GOD EATER ~龍と虎を背負いし兄弟〜 作:ミスターポテトヘッド
---愚者の空母---
海に面したこのエリアはアラガミさえ居なければ夕陽を見る上で絶景のスポットである。
そのエリアに1機のヘリが来た。そして、ヘリから1組の男女が降りる。
「ここが今日の狩り場か」
「はい、標的はボルグ·カムラン1体です」
極東支部のゴッドイーター、桐生タツヤとアリサだった。
ヘリは2人を降ろすと再び飛び立っていった。
「んじゃ早速始めますか。今回アリサは病み上がりだし後衛から援護頼む」
「了解」
「んじゃ行こう、多分ここから見えないってことは橋の先の広いとこに居ると思う」
標的の居るであろう場所を予想して2人は進んでいく。
そしてタツヤの予想通り標的は橋の先の広い場所で瓦礫を捕食していた。
「...周囲に小型アラガミは居ないな、叩くなら今か」
「先制攻撃しますか?」
「頼む、目視で確認できる範囲には他のアラガミは居ないけど戦闘音で寄ってくるかもしれないから一応注意しといて」
「了解です、では先制いきます!」
アリサは物陰から身を乗り出し先制の銃撃を撃ち込んだ。
そしてタツヤはアラガミとの距離を一気に縮める。
その速さは通常のゴッドイーターの速さを大きく上回っている。これもアラガミ化の恩恵である。
---ドカァァァン!
「しっ!」
---ザシュ!
そして、タツヤの攻撃はアリサの銃撃が当たってから3秒後にアラガミに届いた。
---ギィィィィィ!?
のんびり捕食していた状態で急に奇襲され、即座に追撃までされボルグ·カムランは驚愕に道溢れた奇声をあげた。
そして、タツヤとアリサの姿を確認し即座に戦闘態勢に入った。
「ここからが本番だ、アリサ無理だったら後退しろよ」
「大丈夫です!」
アリサはボルグ·カムランに弱点である氷属性のバレットを撃ち込んだ。
「上等!」
タツヤはボルグに連続の斬撃を叩き込む。
力を溜めないぶん一発の威力は無いが手数で補う斬撃技だ。
「とりあえず8連でいいか、乱舞VIII(乱舞エイト)...」
---ギャァァァァァ...
ボルグはアリサの銃撃とタツヤの連撃に堪らずダウンする。
「決める、絶風刃!」
そこで終わり。タツヤの十八番技になったオラクルの斬撃でボルグはまっぷたつになった。
「これ、特訓になってないような...」
「あ~ごめん、ちょっと連撃技を試してみたくて」
ボルグからコアを抜き取りながらタツヤはアリサに謝る。
「んじゃあお詫びにアラガミ化でも見せてやるよ」
そう言ってタツヤは目を閉じる。
そしてタツヤの体が白く光ると、タツヤの姿が龍に変わった。
「...これが、タツヤさんのアラガミ状態...」
アリサはタツヤの龍の姿に魅せられた。
そして龍の体が白く光ると、今度は龍がタツヤになった。
「アラガミ状態じゃなくて龍状態の方がいいな」
「あぁ、すみませ...ってタツヤさん!なんで上半身裸なんですか!」
龍状態から通常に戻ったタツヤの体は上半身が全裸になっていた。
「なんかねー龍になると上半身だけ服なくなる」
「そんなこと言ってないで早く服着てください!」
「わりぃ、服無くなるんだわ」
「そ、そんな~」
「まぁこっち見てみ」
「見れません!」
「大丈夫だって背中向けてるから」
「むぅ~、わかりました」
アリサは伏せていた顔をあげる。そしてタツヤの背を見て...
「...これは...」
「アリサにはまだ見せたこと無かったなーって」
アリサが見たのはタツヤの背に描かれた龍だった。
「...これが美しいというものなのでしょうか...」
アリサはまたも魅せられてしまった。
「へぇ、これを美しいと言ったのはアリサが初めてだ」
「これ、確か感応現象で...」
アリサは不意にある事を思い出した。
「あれ、アリサも感応現象で過去を見たんだ」
「はい、うっすらとですけど...まさかタツヤさんも私と同じだったなんて...」
「そこまで知ってるか...なら背中の龍の意味も教えるよ」
「意味?」
「あぁ」
そこでタツヤはひと呼吸置き再び話し出した。
「アリサも知っての通り、俺とトラはアリサと同じでアラガミに両親を殺されてるんだ」
「.........」
「その時に俺とトラは背中にアラガミの攻撃で傷ができてさ、んでその傷を隠すのと同時にある誓いを立ててこの刺青を入れた」
「誓い?」
「...両親を殺したアラガミを2人で殺すというのとアラガミに怯える人達を助けること、そう誓いを立てて俺は龍を、カゲトラは虎の刺青を彫った」
「...そんなことが...」
アリサはタツヤの話を聞いて俯いた。自分と同じ境遇でも2人は自分のように復讐だけで生きてはいないからだ。
復讐だけでなく、他の人達を守る。復讐の事しか考えていなかった自分に落胆したのだ。
その事をなんとなく察したタツヤはアリサに声をかける。
「別に復讐が悪いとは思ってない、俺もそうだからな。けど、復讐だけに生きたら大切な物を失うだけだ、そうならない為にも復讐以外のことも考えるんだ。あくまで復讐するのは両親を殺したアラガミと対峙した時、それ以外では考えた復讐以外の事をすればいい、たったそれだけで失う物は無くなるはずだ」
タツヤはアリサに自分の考えを言った。
「俺らしくもねーな、説教臭くなっちまった」
「いえ、タツヤさんの言う通りです。前までの私なら復讐の事ばかり考えていました。そのせいでこの間の事件で他の部隊の方からの信頼というものを失ってしまいました...これからは復讐以外のことも考えてみます!」
アリサはタツヤの言葉を素直に受け入れた。それは今までの彼女なら考えられない事であった。
それほど、アリサはタツヤを信頼しているのだ。
「それでいい、んじゃヘリも見えてきたし帰るか」
「ふふっ、そうですね帰りましょう」
---ヘリの中にて---
「あの~」
アリサは向かいに座っているタツヤに話しかけた。
「ん、なに?」
「また、一緒に任務に行きませんか?」
アリサは気恥ずかしそうにそういった。
「ん?俺でいいならいつでもいいよ」
その言葉を聞くとアリサの表情が明るくなった。
「本当ですか!?では、帰ったら直ぐに行きましょう!」
そして軽く暴走状態になってしまった。
「いやいや、今夕方だぜ?夜戦は勘弁」
「あ、すいません...」
タツヤの一言でアリサの暴走状態は収まった。
「今日は病み上がりでの任務だったからな、今日はゆっくり休むんだ、任務は明日な」
そう言ってタツヤはアリサの頭をポンポンっと軽く撫でた。
「!?」
アリサの顔が赤くなっていった。それは自分でも分かるくらいに。そしてアリサは顔を下げ。
「それは、反則です...」
アリサは静かにそう呟いた...
恋愛系を書くのはどうも苦手だなぁ
というかこのままのペースだとact.30くらいで無印のストーリーが終わりそうな予感が...
次回は外伝の予定です