ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第五話「フォトン・アシミレータ」

「まぁ、・・・ついて行きたい気持ちもわかるけどな、俺はお前の調整以外にもベルマリアのお使いがあんだよ。」

ベルナルドMk-2は零号の調整を済ませると調整台の固定ベルトを緩めた。

ベルトが”カチャ、カチャ”と外れ、待ってましたとばかりに零号が台から飛び降りた。

 

「うぅ〜ん。やっと歩けるよー!」

零号はユックリと両脚を地面に付け、やがてモソモソと研究室を歩き始めた。

 

「・・・そらっ、そこに置いてあるのがお前さん用にジグが作ってくれた双機銃だ。」

部屋の中を確かめるようにピョコピョコ歩きまわる零号に向かってベルナルドMk-2が答えた。

 

「・・・慣性制御ジャイロも良好だ、ちょっと動作学習すれば、すぐ実戦参加いけそうだよ

・・・ えっと、銃・・・コレだね」

零号は置かれていたケースから白い双機銃を取り出すと手に持った。

ベルリナ試作零号機がベルレイン戦で使用した”吹雪凛花零”はその激戦中、完全に壊れてしまった。ベルマリアはジグに頼んでそれに代わる双機銃の製作を依頼してあったのだった。

 

「リンク・コネクトオン、フォトン・チャージ・・・」

カシャカシャッ・・・っと構えると、クルクルと双機銃を少し振り回し、

腰のホルダーに収め、また手にとってクルクルと振り回した。

 

「うーん・・さすがジグのおじさん、いい出来だ。前の”凛花零”より格段に重い威圧感があるな・・・・

ちょっと練習しないと使いきれそうにないやー」

 

出かける準備をしていたベルナルドMk-2が振り返り、零号に言った。

「・・・ん? 練習? エクストリームか? それじゃ俺、お使いで出かけてくるから、ぼちぼち調整入れておいてくれ、

最終調整は夜にベルマリアに入れてもらうからな!」

 

「うん、わかったよ・・・・ 久しぶりだ、銃を撃つの!! 何だかワクワクするな!」

零号もそう言うと、出かける準備を始めた。

 

研究室の扉を開けて外に出ようとしたベルナルドMk-2が振り返り、零号に向いて真顔で言った・・・

「・・・あと、絶対に出力全開で動くなよ、まだ調整しきれてないからな・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドゥゥーーーーン!!

そのとき、アムドゥスキアの大地が揺れたーー

 

「ーーーっ、しまったっ!ぬりえ君のフォトンシールドで、あれは耐えきれん!」

 

大地に落ちたバーン・ドラールの大火炎球はその大地を焼き払い、一面を業火の海に変えた・・・

上がる炎と蒸気で視界は失われる・・・。 

この攻撃を喰らえば並みのアークスならば即昏倒か、瀕死状態になる。

 

「あぁ。あああ・・・・・ ぬりえちゃん・・・・」

着弾の瞬間、ベルリナは貧血にも似た目眩を感じ耐え切れずにその場にしゃがみこんでしまった。

ベルリナは余りのショックに目眩がした。     ・・・と思った。

 

ーーーーーーーーーー・・・・・っ!

 

だが・・・次の瞬間、ベルリナ、ベルマリアはその異常に気づいた・・・

燃え盛る大地の中心に光り輝く光球・・・・

 

「ぼ、防壁のナ・グランツ・・・・じゃと!?」

溶解し窪んだ爆心地の中央で、うずくまるように丸くなったぬりえ。

その彼女を中心に光の力場が発生していた。

 

「・・・ぬりえ君のフォトン係数が測定不可量。・・・どういうことじゃ?

しかも、ほとんどダメージを受けとらんとは・・・・・ うっ、な、何じゃ? この脱力感・・・・」

ゆっくりと近づくベルマリアのスカウターは壊れたかのような乱数表示になっていた。

防壁と化したナ・グランツの光の壁はぬりえを完全に防御して尚、光輝いていた・・・

 

「う、ふぅ・・・ナ・グランツを使えるアークス多しといえど、防壁クラスを使えるアークスは超極わずか・・・ 相当なフォトン量を持つ者にしか使えんアーツじゃ・・・・しかし、

ぬりえ君は学校修業課程でナ・グランツどころか、テクニックを全く使用出来なかったはずじゃ・・・

どういうことなのじゃ?」

余りの事にベルマリアが緩々と近づく横をベルリナが息を切らせながら走ってぬりえに駆け寄った。

 

「はぁ、はぁ・・・・大丈夫? あ、あれ・・・・ ぬりえちゃん・・・その姿は・・・ 」

ぬりえの額には今まで無かったデューマン特有の角が二本、小さくニョッキリ生えていたのだ。

 

「う。うん!? あ、ベルリナさんこそ大丈夫でしたか?」

「えっ!? ・・・あ、あ、うん・・・・」

安否を尋ねられ、逆にベルリナは戸惑っていた。

 

「うぅぅ・・・大丈夫じゃったか?」

頭を押さえながらベルマリアが二人に近づいて、尋ねた。

 

「はい、少し身体が熱い感じがありますけど、怪我は無いようです・・・ 」

 

「・・・・ふむ、すまぬ。もう少し気を付けねばならなんだ。

まぁ、アークスなら死亡はまず有り得ないじゃろうが・・・」

ベルマリアは、そう言うと二本の抜刀を鞘に収めた。

 

「ぬりえちゃん、ちゃんとテクニック使えるんだね? 」

ベルリナは少し肩で息をしながら、ぬりえに手を差し出した。

その手を支えに立ち上がりながら、周りをキョロキョロしながらぬりえはおかしな顔をしながら

「あれ!?  テクニックなんて使ってました? 私・・・ 変だなぁ? ・・・と、いうかテクニック使えたんだ!!」

そういうと、手足についた砂埃を払い何事も無かったように笑った。

 

(うーん。 ・・・しかし、この娘・・・ どういうことなんじゃ? まさか・・・ あれなのか?)

ベルマリアは、通信回路を開くとベルナルドMk-2に伝言を告げた。

「あー、ベルナルドMk-2か? すまんのう、調べ物をもう一つ追加して欲しいのじゃが・・・」

ベルリナは、ふらふらとしながらその場にペタンと腰を下ろした。

 

「ふぅ、ご、ごめんなさい・・・ ちょっとだけ休憩していい・・・かな?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

-- アークスシップ・ショップエリア --

 

零号は久しぶりの大地(・・・といってもアークスシップだが)の感触を楽しんでいた。

 

「フンフフフ〜〜ン♪(ベルリナの歌)」

見慣れたショップエリアではあったが、今日は”ぶらさがりボディ”・・・ベルリナの肩の上ではなく

自分の足で、思うままに歩いて回れる。

回路のギャップ調整が少しズレているのか、少々熱っぽい感触はあったが、

むしろ心地よいぐらいの暖かさだったー。

 

「平和だねぇ・・・」

 

たとえ造られた命であってもあのベルレインの死闘時に生きている事の本当の幸せを感じた零号は

自分の足でいま、この場に立っている奇跡に感謝した。

「先生やリサちゃんに何かプレゼントでも送りたいなぁ・・・ あ。ベルナルドは、要らないかな? あはは・・・」

 

ショップエリアをウロウロ周ってしばらく、ふと姉のベルリナの事が気になった・・・

「お姉ちゃん、今頃なにしてるんだろうなぁ?・・・・そういえば”-- spiritual linkage--(精神連携)”って

先生、どう設定したんだろう? ・・・動作するって言ってたけど」

 

ショップエリアの隅っこに小走りし、悪いことでもするように、周りをキョロキョロと見渡し、息をつくと

零号はシステム画面を呼び出しスイッチをトグルした。

 

「スピリチュアルリンケージ!」

自視界の上部に虹色の文字が浮かび上がり、零号の意識は遥か光年離れた惑星アムドゥスキアのベルリナまで到達する・・・・はずだった。

 

「・・・・・・!?」

零号は急激な目眩を感じてその場にヘナヘナと倒れこんでしまった。

何かにチカラを吸い取られるような感じ・・・・ 姉の声も聞こえない

「な、何だ、どうなってるんだよ・・・?」

システムは安定して動作しているようだったが、姉の声が聞こえないばかりか

どんどん、チカラが抜けていく・・・

 

「クッ!!」

止むを得ず、零号はスピリチュアルリンケージを停止した。

肩で息をしながら、零号は顔を上げ、遥かな姉を思った

 

「お、お姉ちゃんに・・・・ 何かが起こっている!?」

 




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