ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花” 作:ナベ白製作委員会
-- 惑星ナベリウス凍土エリア入口 --
ギュワーーーッ
目の前のダーカーが倒され、また辺り一面に静寂が戻った。
7〜8匹は居ただろうダーカーはベルリナと零号の攻撃で一瞬で殲滅された。
・・・ベルリナ一行は惑星周回軌道上にキャンプシップを置いてナベリウス凍土の調査に来ていた。
「ふぅ・・・ところで、なんでコイツが一緒なの? 先生?」
零号は今しがた、使用した長銃を腰のホルダーに戻しながらあからさまに怪訝な顔をして、ベルナルドMk-IIを指さした。
「まぁ、なんじゃ、今日はワシの講義が無い日だったのでな、付いて来たんじゃよ。 ・・・案外役に立つぞコレは」
ベルリナと零号がダーカーを処分している間も、手持ちの計器を見ていたベルマリアがベルナルドMk-IIを指さして答えた。
「あー、無い無い・・・無いよ。コイツ死んで良い。」
零号はベルナルドMk-IIをチラ見し、毒づいた。
そんな零号を見やって、ベルマリアが零号に聞いた。
「ところで、どうじゃ?新しい脚部パーツの具合は? 手持ちしかなくて申しわけ無かったんじゃが・・・」
もともとサヤヒメシリーズであった零号の外装は脚部パーツだけピカピカのイオニアレッグに変わっていた。
「う、うん。悪くない・・・むしろ前より反応速度が良くなった・・・気がする・・・かな」
嬉しいのだけど、素直に喜べない・・・ そんな子供のような零号の反応にベルリナはひっそり微笑むのだった。
そのやり取りを見ながらベルナルドMk-IIは何やら頻りに一人頷いていた。
(もともとミニスカっぽいサヤヒメシリーズに、イオニアレッグを付けて絶対領域を醸し出すとは・・・ さすがはベルマリアだ、偶然の手持ちパーツとは思えぬ・・・・匠だな、しかも・・・)
ベルナルドMk-IIはベルマリアに何か話しかけているベルリナを下から舐めるように見る。
(今日はハートブレイカーなのか・・・ さすがベルリナちゃん何を着てもエロい・・・ ぱんつ見えそうだな・・・ フフフ)
ガチャっ。不意にベルナルドの米噛みに長銃の銃口が向けられた。
向けられた銃口を全く気にせず、零号に向かってベルナルドMk-IIは頷きながらつぶやく・・・
「い、いやぁ、しかし・・・あのように素晴らしい姉を持つと大変だろう?」
それに釣られて、思わず零号も・・・
「そうなんだよねー、お姉ちゃん結構、無防備なところあるからアリの様に男が寄ってくるんだよねぇ・・・・はっ!」
零号は何かに気づいたように、ベルナルドMk-IIに向けられた銃口をグリグリと押し付けた。
「何言ってるんだよ、お前が一番がタチ悪いんだ・・・よっ」
途中で吹雪いていた天気もようやく晴れ間が見え、一行は幾つかの戦闘を繰り返しながら凍土地帯の最深部近くにまで来ていた。
「ねぇ、先生、もうそろそろかしら? 特異点というのは・・・」
ベルリナは、もう目の前に迫った大樹を見ながら先生に確認した。
言われてベルマリアは手元の端末に目を落とすと、遠くの雪丘を指差した
「そうじゃな、あの少し遠くに見えている丘を越えた辺り・・・ んっ?」
不意にベルマリアが持っていた計器類の針がMAXまで振り切れた。
(ギャオォォーーツ)
不意に何かバケモノの雄たけびのようなものが遠いのに近くに聞こえる・・・
その場に居た全員が武器を手に身構え、ベルマリアがベルナルドMk-IIに手持ちの計器類を手渡し言った。
「すまんのう、後の計測はお前でやっておいてくれ、さすがに今度のは、ワシも戦わなければイケナイらしいわい」
「ベル姉ちゃん、デカイのが来る・・・」
「そうね、ここまでの殺意はチョッと無いわね」
ベルリナも短杖を握りなおした。 ・・・その時。
遥か前方の空間に赤い亀裂が入った、それはまるで空が裂けたようにも見える・・
その渦から広がるように目の前に突然50m級の大きな赤いものが沸いて出てくる・・・
ズダダーーン。
空中からの凄まじい四つの着地音と共に四脚の超大型ダーカーが現れた。
「お姉ちゃん、ラグネだっ ダーク・ラグネだっ!」
首を振るベルリナ・・・
「うぅん、違う。アレはもっと凶悪な侵食されし者」
抜刀に手を掛けるベルマリア
「虚の骸ダーク・アグラニっ!」
「ギャオォォォーーン」
前腕を高く上げ、雄たけびを上げるダーク・アグラニ・・・
そのまま、大きな体に似合わず俊敏な動きで飛び跳ね三人を踏み潰しに掛かる!
「チッ、そんなの当るものか、バーカ、バーカ」
言葉とは異なり辛うじて跳んでかわした零号。
続きざまに咆哮を上げるダーク・アグラニ。その声は天より闇の雷となって三人に降り注ぐ
ギュギュギューーン。バリバリバリーーン。それは周りが真っ赤になるような呪われた雷撃。
三人とも軽くヒットされフォトンシールドが1/3ほど削られる・・・
「軽く食らっただけでこれかっ!、ワシも少し運動始めようかの、あははっ」
ベルマリアは苦笑した、まだ余裕有る笑みであった。
ナ・メギドの術式を唱えていたベルリナをダーク・アグラニの高速の脚払いが襲う!
「うくっ、コレじゃ術式唱えてる余裕も無いわね・・・」
前腕が何かを貯めるようなモーションを始めた・・・と、続けざまに赤い光輪をマシンガンの如く撃ちだした。
ジャンプ、ミラージュエスケープ、スタイリッシュロール 全員が防戦一方になっている!
「くーーっ、激しいねぇ・・・やってやる、燃えてきたっ!」
零号が双機銃を握り直したその時、ベルリナが叫ぶ!
「短期決戦で集中攻撃するわ、まずは隙を作らせる! 零号ちゃん、バックアップお願いっ!」
「えーっ、僕がバックアップなのっ?」
零号は文句を言いつつも手持ちの双機銃を長銃に換装し、ウィークバレットの弾丸を装填した。
「まぁ、年寄りには華を持たせて上げないとだねっ、それっ」
零号の撃った弾丸はダーク・アグラニの右後脚にヒットしウィークバレットの赤いマークが浮かび上がる!
「誰が年寄りじゃと・・? よし、ベルリナ君、畳み掛けるぞいっ!」
「はいっ先生っ!」
ベルリナとベルマリアは右後脚に捕り付いた。
「サフォイエっ!」
「サクラエンドっ!」
2人の連打攻撃が始まる。短期集中で攻撃されたダーク・アグラニの右後脚は外殻にヒビが入り破裂するように壊れた。
「グォッ」
短い悲鳴のような声を上げ、ダーク・アグラニが脚を折ってダウンした。
ダーク・アグラニの背にあるダーカーコアが剥き出しになった。
零号は長銃を使いウィークバレットをコアに貼り直した。
三人が一斉にその弱点に攻撃を加える。
ベルマリアは強一撃の精神統一をするために抜刀を目の前で振りかざし始めた、
「-------っ」
零号は長銃のフォトンコンデンサからの大出力で攻撃周回衛星を呼び出す
「サテライト呼び出しOK、フォトンビームチャージ中、目標修正フォーカスアップ・・・」
ベルリナもテクニックの術式を唱え始める・・・
(滾れ燃える釜・・・焼き尽くせ・・・全てに仇なすもの・・・)
ダーク・アグラニが気を取り戻して立ち上がろうとした瞬間・・・三人の攻撃がダーカーコアを直撃した。
「カザンナデシコっ!」「サテライトカノンっ!」「イル・フォイエっ!」
ベルマリアの攻撃は空気を割るが如く、素早く重く、
零号の攻撃はまるで神の天罰が落とされるが如くに
ベルリナの攻撃は天より燃える釜から落とされる巨大な火球となって、
ダークアグラニの弱点を一斉に攻撃した。
バババ、ドゥンーーンっ!
周りが白く見えなくなる程の威力で攻撃されたダーク・アグラニは一瞬で力尽き蒸発して消えた。・・・
ふーっ。
安心した三人はその場でクタっと座り込んだ・・
全員少し肩で息をしていた。
「流石にフル侵食のアグラニ相手だとキツイな、ちょっと歳を感じてしまったわい」
ベルマリアは抜刀を腰のフォルダに収めると体力回復のメイトを飲み始めた。
「フンっ、あんなのまだまだだよ、むしろ僕は暴れたり無いくらいだよ!・・・ん?お姉ちゃん?」
文句は言っているものの、紅潮した顔で満足気な零号は、ふと姉を見てその異常に気づいた。
ベルリナはアグラニが蒸発する陽炎の向こうに何かを見ていた。
その瞬間、見えない速度で殺意の刃がベルリナの首を落としに来ていたーー!
「ベルリナちゃん危ないっ!」
ベルリナの盾になって飛び出したベルナルドMk-IIは、その刃に打たれ吹っ飛ばされた。
ベルナルドMk-IIは、生きているかが怪しい程のキズをボディに受けていた。
「ベルナルドさんっ!」
ベルリナはベルナルドMk-IIに駆け寄り、辛うじて息がまだある事を確認した。
陽炎の向こうに人影が近づいてきた・・・そして言葉を紡いだ
「・・・久しぶりだな、ベルリナ。まだ生きていたとは驚きだ・・ ふふふっ」
零号もその人影を見て驚愕した、
「お、お前・・・」
陽炎が晴れてシルエットが見え始める・・・
ダーカーを思わせる赤黒のコスチューム、燃えるような真紅の髪、鍛え抜かれた褐色の肌・・・
ベルマリアも久しぶりにみる人影に驚愕する
「ベルレーヌか?」
傷ついたベルナルドMk-IIを抱きながらベルリナが叫ぶ、
「ね、姉さん・・・なぜ?」
ベルレーヌと呼ばれた女は口元を怪しく引き上げてニヤリとし、ユックリと歩み寄った。
「わたしは・・・」
・・・ブーン。彼女の右手に大剣が持たれ、そしてベルリナに向かって駆け出したー
「お前を・・・殺すっ!」
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