GOD EATER ~龍と虎を背負いし兄弟〜 作:ミスターポテトヘッド
なんと今回、過去最高の長さです...
「あ〜暇だ〜」
極東支部のエントランスでカゲトラはそう呟いていた。
今現在、第一部隊のリンドウ·サクヤ·ソーマ·コウタは緊急の任務に出ており、タツヤとアリサはカゲトラに特訓してくると言って任務に出てしまった。
それ故に彼は今1人なのだ。
実力はソロでも大型アラガミ2体は倒せるくらいあるが、やはりソロには恐怖感があった。リンドウ救出の時のような余程の事がなければソロなんてやらない、そう彼は決めていた。
「それにしても暇だな...」
あまりの退屈さにカゲトラは2回も暇だと呟いた。
そこに...
「そ、そんなに暇なんですか?」
「んん?」
カゲトラにとって見知った人が現れた。
「あ、カノンちゃん」
出会った日にカゲトラに一目惚れした第二部隊の台場カノンだった。
「お、お久しぶりです。あ、あの...髪型変えたんですね...」
カゲトラとカノンは何だかんだで1週間くらい顔を見ていない。それは最近居住区にアラガミが寄ってきやすくなったからだ、それ故カノン達防衛班の出撃回数が増え尚且つ新人離れした実力を持つカゲトラも出撃回数が増えているからだ。
「なんかあの髪型飽きたしね、それにこっちの方が俺に合ってるって兄貴も言ってたし」
「そうなんですか、それより暇なら一緒に任務に行きませんか?」
カノンは暇だと呟いていたカゲトラに任務に行かないかと誘った。そして暇だったカゲトラからの返答はもちろん
「いいよ~、いい暇つぶしになるし。それに初めてあった日に約束してからまだ一度も一緒に任務に行ってないしね」
もちろん返答はyesだった。
「それじゃあ行きましょうか、どんな任務にします?」
「とりあえず大型種のやつで。そのほうが暇つぶしになるし」
「了解です、では選んできますね」
「はいよ~」
カノンは任務を選ぶためヒバリの所へ向かった。
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---贖罪の街---
「ふぃ~到着っと」
カゲトラは車の運転席から降りて背伸びした。
「カゲトラさんって車の運転できるんですね...私なんか怖くて出来ないのに...」
カノンは助手席から降りてカゲトラに言った。
「まぁ、オートマだしね。ドライブに入れてアクセル踏めば勝手に進むし、それに瓦礫とかを乗り越えて行く時の事も想定して車自体頑丈に出来てるからね」
カゲトラはカノンにこう返して武器を取り出し構えた。
それに続いてカノンも武器を構える。
「今回の標的はヴァジュラ1体だっけ?」
「はい、この辺りの小型アラガミを捕食して少し強化された個体みたいです」
「了解、他のアラガミが乱入してくる可能性もあるから気を付けてね」
そこまで言ってカゲトラとカノンは歩を進めた。
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「よし、見つけた」
物陰に隠れながらカゲトラはそう言った。彼の目線の先にはオウガテイルを捕食しているヴァジュラの姿があった。
「とりあえず俺が飛び出すから、そしたらカノンちゃんはヴァジュラに銃撃して」
そう言ってカノンの方を見たカゲトラは少し身震いした...
「...了解です」
なぜなら言葉こそ普通だがカノンの目が餌を見つけた獣のようにギラついていたからだ。
「それじゃ3カウントでいくよ。3、2、1、Go!」
そう言ってカゲトラは飛び出した。
そしてヴァジュラとの距離残り数メートルというところで後ろからの衝撃で吹き飛んだ。
カゲトラは一瞬他のアラガミに殺られたと思ったが直ぐに原因を突き止めた。
「...射線上に入るなって、私言わなかったっけ?」
冷酷なまでに冷たいカノンの声が辺りに響きわたった。
そしてカゲトラは1つ思い出した...
「あ~そういやカノンちゃんの誤射率は世界トップクラスだったな...」
カノンの誤射率は世界トップクラス、あるいは世界一だという事を。
そしてカノンの誤射でヴァジュラはこちらに気付き奇襲は失敗した。
「こんな誤射受けてたんじゃこっちの身が持たないや...しゃーないこうなったらやるしかないか」
そう言ってカゲトラはヴァジュラに向かっていった。
「おりゃ!」
カゲトラはヴァジュラに斬撃を叩き込む。
そして咄嗟にその場から離れる、すると先程までカゲトラがいた場所が...
---ドォォォォン!
...文字通り爆発した、カノンが爆発系バレッドを撃ったのだ。
「まだまだぁ!」
カノンは連続で爆発バレッドを撃ち込む。
「全神経を集中させればなんとかあの誤射を避けれるか...でもこんなの何回も続けてれば俺の神経がイカれちまうな...こうなりゃ出し惜しみは無しだ、速攻で決める」
そしてカゲトラはヴァジュラに向かって走り出した。
---ギャァァァァァ!
カゲトラの接近に気付いたヴァジュラはカゲトラ向かって右足を振り上げる。
しかし、カゲトラはそれを避けようとせず致命傷にならない程度に調整してその攻撃を受けた。
「!?カゲトラさん!」
これには狂化していたカノンも我に返る。
そしてカゲトラは吹き飛んで地面に倒れた、そして...
---ユラァ...
フラフラとカゲトラは立ち上がった。そして...
「しっ!」
---スパァァァァァン!
目にも止まらぬ速さでヴァジュラに斬撃を叩き込んだ...
その圧倒的な速度、それはまるで地を駆ける虎の如く。
そして今のカゲトラは以前のような優しい雰囲気ではない。
口元に怪しい笑みを浮かべ、目は狂気に満ちた目になっている。
その表情にカノンは凍りついた。
.........今のカゲトラは狂戦士(バーサーカー)状態になっていた。
これはRPG等のゲームでいうなら一定以上のダメージを受けたら自動発動するスキルのようなものだ。
しかしカゲトラは時間をかけられないと思い、意図的に一定量のダメージを受け狂戦士状態になった。
「簡単に壊れんなよォ...」
そう言ってカゲトラは目にも止まらぬ速さで斬撃を繰り返した。
カゲトラが狂戦士状態になると脳で考えるということを放棄するのだ。それ故反射的に繰り出す攻撃をそのまま叩き込んでいるためこの様な素早い斬撃が繰り出せる。
そしてもう一つ、人間の脳は体が壊れないよう本来の30%しか力を出せないようリミッターが掛かっているのだ、しかしカゲトラは狂戦士状態になるとこのリミッターを外した状態、すなわち狂戦士の間は常に火事場の馬鹿力状態なのだ。
それ故...
---ギャァァァァァ...
あの素早い斬撃の1つ1つが重たい一撃になっているため一番効率よくアラガミにダメージを与えられるのだ。
しかし、1つ忘れてはいけないことがある。それは狂戦士状態は一定以上のダメージを受けた状態で発動するという事だ、そのため今の彼は瀕死まではいかないが相当のダメージを受けている。次にまともな1撃をくらえば間違いなく瀕死、最悪の場合死ぬ。
狂戦士状態は諸刃の剣なのだ...
しかし、今回は最悪の結末にはならなかった。
---ギャァァァァァ...
カゲトラに攻撃をしようとしたがその素早い動きにヴァジュラは付いていけず、そのまま成すすべなく絶命した。
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「あの、あれはいったい」
ヴァジュラのコアを抜き取って回収班を待つ間カノンはカゲトラに先程の事を質問した。
「あぁ、あれは一定以上のダメージ喰らうと俺は豹変するみたいなんだ、俺はその間の記憶はないけどさ...」
カノンの質問にカゲトラは返答する。
「大半の人は狂戦士(バーサーカー)って言うけど兄貴は狂乱状態(マッドネス)って言ってるよ。まぁ2つとも大した差はないけど」
そして返答にこう付け加えた。
「そ、そうなんですか...」
カノンは疑問に思いながらも納得したようだ。
「まぁ、カノンちゃんの豹変っぷりにも驚いたけどな」
「あぅぅぅ、それはわすれてください...」
カゲトラに自分の豹変の事を言われカノンの顔が赤くなる、目も少し涙目になっている。
「俺らって豹変するところとか似てるよな~」
「ふぇ?」
カゲトラの似てるという言葉を聞きカノンの顔が更に赤くなり、変な声を出してしまった。
「俺ならカノンちゃんの誤射をなんとか避けれるからな~俺らがペア組んだら意外と強いかもよ?」
カゲトラは笑いながらカノンにこう言った。
そしてその後に...
「また一緒に任務しようぜ!」
こう言われてカノンは涙を流し始めた。
「え、えぇ!?俺なんか悪いこと言った!?」
カゲトラは慌ててカノンに謝ろうとする。
「いえ、ただ...また一緒に任務に行こうって言ってくれる人なんて...初めて...だったので...つい...」
そう、今までカノンと一緒に任務に行ったゴッドイーターはその豹変っぷりと誤射率の多さを目の当たりにし、一緒に任務に行くのを嫌がるようになっていたのだ。
最早その光景に慣れてしまって普通に任務に出てくれる人達も居るが、それは何度も任務に行くうちに慣れた人のみで、初めて一緒に任務に行ってその日の内にまた一緒に任務しようと言ってくれたのはカゲトラが初めてだったからだ。
「あれ、そうだったの?俺的には普通の時と任務の時のギャップがあっていいと思うけどな~」
「っ!?...今のタイミングでその言葉は反則ですよ、カゲトラさん...」
カノンがそう呟いた時だった...
「っ!?あぶねぇ!」
カゲトラはカノンを抱えその場から前方に緊急回避をした、すると今までカゲトラ達がいた所にオラクルの矢のような物が落ちてきた。
そしてその攻撃をしたきたアラガミはカゲトラにとって今一番会いたくないアラガミだった。
漆黒の胴体に2つの翼、鋭く剣のように尖った尻尾、後ろに伸びた4本の角を持つ頭...
「...コクリュウ」
そう、そのアラガミはこの間正式に名前がコクリュウに決まり、部類は急遽設けられた第一種接触禁忌種の上の特殊接触禁忌種だ、この部類のアラガミに接触した神機使いは例えベテランでもその場から離脱しなければならないというルールがある。そこまでするくらいに目の前のコクリュウというアラガミは危険なのである。
だがもう一つルールがある、ある程度の弱点や行動パターン等が判明したら第一種接触禁忌種に下げるというものだ。いつまでも逃げていたのではこのアラガミに人類は滅亡させられてしまうからだ、それ故今は離脱しなければならないが、いつかは狩らねばならないのだ。
そして、早く第一種接触禁忌種に下げられないかと一番に願っていたのはカゲトラであった。このコクリュウは自分の両親の仇だからだ。
だが、まだコクリュウは特殊接触禁忌種なのだ攻撃パターンも分かっていない、それ故仇ながら今一番会いたくなかったのだ、先程の攻撃も避けたと思っていたが、1つの矢が背中を掠って服に亀裂が入っていた。
それくらいこのコクリュウの攻撃は正確かつ強力なのだ...
ここでカゲトラ達がとる行動はもちろん1つだった。
「っ!カノン!逃げるぞ!」
「は、はい!」
カゲトラはスタングレネードを投げると同時に車を置いた場所にカノンの手を引きながら走り出した。
無論破れた背中を部分はカノンに見られるわけで...
(カゲトラさんの背中に何か書いてある...?)
カノンはカゲトラの背中に書いてあるものに気を取られたが直ぐに頭を切り替え逃げることに集中した。
「回収班聞こえてるか!?」
カゲトラは焦りながらこちらに向かっている回収班に無線を繋ぐ。
「こちら回収班、どうした?」
「今贖罪の街で特殊接触禁忌種のコクリュウに遭遇した、今すぐ引き返せ!コアは緊急時引渡し場所で渡す!」
「っ!?了解した!じゃあ引渡し場所で落ち合おう!」
そこでカゲトラは無線を切った。
「カノン!コクリュウは追いかけて来てるか!?」
「追ってくる気配はありません、多分さっきのスタングレネードが上手くいったんだと思います!」
「よし、今のうちに逃げるぞ!」
その後2人は全力で車まで向かいその場を離脱した。
そして緊急時引渡し場所で...
「これがコアだ」
カゲトラは回収班にコアを渡していた。
「たしかに受け取った、それにしても災難だったな、ここなら少しは安全だちょっと休んでいくといい」
「はい、そうします」
回収班の男にそう言われ少し休息をとるカゲトラとカノン。
この引渡し場所は極東支部からあまり離れてなく車で10分くらいの所にある。周りは壁で囲まれていてアラガミの行動範囲からも少し離れている。
それ故この場所は任務で疲弊しきったゴッドイーターの途中休憩所のような役割も果たしている。
「あの、背中の事を聞きたいんですけど」
カノンはカゲトラにこう言った。
「やっぱり見られてたか、まぁ別にいいんだけどさ」
「すいません、でも、どうしても気になって」
「分かった、それじゃあこの背中について説明する...」
そしてカゲトラはタツヤがアリサに説明した事と殆ど同じことをカノンに行った。
そして全ての事を聞いたカノンは...
「そんな過去が...」
「まぁ俺も兄貴も立ち直って今はこうやって生きてるけどね」
「カゲトラさんもタツヤさんも凄いです...私じゃ絶対立ち直れませんよ...」
「ま、俺らも時間は掛かったさ。俺も立ち直るまでは随分荒れたからな...さて、そろそろ戻るぞ」
「あ、はい。そうですね、戻りましょう」
カゲトラとカノンは再び車に乗り極東支部に向かった。
その途中カノンは...
(時間は掛かるかもしれないけど、カゲトラさんを守れるようになりたい!ううん守れるようになるんだ!また一緒に任務に行こうって言ってくれたカゲトラさんの背中を預けてもらえるように...)
カノンは心の中で1つの誓いを立てていた。
なんてこったい、過去最高の長さで本編より長いではないか...
カゲトラの髪型なんですが、ストラ〇ク·ザ·ブ〇ッドのヘッドホンしてるキャラの髪型と思ってください。ツーブロックとかよりそっちの方がカゲトラには合ってそうな気がしたので...
あと補足ですがキャラ紹介にてカゲトラの狂戦士が解けたあとの副作用は狂戦士の時に受けたダメージがあれば副作用で現れるのですが、今回は初狂戦士ということで受けたダメージは0ということにしてます