クロスアンジュ 二人の天使と竜の輪舞   作:ぬっく~

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第1話

「~~~~♪ ~~~~~~♪」

 

ミスルギ皇国にあるミスルギ邸のベランダで10歳ぐらいの少女は皇家に伝わる“永遠語り”を歌っていた。

その歌に合わせて風は彼女の金色の髪をなびかせながら祝福する。

 

「お姉さまぁ!」

 

部屋から一人の少女が入ってくる。

歳からして5歳の少女だった。

 

「アンジュリーゼ……」

 

私と同じ金色の髪を持つ妹………アンジュリーゼ。

 

「今日は“永遠語り”を教えてくれる約束です」

 

「そうだったね」

 

あれから10年……物語は筋書き通りに進んだ。

私と言う存在以外は。

 

「もうすぐ……始まる」

 

「お姉さま?」

 

「ん? 何でもないわ」

 

妹に心配されながらも、妹を膝に座らせ“永遠語り”を歌う。

 

「「~~~~♪ ~~~~~~♪」」

 

私は転生者。

この世界ではイレギュラーな存在。

前世の記憶を持ちながらこの世界に生まれた。

アンジュリーゼの姉として。

 

「「~~~~♪ ~~~~~~♪」」

 

だから、これが最後。

アンジュリーゼ達と居られるのが……

 

「お姉さま?」

 

「ん?」

 

「なぜ泣いておられるのですか?」

 

「っ! 何故なんでしょうね」

 

いつの間にか涙を流していた。

これが最後と思うと……

 

「アンジュリーゼ」

 

「はい」

 

「どんなことがあっても生きなさい」

 

「? それはどう言うことですか?」

 

「きっと解る時が来るわ」

 

そう言って私は部屋を出た。

アンジュリーゼが姉を見たのがそれが最後だった。

 

 

 

 

「お父様、お母様」

 

「ん? アリシアか」

 

「どうしました?」

 

ミスルギ皇国皇帝だある父と皇后の母がいる部屋に私はいた。

そして、私はある事を話始めた。

 

「もう、分かっているのでしょ?」

 

「なにを?」

 

「私が……」

 

この世界でもう一つ、イレギュラーな存在がある。

それが……

 

「ノーマだってことを」

 

「……っ」

 

その言葉に二人は顔色を変える。

そんなことを気にせずに私は話を続ける。

 

「私が知らないとでも、思っていましたか?」

 

「いつから……気付いていたのだ?」

 

「5歳の頃からですかね」

 

父の質問に答える。

本当のことを言うならばその前から気付いていた。

 

「言わなかったのは、アンジュリーゼの為、そしてあの事の為」

 

「まさか……」

 

「ええ、アンジュリーゼも“ノーマ”だってことは、私も知っている」

 

皇室がいままで隠してきた真実を話した。

それを聞いた父と母は表情を隠せなかった。

 

「私は行きます……アルゼナルへ」

 

「ほ、本気か……」

 

「ええ、本気です」

 

その言葉に父は立ち上がる。

それが、私が出来る物語の修正。

 

「私の事は死んだ事にしといてください。それでは……」

 

「ま、待ちなさい!」

 

「今までありがとう」

 

それを残して、私は部屋を出た。

そして、次の日。

ある報道が流れた。

 

“アリシア・斑鳩・ミスルギが転落死”

 

その報道に多くの人は驚いた。

もちろん、アンジュリーゼもだ。

だが、二人が出会うのは11年後のあの場所だった。

 

 

11年後

 

 

「~♪ ジャスミン、いつものを頂戴」

 

「はいよ」

 

アルゼナルの一角にあるジャスミンモールで新聞を買う金色の髪を持つ女性。

食堂でいつものように彼女は呼んでいた。

 

「あんたいつも渋いことをやっているわね」

 

「別にいいでしょ? ゾーラさん」

 

第一中隊の隊長であるゾーラはヒルダ達を連れて来ていた。

そして、ある記事に目が止まった。

 

「ゾーラ……」

 

「ん? なんだ?」

 

「明日は嵐になるかもよ……」

 

「そうかい」

 

「それと、姫様が来る」

 

「……そう」

 

それを言い残して、食堂を後にする。

新聞にはこう書かれていた。

 

〝ミスルギ皇国第一皇女、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギの洗礼の義まで明日”

 

「再び、物語が始まる」

 

二人の歌姫が出会うまで、あと少し。

再び出会う二人は、この世界に何をもたらすだろうか。

今は誰も知らない。

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