ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第二話「悪夢の再来!?」

「あなた・・・ この間の・・・・」

 

少女はペコリと頭を下げて、挨拶をした・・・ が次の瞬間真剣な顔になり

叫ぶような大声を出した。

 

「ベルリナさん、ベルマリア先生・・・・ お願いです、私の死んだ兄を救ってください!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

 

ベルマリアは、びっくりしてベルリナに耳打ちした。

 

(お、おい・・・ 此奴、ま、まさかワシがベルナルドを作った経緯を知って来てるのでは無いんじゃろうな・・・?)

(ま、まさか・・・ 違うと思いますよ・・・ 多分?)

 

ベルリナが慌ててキョロキョロ周りを見渡し、ぬりえに言った

「ぬ、ぬりえちゃん、こんにちは・・・ こ、こんな所じゃなんだから、中でお話しましょうか? 

そのままじゃ、風邪引いちゃうし・・・・ ね?」

 

「はいっ!! ・・・・くしゅん!!」

 

ぬりえは至って元気な声で返事をして、研究室に入っていった。

 

「ちょ、・・・誰か俺の事、忘れてない・・・か・・・・」

ボロ雑巾のようにベルナルドMk-2だけがその場に残されていた・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーー

「サイズ合うかな・・・? 私の研修生時代のお古だけど・・・」

 

ベルリナの服を借りた、ぬりえは研究室のいつもの長ソファーに腰を下ろすとモジモジし始めた。

「少し胸が苦しいですけど・・・あ、大丈夫です! 私ってドジだから、しょっちゅう転んじゃって

・・・さっきも転んで噴水にハマっちゃったのを、このキャストさんに助けてもらって・・・・」

 

「そうだぜ、俺は人助けして、おまけにベルリナちゃんを訪ねてきたって言うから連れてきたのに、

酷いあつかいだぜ・・・・ ったくよぉ」

ベルナルドMk-2は床に座ると拗ねたフリしてそっぽを向いた。

 

「あ、ははは・・・・ ベルナルドさん、ごめんなさい・・・ つい、いつものかと・・・」

ベルリナは両手を振り振り照れていた。

 

と、・・・・全員が着席したところで、零号のシステムをOFFにし、

ベルマリアが話し始めた。

「ようこそ・・・・ えーっと、 真白君じゃったっけ?」

 

「・・・・・・!!」

それを聞いたぬりえが、少しだけ不機嫌な顔になったが、すぐ元の顔に戻し

「”ぬりえ”で!!良いです、ベルマリア先生。以前は先生の講義にも参加させて頂きました。」

 

「うむ。・・・憶えておる、失礼じゃが”なぜマシロのご令嬢がアークスなんじゃろう”と思っておったわい。

・・・・さて、今日の話を聞こうかのう? ぬりえ君。」

ベルマリアはぬりえの態度から、マシロの話を出すのはダメだと気づいて話を進めることにした。

 

「あ、はい・・・」

ぬりえは、ベルマリアの切り替えに少しビックリしながら話を進めた。

「・・・・えーっと、オーダーの内容は・・・ 私の兄を助けて欲しいのです」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

暫しの沈黙が訪れたが、

ベルリナとベルマリアは顔を見合わせ「仕方ないなぁ・・」という顔をしたのち

ベルマリアは至って冷静に言葉を続けた。

 

「ぬりえ君、アークスに成ろうというなら、報告も出来んといかん。理路整然と誰にでも分かるようにじゃ」

「はいっ・・・?」

ぬりえは何を言われているのか分からず・・・??? となったが・・・

 

ベルマリアは呆れた顔をしつつもクスクスと笑いながら話を続けた。

「クライアントオーダーとして依頼するのなら、準備してきているものがあるじゃろう?」

ベルマリアはぬりえの腰のアイテムパックを”くいっ、くいっ”っと指差した。

 

「・・・はっ! そうでした!」

ぬりえは慌ててアイテムパックから”オーダー依頼書”を出し、ベルマリアとベルリナにデータ転送した。

「すみません、どうも苦手でして・・・・あはは・・はぁ・・・」

気を取り直して、ベルリナとベルマリアは依頼書に眼を通した。依頼書には幾つかの参考データ等が添付されていた。

 

「私の兄・・・と、いっても血は繋がってないんですけど・・・ 

兄、真白アキラは2週間前に社長の命令で、

アムドゥスキアの試験場で新製品のテスト運用の立ち会いをしていました、

兄はアークスでして実地テストはいつも兄がやっていました」

 

「社長さんと言うと、親父さんかな? でもなぜ、アムドゥスキアなの?」

ベルリナは書類から眼を上げてぬりえに尋ねた。

 

「なんでも、今回の製品は、クエストエリアによって性能が上がるプラグインの開発だったと聞いています」

そういうと、ぬりえは何故か眼を伏せた。

 

「ほぅ・・・・」

ベルマリアは、むしろ新製品の方に興味があるようだった・・・

 

ぬりえは更に説明を続けた・・・

「その試験最中に何らかのトラブルで、たちあい人、全員が一瞬で心神喪失状態になりました。」

 

「ーーー全員!?」

ベルリナとベルマリアは同時に声を上げた。

 

「・・・ よく、分からぬなぁ・・・ そこ、詳しく話してもらえぬか?」

ベルマリアは理不尽とも思える内容の説明に理解出来なかったのか、

ぬりえに確認するように聞いた。

 

「はいっ、・・・・わたしも良く分からないのですが、

その場に居た全員が同時刻に一瞬で脳波停止になり死亡したとのことです。

幸い、兄だけはアークス登録者でしたので、身体維持機能が働き死亡に至らなかったのですが

意識不明の重体のままになって、いまも入院しているのです。」

 

「一瞬で全員が脳波停止・・・」

この言葉に、ベルリナとベルマリアは慌てて顔を見合わせた。

 

「・・・・先生っ!?」

「うむ。・・・いや、そんなはずは・・・ベルレインはもう居ないんじゃ。ありえんじゃろう・・・・」

 

突然ベルリナたちの態度が変わったのを感じ、ぬりえが不思議そうに

「どうかされたのですか?」

半立ちになって二人に尋ねた。

 

二人はぬりえの言葉に我に返り、そしてベルマリアが口を開いた・・・

「いや、・・・ その・・・ そうじゃ、お兄さんの病院はこの資料の場所でいいのかのう、ぬりえ君? 

念のため確かめたい事があるんじゃが・・・」

「はぁ・・・ 別に構いませんが・・・? ・・・・それで、お受けいただけるんでしょうか? このオーダー・・・」

 

ベルリナとベルマリアは顔を合わせユックリと頷いた。

「お兄さんの意識不明の原因をつきとめ、意識を回復する・・・・やりましょう! 先生っ!」

「・・・ うむ。まぁ断る理由も無いし、まさかとは思うが・・・気になるからのう・・・ 行ってみるか?」

 

そう言うと、すっくとベルマリアが立ち上がり、ぬりえに確認した

「アムドゥスキアには明後日の出立でいいかの?ぬりえ君?

ちょっと準備したい事があるのでな・・・・ すまぬ。」

 

「あ、はいっ! 私も付いて行って良いですか?」

目をキラキラさせて尋ねるぬりえ・・・・。

 

「・・・・・」

顔を見合わせる二人、特にベルマリアの顔は渋かった・・・

(どうも、ぬりえ君の性格からして、トラブルが起こりそうじゃが・・・)

 

しかしベルリナの心は既に決まっていたようだった。

「いいわ、私が申請出しておいてあげる。仮実地訓練という名目なら同伴出来るでしょうし」

 

うえぇーーっ、という顔になるベルマリア。

「おいっ! ベルリナ君・・・ 大丈夫か?」

 

「何か有れば私が守ってみせますし、危なくなったら逃げれば良いだけです!、先生!」

 

「いや、まぁ・・・しかし・・・ 」

ベルリナとぬりえの妙にキラキラした瞳に困惑するベルマリアであった。

 

「それはそうと、零ちゃんは連れていけないんですか?・・・先生?」

ベルリナは応接から工房をみてベルマリアに呟いた。

 

「組み立てと起動試験はできるじゃろうけど、テスト回数が不足で危険になりそうじゃな、今回は、パスじゃ・・・」

ベルマリアは至って冷静に答えた。

 

「そうなんだ・・残念。・・・ まぁでも、もうすぐなんですね、先生!」

ベルリナは一瞬落ち込んだが、切り替えて明るくなった。

 

「まぁ、明日中には試験に入れるだろうからすぐじゃわい。

ワシらの留守中はベルナルドMk-2にテスト運用やってもらうからのう・・・」

 

そのベルマリアの言葉を聞いたベルナルドMk-2はムクっと顔を上げ不満そうに言った。

「えーっ、それじゃ俺もアムドゥスキア行けないのかよ・・・・」

 

しかめっ面をしてベルマリアが怒鳴った。

「何言っとるんじゃ?! お前が行っても仕方ないじゃろう? 

どうせ、ベルリナ君やぬりえ君のお尻目当てで行きたいんじゃろうが・・・ええ加減にせい!」

 

「ひいっ!」

”お尻”という単語に「ビクッ!!」っとなり、お尻を押さえるベルリナとぬりえ・・・

 

「休み期間中で学校の講義はないんじゃが、お前にはもっと大事な用事を頼みたいんじゃ・・・

いいかの? ベルナルドMk-2・・・」

 




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