ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花” 作:ナベ白製作委員会
「奴を一本釣りしてやるんじゃ・・・」
電磁モリの投銛銃座に腰掛けたベルマリアがペチペチと銃座を叩いて言った。
「えっ・・・マジで?」
赤い零号は武器を双機銃に構え直し、びっくりして振り返った。
「おう、マジじゃ!! モリの使い方は乗船前、読んでおいたからワシは使えるぞ」
「えーーっ、ずるいぞ、僕がやりたいっ!!」
二人のやりとりは、もはや子供のソレであった。
ベルリナは思わずクスクスと肩を震わせる・・・
「使い方を説明してる間がない、次にするんじゃな。」
「ちぇっ!! 」
そんな会話とは関係なくベルナルドMk-IIは操船パネルの幾つかのスイッチを入れてゆく、すると・・・
ウィィィィーン
甲板上に有る電磁モリの先端が白く発光を始めた。
「銛先端チャージ電圧正常、よしっイケるぜっ! ベルマリアっ!
ただし、一発撃つとチャージに暫く時間が掛かるから、しくじるなよっ!」
ベルナルドMk-IIが船内から振り返り大声で叫んだ。
「フンっ、誰に向かって言っているんだ?! よしっ、いくぞぃ、頼むベルリナ君、零号っ!!
釣り上げ、奴が大人しくしている間に畳み掛けるぞ!」
トリガーロックを解除してベルマリアは叫んだ
「はいっ!」
「わかったよっ!」
ズルズルと後方に沈んでいったバル・ドミヌスは赤い目を光らせて後方数十メートルで殺気を発しながら蠢いている。
零号とベルリナが船の後部デッキ上で武器を構えた瞬間、海中から鋭い牙で襲いかかってきた。
「あわわーーっ!」
ベルリナはミラージュエスケープで噛み付きを躱し、甲板上に打ち上がったバル・ドミヌスの頭部にロッドを向けた。
「ナ・バータっ!」
ロッドの先から絶対零度の冷気が噴出しバル・ドミヌスの頭部を大ダメージと共に凍結してゆく。
ギャォォーーン
バル・ドミヌスの動きが止まった・・・
(今よっ、零号ちゃん!)
その声より遥かに速く、零号は既に持ち替えた双機銃での追撃の体勢に入っていた。
(ベル姉ちゃんの動きが手に取るように判る・・・ 今だっ!)
「そのアタマっ・・・・叩き割ってやるっ! ヒールスタップっ!」
二人の攻撃の連携は、まるで双子の様に揃い、淀みない攻撃は一瞬の隙も無かったー
ダンっ! ダダンっ! バンバンッ! バン!
零号の強力に溜めの入った蹴りと銃撃ががバル・ドミヌスの頭部に炸裂する!
グオォォウォ〜〜〜ーーッ
零号が攻撃している間にベルリナは追い打ちを掛けるべく最上位法撃詠唱を開始する・・・
(全てを凍てつく氷の刃・・・連なる七連の刃となれ・・・)
バル・ドミヌスは大ダメージを受けて、再び海中にズルズルと甲板上を滑ってゆく・・・
(あの二人・・・流石じゃのう・・・ 連携が完璧過ぎる・・・それでは、こっちも行くかのっ!!)
「海に戻らせはせんぞっ! 行くぞっ!!」
ベルマリアはトリガーを引いた。
ドゥッ!! バシっ!!
先端から放電光を放ちながらモリが発射され、バル・ドミヌスの下顎に突き刺さる。
突き刺さった部分から超高圧電流が瞬時、流れバル・ドミヌスは一瞬、失神した。
「それっ、ウインチ起動っ!! 巻き上げるぞぃ。良いか皆っ!!」
ベルマリアはウインチのスイッチを入れると、抜刀を持って銛銃座から飛び降りた。
ギュルルルーッ。ずるずる~~っ
失神したバル・ドミヌスはズルズルと巻き上げられるー
そこに三人の攻撃が集中するっ!
「サクラエンドっ!」
ベルマリアの怒涛の連撃。
「コスモブレイカーっ!」
ランチャーに持ち替えた赤い零号の最大フォトンの光球が
「イルバータ・コンセクティブセブンっ!」
ベルリナの七連発イルバータがバル・ドミヌスの頭部に炸裂した。
ギャオォォウォ〜〜〜ーーッ・・・・ ゴゴゴ・・・・
巨体を震わせてバル・ドミヌスは倒れた。
ーーーーーーーーーー 辺りに静けさが戻った。
「バル・ドミヌス生体反応消失。よし、ミッション終了じゃな・・・ じゃがしかし・・・」
抜刀を鞘に収めるとベルマリアが念のため計器スキャンを掛け始めた。
「ふへぇ〜っ。超大型ダーカー並に辛かったわねぇ・・・」
ベルリナはロッドを収めると肩をすぼめて、ため息をついた。
「本当だよ、このスタミナのオバケ・・・
でも、大したもんだよ、”今の三人”掛かりでここまで掛かるんだからー」
零号は船の上に半身を乗せて横たわるバル・ドミヌスの頭をペチペチと叩いて言った。
「ベルモントくーん。終わったよーっ ・・・あと、みんな大丈夫だったかなーっ?」
ベルリナは船内の窓に向かって大きな声で呼んだ。
こわごわ、船内から首を出す生徒たち・・・
「しかし・・・何じゃ・・・ 不自然過ぎるな この生物・・・しかも、ワシの記憶違いで無ければ、こやつは、あの”ウォパル海洋伝説の魔竜神バル・ドミヌス”なのか・・・ 本物なのか?」
ベルマリアは計器を片手に巨大なハンマーヘッド形状の頭の周りをぐるりと回っていた・・・が、
計器が何かに反応し、ピタリとベルマリアは歩みを止める・・・・
それは生体内部に埋め込まれ目に見えない程、小さいモノであった。
「なっ、・・・ なぜ・・・ここにアークス製のタグが埋め込まれておるのじゃ・・・
こいつはアークスが創りだしたというのか?! そんなバカな・・・」
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