ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第十五話「繋がる心」

ベルリナとベルマリアは初日の身体検査が終わり、メディカルセンターの個室で二人、寛いでいた。

 

「ふぁあぁ〜っ。・・・うー。まだ明日も半日以上検査が有るのか・・・いやになるのう・・・」

ベルマリアは猫柄のパジャマでベッドの上で胡座を組んで腕を伸ばしてボヤいた。

 

「そうですね・・・・ でも一時的とはいえシールド無し状態でしたから検査は必要なんでしょうね・・・」

ベルリナの声は個室備え付けのシャワールームから聞こえてきた。

「・・・まぁな、フォトンシールド無し状態が長いとアークスとてダーカー侵食を受ける可能性も有るからのう・・・」

 

ザザザーーーーッ、ザーーッ ・・・・・キュッキュッ。

シャワーを止めるとバスタオルを身体に巻いてベルリナが部屋に戻ってきた。

 

「そう言えば、零号ちゃんに銃を買ってくるように言ったんですってね?」

「ポスッ!」とベッドの縁に腰掛けて長い髪をタオルで拭きながらベルリナはベルマリアに向かって微笑みながら言った。

「・・・うん? あぁ・・・まぁ買い物・・・というかお遣いみたいなもんじゃな・・・っっ」

ベルリナのはだけた胸元が眼の前に飛び込んで来て、何故か赤く照れながらベルマリアが答えた。

「そっかー、良いの買えると良いんだけどなーーっ」

ーーーー ぽふんっ!!

ベルリナはそのままベッドにひっくり返るように仰向けに倒れこんだ。

(ーーーひっ!? まぁ、女同士だから良いんじゃが、本当に無防備過ぎるな・・・此奴・・)

 

ーーーーーーーー。

 

「・・・・・ん? ベルリナ君? どうしたんじゃ? ・・・・ベルリナ君?」

ベルリナはベッドに身体を投げ出し、目を閉じたまま何故か動かなくなった・・・・

そして、ゆっくり目を開け天井を見つめてー

「・・・聞こえる・・・・ 」

急に囁くようにベルリナが話しだした。

 

「聞こえる・・・・零号ちゃんの声が・・・・」

 

---------------------------

 

-- LIMIT BREAK spiritual linkage--

 

零号はステータスウインドウの左上に金色に点滅する文字を見た。

それと同時に零号の思考にベルリナの思考がオーバーラップして入ってきた。

ベルリナの考えている事がそのまま自分の思考として零号の頭の中に入ってくる・・・

 

(零号ちゃん・・・・ 戦ってるの?・・・大丈夫なの?)

(エクストリームだよ、心配しないで・・・ また後でそっち行くよ・・・)

(分かったわ、お茶淹れて待ってるね・・・)

 

紅い零号はゆっくりと顔を上げた・・・

「いま・・・判ったんだ、僕が何をしなければいけないのかを・・・」

ヒュイイーーーン、ヒュイーーン。

零号の全身の冷却ファンが唸りを上げ、真っ赤なフォトンがオーラのように出ていた。

 

しかし・・ヒューナルの攻撃は尚も続くー

「わきまえよっ!!」

ヒューナルは立て続けに零号に向け大剣を音速で振り落とした!

ザシュッ!

大剣の落ちた場所に、零号は無く、上空で滞空していた。

「バレットスコールっ!」

もう、目視で速い零号の動きを捉えることは不可能であった。

振り出された大剣はフォトンの雨を受けてその場で真二つに折れた。

「オォォォォ!」

一瞬怯んだヒューナルだったが、臆さず破壊の拳が続けざまに繰り出された・・・が、

目視出来ないスピードでSロール回避した零号が止めを差した。

もはや、ヒューナルは紅い零号の敵では無くなっていた・・・

「これで終わりだーーーっ! サテライトエイムっ!! 」

 

その様子を腕を組み見ていた黒いキャストは呆れたように呟いた。

「・・・ しかしじゃ、マリア・・・ 聞いてないぞ、ここまで変わるなんてのう・・・」

 

-- ステージクリア!! --

 

「クッ!! 良き闘争だったぞ。」

ヒューナルはその場に ひざまずき、壊れた大剣を持ち亜空へと帰ってゆく・・・

 

零号は暫くその場に立ち尽くしていたが、やがて紅いフォトンの噴出も収まり

もとの水色の零号に戻った・・・・・ とたん、チカラを無くしてその場に倒れたー

・・・と、それを黒いキャストが支えて言った。

 

「おつかれじゃったのう・・・・」

零号は顔を上げ、にこりと笑うと託された手持ちの双機銃を黒いキャストに差し出した。

「ありがとう・・・黒のオジサン。 ・・・いや、ジグ。

・・・・良い銃だった。オジサンが作ったんだよね、この銃・・・ 持った瞬間に判ったよ・・・ 」

 

差し出し、返そうとする零号に手のひらを上げ、首を横に振り黒いキャストは続けた。

「もう、それはお主のものじゃ。お主にしか使いこなせないじゃろう・・・

・・・すまんかった、マリアに頼まれてお主を試したんじゃ」

零号は黒いキャストを見つめ、もう一度、銃を見て、言った。

「・・・ぼ、僕が使って良いの・・・?」

ゆっくりと頷く黒いキャスト。

「ワシが造った吹雪凛花の原型(オリジナル)を再クラフトしたものじゃ、

試作品で・・あー、名前は無いんじゃが・・・」

 

”プッ”・・・っと軽く吹き出し、零号は大きく笑った。

「僕と同じ”零号”なんだね?」

 

あはははーーーっ

二人は大きく笑ったーー。

 

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黒いキャスト”ジグ”と零号はエクストリームシステムルームを後にした。

「・・・さて、こんな時間からお姉ちゃんの部屋、遊びに行っていいのかな? あははっ・・・」

 

んーーーーっ。 ・・・と伸びをして零号は夜空を見ながら呟いた。

「・・・でも先生。リミッター・・・・ 解除してくれたんだ・・・ありがとう・・・」

 

横に並び歩いていたジグは横目で見ながらフフンっと笑った。

「余り感謝しないほうが良いぞ・・・・”銃を渡してくれ”と頼んだのは確かにマリアじゃが、お主が暴走した時は”遠慮なく撃ち殺してくれ”とも、言われたからのう・・・ カッカッカカ。」

 

「・・・先生らしいや・・・ あはははっ」

 

もう一度、夜空の星を見て、零号は呟いたーー。

「・・・でも、僕にとって、もう大事な ”お母さん”なんだよ・・・」

 

「そうか・・・ お嬢ちゃんまた会おう、じゃぁの!」

ジグは二本の指を立てると顔の横で敬礼を送った。




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