ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第三十話「侵食されしもの」

ベルマリアはスカウターを動作させた・・・ その答えは

”アークスキャスト+ダーカー侵食100%”であった。

(あれはダーカーの時空移動能力じゃ・・・ 彼奴はダーカー能力を持っておる!

ルーサーっ、何というものを作るんじゃ!! 奴に人の心は無いのかっ!)

 

零号はブラックシャドウの殺気だけを頼りに攻撃を回避していた。

しかし、完全に姿が無くなり速いため、完全に回避しきれない・・・

 

バババッ!!ザシュ!!

 

零号の腰アーマーが吹き飛ぶ!!

「何だ、これ・・・・まるで・・・・ ダーカーの攻撃・・・」

 

シュッ!!

正面に現れたブラックシャドウの銃口は零号の眉間に当てられていた。

 

「死んで・・・ 姉さん・・・」

 

カチャッ!銃口にフォトンが滾る・・・

(ダメだ、避けきれないっ!!)

零号の眼にブラックシャドウの”ニヤリ・・・”と笑う口元が映った。

 

「しっかりしろっ!! 出来損ない・・・ ベルリナが泣くぞっ!!」

ガシン!!キンッ! キン!キンン!

割り込まれた何かに発射されたフォトン光弾は弾かれていた。

 

攻撃を弾いたのは、ベルレーヌの大剣であった。

 

「おお、ベルレーヌ、無事戻ったか?」

ベルマリアは、ちょっと安心した表情になった。

 

「ふんっ、すぐ戻ると言ったはずだがな・・・・?」

ベルレーヌは”ニマッ”と微笑んで大剣を構え直した。

 

攻撃を躱されたブラックシャドウは、突然のベルレーヌの出現に双機銃を構えなおして、

再び攻撃体勢になった。

「あれーーっ? あんたも転移? 私が見えるの? ダーカーなんだ・・・ ふ〜〜ん。」

 

「ごめん、ベルレーヌ・・ 油断した。 もう大丈夫だ、あとは僕が殺るっ! ケジメだっ!」

気を入れなおした零号は再びブラックシャドウと対峙するものの、

狙うにも、情報が足りなくて転移推測がまだ出来ない。

 

「どんなに気合入れても、無駄よ、アンタに私は見えないからね・・・ あははっ、

私が”黒い影(ブラックシャドウ)”と呼ばれる理由を教えてあげるわっ!!」

空間を出入りするブラックシャドウ・・・ 零号には位置すら、まだ認識出来ずにいた。

 

バンッ、バババッ!!

攻撃を躱しきれない零号の外装が次々に吹き飛んでいく、

しかも、零号の攻撃は全て”空間転移”によって全て躱されてしまう

 

(くそっ・・・ 見えない・・・ 。なら、防御は、やめだっ!! こちらから行ってやる!)

零号は最大出力を脚部に掛けて、双機銃を構え、そしてー

左の双機銃を口に咥えた。

(左フィンガートリガー解除 マインドコントロールトリガーに移行っ!)

 

目の前の空間から突然零号のボディ中心を狙った銃口が現れる!!

(・・・・今だっ!!)

空いた左腕を盾にして、現れた銃口に向かって自ら加速し突っ込んでいくー

 

「ーーーっ!! 何なのっ? 」

ブラックシャドウは自分に向かって突っ込んでくる零号に驚いたが、構わずトリガーを引く!

発射されたフォトン光弾は前に出されていた零号の左腕の肩を貫通し破壊した!!

 

ドウッ!!

 

「まだまだーーーっ!」

大破したが辛うじて動くその左腕で、現れたブラックシャドウの右手を掴み引き寄せ、

右腕と口に加えた双機銃でブラックシャドウを撃った。

 

バババッ! ドゥーーン!!

ブラックシャドウの左腕が双機銃もろとも肩口から吹きとばされた。

 

「あぅわっ、痛・・・っ、やってくれたわね、この旧式がぁーーーっ。

ダーカーの恐ろしさを教えてあげるわっ!! クソがっ!!」

ブラックシャドウの赤黒いオーラがより強力になった、その瞬間・・・

 

(何だ・・・左腕が・・・・ うぐぅっ!!)

ブラックシャドウを掴んだ零号の左腕が徐々に、その部位から腐り始める・・・

 

それをみたベルマリアが零号に叫ぶ!

「マズい、ダーカー侵食じゃ、そのままじゃと、全身に侵食を受けるぞ零号っ!」

 

零号は左腕を離そうとしたが、既に左手は自身でコントロール出来ず、

掴んだブラックシャドウの腕が離せないっ!

 

「くそっ!! 左腕シナプス切断、循環系強制パージ・オン!!」

零号は右手の双機銃で自分の左腕の肘から先を吹き飛ばした!

 

ドゥーーン!!ガシャン。

 

零号の左肘のフォトンコンデンサが暴発して二体のキャストは互いに十メートル程吹きとばされた。

 

スタッ!!

着地する二人・・・

間髪入れず、零号はブラックシャドウに駆け迫った!

「いけーーーっ!!」

その時、零号は もう一つのジグの言葉を思い出していた。

 

「攻撃しているのは自分だけじゃない・・・相手だってお主を攻撃しておるのじゃよ

お主の次の動きを読んで、そこを狙ってくるんじゃ・・・

ならば、自分の動きでソレを誘導してやれば良いだけじゃ。使えるものは全て使えっ!」

 

(やってみるか・・・、それしか倒す方法は無いっ!正面から撃っても躱されるだけだ・・・

ブラックシャドウの空間転移パターンを試算解析開始・・・・)

零号はチラリとブラックシャドウと地面に転がるアレを確認した。

 

「いけーーーっ!! サテライトエイム!!」

零号は普通にブラックシャドウを狙ってフォトンアーツを繰り出した。

 

「あーん? 遅い、遅いわ・・・ のろまな姉さんっ!!」

左腕の無いブラックシャドウは右手の双機銃を構え空間転移をした。

 

(ブラックシャドウ空間転移を追加試算予測開始・・・)

ヒュイィィィーーーン!! 零号は瞬時に今までのパターンから攻撃予測地点を試算した。

 

(左上0.5メートルから来るな!! ・・・ 対物反射角及び射撃強度調整・・・・)

零号は半身を翻し、右に五十センチ移動し、ブラックシャドウの銃口を外した。

 

「あーら、避けても無駄よ・・・」

ブラックシャドウは瞬時に再び空間移動を行ったー。

零号の真正面から現れる銃口・・・ ヘッドショットを狙ったものだった。

 

「・・・掛かったなっ、コレで終わりだーーーっ!!」

零号は何故かブラックシャドウの後ろの地面目掛けて双機銃を弱掃射した。

 

バババッ!

バババッ!

 

ブラックシャドウの撃った弾丸は零号の左フェイスパーツの一部を吹き飛ばした。

「どこ 撃ってるのよ・・・・ 姉さんバカなの・・・ うがっ!!」

 

零号の撃った弾はブラックシャドウの背の地面に着弾。

それは”地面に転がったブラックシャドウの壊れた腕”が握っている双機銃のトリガーを正確に狙ったものだった。

トリガーを押された双機銃は跳ね上がり、銃に残るワンチャージ分の弾丸を撃ちだした

 

ザシュ!!

 

弾は正確にブラックシャドウの頭部を後ろから吹き飛ばした。

バゥーーーーンッ。ガシャン、ガシャガシャン・・・・

首を落とされたブラックシャドウのボディは、派手な音を立ててその場に膝から崩れ落ちた。

 

ヒュイィィィーーーン・・・・

零号は、その壊れた”ベルリナ量産型カスタムVer3.0”を見つめ、涙を流した・・・

 

「お前も・・・ 僕と同じ哀れな宿命を持って生まれたキャスト・・・」

零号はその残骸を背に激戦だった泥だらけの戦場から、ゆっくりと歩いて仲間の元へ戻った・・・

「だけど・・・ 僕にはもう仲間が・・・ 信頼出来る人がいるんだ・・・ お前とは違う。」

 




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