「そーいえば百代ちゃんってもうすぐ高校生だよね?」
「突然だな、まぁあと2ヶ月ほどで川神学園に入学するぞ。それがどうかしたのか?」
「いやー、百代ちゃんがよく入学できたなーって思ってさ。やっぱ鉄心さんが学園長だと孫補正とか掛かるの?」
「そんなわけあるか!ちゃんと入試を受けて合格したんだ!いくらジジイが学園長だからって簡単に入学できるわけないだろうが……あれ?もしかしたらできたのか?だとしたらあの地獄の勉強はムダだったんじゃ……」
「いや、まぁ冗談だからそんなマジで深刻な顔しないで、さすがにあの適当そうな鉄心さんでもそんなことしないでしょ……たぶん」
「そうだ、さすがのジジイでも孫だから合格なんてあるわけない。じゃないと天衣さんとの組み手をがまんしてまで勉強した意味がないじゃないか!」
「そうだよ、大丈夫だから、百代ちゃんの勉強はムダじゃなかったよ~。大丈夫だからその目からこぼれそうになってる汁を拭いて」
「美少女の涙を汁って言うな!まったく、不安になるようなことを言うんじゃない!」
「はいはい、あ、ハンカチで鼻かむのはやめてね。いくら百代ちゃんが美少女だからって鼻水はフツーにムリだから」
「かむか!まったく、私をなんだと思ってるんだお前は……あれ、今美少女って言ったか?おい!言ったよな!?」
「言ったけど、どーしたの?そんなに血相変えて不意に褒められたからってトキメキすぎでない?」
「トキメくか!いや~、でもまさかお前が私を美少女と思ってるとはな~。なんだかんだ言ってやっぱり意識してるんじゃないか」
なんだコイツ、ニヤニヤしてる顔がすんごい腹立つな。煽りレベル60はいってる。……腹立つから仕返ししよ。
「?なんで?美少女と一緒にいたらフツーの男の子なら意識するでしょ、鈍感系主人公じゃあるまいし。ましてや百代ちゃんみたいな美少女ならなおさらでしょ?」
「な!!!……そんな、いきなり恥ずかしいことを真顔で言うな……」
「なにが恥ずかしいの?百代ちゃんも美少女だって自分で言ってたじゃん。オレも百代ちゃんみたいな美少女と話せて嬉しいよ」
「………………」
あ、顔真っ赤で頭から煙でてる。まぁちょっとからかいすぎかな~って途中から思ってたけどね、とりあえず写真撮っとこ。
パシャッ
いや~それにしても原作開始まであと2年か~。正直なにすればいいか欠片もわかんね~な~。
いや、まぁなにかしなくちゃいけないってわけでもないんだろ~けど、そもそも原作も~うろ覚えだしな~。
たしか、金髪ツインテの武士娘とか赤髪ドM軍人とかクローン的なsomethingとかいろいろいた気がするけどルートとか覚えてないしな~。
なんかもう考えるのもめんどくさくなってきたな~。
……とりあえず今夜の夕飯は唐揚げにしようかな、マヨネーズかけてこれでもかというほどギルティな夕飯にしよう、そうしよう。
「……い、おい!聞いてるのか!陽!散々人をからかって、無視するな!」
「ちょっとまって、落ち着いて、!が多い、辛いから、そのテンション辛いから」
「人のテンションを辛いとはなんだ!まったく、人を褒めたと思ったら唐揚げとか呟きながらヨダレたらしやがって……。そもそもなんで私がここに来たのかもう少しで忘れるところだったわ!」
「いや、そんなこと言われても……百代ちゃんがいきなり真っ赤になってトリップするから、こんな風に」
「!その写真を消せ!」
「残念、すでに天衣さんに送信してある。これを消しても家に帰ればまた手に入るのだよ」
ここで渾身のドヤ顔をくらえ!煽り技が使えるのは貴様だけじゃないのだよ、百代ちゃん。
「くそ~!」
「まぁ落ち着きなよ、あとで組み手のときにでも天衣さんに消してもらえばいいじゃない。で、今日来た用事っていうのはなんなの?」
「……はぁ、あとで絶対消させるからな。今日来たのは他でもない、一子のことについてだ。」
「一子ちゃん?一子ちゃんならもうすぐいつもの修行するために来るけど、なんで?」
「いやな、お前のことは信頼してるんだがな……実は川神院で一子はお前に習っている消力といったか?あれを使わなくてな……本当に強くなっているのか、と思ってな。もちろんお前のおかげでちゃんと体も休めているし、ムリな修行は前よりもずっと少なくなった」
「あ~、なるほどね。それなら大丈夫、一子ちゃんはちゃ~んと強くなってるよ。そもそも消力を使うなって言ってるのはオレだしね」
「そーなのか?だけどなんで……」
「いやさ、一子ちゃんの消力はまだ試合で使えるかどうかっていわれる怪しい感じだからさ、一応のために試合では使わないでねって言ってあるんだ。まぁ今日あたりそろそろ実戦でも使ってみてもいいよって言おうと思ってたんだけどね」
「そうだったのか、ならよかった」
「なんかあったん?」
「いやな、実は川神院の中で、一子が前よりも修行をしなくなったからもしかしたら師範代になるのを諦めたんじゃないかってうわさをしているヤツがいるみたいでな……」
「なるほどね……自分もこの間まで師範代になるのは難しいと思ってた百代ちゃんには、そいつらをボコボコにするのもはばかられるわな」
「くやしいがその通りだ……しかし、一子が実戦で消力を使っても大丈夫なのか?怪我とかしないか?」
「その点なら大丈夫だと思うよ?さすがに刃物を受け流すのはまだムリだと思うけど打撃ならゼロとは言わないまでも、実戦でも10を1にするぐらいならできると思うし」
「本当か!?」
「まぁ、一子ちゃんもちょうど来たし。心配性のお姉ちゃんが安心できるように見せてあげましょう」
さっきから元気いっぱいな気がこっちに向かってきてるのが円でわかってたしちょうどいいでしょう。
「心配性のお姉ちゃんって、バカにしてないか?」
「……陽くーーーーん!!!」
「一子ちゃんも来たことだしその話は終わってからにしようか」
「ごまかしたな……」
「陽くーーーーん!!!あ、お姉さまもいるわ!陽くんはともかくなんでお姉さままでいるの?」
「実は今日は一子ちゃんに試験があります、そのために百代ちゃんを呼んだのです!」
「試験!?どうしようわたし勉強は苦手なのよ陽くん!」
「今まで散々修行をしてきたにも関わらず筆記試験を想像してしまうあたり一子ちゃんは本当にバカワイイな~」
とりあえず撫でる、無心で撫でる。あ、やっぱ無心はムリ、雑念入った。
「バカワイイ?わたしバカにされてるの?それとも褒められてるの?わからないわ」
「おい、聞いてないぞ。一子の試験に私が関係あるのか?」
「ん?いや、まぁちょうどいるんだしいいじゃん手伝ってよ」
雑念でもいいよね、仕方ないよね。ということで撫でる。
「まぁ手伝うのはかまわないが……おい、いつまで一子の頭を撫でてる気だ一子が溶けてるからそろそろやめろ」
「フニャ~~~~~~」
「ありゃ、いけないいけない。いつものクセで龍掌使うっちった、お~い、一子ちゃん戻ってこ~い」
「……はっ!いけないわ、陽くんのナデナデは気持ちよすぎていつも意識が飛んじゃうのよね」
「そう聞くとなんだかいやらしく聞こえるからやめようね」
「いやらしい?なにがいやらしいのかしら?」
「そうだね、それじゃもっと必死な感じて『意識がとんじゃう~!』って言って……」
「おい!一子に変なことを吹き込むな!というかお前まさか修行とかいって一子に変なことしてないだろうな」
「してないから!落ち着いて!落ち着いてその握りしめて、かつ振り上げた拳を下ろして!心臓に悪いから」
「どうせ効かないだろうが……で、試験っていうのはなにをやるんだ?私はなにを手伝えばいい」
「わたしも気になるわ、なにをするの陽くん?」
「簡単だよ、一子ちゃんが百代ちゃんのパンチを消力で受け流すだけ」
「は!?お前本気で言ってるのか!?」
「陽くん!?わたしも前よりも消力をできるようになったとは思うけど、さすがにお姉さまのパンチは受け流せないわよ!?」
「いや、さすがに本気でパンチしろとは言わないよ?今の一子ちゃんじゃまだ百代ちゃんの本気のパンチを受けたらどこかしらの内臓がパーンしちゃうだろうしね。だから百代ちゃんは5割ぐらいのパンチを一子ちゃんにしてあげて」
「いや、いくらお前が教えたと言っても私のパンチじゃ5割でも骨ぐらい折れてしまうと思うぞ?」
「そうよ、さすがにお姉さまのパンチは無事に受け流せる気がしないわ……」
「いやいや、なに言ってるの?今の一子ちゃんなら百代ちゃんの5割ぐらいならほぼダメージを残さず受け流せるよ?てか、百代ちゃんは一子ちゃんを過小評価しすぎだし一子ちゃんは百代ちゃんを過大評価しすぎ。それに今回の試験は実戦と違って受け流すことだけなんだからそれぐらい余裕です。それとも百代ちゃんは一子ちゃんを信じられないの?一子ちゃんは自分を信じられないの?」
「いや、そういうわけじゃないが……」
「わたしだって陽くんの修行のおかげで少しは前よりは強くなったって思うわ、でもいきなりお姉さまのパンチを受け流せなんて言われてもすぐには信じられないわよ……」
ボソッ
「……あ、そっか。一子ちゃん今までオレ以外の攻撃受け流したことないんだ」
「おい!今ボソッとなんか言わなかったか!?本当に大丈夫なのか!?一子の内臓がパーンなんてなったらお前の内臓全部売るからな!?」
「なに怖いこと言ってんの!?復讐しながらしっかり金稼ぐんじゃねーよ!?大丈夫だって一子ちゃん、自分を信じて」
「そんな……いきなりそんなこと言われても……今までお姉さまに手も足も出なかったのに信じられないわよ……」
困った、一子ちゃんが自信ないとは……。変に緊張したら百代パンチを受け流せないかもしれないしな~。
しょうがない、がらにもないがここは一つ、兄貴の名言でも借りるとするか。
「ん~じゃあさ、オレのことは信じられない?」
「陽くんのこと?……陽くんのことなら信じられるけど……」
「ならさ、オレの信じる一子ちゃんを信じてあげてよ」
「え?」
「今まで一緒に修行してきて一子ちゃんならできるって信じてる、だからこの試験をするんだよ。一子ちゃんが自分でできるって思わなきゃこの試験は意味がない。だからオレができるって思う一子ちゃんを、一子ちゃん自身が信じてあげて」
「……陽くんが信じるわたしを信じる……」
「そ、大丈夫。オレが信じてる。一子ちゃんなら絶対できるよ」
「……わかったわ、……わたしやる!
陽くんが信じてくれたわたしを信じるわ!」
「うん、そのいきだ!今の一子ちゃんなら絶対できるよ」
「よし!それじゃあお姉さま!わたしをパンチして!」
ミッションコンプリート、なんだよ百代ちゃん、意外そうな顔で見やがって。照れるからこっち見んな!
「たまにはいいことを言うじゃないか……よし!それじゃあ私も腹をくくるか!しっかりと受け流せよ、一子!」
「はい!!!」
いや~、それにしてもさすが兄貴だわ~、しみるわ~。
もうなんていうか自分で言ってて気持ちよかったもん、あんな兄貴になりてぇ~。
まぁぶっちゃけ今の一子ちゃんなら百代ちゃんの7割ぐらいならギリギリ受け流せそうだけどね。そこら辺はいきなりは危ないだろうし、実戦じゃ難しいだろうからね
ほどほどが一番だよね~。
って考えてる間にも百代パンチが炸裂~、クルクルしてストンッと。
やっぱり受け流せてるじゃん、オレの弟子だけあるわ~流石だわ~。鼻が高いわ~たぶん今のオレ、ウ○ップぐらい鼻高いわ~。
あ、いや、あれはないなさすがに。あれは高いっていうか長いもんな。
「おい!なにニヤニヤしてるんだ!ちゃんと見てたか!?一子が私のパンチを受け流したぞ!」
「陽くん!やったわ!わたし、お姉さまのパンチを受け流せたわ!」
「お~見てたよ~、じゃあ試験は合格ってことで。今日から一子ちゃんはここの修行以外でも消力を使うことを許可します!」
「ほんと!?じゃあ川神院でも消力を使ってもいいのね!」
「うん、百代ちゃんのパンチを受け流したことで自信もついたでしょ。自信がないまま使って、変に力んでケガでもしたら大変だからね」
「なるほど……陽にもちゃんと考えがあったのか……ちゃんと一子の師匠をしていてくれたんだな、疑って悪かった」
「まぁね、預かったからにはちゃんと教えてるつもりだよ。とはいっても、一子ちゃんはまだまだ消力を使いこなせてるわけじゃあない。もし緊張しすぎたり消力を使うときに怖がったりしたら上手く受け流せないこともあると思う、だから修行はまだ続けようと思うけど大丈夫?」
「もちろん!わたしまだまだ陽くんの消力の足元にもおよんでないんだから!これからも修行お願いね!」
「私からもお願いする、これからも一子を見てやってくれ」
「そんな頭下げないでいいから、じゃあ今日のところはこれぐらいにしとこうか。これからは川神院で実戦のなかで消力を使うことを覚えていってね、いざというときに使えないなんて笑えないからね」
「わかったわ!もし不安になってもさっき陽くんが言ってくれた言葉を思い出すから大丈夫よ!じゃあわたしはさっそく川神院に戻って消力を使ってみるわね!陽くん、お姉さま、ありがとね!勇往邁進!」
よく考えたら著作権とか大丈夫かな……大丈夫だよね?しょうがないよね?
しいていうなら兄貴がカッコいいのが悪い……いやいやいや、兄貴のせいじゃない。兄貴のせいじゃないけど、兄貴がカッコいいから、兄貴でその結果兄貴なんだから……よくわかんなかなってきた。
まぁいいや。
「おい、大丈夫か!どうしたんだ!急に虚空に向かって話し出すな、怖いから、なんだ!?そこになにかいるのか!?兄貴ってだれだ!?まさかお前の死んだお兄さんとかか!?頼むから帰ってくださいお願いします!こいつなら煮るなり焼くなり好きにしてください!」
「ちょ!?百代ちゃん!?大丈夫だから、オレにお兄さんなんていないから。だから急にオレを生け贄に捧げながら土下座しないで!」
「ほんとか?ほんとにいないか?いざとなったらお前生首を捧げてでも私だけで逃げるぞ?」
「おい、オレの生首刈る気か、幽霊より百代ちゃんのが何倍もコエーよ、いやリアルに」
「そうか……いやーー、冗談に決まってるじゃないか!まったく陽はバカだなー。私がそんなことするわけがないだろうがハッハッハッハッ」
「あ、百代ちゃんの後ろで兄貴がグラサン外してって危ね!?」
ブォッン
「待って!百代ちゃん!?いやむしろ百代さん!?冗談だから、兄貴なんていないから!兄貴がいるのは男の子の心の中だけだから!だから、無言で首筋に全力の手刀を繰り出すのをやめて!」
ブォッン ブォッン ブォッン
「………………」
ブォッン ブォッン ブォッン
「百代さん!?」
「……落ち着きましたか百代さん」
このリアルアマゾネス、死んだような目でひたすらブォッンブォッンしやがって……。お前のが幽霊よりよっぽど怖いわ!
「まったく、お前が変な嘘をつくからだ!」
「それについては謝るけども!それにしてもあれはねーだろ!仮にも一般人に繰り出していい手刀じゃなかったよ!?オレじゃなかったらポロッっとしてたよ!?いや、むしろドシュッって感じで取れてたよ!?」
「お前以外にするか!というかお前後半なんてずっと空中で受け流してたじゃないか!」
「いや……お前……空中で前後左右上下問わずにグルグルする気持ちわかる!?むしろ気持ち悪さわかる!?なんどリバースしそうになったか、あと5秒グルグルしてたらスプリンクラーみたいになってたわ!」
「……そんなギリギリだったのか……正直すまんかった……消力にもじゃくてんがあるんだな……今度一子に言っておこう」
「いや、オレが反撃しなかったからあーなっただけでフツーならあーはならないけどね……てか、なんで百代ちゃんまだいるの?もう帰って大丈夫だよ」
「そうだった!陽が兄貴とか言ってるから変に時間を使ってしまったじゃないか!……まぁとりあえず改めてお前に礼を言おうと思ってな」
「そんな改まらなくても大丈夫よ、お礼ならさっきも言われたし」
「いや、もとを言えば私が陽に頼んだんだ。しっかりと礼を言わんと私の気がすまん一子を鍛えてくれてありがとう、それとこれからも一子を頼む」
「ん~、そんな改まって言われると困るね。まぁ男がやるって言ったんだちゃんと最後まで一子ちゃんを鍛え上げてみせるよ。だから百代ちゃんは安心して修行してなさい、んで一子ちゃんが強くなっても目標にしていられるぐらい強くなってよ。うかうかしてると一子ちゃんに抜かされちゃうよ?」
「……フッ、そうだな、一子もどんどん強くなっているんだ。私も気を抜けないな……。なぁ、陽」
「ん?どした?」
「ムリにとは言わない、今まで何度も断られているししつこいと思うだろう。それでも、もう一度だけ頼みたい。……私と戦ってくれないか?本気のお前で、本気の私と戦ってほしい」
「……なんでか理由を聞いてもいい?」
「今日、一子の試験をして、実際に一子にパンチをして一子がどれだけ強くなっているのかを実感した……お前は私に5割の力でやらせたがたぶんあれなら今の私がもう少し強くやっても受け流せるんじゃないか?」
「まぁ、たぶんね……」
「それで思ったんだ、本当にこのままで一子の憧れる姉でいられるのかって……最近私は勝負で負けなくなった、お前だって本当に全力で勝負してくれたことなんてない……。私は自分でこれからどうすればいいのかがわからないんだ、今のまま修行を続けても強くなれる気がしない。いや、強くはなるかもしれない……。ただそれはきっと一子が憧れるような、お前のような強さじゃないと思うんだ。……だから、私にお前の強さを、力を見せてくれないか?私にお前の強さを、力を教えてくれないか?」
「……百代ちゃんもいろいろ考えてるんだねぇ~」
「な!?お前、人が真剣に頼んでるのに!」
「いいよ」
「へ?」
「いや、だから、全力の百代ちゃんとオレの全力で戦ってあげる」
「ほんとか!?おい!?ウソじゃないよな!?ウソだとかいったらブチ殺すぞ!?」
「ハイハイ、ほんとですよ~ほんとだからブチ殺さないでね~」
「しかし、今まで断ってきたのになんで急に……」
「そりゃ百代ちゃんが真剣だったからだよ、今までみたいに、強いやつと戦って叩き潰したい!みたいな、ジャンプみたいな感じで言ってるんなら流石に断ったけどさ、一子ちゃんに憧れられるようなお姉ちゃんになるために戦ってほしいって言われちゃったら戦うしかないよ」
「……ありがとう」
「あ、でもやるからには本気でやるよ?流石に女の子殺す気ではできないけど、半殺しにする程度には真剣に行くから覚悟しといてね?」
「……今更なんだがお前ってまともに攻撃できるのか?
いや、失礼だとは思うんだが今まで避けるところしか見てないからな……確信が持てないというか。いや、でも天衣さんも強いしな、消力にも攻撃する方法はあるか!」
「ん~~~そーいえば誰にも見せたことないから百代ちゃんも知らないで当然か……。じゃあ、百代ちゃんにオレの力を見せてあげましょう!」
「陽の力?いいのか?戦う前に敵に見せて」
「オレだけ百代ちゃんの攻撃方法知ってるなんてフェアじゃないでしょ?まぁ見せるって言ってもこれは奥の手だから、百代ちゃんがオレを追い詰めることができたらこれを使うって感じでよろしく」
「ほう、言うじゃないか。そこまで言われたら私も黙ってはいられないな、よし!その奥の手とやらを私に打ち込んでみろ!受け止めてやる!」
「まぁ、当てる気はないから安心してよ」
「なんだと!いくらなんでもバカにしすぎッ!!!
百式観音
百代はその攻撃を知覚することができなかった。
いや、その攻撃をされたことはわかった。しかし、いつ、どうやってその攻撃をされたのか、つまり攻撃の予備動作が知覚できなかったのだ。
気がついたら陽が胸の前でまるでお祈りをするかのように手を合わせていた。
気がついたら自分の体の横になにかが、おそらく大きな拳が降り下ろされていた。
そして、その瞬間、陽の後ろにぼんやりと観音様のような大きな影が見えたこと、それが百代が知覚できた全てだった。
ゴッッッッ
衝撃が体の横を通過したあと、そこにはクレーターのような跡が残っていた。
「!!!」
「……これがオレの奥の手、百式観音だよ百代ちゃん」
「……なんだ今のは!?消力なんてどこにも使ってないじゃないか!」
「そうだよ、これは消力なんて使わない。百代ちゃんの得意な気を使った技だからね」
「気……だと?」
「そ、まぁこれがオレの奥の手だから、きっと鉄心さんに聞けばもっと詳しくわかると思うよ。あの人も似たようなもんつかえるみたいだし」
「ジジイが?」
「いや、あのおっさんマジで半端じゃないよ?男の子が憧れるような技一杯使えるからね?……まぁとりあえず、戦う前の情報開示はこれぐらいかな~。今日はもういいでしょ。じゃあ場所とかはそっちで決めちゃっていいから、決まったから連絡ちょうだいよ。じゃね~」
「……今のがお前の本気か……フフフッうれしいぞ陽、やっとお前の力を見せてくれたな……。これで私もこころおきなく本気で戦える!」
「………百代ちゃん、いちおう最後に勘違いしてるみたいだからいっておくよ?」
なんだか百代ちゃんがノリノリで楽しそうなのが腹立つので、ここは大人として煽っていかなきゃね。大人としてね。
決して大人げないとかそういうことはないから勘違いしないように。
「ん、なんだ?」
「百代ちゃんよりオレのが強いからさ、100%じゃなくて120%はださなきゃ……
簡単に潰しちゃうよ?」
決まった……、ヤバイ今の俺超カッコイイ。
強いて言うならジャンプのライバル的な、仮面ライダーのシルバー的な、最初登場するときは強キャラだけど後半に進むにつれて実況役になる便利キャラ的な……。いや、最後のはさすがにやだな。
「ッ!?」
ゾクッ
「じゃ、今度会うときはよろしくね」
「……フフフッ……ヤバイな。あんなこと言われたら真剣で惚れてしまうじゃないか」
「百代!大丈夫か!?なんじゃさっきのバカみたいな気は!?」
「ん?ジジイか」
「お前、大丈夫か?顔が真っ赤じゃぞ?それにさっきここら辺でバカみたいな気を感じたんじゃが……昔似たような気を感じたことがあったような……」
「おい、ジジイ。そんなことはどうでもいいんだ、今度陽と本気で戦うから場所を急いで用意してくれ。アイツの気が変わる前に急いでだ!」
「陽君とじゃと?まさかさっきの気は……いや、わかったすぐに手配しよう」
「やけに物分かりがいいじゃないか」
「孫がそんな顔をしていたらお祖父ちゃんは応援したくなるものじゃよ」
「そんな顔?」
「お前気付いてないのか?まるで恋する乙女のような顔をしとるぞ?」
「……恋か……ハハハッ……そうか、これは恋なのか……」
「まぁあとはじいちゃんに任せとけ!お前は陽君を射止められるように万全の体調にしとくんじゃぞ」
「ありがと……おじいちゃん」
ボソッ
「ファッ!?おい百代!今じいちゃんと言ったか!?もう一度言ってくれ!頼む!後生じゃ!」
「あーー!!!もう!早く用意してくれ!そしたら言ってやるから!」
「よーーーしわかった!!!まかせとけ!じいちゃんの権力をフルに使って最高の環境で戦わせてやる!」
「はいはい、ありがとうおじちゃん~」
「うぅ~~、まさか百代がワシのことをもう一度じいちゃんと呼ぶ日が来るなんて……。もう、これだけで陽君に百代をやってもいいぐらいじゃ。よし、こうなったら陽君に百代を貰ってもらうためにもじいちゃんがんばるぞーー!!!」
ドヒュン
ワーナンダコノジイサンワー
キキキッーーー
ザッケンナコラーアブネーダロー
キャーー!!!ミョウニムキムキナオジイサンガスゴイスピードデフクヲヌイデ
カラダヲミセビラカスカノヨウニポージングシナガラハシリサッテイッタワー
「まったく……元気なジジイだ……それにしても、陽に貰ってもらうだなんて……」
///
「…………ヤバイ…………死にたい。勢いに任せてなんかスゴい恥ずかしいことしちゃった……。もうやだ死にたい、いっそ殺してほしい……。なに武神にオレのが強いとかいっちゃってんのオレは、百代ちゃんもうすんごい目で見てたし。なんか顔赤くなってたし……絶対あれ恥ずかしい人見てたらこっちが恥ずかしくなっちゃったって感じのアレだったもん。……もーやだ死にたい、このままピトーの肉球に鼻と口を塞がれて『あれ?オレもしかしたら皮膚呼吸だけで生きていけるんじゃね』とか思うけどやっぱり気のせいでそのまま窒息死したい……」
ゴロゴロー
ゴロゴロー
ニャーニャー
ニャーニャー
「おい、陽。帰ってきてからずっとピトーを抱きしめてゴロゴロしているが、つまるところ百代と本気で戦うことになったということか?」
「オレの独白の断片からそこまで読み取れる天衣さんマジ有能」
「さらに、聞いてる方が赤面してしまうような黒歴史確定なもうすんごい恥ずかしい台詞を吐いて百代にドン引かれたということか?」
「そこまでは読み取らなくてもよかったな~。むしろそこは一番読み取ってほしくないところだったな~」
「ん、すまん聞こえてきたからな。まぁなんだ、私も陽の本気を見てみたいと思っていたからなちょうどいい」
「ん?天衣さんも来る気なの?」
「当たり前だ、友達がいない陽の応援なんて私ぐらいしかいないだろうからな。あと小雪」
「え、やだ、泣きそう。いや、天衣さんの優しさにとかじゃなくて。仮にも不幸体質を直してあげているなおかつ、居候の分際である天衣さんの中でのオレの評価がまるでボッチであることにだからね」
「事実だろ?」
「………………」
「あ、おい、布団にくるまるな。くるまってもいいからピトーは置いていけそろそろ私が抱く番だ、それに今夜は唐揚げにするんだろう?さぁ早く用意してくれ、お腹がペコペコなんだ」
…………
最近居候のオレに対する扱いがヒドい件について……
お久しぶりです
まさか更新するとはだれも思っていなかったでしょう
オレも思っていませんでしたよハッハッハッ
いや……まぁ……それ以前に待ってた人がいないっていうね
はい、わかってます
キャラブレブレなところはいつもどうりということで
まぁこの話の持ち味ですねはい
こんな感じで非常に適当ですが読んでいただけたら幸いです
m(__)m