欠片も残さず受けきるなど四天王でもできるかどうか、いや おそらくできんじゃろう。
しかも気も使わずに身体能力だけで受けきるとは…、あの年でいったいどうやってあれほどまで極めたのか、もしかしたら、彼は百代以上の天才なのかもしれんなぁ。
side陽
恐ッ!
なにあれ速すぎでしょヤバいって死ぬかと思ったわ!
武神マジチートだわ消力なかったら死んでたってマジで!
なにはともあれ勝負には勝ったんだから面倒が起こる前にピトー回収してさっさと帰ろう。さぁ帰るよーピトーおいでー。
早く家帰ってみんなでご飯食べよーなー。
「………おい、聞いてるのか!」
「なんですか、もう勝負終わったんで帰るんです、邪魔しないでくださいー。早く帰ってピトーに癒されるんですー」
「今のはなんなんだ!どうやって私の一撃を受け流したんだ!」
「あれだよ、気合い的ななにかだよ」
「気合いでどうにかされてたまるか!私の本気の一撃だったんだぞ!」
「それはまた今度あったときに説明してあげるから、今日は帰してお願いします。居候がお腹を空かせて待ってるんです」
「嘘つけ、そんな嘘でだまされてたまるかちゃんと、説明しろ」
「嘘じゃないから!?これを見ろ!」
from スピードクイーン
かゆ、うま
「…大丈夫なのかこれ?」
「だからいってんだろーが早く帰んないとって、勝負の前のこんなん届いてマジで驚いたんだから」
「しかし、今逃がしたらまた見つけるの大変そうだし…」
「大丈夫だから、この近くの公園で小猫の散歩でもしてるから」
「ホントか!?」
「ホントだから今日は帰らせて、お願い」
「むぅ~ わかった、ちゃんと公園来いよ!明日だからな!」
「わかったわかったちゃんと行きます説明します。じゃ~お邪魔しました~」
「百代、あの子は一体何者じゃ?」
「あ!?名前まだ聞いてない!」
大変な一日だった。
まさか百代ちゃんに捕まるとは思ってなかった…。
まぁ百代ちゃんも小猫好きみたいだし小猫見せるために明日公園行ってやるか、じゃないと付きまとわれそうだし…。
まぁとりあえずは早くメシにしますか。
「ただいまー」
アッヒャッヒャッヒャッヒャッ
(*≧∀≦*)