キリト・イン・ビーストテイマー   作:クジュラ・レイ

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13:再来の創造主 ―破壊者との戦い―

 突如、頭の中に《声》が響いて来て、俺達ははっとして、一瞬何が起きたかわからなくなった。頭の中に直接声が響く――そんな事が出来るのはリランだけであるが、リランの声色によるものではない。一体何が起きたのか。

 

 頭の中が痺れたようになったまま、電撃光線に呑まれてしまったアスナの方に顔を向けてみたところで、俺達は更に頭の中を痺れさせて瞠目する。アスナは腕で顔を庇っていたのだが、その目の前には紫色の壁のようなものが出現していて、皇帝龍の放つ電撃光線はそれに遮られて、アスナに届く事なく止められている。

 

「あれは……」

 

 俺はあの紫色の壁に見覚えがあった。かつて茅場晶彦も使用していて、まだ管理者権限を持っていたユイも使っていた事のある、管理者だけが使う事の出来る障壁。ゲームマスターだけが、使う事の許されるシステムの力による盾。

 

「な、なんだ、なんなんだ!?」

 

 今のところ、マスターアカウント――即ちゲームマスターであるのは皇帝龍の項に乗っているアルベリヒ/須郷伸之のみだ。だが、その肝心な須郷さえも、予想外の事が起きたかのように皇帝龍の項に跨って驚いている。

 

 そして余りの長時間照射し続ける事は出来ないように出来ているためか、皇帝龍はある程度ブレスを吐いたところで、やめてしまう。それと同時にアスナの目の前から紫色の障壁は消えて、守られた本人のアスナは茫然としてしまう。いや、俺達もそうだった。

 

 今、何が起きたというのか。何故あのようなものが出現したと言うのか。今まであの壁が出現した時の場合を照らし合わせようとしたその時に、再度頭の中に《声》が聞こえてきた。

 

《キリト君、その他諸々の者達、聞こえてるか》

 

 あまり聞き覚えのない声色による《声》。いつも聞いているようではない、男性の声色だったが、俺達は頭の中を探ったすぐ後に、その声の主を掴んだ。自分でもその声の主が信じられなかったが、誰よりも早く、俺は声を上げた。

 

「そ、その声、茅場……?」

 

 あの声色は忘れる事が出来ない。このゲームをデスゲームに変えて、それを宣言した時の茅場晶彦の《声》だ。今更になって茅場の声を聞く事になるとは思っていなかったであろう攻略組の者達は戸惑ったように周囲を見回して、アスナが声を上げる。

 

「この《声》……茅場晶彦……!?」

 

《あぁそうだとも。その様子だと、しっかり私の声が聞こえてるみたいだね。同時に私も、君達の声を聞きとる事が出来ているよ》

 

 一体どこにいると言うのか。いやそもそも、あれだけの事をやられて生きていたのか。居場所のわからない茅場に言おうとした瞬間、いつの間にか物陰から出てきていたユイと、攻撃に巻き込まれて動けずにいたストレアが声を上げた。

 

「その声は……あなたは……!?」

 

「どこで何をしてるの!?」

 

《おや、君達もいるんだね。無事で何よりだ》

 

「そうじゃなくて、これはなんなんだ!? あんた、生きてたのか!?」

 

 俺の問いかけに答える《声》が返ってくる。

 

《生きていたよ。私はこれでもしぶといつもりなんでね。今は君達には見えないところから君達に干渉をしている。アスナ君の前に出現した壁も、私によるものだ》

 

 まさかあのような事になっても、生きていた茅場。それに驚いていると、再度その《声》が頭の中に響いてきた。

 

《キリト君、見せてもらっているよ、君達の戦いを。アスナ君がユピテルの名を呼んでいるという事は、あれが今のユピテルという事だね》

 

 茅場はこのゲームが開発段階だった時に、イリスの作ったユピテルやマーテルと仲良くしていたと聞いている。恐らく、この事態は茅場にとってもかなり腹立たしい状況のはずだ。

 

「あぁ、あいつがユピテルを悪用して、戦闘AIに組み換えたんだ」

 

《ふむ、随分と腹立たしい事をやってくれるじゃないか。そしてそんな事をやってくれたのは案の定というべきか、須郷君だね》

 

 そういえば、須郷は茅場の事を例に挙げる事があったし、茅場の話をされた時には珍しく嫌な顔をしていたし、自分が何かをすると茅場が一歩先に行っていたとか言っていた。きっとだが、茅場と須郷はいがみ合う知り合いだったに違いない。

 

「茅場晶彦、教えて! どうやったら今の須郷を止められるの!?」

 

 須郷の関係者であり、須郷が何かと槍玉に挙げているアスナが咄嗟に叫ぶと、茅場の《声》はすぐさま帰ってきた。

 

《酷い事をしてくれたものだよ、須郷君は。ユピテルはこのゲームの裏ボスとして用意されたモンスターのコアAIと同化し、君達と過ごしたであろう記憶、人格を全て戦闘用のそれに改造されていて、コアプログラムごと変質してしまっている有様だ。そして須郷君が好き勝手に弄繰り回してくれたおかげで、君達プレイヤーでは倒せないように出来ている》

 

 やはりというべきなのか、あの皇帝龍は須郷の改造により、本当に倒せないように出来ていたらしい。本当に魔王じゃないかと思ったその時に、肝心な魔王が周囲を見回し始める。

 

「お、おい、その《声》、なんでだよ、なんでこの《声》がするんだよ!?」

 

 魔王は信じられないのだ。自分で消したはずの本物の統制者が生きていた事が、自分がどんなに乗り越えようとしても越えれなかった壁が生存していた事が。その証拠に、これまで見た事がないような、心の底から焦っているような顔がそこに浮かんでいる。

 

 しかし、そんな須郷に目もくれず、アスナが天を見回しながら言う。

 

「ユピテルは……どうすればいいの。このままじゃあの子、皆を殺しちゃう……!」

 

《……あの時君がユピテルを見せてくれたから、君がユピテルの親となって育てていたという事だろうね。これから話さなければならない内容は、君達にとってはかなり酷な内容になるだろう。それくらいの事をしなければ、ユピテルを助ける事は出来ない》

 

 もはや形振り構っている場合ではない。ユピテルを止める方法があり、それが茅場の手によって起こせるものなのだとすれば、どこか複雑ではあるけれど、茅場にやってもらうしかないのだ。

 

「なんでもいい、ユピテルを止める方法を教えてくれ!」

 

 直後に、少し遅れてから《声》が聞こえてきた。

 

《……ユピテルはコアプログラム自体を改造されていて、もう元に戻す事は不可能になっている。そしてユピテル、今はゼウスか。ゼウスは96から100層までのモンスターとボスモンスターのAIを取り込んであの戦闘能力を獲得している。そんな状況下の元、ユピテルを倒す方法はただ一つ……ユピテルを解体する事だ》

 

 最後の言葉に、俺達は思わず凍り付く。ユピテルがあんな事になってしまったからには、覚悟のいる方法をとるしかないとは思っていたけれど、解体と出て来た。

 

 ユピテルはAIだから死ぬことはない。だけど、解体してしまうと言う事は、ユピテルをユピテルではなく、ただのプログラムデータに変えてしまうと言う事だ。そしてまた、そのデータを組み立てたとしても、ユピテルが蘇るわけでもない。

 

 即ち、ユピテルに死を与える事になる。

 

「ユピテルを、解体……?」

 

 俺の隣で声を聞いているシノンが驚愕したような表情を浮かべる。シノンもまた、ユピテルと触れ合ったりする事が多かったため、あのユピテルが解体されなければならないという茅場の話が信じられないのだろう。

 

《私のところには君達が知っているであろうマスターアカウントがある。ここにある管理者権限を使って、ユピテルを解体してしまう。ユピテルの解体が進めば、そこにいる裏ボスは形を保てなくなり、崩壊を始めるだろう。その隙に、君達がユピテルを倒すんだ》

 

 聖竜連合に混ざって点を見上げているディアベルが、茅場の《声》に言う。

 

「そのまま消去は出来ないのか。あんたは、マスターアカウントを使っているんだろう」

 

《残念だがそれは出来そうにない。須郷君が特殊な改造を施してくれてね、普通の方法じゃ消去が出来なくなっているんだ。やはりコアプログラムとなっているユピテルを解体してしまう他ないんだ》

 

 俺はアスナの方に向き直った。ユピテルを止めるには、ユピテルを解体して死を与えるしかない――茅場から紡がれる言葉が信じられないような表情が顔に浮かんでいる。そしてそんなアスナをどこかで見たのであろう、茅場が《声》を送ってきた。

 

《アスナ君。君はユピテルを育ててくれたから、ユピテルがどんな子なのか、よく理解しているだろう。ユピテルはとても優しい子でね、彼に皆を殺させるのは、これ以上ないくらいの苦痛を与える行為に等しいんだ。ユピテルにそのような事をさせないようにするには、ユピテルを解体するしかない》

 

 アスナは俺達の中で誰よりもユピテルと接してきて、ユピテルを愛して、その全てを理解してきた。だからこそ、茅場の提案する方法は、アスナにとってはこれ以上ないくらいに受け入れがたいものだ。

 

 だが、このままユピテルを放っておけば、俺達はユピテルに殺される事になるし、何よりあの須郷を現実世界に解き放つ事になってしまう。そのような事になれば、世界中が須郷に引っ掻き回される事になるだろう。

 

「アスナ……!」

 

 アスナから少し離れた位置にいるユウキが咄嗟に声をかけると、アスナは俯いた。

 俺もユピテルには元気付けられる事もあったし、一緒に遊んだりもしたから、ユピテルを解体させるなんてのは認めたくないが、そうでなければユピテルを止める方法はないから、やはり茅場のやり方を認めるしかないのだ。

 

 だが、アスナは――。

 

「……めて……」

 

 アスナがぎゅうと剣と拳を握りしめているのを見ていると、その口から小さな声が漏れた。俺を含めた大多数の者がそれを正確に聞き取れず、もう一度聞きとろうとしたその時に、アスナは搾り出すように言った。

 

「ユピテルを……とめて……茅場晶彦……きっと、ユピテルも……辛いから……」

 

 ユピテルの解体を承認したアスナの声。その瞳から流れる涙を見たのか、茅場は少し小さな《声》を送り返してきた。

 

《……ユピテルを見ていてくれてありがとう、アスナ君。彼をこんな形でしか救えず、すまない》

 

 直後に、それまで戸惑ったように周囲を見回していたアルベリヒ――須郷が叫ぶように言った。

 

「この《声》、あんたなのか、あんたなのか茅場ァ!?」

 

《そうだとも。久しぶりだね須郷君。君は実に様々な事をやってくれたみたいだが……どれも私としても許し難い行為ばかりだ。私もさすがに、君を許す気にはならないよ》

 

「このっ、あんたは死んだだろ! 僕が消してやったんだぞ! なのにまた出てきやがって! 消してやる、もう一度消してやるぞ! 僕はあんたを超えたんだ、あんたを超えた奴と一緒に、超えたんだ!!」

 

 天敵に遭遇してしまった動物のように狂乱する須郷は、右手ではなく左手を振り回して、ウインドウを呼び出そうとした。通常アカウントでは呼び出す事が出来ないウインドウを、管理者権限を使って呼び出すためのコマンド。この世界を管理するものだけに与えられる行為――だが、いくら須郷が左手を振っても、ウインドウは出てこない。

 

「あれ、なんで、出てこない!? この、ポンコツめ、言う事を聞け!!」

 

《須郷君、誰に教えてもらったのか、君はいつの間にか用心深くなったんだね。他の者がマスターアカウントを行使できないように、自分以外の管理者を締め出すために、暗号付きのパスワードを敷いたりして。

 だが、そのパスワードは破らせてもらった。そして……君のマスターアカウントは剥奪させてもらった。いや、管理者権限を移行させてもらったよ》

 

「な、なんだと!? 僕のパスワードを、破ったのか!?」

 

 慌て犇めく須郷の口から語られる真実。あの男が自信満々だったのは、自分以外のものがマスターアカウントを行使できないように、それそのものにロックをかけていたからだったのだ。

 

 だが、そんなものは須郷の上を行っていた茅場からすれば、どうとでもなる事だったのだろう。いやそもそも、こうやって茅場自身が直々に姿を現すなんて、須郷でさえも想定していなかったから、俺達が破れなくても茅場には破られるようなパスワードを敷いていたのだ。

 

《残念だが須郷君、君はもうこの世界の管理者ではない。それでも、ゼウスは君に絶対服従をさせられているようだから、それだけは操れるみたいだが……それもこれから破らせてもらおう》

 

 直後に、須郷はかっと顔を上げて剣を引き抜き、ぶんぶんと振り回し始める。

 

「なんでだよ、なんでだよ、なんで消したはずなのにまた出てきて僕の邪魔をするんだよ! あんたはいつもそうじゃないか! 僕の欲しいものを片っ端から浚って、僕の邪魔を散々やって! ふざけんなぁ!!!」

 

 須郷は剣を投げ捨てるや否、魔法のウインドウを呼び出すべく、左手を狂ったように動かし続けた。しかし、どんなに呪文を唱えたところで、須郷に強大なる力を与えていたウインドウはその姿を現さない。

 

 世界からの叛逆を受けた魔王は、狂乱して叫ぶ。

 

「おい、言う事を聞けよ! 帝王の、神の命令だぞ!!」

 

「違うだろ」

 

 咄嗟に言ってやると、皇帝龍ごと須郷は俺に向き直った。その狂乱のために醜くなった顔目掛けて、俺は吐き捨てるように言う。

 

「お前は盗んで弄んだんだ、この世界を、この世界の住人を、そして俺達プレイヤーを。お前は神や帝王でも、盗み出した玉座の上で一人踊り狂っていた泥棒の帝王、泥棒の神だ。いや、神という名の化け物だ」

 

 須郷という名の魔王は激しい憎悪を浮かべた表情で俺達を睨み付けるが、やはり魔法のウインドウは何も返事をしてくれない。だが、その足元にいる皇帝龍は魔王の怒りを受け取ったかのように咆哮する。

 

「この餓鬼どもめ……いい、マスターアカウントなんかいらない! 僕にはこいつがいるんだ! 最強のこいつが! 茅場が解体する前に使いこなして、全部消してやる!」

 

 まるで最後の悪あがきのようにも思えるが、皇帝龍は解体されなければ、俺達プレイヤーでも倒す事の出来ない恐るべき魔物。魔王の最後の切り札。

 

 これを俺達だけの力ではなく、茅場の力に頼らないとどうにかできないのはどこか悔しく思えたが、やはり四の五の言っている場合ではないと皆が既に理解しており、攻略組の者達はぼろぼろになった身体のまま、武器を構え直したが、次の瞬間に皆の身体に浮かび上がっていた傷のエフェクトは一瞬で消え去り、緑色の見慣れた光が包み込んだ。

 

 一体何が起きたかと思って、自分のステータスを見た時に、俺は驚いてしまった。先程まで危険を示す赤に突入して、僅かな量になっていたHPがいつの間にか全回復を遂げており、安全を示す緑色に戻っているのだ。

 

「え、HPが回復してる!?」

 

 リズベットが驚きながら言ったその時に、その質問に答えるかのような茅場の《声》が返ってきた。

 

《明らかに不条理な戦いをやっていたせいで、君達はぼろぼろだったし、回復アイテムを尽きさせていただろう。今、マスターアカウントの機能を使って君達の状態異常やHPを全て回復、アイテムストレージの中にありったけの回復アイテムを突っ込ませてもらった。有効活用したまえ》

 

 茅場からのまさかの支援補給。それを聞いた後衛の者達は咄嗟にアイテムウインドウを開くが、その直後に、使い切ったはずの回復アイテムが戻ってきた事に驚いているかのような表情が浮かんだ。

 

 その証拠に、回復アイテムが揃っているという声が上がり始める。

 

《ただ、流石に全員に不死属性を付加するのは無理だった。何せ須郷君が至る所にパスワードや暗号を多用してくれたおかげでね。それにユピテルの解体を始めた時には、解体だけで手一杯になるから、君達を支援する事は難しくなるだろう。これが最後の補給支援だ》

 

 今まで、俺達は倒せない敵と戦っているという理不尽極まりない戦いを繰り広げていた。だけど、あいつに攻撃が通るようになってしまえば、後はいつも通りボスモンスターと戦う時とほとんど変わらなくなるし、あの皇帝龍を倒してしまえば、あの異変の元凶である魔王を、須郷を倒す事が出来る。

 

 恐らく須郷の事だから、自分を不死属性で守っていただろうけれど、それは茅場の手によって剥奪されたから、何も出来なくなったに等しい。倒せるようになってしまえば、もはや回復支援も何もいらない。

 

 直後に、茅場は俺とリランに《声》を送ってきた。

 

《キリト君、やはり私が抜けた後の血盟騎士団の団長には君が就いていたのだね。私はここから君達の目の前の壁を、君達でもどうにかできるようにする事で精一杯になる》

 

「……あんたの指示や支援はいらねえよ。あんたは、ユピテルを何とかしてくれ。俺達ではどうにもならないものが出てきて、あんたに頼らなければならないっていうのは、どこか納得できないけれどな」

 

《君は変わらないなキリト君。喜んでそうさせてもらうよ。今のあの子はこれ以上の苦痛に晒されて、泣いている。どうか、私の息子を止めよう》

 

 今どこにいて、俺達に支援をしているのだろうか――ユピテルの父親に俺は頷くと、復活を遂げたリランの背中に飛び乗ってしっかりと掴まり、人竜一体を果たした。

 

「リラン、ユピテルのとうさんがユピテルに解体を仕掛ける。コアプログラムを解体されれば流石のあの化け物でも、戦闘力を保つ事は出来ないはずだ」

 

《……いずれにせよ、ユピテルを助ける方法はないと言う事か》

 

「いや、今だってあいつは苦しんでるんだ。あいつを解体して倒すのは、あいつを苦しみから解放する事だ」

 

《そうだな……ユピテルは優しい男の子だった。それがあのようになっているのであれば、これ以上ないくらいの苦痛に晒されているのは間違いないだろう。そして、あの男はユピテルを苦しめている元凶だ》

 

 リランは身構えて歯を食い縛り、俺に《声》を送ってきた。

 

《キリト……アルベリヒを、須郷を必ず仕留めるぞ。奴はもはや……PoH以上の危険な存在だ。ここで……息の根を止めるぞ》

 

 あの男は、リラン達の生きるこの世界を滅茶苦茶に引っ掻き回しただけで飽き足らず、現実世界さえも引っ掻き回そうとしているうえに、アスナもシノンも散々苦しめて、最終的に俺達を殺そうとしている。

 

 もはや俺も須郷を許すつもりはない。ここで、あいつは……完全に仕留めなければならない。

 

「あぁ、俺の怒りも完全に限界だ。奴は……確実に仕留める。いくぞ!!」

 

 叫ぶように言うと、攻略組の者達が一斉に咆哮し、魔王も皇帝龍も、その声をこの場に木霊させた。

 




意外な人の参戦で戦況逆転。

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