ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第一話「ベルリナ姉妹」

惑星ナベリウス

市街地から山岳地帯に連なる高原地帯、アークス派遣の一般学者が数人、調査に訪れていた。

それは最近、この辺りで磁場の異変が頻繁に起こっていたからであった。

研究者は手に小型の計測機器を持ち何やら調査を行っていた。

 

「・・・ここも、異常なし。」

確認するかのように若い学者がつぶやいた。穏やかな日和であったー

 

確かに、ここ、ナベリウスの高原地帯は平和だった。

緑豊な森林と湖に囲まれた惑星は気候も穏やかで

やさしい風が吹き、ポカポカとした陽気に溢れていた。

木々の間から光が溢れ、小鳥がさえずる。

 

「平和だな・・・ こんな事ならピクニックの用意でもしてくれば良かったかな? はははっ」

調査団のリーダーも笑いながら答えていた。

「・・・だが、最近の定点観測機が送ってくる情報は、ただ事じゃ無いからな」

まるで確認するかのようにリーダーが若い学者に語りかけると、再び計器に眼をやった。

 

・・・・風が吹き、木の葉が舞ったその時、異変が起こった。

ピー・ガガガ・・・ 急に計器が異常な音を立て、異常を知らせたのだ。

「リーダーっ! 強力な磁場の反転を確認。加えてフォトン係数上昇です。 ・・・・な、何だこれ?!」

若い学者は一気に取り乱し、かなり混乱していたが、手に持った計器から眼を上げリーダーは落ち着き払って若い研究者に言った。

「この磁場パターン・・・ ダーカーか? いや、そんな馬鹿な、この辺りは警戒域では無いはずだが? 」

 

突然、目の前の空間に空気の黒い渦が起こり、赤い稲光にも似た輝きと共に蜘蛛にも似た四足のダーカーが現れた。・・・その数は四体。

「うわっ、こんなの聞いてないですよ、早く逃げましょうっ!」

慌てて逃げる学者たち、だがダーカーと呼ばれた四足の化け物の動きは速く、あっという間に彼らは木立の中で囲まれてしまった。

「・・・ こうなったらやるしかないか。」

学者達は腰に下げていた、ハンドガンを抜き、震える手で構えた。

ダーカーの眼?と思しきものが光り、前足を上げ襲いかかろうとしたその時だった

 

「フォイエ!」

バシュゥ・・・ 

少し離れたところから飛来した”火球”によって飛びかかろうとしていたダーカーは炎に包まれ、やがて燃え尽きていった。

「助かった・・・ あ、ベルリナさん?!」

若い学者は、その名を呼ぶと胸を撫で下ろした。

 

火球の飛んできた方向とは別の、近くの茂みがガサガサと動き、中から細身の女性のシルエットが現れた。

「・・・ったく、オジサンたち、勝手に動き回っちゃダメだって言ったよね?」

木立の間から身体の大部分が強化フォトン軽金属で出来た女性人型のキャストが呆れたようにキツく言う。

「もう一つ、あらよっ!」

そして続けざまに手に持った長銃で、もう一体のダーカーを撃ちぬいた。

 

ギュワ〜〜っ

撃ちぬかれたダーカーは人の悲鳴にも似た断末魔の声を挙げて破片も肉片も残さず燃え尽きていった。

「本当に、勝手に動きまわらないでよね、オジサンたち・・・」

ババババーーーーーっ

女性キャストは更にもう一体を撃ち倒すー

ダーカーの処理を終えた女性型キャストは長銃を腰に下げ直すと二人を見やり、森の茂みに眼を配った。

全身メタルに輝く水色のボディ、腰まで流れる黒い髪は美しくもあり、力強くあった。

 

「フォイエ!」

再び草むらから発せられた声と共に、残り一体も再び放たれた火球に焼かれて跡形も無く蒸発した。

やがて、火球が飛来した方向の木立からもう一人、人影が現れた。

「良かった〜、間に合って・・・ ちょっと零号(ゼロ)ちゃん、失礼ですよそんな言い方は・・・」

その言葉に少し苛立ちながらも呆れ顔で零号と呼ばれた女性キャストは言った

「だって、ベル姉ちゃんがアレほど”注意してね”って言ってたのに、この人達は・・・ 馬鹿なの?」

 腰を抜かして座り込んでいた若い学者はヨタヨタと立ち上がった。

「すみません、しかし時間が惜しかったので、つい。・・・申し訳ないです。 ベルリナさん、いや凄い、さすが”ナベリウスの白い花”だ」

 

手前の草むらを分けて出てきたベルリナと呼ばれた女性は、先程のキャストと違い生身の身体であった。

ネイバークォーツと呼ばれるアークス専用の青いボディスーツに身を包んだ”ベルリナ”と呼ばれた女性は、

背丈こそ150cm程と小柄であったが、輝く長いブロンドの髪、白い肌に豊かな胸腰、容姿はグラビアモデルとも思えた。

だが彼女の一番の特徴は、大きく尖った耳にあった。それはニューマンと呼ばれる種族の特徴でもあった。

この女性ニューマン”ベルリナ★プファンクーヘン”と先程の女性キャスト”ベルリナ試作零号機”の姉妹2人は

”ナベリウスの白い花”という二つ名で呼ばれるアークスコンビとして、この調査団の今回の警護の任務に就いていたのだった。

 

「いえいえ、昼食摂って、のんびりしていた私たちも悪かったんですからー」

ベルリナは今、使用したロッドをアイテムパックに収めると零号を見てつぶやく。

だが、零号は全く意に返さずにつぶやく。

「・・・ったく、お姉ちゃんは人が良すぎるんだよっ!、だから、いつも大変な目に・・・」

「まぁ、皆無事だったんだから、良いんじゃない?」

ベルリナは腰に手を当て、ニッコリ微笑んで見せた。

零号は”またか・・・”という呆れ顔をして両手を開いた。

 

先程から話を聞きながらも計器を気にしていた調査団長が額に手を当てながら言った

「・・・しかし、こんな場所でもダーカーが現れるようになったのは、一体どういう事だ・・・ 報告しておかないといけませんね」

その言葉に遥か遠くの雪山を望みながらベルリナは呟いた。

(何だろう・・・ いつもと違う、少し変な感じがする・・・・)

 




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