はぁ~、朝っぱらから憂鬱だよマジで。
土曜日なのになんでこんなに早く起きてんだ俺は…。
いや、まぁ百代ちゃんとの約束があるからなんですけどね?
なんであんな約束しちゃったのかなー、でもいまさら行かないってのも百代ちゃんかわいそうだしなー、<円>使ったら百代ちゃんもう公園で待ってるし。
まだ9時だよ!?マジでどんだけ気になってんだよ…。
「ん?陽、もう起きてるのか?ずいぶんと早起きだな、いつもは土曜日だから12時まで寝ると言って聞かないのに」
「いやほら、昨日話したじゃん?百代ちゃんに絡まれたって、それで今日説明するって約束しちゃって……」
「約束したんなら行くべきだな、男として」
ですよねー。くそ、他人事だからってピトーと戯れやがって、腹立つなこの居候。
「……はぁ、しゃーねーから行くか。天衣さんピトーの面倒お願いできる?」
「まかせろ、ピトーには例え陽でも触らせないぞ」
「おいふざけんな、俺には触らせろや」
「冗談だ、どうせ百代はもう待っているんだろ?早く行ってこい、女の子を待たせるなんて男として失格だぞ」
くそう、正論すぎて言い返せねぇ。
……まぁさっさと終わらせるか。
「じゃ行ってきます、ピトーもいい子にしてるんだぞー」
ニャー
「いってらっしゃい、気をつけるんだぞ」
「あーい」
そーいや百代ちゃんピトーに会いたがってたっけか…。
……まぁ、いっか。
side公園
「なんでピトーを連れて来なかったんだ!?」
「ごめんって、また今度会わせてあげるから今日は勘弁してって。もう一回家帰るのはさすがにダルすぎる」
「くそー、ピトーに会えないんじゃこんなに朝早くに来た意味がないじゃないか!」
まぁピトーに対するその熱意は評価に値するな。
俺が百代ちゃんの立場なら家に乗り込んででもピトーに会いに行く。
「てかそもそも、ここに来たのって百代ちゃんが『どうやって拙者の攻撃を避けたんでござるか、教えて欲しいでござるぅ!』って言うからだよ?」
「おい、ふざけるな私がいつそんなオタクみたいなこと言った!」
「あれ?違うっけ?ごめん正直よく覚えてねーや、なにが知りたいんだっけ?」
「いや、質問の内容はほとんどあってるんだが…」
マジでか、さすが俺。
「じゃ簡単に説明するけど、あれだよ、体の力を抜いてフニャフニャになる的な?」
「ふむふむ、……それで?」
?
「……それでって?」
「いや、だから体の力を抜いてからどうするんだ?」
「え?終わりだけど…」
なにこの子、質問答えたのにポカーンとしてるんだけど、口のなかななんか突っ込んでやろうか?
「はぁ!?そんなわけあるか!そんな簡単なことで武神の一撃が無効化されてたまるか!?」
「ちょっと、うるさいよ。こんな朝早くに起きてただでさえ辛いんだから、もうちょっと音量さげて」
「納得できるわけないだろ!こっちは昨日からあの勝負とピトーのことで頭がいっぱいだったんだから!」
さりげなくピトーのことも考えてるあたりは評価してやろう。
てか本当にそんな感じだからなー。
「じゃーあれだよ、納得するまで好きなだけ攻撃していいよ。ほーらフニャフニャだぞー、ラカムのディレイションに負けないくらいフニャフニャだぞー」
「その動き止めろマジでイラつくから」
「ごめん、それじゃ動かないから。ほら、攻撃してきなー」
「いいのか?昨日のこともあるから容赦しないぞ?」
「いーよー 」
「それじゃ遠慮なく!」
~5分後~
「ハァ、ハァ、ハァ、本当に、力を抜いてるだけ、みたいだな」
「だから言ったべ?つーか五分はさすがに殴りすぎじゃね?」
てか正直五分間もサンドバッグなされるとは思わなかったわ、百代ちゃんマジで遠慮ねーな。あんなに空中浮いてると思わなかったもん、着地したときドヤってたけど百代ちゃんの顔ピカソだったもん。
「当たり前だ、お前は武神に、勝った男だからな」
「いや、勝ったって言ってもあんなルールじゃ武神に勝ったとは言えないでしょ。てか、めんどくさいからそんな称号欲しくないし」
「しかし、お前に私の攻撃は効かないからな…。もしかしたら私に勝って武神になれるかもしれないぞ?どうだ、一回戦ってみないか?」
「戦いませんー絶対嫌ですー暴力反対ですー」
「むぅ、つまらんヤツだな」
「それじゃもう用ないよね?帰っていいよね?てかもう帰ります。……ん?なんかすごい勢いで女の子がこっちに走ってきてるけど、百代ちゃんのお友達かい?」
「お姉さま~」
なんかセリフだけ見ると瞬間移動できるモノクロ女子中学生と勘違いされそうだな
「なに?百代ちゃんって学校でお姉様キャラなの?え、似合わなすぎでしょ爆笑もんだけどw。お姉さまってより姉御だろ常考w」
「お前やっぱり私と戦いたいのか?……あれは私の妹だ」
なんだ本物の妹さんなんだ、お姉様キャラの百代ちゃん見てみたかったのに。
オーッホッホッホとか言って……、あれ?字面的にはゴリラのが似合ッ!?
ゴウッ!!!
あぶなッ!!
「お姉さま、朝からこんなところでなにしてるの?あれ?この人だれ?お姉さまの友達?」
「そういえばワン子は昨日いなかったんだっけか、こいつは………あれ?お前の名前まだ教えてもらってなくないか私?」
「聞かれてないからね」
「なんだそれは、お前だけ私の名前知ってるなんて不公平じゃないか!教えろよー」
「いや、別にいいんだけどね?名前教えなくても話し進んじゃうから教えるタイミングなくしちゃって。俺の名前は浅倉陽だよ、ちなみに妹さんの名前は?」
「私の名前は一子よ!川神一子!よろしくね、陽君!」
「なんだこの子、川神さんの妹とは思えないほどかわいいなこれ。ほーら飴ちゃんあげるよーお舐めー」
「わーい!飴だー。ありがと!」
「なんか私の時と反応違すぎないか?てかワン子だけずるいぞ!私にも飴ちゃんくれ!」
わかったら落ち着きなさい、ほら、飴ちゃんあげるから。ちゃんとケンカしないで分けるんだよ?
「陽君いい人ね!」
「なにこの子チョロピーすぎておじさん心配なんだけど。大丈夫なの百代ちゃん?」
「まぁこー見えてワン子も川神流をならってるからな、そこら辺の不審者なんかには負けないと思うぞ?」
「へっへっーん、私も川神院の一員だからね!不審者なんて一発よ!」
「そっかーすごいねー一子ちゃん、強いんだねー」
「えへへへ、ありがとね」
うわーかわいいなーこの子、バカっぽくてすごくカワイイ。
「……ねぇ百代ちゃん、この子家にくれない?」
「いいわけないだろバカか。ちなみにワン子、こいつはもしかしたら私よりも強いかもしれないぞ?」
「ウソっ!?陽君ってそんなに強いの!?」
「こら、やめなさい百代ちゃん。こんなピュアな子供にウソを吹き込むんじゃありません」
「いや、でも実際防御だけ見たら間違いなく私よりも上手いぞこいつは」
「へぇー、陽君ってすごいのね!お姉さまにこんなこと言われる人なんておじいちゃんぐらいだと思ってたわ」
「いや、そんなたいしたもんじゃないと思うよ?ほら俺って攻撃できな………うん、できない。全然まったくできないから」
「なんか今変な間があったな……陽、お前なんか隠してないか?」
なんのことだかわかりませーん。
「百代ちゃんなにいってるかわからないよー、ねーわからないよねー一子ちゃん。ほーら飴ちゃん食べよーねー」
「わーい、飴ちゃんだー」
「はぁ、まぁお前がそういうなら無理には聞かなけどな」
「あれ?どうしたの?そんなにものわかりいいキャラだったっけ?百代ちゃんって」
「お前は本物にいちいち腹立つな…まぁそれはいい、実はちょっとお前に頼みたい事があってな」
「え、なに、面倒なこと?めんどくさいことは基本受け付けないんだけど」
「ちなみにこの頼みを聞いてくれないと今後お前を見かけるたびに戦いを仕掛けることになるぞ」
「なんなりとお申し付けくださいお嬢様」
珍しく百代ちゃんがシリアスな顔してるし、手伝ってあげるか。……あとで交渉に有利にたつためにもね。
「それでいい。じゃあちょっとこっちに来い、ワン子はここにいていいぞ、ほら私の飴ちゃんもやろう」
「うわぁ!お姉様ありがとう!」
~内緒話モード~
「で、頼みって一子ちゃんに関係すること?あんなあからさまに飴ちゃんあげて、百代ちゃんが自分のお菓子あげるとかありえないでしょ、ジャイアニズム的に」
「ジャイアニズムうんぬんは腹立つが、ワン子についてだとわかるのはさすがだな。……実は頼みっていうのはワン子にお前の武術を教えて欲しいってことなんだよ」
「え、なにそれめんどくさい。普通にやなんだけど」
「即答じゃないか……まぁひとまず話を聞け。お前はワン子についてどう思う?」
「かわいいと思う」
「即答じゃないか……いや、そーゆーことじゃなくてだな……ワン子の武術の才能についてだ」
なるほど、いやまぁ原作知ってるからわかるけどね?
「たしかに百代ちゃんの妹にしては気の量が少ないね」
「やっぱりわかるか?実はワン子は私の本当の妹じゃなくてな、わけあってうちの養子になったんだ」
「で、それがなんでおれが武術教えるなんてことにつながるわけ?」
「ワン子は川神流の師範代を目指しているんだ……まぁ師範代を目指すこと自体は特に問題はないんだ、ただ最近のワン子は修行をしすぎている。あれじゃ師範代になるまえにワン子の体が壊れてしまうだろう。そこでお前の武術ってわけだ、お前の武術は力を抜くことが大事なんだろ?だからワン子がその武術を教える振りをして修行という名目で体を休められるようにして欲しいんだ。ワン子も武術のためと言えば信じるだろうしな」
なるほど……そーゆーことなら手伝うのもやぶさかではないけど……。
「本当にそれだけでいいの?」
「それだけというと?」
「本当に武術を教える振りだけでいいの?あまり言いたくはないけどたぶんこのままじゃ一子ちゃんは川神流の師範代にはなれないんじゃない?」
原作知識を利用し、ドヤ顔でキャラに揺すりをかける……、ヤベェ今始めて転生者してる気がする。
踏み台のほうだけど……。
「………やはりお見通しか……そうだ、ワン子は師範代になるには才能がたりないし気の量も少ない…。本当のところはお前の武術をワン子に教えてもらいたいとも考えたんだ、お前の武術は気の量とは関係なく使えるみたいだからな。ワン子の助けになればいいなとも考えたさ、だけどもしお前の武術を教えてもらうことになってもワン子は川神流の修行を減らすことはないだろう。そうなったらさらにワン子の体を痛めつけることになってしまう。私には妹にそんなことをさせたくない、だからお前には武術を教える振りだけしてもらえれば十分だ。」
「つまりあれでしょ?修行の量を増やさず、かつ、体を休めさせて俺の使ってる武術を教えられれば問題はないってことでしょ?」
「そんなことできるのか!?」
「まぁ俺が使ってる消力っていうのはもともと中国武術でこれを使うのに筋肉はほとんど必要ないからね。基本的には感覚の問題だから教えられないことはないと思うよ?」
「そんな簡単にできるようになるものなのか?」
「なるわけねーだろアホか」
「なっ!?」
「でも一子ちゃんが師範代になるにはできるようにするしか今のところ方法はなさそうだからね、やらねーよりはやった方がいいでしょ」
「陽……、ありがとう」
「まぁ百代ちゃんが思いのほかいいお姉ちゃんしてるみたいだから、俺もちょっと力になりたいと思っただけだし」
「そうか?……そういわれるとちょっと恥ずかしいな」
並の踏み台転生者ならば、ここでニコポなりナデポなりで落としにかかるだろう……。しかし!俺はそんなことはしない、なぜなら!内心こっぱずかしくてしかたないからだ!
なんだよいいお姉ちゃんしてるから力になりたいって!気持ち悪いわ!と、いうことでシリアルにしまーす。
「なにより!一子ちゃんの喜ぶ顔が見たいっていうのが主な理由だけどね!絶対かわいいよねー写真とる用意しとかないとなー」
「お前は、……まったく、ちょっと見直したのに結局
そんな理由か」
「まぁいいじゃない かわいいは正義って言うし。ほら、はやく一子ちゃん呼んで報告してあげよーよ、ボッチで寂しそうなオーラだしてるし。子犬みたいな目でこっち見てるし。かわいいなー、ペロペロしたいなー」
「本当だ、ちょっと話しすぎたな。ペロペロしたら殺すからな。おーいワン子ーもうこっち来ていーぞー」
うわぁ笑顔がまぶしいな。百代ちゃんから一瞬マジの殺気が飛んできたけど気にしない、気にしないったら気にしない!一子ちゃんだけ見よ。
声かけられた瞬間に顔一瞬光ったよたぶん、こんなことならカメラ持ってくればよかった。
「すまんなワン子二人だけで話して」
「本当よ、仲間外れにされたかと思って私悲くなっちゃったわ。二人はなんの話をしてたの?」
「それなんだがなワン子、コイツが強いってことは教えただろ?」
「ええ、さっきお姉さまが言ってたもの。防御においてはお姉さまよりも強いかもって」
「実はコイツの武術は気を使わないんだ、私が習ってみようかとも考えたんだが私のスタイルではあまり使えなさそうだからな。そこでよかったらワン子に教えてくれないか頼んでたんだよ」
「ホント!?私気を使うのあんまり得意じゃないから教えてもらえるならすごい嬉しいわ!」
「フォッフォッフォッ、ワシの修行は厳しいぞ?途中で飽きてしまう(俺が)かもしれんがそれでも受ける気はあるか?」
「?陽君…よね?」
「返事はどうした!そんなんじゃあ師範代なんて夢のまた夢じゃぞ!ワシの修行を受ける気はあるのか!」
「!?、はい!私は師範代になるために強くならなくちゃいけないの、だからどんな修行でも絶対にやりとげます!」
「おい、なんだその胡散臭いキャラは。あんましふざけてるとブッ飛ばすぞ」
「うるさいよ、今いいとこなんだから静かにしてなさい!あとブッ飛ばすのはやめて。ゴホン、では一子よ、ワシの武術を学ぶからにはワシの修行内容に逆らうことは許さんぞ?それでもやるのか?」
「はい!」
「よろしいならば今からお前はワシの弟子じゃ、俺のことは老師と呼ぶように」
「はい!老師!」
「本当にお前にまかせて大丈夫なのか?不安になってきたぞ。……一回ブッ飛ばしてもいいか?」
「ダメに決まってんだろこのスットコドッコイ。まぁまぁとりあえず俺にまかせてよ、ちゃんと責任もって教えるからさ」
「むぅ、まぁ信じるとしよう。ただし、ワン子にあんまり変なこと吹き込むんじゃないぞ。ただでさえお前は変人なんだから」
「失礼な、俺はいたって普通の常識人だぞ。まぁ百代ちゃんはどうでもいいんだよ、今は一子ちゃんがメインだから」
「どうでもいいってひどくないか?」
「さぁ一子ちゃんそれじゃあさっそく修行をしようか……といってもまだ俺の武術がどんなものかも説明してないんだっけか。じゃあ、まずは一子ちゃんがこれから習う武術の説明から始めようか。説明しても大丈夫?」
「はい!」
うん、いい返事だ。
……なんかホントに師弟っぽくていいな、楽しくなってきた。
「俺の使ってる武術は消力というものだ」
「しゃおりー?」
うわ録音しとけばよかった。
ゴホン
「そう、この消力というのは簡単に言うと脱力することだ。体の力を完全に抜くことがこの武術のメインだ、身体中の力を抜くことでダメージを消すことができる。試しにここにいる武神に俺のことを殴ってもらおうか、じゃ百代ちゃんおもいっきり殴っちゃって」
「いくぞ」
ゴッ
クルクルクルクルクルクル……
シュタッ
「え!?」
「こんな感じでダメージを消すわけだ、わかった?」
「すごいです老師!空中で回ってお姉さまの攻撃を受け流すなんて!」
「そ、まぁこのレベルでできるようになるにはすごい時間がかかると思うから、ひとまずはダメージを少しずつ減らしていけるように頑張ろうか」
「はい!でも老師、質問なんですが。しゃおりーを使っている間は攻撃ができない気がするんですがどうするんですか?」
「それは私も気になっていたな、防御だけじゃあ武術として不完全だろ?」
「大丈夫なんだなーこれが消力も攻撃に使うことができるんです。だけどそれはまだ早いから修行がちょっと進んでから攻撃に使うことは教えようと思う」
「はい!老師がそう言うならそれまで聞きません!」
「えー、いーじゃないかーケチケチするなよー」
「テメーに見せたらケンカ売ってくるにきまってんだろーが、このスットコドッコイ。まぁとりあえず本格的な練習は明日から始める。今日はここまで、明日からはびしびし行くから覚悟しておくよーに」
「はい!老師、また明日お願いします!」
「うむ、励めよ」
「はい!それじゃ私ランニングしてきます!明日からよろしくお願いします!」
一子ちゃん元気いーなー、かわいいなー。
「じゃーなーワン子、練習頑張れよ」
「おい、スットコドッコイ。テメーも行けよ説明はもうしただろーが」
「なんでだよー遊ぼうぜー」
「うるせー、俺は帰って二度寝を満喫するだー。どうせ明日もここに来るんだから、そのときまたサンドバッグごっこしてあげるから」
「本当か!?なら今日のところは帰ってやろう。よーし明日こそお前にダメージあたえてやるからな!てゆーかお前、明日こそピトー連れてこいよ!絶対だぞ!」
「おー、頑張れ頑張れ。明日はピトー連れてきてあげるから期待してな。じゃ俺帰るから、百代ちゃんもさっさと帰れよー」
「おう、またなー よーしさっさと帰ってジジイ使って明日のために特訓してやる!」
なんかこわいこといってるけど、まぁめんどいしいいか
さてと、さっさと帰って二度寝しよ
「陽ー!」
どうしたどうした、ホントかまってちゃんだな百代ちゃんは。
「どーしたー」
「私は結構お前のこと気に入ってるからな!」
シュバッ
………恥ずかしくて全力疾走で逃げるくらいならやるんじゃないよ、まったく……。
ちょっとかわいかったじゃねーか
泣きたい気分だぜ( ´_ゝ`)