ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第十九話「海竜王バル・ドミヌス」

「ベルナルドMk-IIっ、船底に大型魚類衝突防止用の特殊ソナーが有るはずじゃっ!!」

ベルマリアは生徒たちを船内に入れながらベルナルドMk-IIに指示を出した。

 

「オーケー。もう起動させてるぜ、これで底からひっくり返される事は無い・・・ はずだ・・・

空中から攻撃されると防ぎようがないけどなっ」

ベルナルドMk-IIは操船しながら答える。

 

「ベルマリア先生、全員船内に入りました、大丈夫です。

・・・それで、僕は何をしたら良いですか?」

ベルモントは練習用のウォンドを取り出し、ベルマリアに聞いた。

・・・と、大きく船が揺れる。上がる生徒たちの悲鳴・・・

 

「みんなバラバラにならずに身を低くして寄るんじゃ! 回避運動のため船が大きく揺れるからなっ

・・・それと、ベルモントっ!お主の仕事は生徒全員の安全を常に確認することじゃ、良いな?」

ベルモントの両肩に手を掛け、諭すようにベルマリアは言った。

 

「で、でも・・・ それでは・・・僕も戦えますっ!」

明らかに何かをしなければいけない・・という焦りがベルモントから見えた。

そんなベルモントに最大の笑顔でベルマリアは答える・・・

「違うぞ、委員長。今は全員の安全を守ることが最も重要な事じゃ、

揺れて体調の悪い者が出たら面倒を見てやるんじゃ、良いなベルモント。」

「そう、・・・そうですね。分かりました、やります。すみません先生・・・」

ベルモントは頷くと手にしていたウォンドを片付けた。

 

「あ、ベルモント・・・コレをそこに付けてくれっ!」

ベルナルドMk-IIがベルモントに向けて何かを投げた。

・・・それは例の記録用のビデオカメラだった。

「俺は操船で手が放せないからな・・・そこの固定台のアームに付けてくれれば

後はオートで撮ってくれる・・・よろしくたのむ」

それを見て、ムッとなるベルモント少年・・・

「何をあなたは呑気に・・・・ そんなだから・・・」

 

モニターを見ながら操船をしているベルナルドMk-IIは前を向きながら答えた

「こういう記録は大事だ、いずれ、きっとお前たちの役に立つ・・・」

固まるベルモント、しかし表情は恐いままだった・・

 

「まぁまぁベルモント、そいつの言うことを聞いてやれ、ワシからも頼む。」

船外に出ようとドアに手を掛けていたベルマリアが振り向き頭を下げた。

 

「先生がそう言うなら、やりますが・・・」

ベルモントは渋々、ビデオカメラを船外に向けた固定台にセットした。

 

(俺、嫌われてんなぁ・・・・ まぁ、仕方ないか、偽物扱いだからな・・・)

 

「それじゃ、頼んだぞ、ワシはバル・ドミヌスを片付けてくるからなっ!」

ベルマリアは船外に出た。

 

船外ではベルリナと零号が攻撃を続けていたーー

 

「・・・なっ!!」

船外に出たベルマリアは何かが空から降ってきて、慌てて飛び退った。

 

バシャ、バシャ、バシャーンっ!!

 

それは水弾だった。しかもかなりの威力があり、当たればダメージを食らうばかりか、ヘタをすれば船外の海へ放り出されかねない程のものだった。

船の後方でバル・ドミヌスが尾びれで弾き出すその水弾は、まるで豪雨のように甲板上の三人に降り注いだ。

 

「ナ・グランツっ!!」

 

船は結構大型であったにもかかわらず、ベルリナは光のバリアで甲板上に降り注ぐ水弾を全て弾いた。

「・・・凄いっ、ベルリナさんのナ・グランツ・・・ すごいパワーだ・・・」

カメラをセットして船窓から外を見ていたベルモントは身を乗り出して思わず声を出していた。

 

バル・ドミヌスは少し距離を置いて遠距離からベルリナに向けて水弾を高速連射してきた。

弾速は速い!!

 

「わっ、きゃっ!!」

ベルリナはミラージュエスケープで回避したが、そのナ・グランツの切れた瞬間に真後ろから真っ直ぐに体当たりをして来るっ!!

 

「食らうかよっ、そらっ!!」

ベルナルドMk-IIは船の舵を大きく切って躱す。船が大きく揺れ、生徒たちの悲鳴が上がる。

 

「食らえーっ、ディバイン・ランチャーっ!!」

体当たりを躱し、零号がランチャーからフォトングレネードを発射した。

ズギューン!!

グレネードの光弾がバル・ドミヌスの身体に命中し、外殻が少し吹き飛んだ・・・

 

「ーーーっ。」

精神統一をしたベルマリアがゆっくりと強く、弓を引いた。

「ラスト・・・ネメシス・・・ っ!!」

バシューーッ!!

強弓から放たれた矢は強烈な一撃となって命中したが、やはり外殻が少し吹き飛んだ程度だった。

 

「なんじゃ、あの耐久力は・・・ 伊達にデカいワケじゃないのか・・?

・・・ベルリナ君、フォイエ系を頼むっ!、・・・・零号、ベルリナ君をフォローするぞぃ!!」

「わかったよ、先生!!」

「わかりました、先生っ!!」

ロッドを掲げ詠唱に入るベルリナ・・・

(滾れ業火・・・焼き払え・・・・吹き荒れる嵐のごとく・・)

 

詠唱するベルリナを守るように二人は前に出て攻撃を繰り返す。

 

「そら、まだまだ行くぞっ!! コンセントレイト・ワンっ!!」

零号は、ふぅー・・っと息を吐くと、ジャンプし、バル・ドミヌスの外殻の割れた部分に高速収束弾を三連射した。

ダンッ、ダンッ、ダンッ!!

命中し、吹き飛ぶ外殻

「ペネトレイト・アロウっ!!」

ベルマリアの強弓から放たれた集中の一撃はバル・ドミヌスの外殻を貫通し、外殻を多数吹き飛ばした。

「何て硬さなんだよ、参っちゃうなぁ・・・くそっ」

ランチャーからの攻撃を続ける零号。

 

「よしっ、私も行くよっ!! ラ・フォイエ・ファイヤストーム」

ベルリナのテクニック詠唱(チャージ)が終わった。

 

ロッドを振るベルリナ、バル・ドミヌスの頭部がターゲットされ

そのポイントから破裂するようにフォトンの炎が渦巻いた!!

通常のラ・フォイエと違い発火点から業火の渦が発生した。

ゴゴゴゴ、ドウゥゥーーーンっ!

 

グワオォォォーーっ

バル・ドミヌスの頭部の外殻が吹き飛び、バタバタと悶え暴れ、船後方の水中に沈み消えた。

ザバーーン・・・ ン・・ン

 

「うわっ、やったっ。すごいすごい、すごーいっ」

ベルモントは、たまらず船内から飛び出した。 ・・・だが、

ベルナルドMk-IIは操艦蛇を持ちながら振り向き叫ぶ!

「バカ野郎っ、まだ、出るなっ!」

 

「だめじゃ、まだ出るな!」

「ベルモントっ、まだだよっ」

「ベルモント君、来ちゃダメっ!」

 

全員に言われて「・・・えっ?」となるベルモント

バル・ドミヌスの沈んだ海中から赤く光る目が見えたかと思うと

凄まじい速度でバル・ドミヌスがベルモント目掛けて噛み付きに海中から飛び出てきた!!

「ーーーーっ!!」

「リミットブレイクっ!!」

 

ガシュッ!!ガラガランっ・・・

 

ベルモントの立っていた場所にあった金属製の貨物コンテナが紙のように吹っ飛び四散した。

 

ヒュイイーーーン、ヒュイーーン・・・

ベルモントは赤い零号に抱えられゴロゴロと転がって助けられていた。

「バカッ、良いって言うまで出てくんな、ベルモントっ!」

「ごめんなさい、零号さん・・・

 えっ?、・・・零号さん、その姿は・・・? 」

「説明してる間は無い、早く戻るんだ」

「あ、はい、ごめんなさ・・・」

 

噛み付き損ない、船の甲板に打ち上がったバル・ドミヌスは、ヌルヌルと後方に滑り落ちていく・・・

ボスッ、ボスッ、ボスッ・・・

・・・と、その腹部から帯電した丸いフグに似たエネミー ”セグレズン”が大量に出てきた。

 

「なんじゃ? コレは ・・・こんなもの・・・あうぅっ!!」

抜刀に持ち替えたベルマリアはセグレズンを薙ぎ払おうとして、その帯電攻撃で

痺れ、ショック状態になった。

 

「アンティっ!!」

ベルリナは即座に異常回復を掛けた。

 

ベルモントを船内に見送った零号が笑う

「先生、ちょっと迂闊すぎ、あははっ・・・」

「初見なんだ、仕方なかろう・・・・あう、まだシビれとるわい・・・

・・・んっ? そうじゃ、良いことを思いついたぞ・・・ ふひひ」

 

ベルマリアのその笑顔をみた零号とベルリナは同時に心で思った。

(あの、子供のような笑顔の時はロクでも無い事を思い付いた時なんだよねぇ・・・ ベル姉ちゃん?)

(そうね、何か新しいオモチャを手に入れたみたいな・・・だね、ふふっ)

 

「ベルナルドMk-II、電磁モリをショック最大で投銛準備をするんじゃ!!」

「はぁ? 電磁モリ・・? 何するんだ?」

電磁モリをペタペタと叩いてベルマリアは薄ら笑いを浮かべた・・・

「奴を一本釣りしてやるんじゃ・・・」




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