ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第四話「惑星アムドゥスキア」

 

惑星アムドゥスキア

 

地表部が剥離して浮遊し、内核部が見えるという歪な構造の惑星である。

これは隕石によってもたらされたものであるらしいが、惑星としては古く、様々な形態の龍族が生息し、

知能が高い一部の龍族は文明をもち、独自の文化と法を持つまでに至っている。

 

「溶岩と噴煙の地表は平均気温が摂氏50度、近くある、人類ではアークス以外が活動する事が出来ない場所じゃ・・・」

キャンプシップを降り、テレパイプから出たベルマリアがアイテムパックから出したオロチを腰に装備しながら、ぬりえに解説を始めた。

「ぬりえちゃん、フォトンシールド薄めだけど、溶岩とか大丈夫?」

ベルリナが自身のアイテムパックをチェックしながらぬりえに話しかけた。

 

「はいっ、容量を越える一撃でも喰らわない限り回復出来ます。大丈夫です!」

ぬりえは銃剣を右手に持ち銃剣モードを切り替えテストしながら答えた。

 

・・・と、その時、

ギャギャギャーーーッ!

ディッグが10匹ほど降り立った三人を目指したてワラワラと寄って来た。決して友好な感じではない・・・

 

「うっわっ!!」

ぬりえは銃剣を銃モードに切り替え、慌ててディッグを撃った!

 

ザシュザシュ! 

半分ほどが命中したが、余りに威力が無く、攻撃は弾かれていた!

 

ベルリナはまだ長杖も短杖も装備していなかったが、殺意を持って現れた来客を迎え撃つ!

「ラ・バータっ!」

 

バキバキっ・・・

瞬く間に全てのディッグが凍りつき、砕け、消滅した・・・

 

「えっ、瞬殺?!・・・武器も持ってないのに・・・ 何それ、凄すぎ・・・」

思わず、心の声をぬりえは口に出してしまっていた。

 

ベルマリアは、二日酔いの頭を押さえながらその様子に特に驚く様子もなくぬりえに聞いた。

「ぬりえ君、報告だと事件の起こった現場は、祭壇という話じゃったが・・・・ たたっ・・・」

 

ぬりえはベルマリアの言葉に気を取り戻し、あたふたと答えた

「あ、あ、はい。そう聞いています。・・・が、なぜ火山洞窟から入ったのですか?」

 

ベルリナとベルマリアは顔を見合わせ、ニヤッと笑い、そしてベルリナが質問に答えたー。

「それは、今回の渡航がぬりえちゃんの仮実地訓練・・・という名目だからだよ、

祭壇という場所は、許可された上位権限を持ったアークスしか入れないから、今回入るのは、あくまで・・・・」

 

「ちょっとした手違い・・・というやつじゃのう、”敵に追われて逃げ込んだ・・・”とか、はははっ・・・・ つつっ!」

言葉を繋げたベルマリアが高笑いをした。

 

「あ、はぁ・・・・」

ぬりえはキョトン・・としたままだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃、ベルマリアの研究室では・・・

 

「ねぇーっ、マーク2ーっ、行っても良いでしょ! 僕も行きたいんだ・ょ・・  ヒィーーヒャっ!!」

ベルリナ試作零号機がキャスト用調整台でパーツのテストと調整をされていた。

 

「ははっ、通電テストするたび、変な声だすなよ、にゃはは・・・、良し、調整用のシンクロデータは大体、採れたかな?」

ベルナルドMk-2は機器のスイッチを幾つか押すと、別の機械のスイッチを入れた。

 

「だめだぞ、行けるわけ無いだろ、お前まだパーツ組んだだけなんだから、

そのまま全力で動いたら爆発しかねんだろ!」

ベルナルドMk-2は計器類をモニターしながら、採れたデータを打ち込んでいく・・・

 

「わかってるけどさー、せっかくベル姉ちゃん達が冒険してるのに、僕だけ待機とかさ・・・つまんないよー」

不貞腐れる零号をみながら呆れて両手を上げるベルナルドMk-2・・・

 

「なに言ってるんだ! 一番ワリに合わないのは俺だぞ、せっかくベルリナちゃんと新人ぬりえ嬢という、

グラビア界のツートップと同行出来るチャンスだったのによぅ・・・・ 留守番とか有りえんわ、ブツブツ・・・・」

同じように不貞腐れるベルナルドMk-2・・・

 

「だったらさぁ・・・ 基礎調整終わったら、二人で後を追わない? 見にいくだけなら、問題ないでしょ?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

火山洞窟最深部

 

「サクラエンドっ!!」

ベルマリアの叫びとともに、大型のフォードランとノーディランが数匹倒され蒸発した・・・

 

「ふええー! これまた一撃です! マリア先生も凄い・・・」

ぬりえは眼を丸々として驚いていた。

 

「フォードランとかバリア張るから射撃・法撃は効きにくくなるんだよ、ぬりえちゃん」

ベルリナはエリュシオン片手にベルマリアのカタナさばきを、ぬりえに解説していた。

 

「ま、こんなもん戦闘のうちに入らぬわ・・・・、いたたた・・・」

二日酔いの頭を押さえながら シャキンっ!! ・・と、納刀するベルマリア。

 

「よーし、少し、やってみます!」

そういうと、ぬりえは剣モードでディーニアンに斬りかかった。

到底当たる距離に見えないところから引腰で振り出すぬりえ・・・

当然、攻撃は当たらず、その盾で弾かれる!

 

ガキン!!

 

「あうぅう〜〜っ・・・」

弱ダメージを食らってその場でペタンと座り込んでしまった。

 

「ぬりえちゃん、大丈夫? ”ナ・バータ・ツー・ステップス”」

ベルリナはナバータをキラキラと撃ち出しながら、舞踏会で踊るが如く軽やかに舞う・・・

周りに20近く居たディーニアン達が、凍り、砕け、一瞬で消滅した・・・

 

「何? この人たち・・・ バケモノだ・・・ ナベ白、凄いって聞いてたけど、マジだっ・・・すごっ」

ぬりえは、銃剣片手に何も出来ないまま、立ち尽くしていた・・・

 

「うーん。バケモノは、ひどいなぁ・・・ ぬりえちゃん、うふふ・・・」

エネミーが倒され辺りが静かになると、ベルリナはエリュシオンを腰に戻し、ニッコリ微笑んだ。

 

周りをキョロキョロ見ながら、ぬりえが小声で尋ねた・・・

「それはそうと、この火山洞窟の龍たちはなぜ、みんな好戦的なんですかね?

さっきから、現れる龍すべてが一目散に襲ってくる・・・・」

 

「・・・・あぁ、それはじゃな、アムドゥスキアはアークスが調査認可して立ち入れる

三箇所・・・火山洞窟、浮遊大陸、祭壇のうち火山洞窟は龍族の罪人が多くいるからじゃな。

龍族自体は民度知性の高い者も少なくないが浮遊大陸や祭壇にも多少、民度の低いのがおる・・・・あと、ダーカーの・・・ん!?」

・・・そこまで言うと、ベルマリアは抜刀を構えた。

 

ゴゴゴゴーーッっと凄い地鳴りが響く!

 

「先生っ! 大きいの来ます! ぬりえちゃん、そこの岩陰に隠れて! すぐに!」

ベルリナは、そう叫ぶのと同時に近くの溶岩の岩陰を指さした!

 

「えっ? えっ?」

ぬりえは、理解できずに周りをキョロキョロした、その時・・・

 

ゴゴゴゴゴゴーーーーーーーッ

 

凄い地鳴りと共に目の前の地面が噴火するように裂け飛び、その亀裂から巨大な金の龍が現れた。

 

「グォォォーーーッ!! 殺す殺す、殺す!!」

全長25mは有ろうか・・・、巨大な龍は殺気に満ちた鋭い眼でベルリナ達を睨むとその背の翼を羽ばたかせた。

 

「ヴォル・ドラ・・・いや、バーン・ドラール? ・・・でも、何だか赤いような・・」

ぬりえはビックリして突っ立ったままだった。

 

「ダーカー侵食のようじゃな・・・ ぬりえ君、何しとる!? 早く陰に隠れるんじゃ!」

ベルマリアが駆け寄り、ぬりえを庇うように前に出た。

 

「あ、は、はいっ・・・・」

慌てて、岩陰に身を隠すぬりえ。

 

「先生! 私が足止めしますので、お願いします!」

ベルリナは長杖を持つとバーン・ドラールの足元にダッシュした。

 

「おう!了解じゃ!」

ベルリナが走りだした時には既にベルマリアはバーン・ドラールの頭に向かって駈け出し、

瞬時に右手にオロチその左手にヤミガラスを装備した。

 

「うわっ、うわっ!!」

ぬりえは隠れつつも、ワクワクしながら二人のアークスを見つめていた。

 

「グォーーッ!!」

 

バシュッ!!

短いバーン・ドラールの叫びと共に近づくベルリナに向かって火球ブレスが撃ち出された。

 

「うわわっと・・・っと」

ベルリナは瞬時にミラージュエスケープで回避し、バーン・ドラールの足元に潜り込んだ。

 

「いきます! ラ・バータ=コンティニー!!」

ベルリナのロッドから極寒の冷気が溢れだし、ラ・バータが連続でバーン・ドラールの脚部にヒット!

一瞬でその動きを完全凍結させた!

 

「相変わらず凄まじいフォトン量じゃのう・・・・ベルリナ君は・・・・う、っっ」

ベルマリアはニヤニヤしつつ凍結して動けないバーン・ドラールの頭部から尻尾を眺めて、両手の抜刀を構えた

 

「二連ハトウっ!!」

その一瞬、二本の抜いた剣の鞘がベルマリアの前の地面にクロスして突き刺さり、

抜いた二本のカタナによるハトウリンドウ連撃が繰り出された!

 

ザッ、ザシャーーーッ!!

グファォォォーーーッ!!

 

命中したハトウリンドウはバーン・ドラールの角を一瞬で折り、翼を曲げ、背の部位を吹き飛ばし、

破壊こそしなかったものの尻尾のクリスタルにまでダメージが到達していた。

 

「ぬぅぅおおおお!!」

ズシャーーーン!!

大ダメージを受けたバーン・ドラールはその場に崩れた。

 

「うわーーーーーッ、すごーい、すっご~い!!」

ぬりえは余りの事に岩陰から身を乗り出した・・・・ だが・・・・

 

「ぬりえちゃん!! まだ隠れてて!」

「まだ、へこんで居れっ!」

ベルリナとベルマリアが叫んだその時、ブルブルと首を振ったバーン・ドラールの翼が大きく広げられ、勢い良く空に舞い上がった!

 

(死ねっ!!)

そんな、言葉がぬりえの脳裏に響いたその瞬間、空に舞い上がったバーン・ドラールの口内に火炎が燃え盛った!

 

(だめっ、ぬりえちゃんがターゲットになってる!、えーいっ、間に合え!!)

ベルリナのロッドに氷の結晶が舞った・・・・

 

「イルバータ・コンセクティブセブンっ!」

ピキッ、ピキピキ・・・!!

ベルリナの七連発イルバータがバーン・ドラールの頭部に炸裂した。

 

「グハァ・・・・グォッ!!」

バーン・ドラールは空中で凍結し、肉片となって四散した。

・・・・・が、一瞬速くその口から吐出された大火炎球が、ぬりえ目掛けて降り注ぐ!

 

ベルマリアはあわてて走り戻りながら叫ぶ。

「ぐわっ、しまったっ!ぬりえ君のフォトンシールドで、あれは耐えきれん!」

 

大火球は、正確にぬりえの立ち位置に落ちた。

 

グォオオオーーン

燃え盛る、焦がす地面・・・・

生き物全てを蒸発させてしまう程の炎とともに、アムドゥスキアの大地が揺れた・・・

 




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