ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第六話「光と影の双子」

「ベルナルドさんっ! しっかりしてーっ!」

 

(ベルリナちゃん、俺は大丈夫だ・・・ 早く逃げろ、あいつはヤバイ・・・)

ベルナルドMk-IIはフォトンシールド発生装置が壊れ、HP-0表示になっていた。シールドで受け切れなかったダメージでパーツも甚大な被害を受けているように見受けられた。

「ムーンアトマイザー掛けますが、パーツの破損が酷いです。動かないで・・・」

 

フォトンシールド発生装置は代謝を始めとする全ての生体機能を司るため、HP-0表示になると身体は全く動かなくなる。

しかし最低限の生命維持装置は稼動しているため、そのままであれば死亡する事はなく、テレパス機能も生きているので、近接会話は可能・・・

フォトンシールド発生装置を高速修復するナノマシンである”ムーンアトマイザー”を投与することでHP-0からの再起が可能になる。

 

「何故?、姉さん何故・・・・」

ベルリナは余りの事に気が動転し放心状態にあった・・・ だが・・

 

「ベルリナ・・・わたしは・・・ お前を殺すっ!」

一瞬で間合いを詰めてくるベルレーヌ・・・ 姉と呼ばれし者。

接近するベルレーヌの大剣は正確にベルリナの喉を切り裂こうとした・・・

大剣が振られたその時・・・

 

「デッドアプローチっ!」

ガキンっ!!

零号が間一髪でその間に割って入った。双機銃が辛うじて大剣を受け止めている・・・・

「お姉ちゃん、シッカリしてっ! う・・・ぐぐぐっ、重いっ・・・・」

零号は完全にベルレーヌにチカラ負けしていた。

 

斬撃を受け止めた相手を見てベルレーヌは少し驚いた表情をした。

「ん? ・・・ほう ・・・お前、姿は変わっているが、よく見れば第四研究所に居た”出来損ない”じゃないか?」

零号の双機銃に対していたベルレーヌの大剣に更に力が込められた。

(・・・・うぐくっ!、何だよ、このチカラ・・・・ あの時の奴じゃないっ!)

「何だ、あの時、スクラップにしてやったと思ったが、まだ生きていたのか・・・・ ならば、お前から先にスクラップにしてやろう!」

ベルレーヌは、跳んでやや後退し、間合いを取った。大剣を後ろ手に構える。一気に畳み掛ける気だ。

(ダメだ、あの斬撃の重さじゃ、防ぎ切れないや・・・、でも、スピードなら僕のほうが速いっ!)

 

「ギルティブレイクっ!」

迫る、ベルレーヌの大剣・・・ 零号はギリギリまで待って、Sロールで回避、ヘッドショットを狙った。

「その速さでは、僕のゼロ距離射撃は・・・ 躱せまいっ!」

おおよそ大剣とは思えぬ速さの攻撃を躱し、零号の双機銃がベルレーヌの頭部を撃ち抜いた・・・ に見えたが・・

 

「キン!キン!キン!キン!」

双機銃の弾丸はベルレーヌの大剣の柄で全て弾かれていた。

ニヤリ・・・と笑うベルレーヌ。気のせいか、少し嬉しそうにすら見える。

「ほぅ、たいした速さだ・・・ 見直したぞ”出来損ない” ・・・私が一度負けたのは偶然ではない・・ ということか、・・・だが」

ベルレーヌは弾丸を弾いた大剣の柄でそのまま零号のボディを強く突いた。

「スタンコンサイドっ!」

「うがっ!」

吹っ飛ばされて、一瞬暗転する視界 ・・・そこを更にベルレーヌの大剣が目視出来ない程の速度で振り落とされた。

「・・・ 私は昔とは違うのだっ!」

「ーーーーーっ!」

身体が痺れて動かない、もう、間に合わない、躱せない、まともに食らったらHP-0どころじゃない、パーツ破壊も有りえる・・

零号は何とか双機銃をクロスに構え、その斬撃を凌ごうとした。

ガシュっ!

激しいベルレーヌの斬撃は零号のフォトンシールドを半分近く削り取ったが、・・・それ以上、零号を破壊する事は無かった・・・ なぜならー

 

「ナ・グランツっ!」

ベルリナの叫びと共に、零号の周りに光が溢れ出し、大きなチカラとなってベルレーヌをチカラで押し返したからだ!

 

「・・くっ!」

ベルレーヌは光子のチカラで押し返され零号と距離を置かざるを得なくなった。そして零号に投げられた投擲の主を睨んだ。

 

「レスタっ!」

ベルリナの癒しが零号のフォトンシールドを修復していく・・・

傷ついたベルナルドMk-IIを後ろに寝かせ、導具を持ったベルリナは仁王立ちでベルレーヌを見た。

しかしその眼は、悲しみに溢れたものだった・・・

「何故、なぜなの? なぜ二人しか居ない家族を殺そうとするの? ・・・分らないよ、そんなの・・・」

 

「・・・家族? なんだそれは? 時を同じくして産まれたお前やクローンのコイツを同族などと思った事など無い・・・ むしろ・・・」

ベルレーヌは大剣を構えなおし、ベルリナを指さし叫んだ。

「お前は自分の事を知らなさ過ぎる・・・ お前は危険過ぎるのだ。私がお前と共に世に産まれた理由・・ それは、お前を消し去るためだ!」

 

話を聞いていたベルマリアはゆっくりと歩み寄り、確認するように重く口を開いた。

「ベルレーヌ・・・ もしかしたら我々を此処に呼び寄せたのはお主なのか?」

「そのとおりだ・・・ 」

ベルレーヌの言葉にベルリナと零号は自身が抱いていた幾つかの謎が解け、ハッ・・となった。

(以前、戦った時とは比べ物にならない、あのチカラの正体・・・)

(高侵食度エネミーやアグラニの出現・・・・ )

 

「チカラのためならダーカーも利用する。それが私のやり方だ!」

ベルレーヌの全身から赤黒いオーラが立ちこめ、左手を上げ指を鳴らしたその瞬間、彼女の背後の空間が赤く割れダガンが数十匹、湧いて出現した。

「そ、そんな・・・」

驚きと悲しみのため、思わず口に手を当てて涙ぐむベルリナ。

「判ったか・・・もう、これ以上の問答は不要だな。大人しく処分されろ、ベルリナっ!」

彼女にとって敵、味方という概念はもはや無い・・目的はただひとつだけ・・・

 

「ダメだ、ベル姉ちゃん、もうやるしか無い、奴は倒すしかないよっ!」

「ダーカーと化したものは倒すしかない、それがアークスの宿命だ、ベルリナ君。」

 

熱き対峙が続く中・・・

凍土の大樹は変わらず、深々と粉雪を降らすだけだった。




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