ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花” 作:ナベ白製作委員会
浮遊大陸・・・
惑星アムドゥスキアの外郭を覆うように、火山洞窟よりも遥か上空に浮遊する大陸群。
大陸は特殊な地磁気によって浮遊していている。緑もあり。気候は美しくも穏やかである。
人の思念を食らう魔獣”ベルレイン”の復活の生贄として生み出された人造ニューマンのベルリナ
その身体には”ベルレインの負の要素”が今も宿っている。
それゆえ、無限とも思えるフォトンの保持者でもある・・・が。
(何だかチカラが出ない・・・ というか身体に穴が開いたみたい・・・・)
ベルリナは先のバーン・ドラールとの戦闘以降、自身の体調の変化に戸惑っていた。
だが、戦闘は続く・・・
「イル・メギドっ!! ぬりえちゃんトドメ刺してっ!」
ベルリナはチャージテクを発動し、セト・サディニアンの一群にダメージを与えた。
「あ、はいっ!」
ぬりえは銃剣を射撃モードに切り替えてチビチビと仕留めていく・・・・
バシュ!! バシュッ!!
弱っていたセト・サディニアンがチビチビと倒されていく・・・
(やっぱりだ・・・フォトンの溢れ出る感じがない・・・)
・・・ベルリナは少し焦りを感じ始めていた。
「サクラエンドっ!」
抜刀を抜いたベルマリアを見ながらベルリナは、このことをベルマリアに告げようか迷っていた。
(幸い今の状況なら、先生も居らっしゃるし問題ないだろうけど・・・ もし・・もし)
周りのエネミーが一掃されたところで、ベルマリアが納刀し首を傾げて、ベルリナに向かって言った。
「ベルリナ君、体調でも優れんのか? 何だか調子悪そうじゃが・・・っ!!」
ベルマリアが言葉を続けようとした時、浮遊大陸のパステルの碧空を切り裂くような雄叫びにも似た高周波が辺りに響いた!
「先生!!」
「うむ。クォーツじゃな!! ぬりえ君、そこの岩陰に隠れるんじゃ! 急げっ!」
ベルマリアは一旦収めたオロチを再び腰に構えた。
「えっ? あ、はいっ・・・」
(クォーツだけなら先生だけでも何とかなるだろうし、私は大丈夫? っぽく振舞えば・・・この場は誤魔化せる)
ベルリナがそう思った時!
キュィィィーーーーーン!! ドグッシャーーーン!!
ベルリナとベルマリアの目の前に音速で突き刺さる巨大な赤黒いクリスタルの刃が有った。
グォォォーーッ!
「ーーー!!」
その場に居たアークス達はその圧倒的な威圧感に恐怖した!
それは、クォーツ・ドラゴンに似ていた・・・だがその翼も尾もダーカーの侵食によって生成されたと思しき禍々しいものと化し、全く別の生物になっていたーー
(お前たち!・・・ 殺すっ!!)
「な、何じゃ? こいつは? 見たこと無い・・・ レア種? いやダーカー侵食なのか・・・」
スカウター越しに見える赤黒いドラゴンは、過去どのデータにも、当てはまらないものであった
が・・・それ以上に・・・能力計測不能なレベルの高さだった
「何、このプレッシャー・・・ 殺意で溢れている、ダメだ・・・こんなの勝てない・・ 」
巨大なそのドラゴンを見上げ、チカラを失いフォトンの加護も薄いベルリナは生まれて初めて”恐怖”という感情を抱いた。
ベルリナは足が震えた・・・
「先生、逃げましょう、勝てないよ・・・ こんなの」
いままで見たこともない弱気のベルリナをみたベルマリアは、ビックリして彼女に振り返った。
「ーーー!?、べ、ベルリナ君、何を言っておるんじゃ、どうしたんじゃ?」
「先生・・・私、いまチカラが出ないんです。理由もわかんないんです・・・」
ベルリナは頭を振って泣きだした・・・
「やはり・・・・そうか・・・。じゃが、この場はコイツを倒さない事には逃げることも、もう無理じゃ!」
ベルマリアは自分よりレベルが高いだろうエネミーにも臆さず抜刀に手を掛けた!
ギャオォォォーー!!
目の前の漆黒のドラゴンはその鋭利な角を振り回した。
「チッ!!」
ベルマリアはオロチでジャストガードを繰り出し攻撃を返した・・・ が、
ギュワーーーン!
ダメージを与えるどころか、ダメージは回復となって吸収された。
「な、なんじゃ? 此奴は!! ・・・・っ!」
抜刀を構え直すベルマリアより早く、ドラゴンは漆黒の翼でベルマリアを薙ぎ払う
「ーーっ!!」
ベルマリアはその衝撃で10mは吹っ飛ばされたが、着地の瞬間に受け身を取り、飛び起きた・・・
・・・が、そのタイミングを見計らうように刺々しい尾が追い打ちを掛ける!
「・・・っ、メギドっ!!」
ベルリナはフォローするつもりだった・・・
撃ち出された闇のチカラは漆黒のドラゴンのフォースフィールドに当たった瞬間、吸収され回復の数字に変わった。
ただでさえ、圧倒的なレベルの差を感じる上に、フォトンによる攻撃は全て吸収されてしまう。
ベルリナの攻撃を受けても、まるで何事も無かった様にベルマリアに攻撃を続ける漆黒のドラゴン・・・
(やっぱりダメだ、法撃力が落ちている・・・ というかドンドン無くなっていく)
ベルリナは思いつくテクニックを打ち出したが、その全てが並みのアークス程度の威力しか無かった・・
「ベルリナさんっ! どうしちゃったんですか! ・・・・先生っ!」
ぬりえは、防戦一方のベルマリアに我慢できなくなり、銃剣を構えた。
「来るな!!コイツは今のお主たちが相手を出来るレベルじゃない・・・・ ハトウリンドウっ!」
ベルマリアの撃ちだした斬撃はドラゴンに命中した瞬間、吸収され回復数字と化した。
「くそっ、此奴にはフォトンをまとった攻撃が通らんっ! 実刀の素の斬撃だけか!」
完全に一方的な戦いだった・・・
吹っ飛ぶベルマリアのシールドはレッドゾーンに達していた。
「くそっ!!」
ベルマリアはカムイを抜き両手刀で闘っていたが、全てのフォトンアーツ攻撃が吸収されてしまっていた。
実刀のダメージはそこそこ有るのだが、レベルが違いすぎた・・・
「先生、強制的に一旦退きます、テレパイプに・・・・」
ベルリナはアイテムパックからテレパイプを投げて発動しようとした・・・
バーーーン!!
だが、その投げたテレパイプ起動マーカーは上空からの何者かの攻撃で破壊された!
「何っ?」
ベルリナが見上げる爆発四散するテレパイプアイテムの破片の飛び降る中・・
その煙の中から現れた黒い大きな男のシルエット・・・
「アークスの娘たち、残念だが・・・・ ここで死んでもらおう・・・」
漆黒のドラゴンの斬撃で吹っ飛んだベルマリアは、肩で息をしながらオロチを支えに立ち上がり、
空より降り立つ漆黒の男に叫んだ。
「これは、お主・・・ダーカーが仕組んだ罠か・・・? 趣味が良いとは言えぬな、ははは・・・ 」
「私は”ダークファルス・リミネータ”。・・・残念、それは違うな・・・ お前が罠と言ってるのは、全てそこに居る・・・ あぁ・・ まぁ良い、死ぬ奴に話してもしかたないからな、それっ!!」
「ーーーっ!!」
漆黒のドラゴンの一撃を躱したベルマリアであったが、リミネータと名乗ったダークファルスの斬撃を食った!
ベルマリアのシールド係数はゼロになり・・・ ベルマリアは昏倒し、その場で ドゥっと倒れこんだ・・・
(くそっ!・・・・、強い・・・)
「先生っ!!」
最強アークスと言われたベルマリアでさえ、そのレベルの違いの戦いでアッサリ敗北する・・・
その、余りのあっけなさにベルリナは絶望した。
「まぁ、いい・・・、お姉ちゃんたちには糧になってもらうからな・・・ 遠慮無く殺させてもらうぞ
白が目覚めるための・・・さぁ、やれ!! クリス・ドラグーン!」
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