ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第二十九話「経験値の差」

ヒュイィィィーーーンっ!!

 

零号はリミット・ブレイクし立ち上がった。

姉、ベルリナの心がそこに見えなかったが、もう零号の心に迷いは無かった。

 

「僕が僕の意志でお姉ちゃんを守る・・・。

切っ掛けは、ルーサーがプログラムしたイベントだったのかも知れない・・・

だけど、今は違うっ! 僕の心が・・気持ちがお姉ちゃんを守りたいんだ・・・」

 

イレギュラーが発生して、慌てていたブラックシャドウは、ひとつ溜息をつき、

落ち着いたあと零号をあざ笑った

「何それ? 馬鹿らしい・・・ 人造キャストに気持ちとか・・・キモイんですけどーっ。

・・・大体ねぇ、アンタみたいな出来損ないじゃ、私には勝てないんだからねっ!!」

 

「俺たちが勝てないねぇ・・・・? そらよっ!! ゼロディスタンスっ!!」

ドゥーーン!!

ベルナルドMk-IIは手持ちのインフェルノバズーカで量産型をあっけなく吹き飛ばした。

 

「さぁ・・・ それは、どうかな? そこの若いの・・・ あとはお主だけなんじゃがな、 くっくくく・・・」

カシュッ、ザシュ!!

最後の量産型を倒したベルマリアが抜刀を収め、ツカツカとブラックシャドウへと歩み寄った。

 

「あら?、別に私、そんなオモチャを当てになどしてないわ、

大体、そんなもの邪魔だから要らないってルーサー様に言ったんだから・・・・・

良いわよ、全員で掛かってらっしゃい、私一人で充分なんだからね」

 

そういうとブラックシャドウは腰から”黒の双機銃”を取り出した。

全員が臨戦体勢に入ったその時、零号が全員に言った。

 

「ここは、・・・僕に殺らせてもらえないかな・・・?」

ベルマリアとベルナルドMk-IIは一瞬、零号を見た後、お互い顔を見合わせ”仕方ないなぁ・・・”という顔をした。

「いいのか、ベルマリア?」

「もう、止めても無駄じゃろう、あれは・・・」

 

それを聞いていたブラックシャドウは呆れた顔でケタケタと笑った。

「言っときますけど、私・・・強いわよ!! お・ね・え・さ・ま・・・」

その言葉が終わるか終わらないかの瞬間にブラックシャドウはその場から消えた・・・

 

「ーーーっっ!?」

次に零号の目の前に突然現れたブラックシャドウは双機銃で零号の左頬を殴りとばしていた。

 

ガシッ!!

 

「だーかーらー。性能が違いすぎるのよ、姉さん? そんな古いボディで私に勝てると思ってるの?」

・・・・・くっ、 イラつくぅぅーーその顔・・こっち見んなよ、舐めてんじゃないわよ!!」

 

怒り狂ったブラックシャドウはフォトンアーツを全く使用しなかった、

それは、ただの怒りに任せた殴りであった。だが、その場の全員が肉眼でその動きを追えないー

・・・その見えない速さから銃床(ストック)による打撃攻撃の連打が始まった。

 

ガッガッガッ・・・ ガシッ!! ガンガンガン!!

見る間に、零号のボディが傷だらけになり始めた・・・ 零号は殴られ、防戦するだけだった・・・

 

「きゃはははーーーっ!!、いいざまね、お姉様・・・ 私、出力はアンタの1.2倍も有るのよ、

速いのよっ!! 動きなんて見えるわけないじゃん。 バカバカーーーっ、死ね死ねーーーっ」

 

ガシッ、ガシッ、ガツン!・・・・・

 

一方的に、殴られるだけの零号・・・・

その場にブラックシャドウの高笑いだけが聞こえる・・・

 

「これはマズいんじゃ・・・  助けに・・・ん!?」

助けに出ようと身を乗り出したベルナルドMk-IIをベルマリアが伸ばした右腕で止めた。

「お主の眼は節穴か・・・ アレが見えてないのか?  零号は全てちゃんと見切っておるぞ

そんな事だから、ベルモントに”偽物”とか言われるんじゃ・・・・MarkIIよ」

 

ガシッ、ガシッ、ガツン!・・・・・

ひとしきり殴り終えて満足したのか、ブラックシャドウは殴るのを終え、肩で息をしながら

棒立ちで殴られっぱなしの零号を笑った。

 

「ハァハァ・・・・ いいざまね、姉さん・・・もっとボコボコにしてあげるわ。あははっ

それとも、跪いて謝る? ・・・私が悪うございました、逆らいませんと・・・ ぎゃははは~」

つばを吐き捨てるように言葉を吐くブラックシャドウ・・・

そんな彼女を零号は、キッっと睨みつけて、双機銃を構えてその場に立っていた。

 

「あン?、何よその眼、イライラするわね・・・ 睨みつけんじゃねーよっ!

・・・・それじゃ本気で行くわよ、まず、その可愛らしい顔を粉々に砕いて、

二度と、人前に立てないほど醜くしてあげるわっ!!」

 

ーーーーダッ!!

 

言葉が終わると同時に見えなくなるブラックシャドウ・・・

だが、攻撃が零号の顔面に当たるその前に、その銃床(ストック)は

零号が左手でしっかりと掴んで止めていた。

 

「ーーーっ!!」

 

びっくりしているブラックシャドウ・・・

零号は俯いた顔を上げ、彼女に告げた・・・・

 

「・・・何だよ、コレが全力なら・・・・・ お前の負けだっ!!」

零号は取ったブラックシャドウの右腕をグイと引張り、右の双機銃で顔面を殴りつけた。

 

ガシュッ!!

 

殴られた勢いでブラックシャドウは吹っ飛んだ。

ゴロゴロ・・・ バタッ。

 

「イタタタ・・・・ 、うわ、もう〜〜っ 何すんのよっ! この旧式がっ!

ああぁ・・・・フェイスパーツが傷ついちゃったじゃない。 どうしてくれんのよっ!」

 

もそもそと立ち上がるブラックシャドウ・・・・ そして

「もーーっ、許さないから、手加減してあげてたのも知らないでーーーっ!! 死ねーーーっ!!

デッド・アプローチっ!!」

 

パワー全開で突っ込んでくるブラックシャドウ・・・  もちろん零号にその動きは見えていない・・・。だが・・・

 

「ヒールスタップっ!!」

零号は正確に飛び込んでくる攻撃を吹き飛ばしていた。

 

ドゥンーーっ。

上がる地面の水蒸気と共に吹き飛ぶブラックシャドウ・・・・

「くっ、ぺっぺっ、 泥まで被っちゃたじゃない・・・ どうなってるの? 私の動きを追えるわけないのに・・・」

 

零号の脳裏にエクストリームで”ジグ”に言われた言葉が浮かぶ・・・

 

「お嬢ちゃんの動きは直情的すぎるんじゃよ、・・・どんなに速い動きであっても、次の動作が丸見えだと、それは隙にしかならん、相手の動きが見えなくても、次にどこを攻撃されるかが判っていれば、すべて受け流せる・・・ そして・・・相手の攻撃を弾いてしまえば、相手は隙だらけじゃ」

 

(ありがとう”ジグ”のおじさん・・・ 僕はまだ戦えるっ!)

 

「あーん、もう、こんなポンコツ相手に苦戦するなんて、信じらんないっ!

もう、怒った・・・ 私のとっておきを見せてあげるわ・・・」

そういうと、ブラックシャドウのボディ全体から赤黒いオーラが漂い始めた・・・・

 

「ーーっ!」

零号は突進に対応するべく身構えた

・・・と、その瞬間、ブラックシャドウがその場から消えた。

 

(あれ? 動きが早くて消えて見えているんじゃないっ!! 本当に消えている!!)

 

零号は自分の対物センサーを確認したが、その答えは”質量0”であった。

次の瞬間、目の前に現れる双機銃の銃口・・・・

バババッ!

慌てて回避したが、零号の肩口の装甲が吹き飛ぶ!

 

「くっ!!」

 

(どういうことだ? 本当に消えてる・・・ 予測してなかったら即死だった・・・)

 

「あーら、どうしたのかしら? お姉さま・・・ お顔が恐くてよ、 キャハハ!!」

消える・・・現れる・・・消える・・・ を繰り返しての波状攻撃を仕掛けるブラックシャドウ

 

それを見ていたベルマリアが気づく

「あれは・・・ まさか、そんな事が・・・」

 

バンッ!! ザシュ!!

零号の腰アーマーが吹き飛ぶ!!

「何だ、これ・・・・まるで・・・・ ダーカーの攻撃・・・」

 

シュッ!!

現れたブラックシャドウの銃口は零号の眉間に当てられていた。

 

「死んで・・・ 姉さん・・・」




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