ファンタシースターオンライン2外伝”ナベリウスの白い花”   作:ナベ白製作委員会

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第八話「”ベルマリア”の誓い」

ワシは、ただお前たちを守りたかった・・・

 

理由もなく殺して良い命など無い。まして自分の血を分けた者なら尚更だ。

ワシは名前を変え、双子であるお前たちと家族を誓った筈であった。

・・・ しかし、目の前のベルレーヌは妹を何か強い理由で殺そうとしている。

ベルマリアは、ただひたすらに目の前の矛盾を打ち消したかった。

だがしかし・・・

 

「ダーカーと化したものは倒すしかないっ!それがアークスの宿命じゃ、ベルリナ君。」

 

 違う・・・

 

それは自分に言い聞かせた言葉だった。・・・その瞳には涙が浮かんでいた。

まさか・・・自分が、その矛盾に成ろうとは・・・

 

「ウィークバレットっ!」

キンっ!

放った弱体化弾はベルレーヌの大剣で弾かれた。

素早く双機銃に持ち替え、迅速の攻撃をする零号。

ババババッ

「何だよっ、コイツ・・・ チートだよっ! ダーカーとアークスの両技が使えるし、全然隙が無いっ!」

零号の双機銃の連射すら全て弾く・・・

 

「アサギリレンダンっ!」

ガッ、ガガッ、ザシュッ!

ベルマリアの高速の斬撃すら全て弾かれていた・・・

 

「何故じゃっ! なぜベルリナ君を殺そうとするのじゃっ! 教えろっ、・・・くっ、うがっ!」

パワーでベルマリアの抜刀を吹き飛ばし、ベルレーヌは叫ぶ。

「ベルリナは世界に破壊を呼ぶ者となる・・・ 邪魔するならば、お前も殺すっ!」

 

その上げた手に反応するように、ダガンの群れが零号とベルマリアに襲いかかった・・・ その時。

 

「姉さんが皆を傷つけると言うなら、私は全てを守って見せる」

意を決したベルリナがロッドに装備を変え、テクニックを唱えた。

「イル・メギド・ネロっ!」

ロッドの先から闇の牙が放たれた。通常のイル・メギドと違い。放出された闇塊牙は漆黒八発。

ベルレーヌの前に出ていたダガンは一瞬で全て消え去った。

 

「レスタっ、デバンドっ」

ベルマリアと零号の戦闘で削られたシールドが全快してゆく・・・

 

「やはり、お前から止めなくては、ラチがあかないようだな・・・ベルリナっ!」

そう言うと、ベルレーヌは左手にチカラを溜め始めたー。

「インジュリー・クエイクっ!」

ベルレーヌはチカラを溜め込んだ左手で地面を殴りつけた。

 

地面は割れ、そこから上がった闇の火柱が渦を巻きながら広がってゆく。

その量と威力、速度が早過ぎて躱すことは不可能であった。

 

ガシュッ!

 

ヒットされた3人はフォトンシールドを2/3も削られた上、発生装置に異常をきたし、

規定出力が落ち、常時レッドーゾーンになっていた。

状態異常を治すため、零号とベルマリアはソルアトマイザーを使用した・・・が、全く回復しない。

「あれ、コレ直らないよ、どうなってるの?」

「呪いの状態か?、これでは一発喰らえばおしまいじゃっ!」

 

慌てず、ベルリナは術式を唱え始めた。

「どのような呪いであっても、私の祈りで解放してみせるっ!」

ベルリナは”高レベルのアンティ”を唱え始めた。

「光に満たされしその希望・・全ての厄災を無に返せ・・・」

 

だが、高レベル、広範囲のアンティの術式は長い詠唱を必要としたー

 

「・・・フッ、掛かったな、ベルリナ。・・・ネオ・ファンジっ!」

ベルレーヌが彼女に向かって、広げた左手を突き出し、握り潰すように手を閉じた、その瞬間ー。

突如、ベルリナの周りに赤黒い闇の渦が立ち込めベルリナの全身を拘束した。

「な、何これ? ああっ・・いやっ、うぐぐーーっ、」

ベルリナを捕らえたファンジの黒渦はそのまま小型のドームを形成し、その中にベルリナの全身を拘束した。

「脱出は出来まい、それはお前専用に私が作ったファンジだからな、強力な物理攻撃でしか破壊出来ない上に・・・」

ベルリナの全身に纏わり付く赤黒い靄が怪しく発光し始めた・・・

「いやっ、やだやだ・・・・ うぅ・・チカラが抜けていくぅ・・・ ---っ!」

ベルリナは全身脱力状態になってバッタリ倒れた・・・ その瞳には色が無い。

ほくそ笑むベルレーヌ、

「そのファンジはアークスのフォトンを無限に食らうのだ・・・ いくらお前でもその呪縛からは逃れられんっ!」

 

「お姉ちゃんっ! くそーーっ、たかがファンジ、僕が壊してやるっ!」

アークスを捕らえ処刑するための罠・・・ 零号は”ファンジ”を破壊するために突進した・・・が、

 

「愚かだな、隙だらけだ ・・・スクラップになれっ!”出来損ない”」

ファンジを壊すことに夢中になり過ぎた零号は隙だらけだった。

急接近したベルレーヌの振られた大剣に気づいた時は、一撃を躱しての防御が精一杯だった。

 

バキキッ!

 

そのの重い斬撃に、零号がガードに使用した愛用の双機銃は耐え切れずに粉砕し、

その上、フォトンシールドで吸収出来ない衝撃が零号の両腕を破壊した。

インジュリー状態で係数も半減していたためフォトンシールドは一気にレッドになり、

・・・やがて黒く消えた。

 

ビーッ、ビーッ、ビーッ・・・

HP-0/2200の表示と共にシステムからの警告音が赤い点滅と共に零号の頭脳メモリに鳴り響く。

(ごめん・・・先生、銃こわしちゃったよ・・・、結構、気にいってたんだけどな。

・・・お姉ちゃんを助けて、先生・・・ せ・んせい・・)

 

零号は壊れた両腕をダラリと下げ、身体を支えきれず両膝をついた後、・・・その場に倒れた。

(ベル姉ちゃん、シッカリして・・・あいつを止めて、止められるのお姉ちゃんだけだから・・ 役に立てなくてごめんなさい。)

 

ガシャン・・・ガシャ、ガシャンっ!

零号の倒れた音を聞いて呆けていたベルリナの瞳に色が戻った。

(零号ちゃん、零号ちゃんっ! シッカリして、いま助けに行くからっ! ・・・・ うっく、身体が動かない・・・)

「ぜ、ぜろ・・・ちゃん・・・・ 」

 

 

「ベルリナを消し去ってから、お前も再生出来ない位に粉砕してやる・・・。」

ベルレーヌはファンジに向き、大剣を握り直した。

・・・が、目の前に抜刀を構えた小さなアークスがファンジを背に立ちふさがっていた。

「なぜ、ベルリナ君が世界の破壊を呼ぶのか、教えてくれんかのう・・・ ベルレーヌ。」

 

フッ・・と眼を伏せてベルレーヌは呟いた。

「ベルマリア ・・・いまこの場を立ち去るなら、関係ないお前を傷つけないでおく。

お前のアークスのチカラでは私に勝てないのは判っているだろう?」

大剣を斜に構えたベルレーヌは本気だった。

 

ベルマリアのフォトンシールド異常は回復していない。次に大きな一撃を食らえば、確実に倒されるだろう。

 

「・・・確かにワシの腕前だけではお主には勝てんじゃろうな、じゃが、ワシは全ての手を使ってでもお主の姉妹殺しを止めねばならん、それがワシのお前たちへの誓いじゃ。」

 

「残念だ・・・」

ベルレーヌは迅速の動きでベルマリアを袈裟懸けに切りつけた、

初撃を躱しクルリと回転し、瞬時の斬撃でベルレーヌの小手を斬りつけたベルマリアであったが、

その居合い斬りは大剣の柄で弾かれた。

弾かれたベルマリアの身体は浮き上がり隙だらけになった・・・

そのタイミングで連撃を繰り出すベルレーヌ。

「さらばだーーー」

再び繰り出された斬撃はベルマリアの胴を斬りつけた・・・・

 

「 ・・・・何っ!」

 

ベルマリアは瞬時に左手に()()を装備し、その斬撃を躱していた。

後ろに飛び、距離をおいたベルマリアは右手にオロチ、左手にカムイを装備していた。

 

「ブレイバー”二刀流”・・・か、数人のみが持つ特殊スキルだと聞くが、お前が・・・」

ベルレーヌは大剣を握り直した。

 

「ベルレーヌ、お主が本当に驚くのはワシを倒した後じゃ・・・」

 




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