ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第二十七話「ブラック・シャドウ」

アークス標準歴30150606

 

「アークスIDが使えない今、テレプールは使用出来ん。

周回軌道上から直接、特異点に向かってアークス戦闘機で地表に降りるしかないのう…」

 

特務扱いで惑星ナベリウスの軌道上で周回していたアークスシップから

一機のアークス戦闘機が地表に向かった。

ベルマリア★ウルフェンシュタイナー

ベルナルドMk-II

ベルリナ試作零号機

ベルレーヌ

の四人は強行突破でナベリウスに降下するつもりであった。

 

ナベリウス凍土の氷はその半分が氷解しつつあったが、気候は急には変わらないのか

酷い降雪は相変わらずであった。

 

「所属不明のアークス戦闘機に告ぐ、管制指示に従えっ! 従わぬ場合は撃墜もある! オーバー?」

通信コンソールから割れるような声で叫ぶナベリウスの管制官、

その声を聞きながら、機内で半日眠ったベルマリアはスッキリした顔で叫んだ

 

「構わん、ベルナルドMk-IIよ、ナベリウス管制は無視して降下するんじゃ、

それを餌にルーサーの元にアークスを誘き出す。・・・見てろよルーサー、

今度こそ、その鼻、叩き折ってくれるわっ!!」

 

「オーケー。近隣気象が悪く、指定ポイントに直接降下出来ないので近辺に降下する・・・

当然、これだけ派手な、俺達の登場だ・・・ クックックッ、盛大な出迎えは覚悟しろよ、みんなっ」

 

大きく旋回すると03Xaアークス戦闘機はランディングポイントに向かった。

それを追うように、アークス当局の戦闘機と警備艇が数機、連れていったが、

ベルマリア達は最新鋭のアークス戦闘機のスピードを使って、それらから逃げ切っていた。

 

操縦桿を握るベルナルドMk-IIの後ろでそのシートに手を掛けベルマリアは皆に告げた。

「今から約3分後に目的地点にランディングとなる。ルーサーの実験施設が有ると思われる地点までは

約十キロメートル・・・といった距離だ。走って突破するが、当然出迎えが有ると思ってくれ

これが最後の戦いとなるじゃろう・・・ 皆、ベルリナ君を奪還し、ルーサーを倒し、無事に帰還するぞぃ!」

 

「判ったよ。お姉ちゃんを取り返すんだっ!」

「まぁ、俺に任せておけって。」

「私の因縁に決着を着ける・・・」

 

全員の心の中にそれぞれの思いがあった・・・・

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ヒュイィィィーーーン。

アークス戦闘機が若干氷岩の残る険しい地表に降り立った。

 

「行くぞっ、みんなっ!! ゴー!!」

ベルマリアたちのアークス戦闘機が地表にランディングすると同時に減圧ハッチを開け外に飛び出した。

 

凍土はいたるところが氷解を始め、泥濘んでいたが、気候は寒く降雪もあり従来と変わりなかった・・・

ほんの少し遠くに例の”碧い大樹”が大きく見える・・・ 全員、武装し全力で走り始めた。

 

「と、ところで・・・先生、何でベルナルドはMarkII状態なの?」

走りながら、疑問に思った零号がベルマリアに聞いた。

 

「・・・あん? あぁ・・・あれか? それはじゃなぁ・・・・動きは悪いがセンサー類はMarkIIの方が多く搭載出来るんじゃ ・・・それに・・・」

ベルマリアはベルナルドMk-IIを見やった。

 

「前方二百メートルに落石障害あり、迂回路検索・・・ 五十メートル先の脇道より侵入するぜ・・・」

ベルナルドMk-IIは両肩に重いインフェルノバズーカを一丁づつ背負っていたが、

細かく器用に走りながら周回軌道上のアークスシップとコンタクトを取り正確にナビをしていたのだ・・・

「にょわーっ、ベルリナちゃんのフォトンの香りがするぞーーっ。くんくん・・ちょっとエロい香りだぞーーッ」

彼の叫びに零号も呆れた・・・

「あぁ・・・いい・・・先生、何か判った気がした・・・ まるで犬のようだ・・・」

 

泥濘んだ山道を物ともせず目的地へ向かう四人・・・ と、ベルナルドMk-IIが叫んだ

「目的地までの距離八百メートル・・・・ ん? 高エネルギー反応感知、センサー可動・・・

量産型Ver2.03と特定。 うぉらーーーっ来るぞっ!!」

一団となって移動していた四人が散った ・・・と、その地点にフォトンバズーカの着弾

 

ドゥーーン、ドゥーーンっ!!

 

量産型の数はざっと見て八機。ベルレーヌが立ち止まり量産型を睨んだ。

「ここは、私が抑えよう、この程度ならどうということは無い・・・先に行けベルマリアっ!

任せろっ、直ぐに追い付く!!」

ベルレーヌは、そう叫ぶと右手に大剣を装備した。

 

「大丈夫か? お主、まだ回復しきってないじゃろっ?」

ベルマリアは一瞬、立ち止まった・・・ が

「舐めるなっ! こんなオモチャ相手など、一瞬で終わらせる!!」

 

ベルマリアは暫く考えていたが、顔を上げて答えた。

「すまぬ、ベルレーヌ。ここは任せた、早く追いついて来いっ!!」

 

「承知っ!! ・・さぁ来いっ。一瞬で終わらせてやるっ!!」

ベルマリアはベルレーヌに後ろを任せて、先を急いだ・・・

 

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しばし、走った三人は目的地に到着しようとしていた。

ベルナルドMk-IIのナビ・アナウンスは此処で終わろうとしていた・・・が、

「特異点まであと百メートル。 ・・・もう入口が見えていいはずだ

・・・ん? 何だ・・・コレは・・・ 」

 

三人の目の前に大きな風穴が開いておりその前で全員が立ち止まった・・・

「量産型四機、とアンノウン一機。敵対と認識・・・」

ベルナルドMk-IIのアナウンスに従うように、風穴から現れたその姿は・・・・

 

「黒い・・・ 零号?」

ベルマリアはその量産カスタムをみて驚いた。

 

姿かたち、全てが零号と瓜二つのそのキャシールは、零号を見てニヤリ と笑った。

「待っていたわ、姉さん。随分待たされた・・・」

 

零号は自分と瓜二つの黒いマシンを指さした。

「お前、何だ?」

 

量産型カスタムと言われた”黒い零号”は俯き零号を馬鹿にしたように笑い始めた

「あはははっ、何だとは失礼ね? ・・・ 私は姉さんと共に不穏分子を処分するために

ルーサー様に造って頂いたエリートなの・・・、さあ姉さん、一緒に戦おう?」

 

計器類を見ていたベルナルドMk-IIは少し驚いたようにベルマリアに言った。

「製造タグ確認、ベルリナ量産型カスタムVer3.0 呼称”ブラック・シャドウ”

・・・ 製造は研究室直系となっているぞ、しかも・・・おあっ、マズいっ!!」

 

「さぁ、姉さん・・・ 一緒に・・・」

ブラック・シャドウが差し出した左手が青白く怪しく光りだすと同時に・・・

「うっ、ぐわっ!! ・・・・ううううーーーっ」

零号が頭を押さえて苦しみだした。

 

(研究室で産まれた者は研究室に戻るのよ・・・ ふふふっ)

 

危機を感じたベルナルドMk-IIは零号を庇って前に出た。

「ダメだ、あいつ、中性子コントローラーを装備しているぞっ!!」

 




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