ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第三十二話「切り離せない心」

「残った公安のアークスは来た道から撤退しろ!! 急げっ!!

ベルレーヌ、零号とベルリナ君のバックアップを頼むっ! よーし、ベルナルドっ! 行くぞぃ!!」

ベルマリアは、そう言うと襲い来るダークビブラスに向かっていった。

余りのことに、残った公安のアークスは全員逃げ出し、さながらパニック状態になった。

 

ビブラスがその長く大きな腕を振り回しその先端から赤いエネルギー散弾を撃ちだした。

 

うわーーっ、ぎゃーーっ!!

逃げ惑っていた公安のアークスが巻き込まれた・・・ 昏倒した者もいる。

 

「奴め、討伐目的はワシらだけでは無かったのかっ!! 怒りに我を忘れておるのかっ!! くそっ!!」

ベルマリアは抜刀を構えて公安の前に出て、ビブラスに立ちふさがった。

「デカいのう・・・・ 。 ベルナルドっ、ヤツの角をへし折ってダウンをとるぞぃ!!」

「判った。まかせろっ!!」

ベルマリアとベルナルドはビブラスの頭に攻撃を集中した。

 

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零号はベルレインの意識の海に彷徨っていた・・・

余りに多い他人の思念に圧されて感覚がおかしくなっていた。

(ベル姉ちゃん・・・。 本当に、こんなに広い空間から探し出せるのだろうか・・・)

行けども行けども、苦しむ人の思念ばかりで、探す手立てすら思いつかない・・・

 

・・・ふと、少し前にもこんな事があったような気が・・・

そうだ、リミットブレイク出来なかった時だ、あの時は、ベル姉ちゃんの記憶の欠片を見つけてー

「もう一度、探してみよう、あの時の”僕が失った記憶”を・・・思い出すんだ」

 

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ベルレインの意識にスピリチュアルリンケージを掛けている零号はその場に座り込み動かなくなっていた。

ルーサーと少女ベルレインに対峙し、ビブラスの流れ弾を弾くベルレーヌ。

「まさか、私がベルリナと零号を守る事になるとはな・・・・運命とは判らんものだ、ふふふっ」

 

「誰だ、私の頭に入ってくるのは・・・ 鬱陶しい」

少女ベルレインは苦しみながらも、対峙するベルレーヌに気づき怒りを露わにした。

「あんたもコイツの仲間なの・・・ なら、私が吸い取ってあげるわ!」

ベルレインは”歌”を歌い始めた・・・

 

「うっ!!」

 

ベルレーヌの頭の中に、何かの歌が流れてきた・・・

その瞬間、自身の過去が走馬灯のように流れだす。

(なるほど・・・ 精神同化するために、相手の過去を全て吸収しているのか・・・ だが、あいにく私は・・・・)

ニヤリ・・・ と笑うベルレーヌ。

 

少女ベルレインは不思議な顔をして驚いた

「何っ? あんた、何で同化しない・・・・ そうか・・・ダーカーなのか・・・。 」

笑うベルレーヌはそれに答えた。

「ダーカーは、世界の平穏と秩序を守る者だ。 あいにくお前とは生きている次元が違う。

いま、この”出来損ない”がお前を封印するだろう、その時はお前と共に生きる事になるだろうさ・・・」

 

ベルレーヌは、ぺたりと座り込んでいる零号を見てほくそ笑んだ。

 

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零号の心に差す弱々しい光・・・

 

「見つけた・・・ 間違いない。ベル姉ちゃんの心だ・・・・ ベル姉ちゃんっ!!」

零号は遥か遠くに、手足を抱え丸くなって浮かんでいるベルリナを見つけた。

 

「ベル姉ちゃん、ベル姉ちゃん・・・・ お姉ちゃん!!」

・・・・だが、

(いくら呼んでも、意識が戻らない・・・ )

零号は、悲しくなった。目の前に愛する姉が居るというのに、声も届かない・・・

「ベル姉ちゃん、ベル姉ちゃん・・・・ あっ!?」

 

(お姉ちゃん、何故泣くの・・・・)

その時、零号はベルリナの眼に流れる涙に気がついた・・・

 

(私が、生まれなければ、皆、幸せになっていたんだ・・・・

私が巫女としてさえ生まれなければ・・・)

 

零号の心に流れてくるベルリナの意識・・・

「違うよ・・・、お姉ちゃん。僕はお姉ちゃんに出会えて幸せになれたんだよ。皆、そうだよ」

零号はベルリナに声を掛けた・・・ が、その声は届かない。

いくら声をかけようとも、声は届かず、ベルリナは、ただ涙を流すだけ・・・

 

(お姉ちゃん・・・)

 

零号は悲しくなった・・・

どうしたら、いいのだろう?

この気持は、声は、伝わらないのだろうか・・・?

 

たまらず、ベルリナの小さな身体を抱きしめる零号・・・

(お姉ちゃんは悪くない・・・ 苦しむことなんてないんだよ。)

気がつけば、零号の瞳から涙が溢れていた。

 

ポタッ・・・ ポタッ。

零号の涙がベルリナの頬に落ちた・・・

 

(なに・・・・ 誰っ?)

ベルリナがそれに反応して顔を上げたー。

 

「ぜ、零号ちゃん!? なぜこんな所に・・・・」

零号は涙を一杯溜めた瞳でベルリナをみて言った・・・

「お姉ちゃん・・・ 迎えに来たよ。 一緒に帰ろ」

 

「ありがとう・・・ 零号ちゃん。 ・・・だけど、どうしても、ここから離れられないのよ・・・なぜだろう・・」

 

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咆哮を上げ、腕を振り回すダークビブラス。

 

「ふんっ、図体ばかりデカい、薄鈍が・・・ サクラエンドっ!!」

 

バギィっ!

ベルマリアはビブラスの頭の先端の角を叩き折るとビブラスのサイドに位置付いた。

「しかし・・・体力は有るんだよな・・・零号が居ないとウィークバレット貼れないから余計に耐久力を感じるな・・・ サーベラスダンス!!」

それを聞いたベルマリアはクスクスと笑う。

「お主、それはウィークバレットに依存しすぎじゃろう、まずは自分だけで倒せるよう腕を磨けっ!」

「ケッ、よく言うぜ・・・マリア。 しかし零号・・・遅いな。大丈夫なのか?」

「ふむーっ・・・」

さすがのベルマリアも零号がベルリナを救い出せるという確証が無かった・・・

有るとすればそれは”零号の思いの強さ”への信頼だけだった・・・

ビブラスと戦いながら零号の様子をチラ見したが、状況は変わりないようにも見える・・・

「マリア・・・心配なのは判るが、集中しないと危ないぞ!!」

「すまん・・・」

二人のやりとりがあった直後、零号はパチリと眼を開け、声を上げた。

 

「・・・・どうしよう、お姉ちゃん、意識は取り戻したんだけど・・・

あいつの身体からどうしても分離出来ないんだよ

どうすれば、いいんだよ・・・先生・・・」

 

「あ・・・っ!!」

ベルマリアはその瞬間に気づいた。

(ルーサーの言う、ベルレイン再起のカギとなった”ベルリナ君の何か”が彼女自身を縛り付けているのか・・・・

だが、しかし・・・それは何だ?・・・ 思いだせっ!! 今までのルーサーとのやり取りにヒントが有ったはずだ)

 

零号の意識が戻ってきた直後、少女ベルレインも意識を取り戻した。

「あぁ・・・鬱陶しいな、あんた・・・全員、私に取り込まれなさい・・・」

 

その時、ベルレインの歌がベルマリアたちの心にも聞こえてきた!

ベルマリアの心にも過去の自分の記憶が走馬灯のように蘇ってくる・・・

 

「みんな、その歌を聞いてはダメだ、意識が吸い取られるぞ!」

 

ベルレーヌの声が三人の意識に遠く響く中、ベルマリアたちは白く意識が薄れていくのを感じていった。

 




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