アルヴヘイム・オンライン ゲーム内時間午前十一時十五分 空都ラインのレストラン
「それでアスナ、話って何なんだ」
俺達は草原浮島の主である三神獣、フレースヴェルグの撃破に成功した後、空都ラインに戻ってパーティを解散した。皆準備や買い物のために散らばっていったのを見てから、俺はアスナに連れられてラインのレストランに足を運んだ。
昼頃という事もあってから、レストランの中はそれなりに込み合っており、誰もが椅子に座って、これからの攻略をどうするとか、これからの行動をどうするとか、どんなモンスターの素材を集めたいとか、このゲームに関する話をしていた。その光景は、まさしくMMORPGのそれそのものだった。
そんなプレイヤー達の間をアスナと共に抜けて、一番人の少ない壁際、その角の席に行き、俺とアスナは向き合って座った。まるでシノンとデートしている時のような感じがしたものの、アスナの表情を見て、そんな軽い話ではない事を察した俺は気を引き締め、アスナに尋ねた。それから全く時間を置かずに、アスナは口を開いた。
「まずは、ごめんねキリト君。急に呼び止めたりしちゃって。キリト君、攻略に行きたいでしょう」
「いや、それよりアスナの話が聞きたいな。気になった事が合って攻略に行っても集中できないから、君の話を優先するよ。それで、何の話なんだ」
アスナは小さく「ありがとうね」と礼を言って軽く笑んだ後に、表情を少し不安そうなものに変えた。先程の真面目な表情ではないものがその顔に浮かび上がった事に、俺は軽く驚きつつ、アスナの声に耳を傾ける。
「ねぇキリト君。SAOがクリアされてから結構経つけれど、血盟騎士団に居た時の事、まだ憶えてるよね」
「憶えてるよ。これでもヒースクリフの後を継いで団長になったからな。だけど、どうして急に血盟騎士団の話なんかするんだ」
「じゃあ、血盟騎士団の順位っていうか、強さの順番みたいなのを憶えてる?」
血盟騎士団には、様々な武器を使い、様々な能力や戦術を持っていた者達がいた。それを束ねる者――団長を途中から俺が務め、アスナは副団長を務めていた。そして強さの順番は確か、俺とヒースクリフとリランが一位で、かつて閃光の副団長と呼ばれたアスナが二位だった。俺の妻であり、もっぱら夫人と呼ばれていたシノンは五位くらいだ。
「確か、俺とリランとヒースクリフが一位で、アスナが二位だったな。それが?」
「その辺りの順位の事は憶えててくれたんだね。それじゃあ、血盟騎士団の三位だった人の事は、憶えてるかな」
「三位?」
そう言われて、俺は軽く顎に手を添える。確かに、一位と二位が存在しているならば、三位も四位も存在している。だけど、そもそも俺自身強さとか実力の順位をそんなに気にしていなかったから、一位と二位以外に意識を向けた事はない。なので、三位が誰だったと聞かれても、ぱっと答えを出す事は出来なかった。
「うーん……駄目だな。三位の奴は知らない。団長になってから強さとか実力とかの順位決めはしてなかったからな。アスナはわかるのか、血盟騎士団の三位の奴」
「わかるよ。血盟騎士団の三位だったプレイヤーは、マキリっていう女の子なの。ほら、髪の毛がわたしほどじゃないけど茶色くて、あまり背の高くなくて、キリト君みたいにコートの戦闘服を着てた
そう言われて、俺は頭の中をフル回転させ、血盟騎士団の団長だった頃の記憶を呼び覚ます。アスナ曰く、血盟騎士団の三番目の実力者だったというマキリという少女――そのマキリという名前を何度も頭の中で木霊させつつ、あの時の記憶を探していくが、どんなに探してもマキリという少女がどのような人物であったかを思い出す事は出来なかった。
同じ血盟騎士団にいたというのに、俺の記憶に出てこないという事は、俺と接すること自体少なかった、もしくは皆無だった可能性が大きい。恐らく、連絡とか相談とかをアスナや他のメンバーに行っていた者なのだろう。俺はテーブルに肘を突き、頬に手を当ててアスナに目を向けた。
「んー、駄目だな。俺の記憶には出てこないよ。アスナはマキリと会ってたのか」
「うん。マキリはキリト君よりも、わたしの方を信頼していたみたいなの。戦況の報告だとかその日の行動の仕方、攻略の進め方とか、全部わたしに話したりしてたな」
「まぁ、途中参加の俺よりも古参である君を信頼してるメンバーも多かったからな。やっぱり俺は信頼ならなかったって事かぁ」
「そんな事ないよ。キリト君は見てなかったかもだけど、キリト君は色んな人に信頼されてたんだからね。多分わたしよりも、キリト君を信頼してる人が多かったと思う」
「だけど、そのマキリはアスナにしか色んな事を話さなかったんだろ。って事は、そいつは俺の事を信頼してなかったんだろう」
そこでアスナの顔が曇った。恐らく、SAOに居た頃のマキリとの会話を思い出しているのだろう。
「マキリは頑なにキリト君を拒んでたのよ。どうしてあいつが血盟騎士団の団長になったんだって。どうしてアスナが団長にならなかったんだって……そんな事ばっかり言ってた」
「すっげぇ嫌われ様だなぁ。俺の見てないところでそんなメンバーがいたなんて……今更だけど、団員の特徴さえつかんでいなかったなんて、団長失格だなぁ……」
「ううん。そんな事を言ってたのはマキリだけだよ。他のメンバー達は、文句を言いながらもキリト君を信じて従ってたんだから。だけど、マキリは全然そんな事をしなかったな……」
「まぁ、人間誰しも相性があるってイリスさんが言ってたからな。俺と相性が合わなかったんだろう、その娘は」
そこで、アスナはテーブルの前で手を組んだ。その顔が、徐々に不安そうなものに変わってきて、俺は思わず手を頬から離した。
「それにマキリは、シノのんに気があったみたいなの」
「シノンに? ちょっと待て、それはどういう事なんだ」
「マキリはシノのんの傍にキリト君がいない時に、シノのんの傍に行ったりして、色んな事を話したりしてたみたいなの。って、キリト君シノのんの傍にずっといたのに、聞いてないの」
SAOに居た時、俺はシノンの夫となって、100層付近で《壊り逃げ男》/アルベリヒにシノンを連れ去られる前までは、基本的にシノンの傍に居た。だからアインクラッドに生きるプレイヤーの中で最も接していた時間の長いのは必然的にシノンであり、それが当たり前なのだけれど、一度もシノンの口からマキリなんて言う名前が出てきた事はないし、その話を振られた事もない。
「聞いてない。シノンにマキリが近付いてたっていうの、初めて聞いたぞ」
「そんな……てっきりシノのん、キリト君に相談してたとばっかり……」
これまでアインクラッドや現実世界でシノン/詩乃と一緒に過ごしてきて、尚且つ最後にシノンの記憶と融合した時に知ったのだが、シノンには俺に心配をかけそうな出来事に直面したりすると、自分一人で抱え込んで、自分一人の力だけで解決させようとする
……恐らくシノンは、アインクラッドで血盟騎士団に居た時にマキリに気にされていて、話をしたりしていたけれど、俺に余計な心配をさせまいと思って、何事も無かったかのように接して来たのだろう。はっきり言ってしまって、シノンならばやりかねない。
ならば俺の頭の中に残っている《シノンの記憶》を呼び覚まして、マキリの話を呼び出そうとしたが、何故か《シノンの記憶》の中でマキリという存在を確認する事は出来なかった。もしかしたら、シノン自身マキリの事を憶えて居たくなくて、忘れてしまったのかもしれない。
「君は知らないかもしれないけど、シノンは大事な事を話さない時があるんだ。俺に自分一人で抱えようとするなっていうんだけど、そう言うシノンだってそういう事をしてるんだよ」
「シノのん、マキリについて一人で解決しようとしてたんだね……でも、シノのんならやっちゃうっていうの、何だかわかる気がする。だってシノのん、クールに振る舞ってるけど、本当はすごく優しいもん……」
「俺もそれはすごくわかる。シノンは本当は優しい娘だからなぁ……やっぱりそういう事、するんだろうな。出来ればやめてもらいたいところなんだけど……」
そこで俺はハッとする。先程アスナは突然マキリの話をし始めたわけなのだが、どうしてマキリの話を始めたのか、その理由を一切俺に話していない。詳しい理由も知らないまま、俺はアスナの話を聞いてしまった。
「っていうかアスナ」
「え?」
「今更だけど、なんで急にマキリの話なんか、血盟騎士団の三位の奴の話なんか始めたんだ。それって、アインクラッドの時の話だから、ALOに来た今じゃ、あまり関係なくないか」
そこでアスナは、少し気難しそうな顔をした。いや、どちらかと言えば先程からみせている不安そうな表情にも似ているけれど、先程からの表情とは微妙に異なっている。
「……そう。わたし達が今いる世界はALO。SAOじゃないから、マキリに会う事なんてきっとない。そう思う反面、わたし達はいつかマキリにまた会うんじゃないかって思うの。そしてその時は、とても恐ろしい事が起きてしまいそうな……そんな気がして仕方がないの。自分でも、変な事を言ってるって思っているんだけど……」
確かに、マキリは最後まで血盟騎士団に居たみたいだし、アスナの話を聞く限りでは、きっと俺達と同じようにSAOからログアウトする事に成功して、現実世界へと帰還している事だろう。
しかし、俺達と同じようにVRへの興味を失わずに、今も尚ダイブし続けているかどうかも疑問だし、もしかしたらVR世界にダイブしているかもしれないけれど、全く別のゲームの世界にダイブしているかもしれないのだ。
そもそもSAOを脱した俺達がこうしてまた出会えてるのは、SAOを脱する寸前に現実世界での居場所を教え合ったからであり、その中にマキリというプレイヤーは存在していなかった。
そんなマキリと俺達が出会う可能性は、かなり低いと言ってもいいだろう。
「大丈夫だよアスナ。マキリが今も尚VRMMOをやっているとは限らないし、第一マキリは俺達の居場所なんて知らないはずだ。だから、マキリが俺達のところに来る事はないんじゃないかな」
「そうだよね……そう、だよね。わたしだってそう思ってないわけじゃないんだけれど……だけど、わたしはすごく不安なんだ」
「なんでまた? マキリは俺が嫌いで、シノンに何かしらの気をかけてた。それで、血盟騎士団のナンバースリー。それだけだろ? どこに不安になる要素があるんだ」
「……マキリは、その……情緒不安定だったっていうか……壊れてる感じがあったっていうか……単にキリト君を嫌ってるだけじゃなかったみたいなの。
そう、それこそ、心の底からキリト君の憎悪してたっていうか……恨んでいたような感じがあったっていうか……」
思わず、喉からか細い声を出してしまった。先程からアスナの話を聞いている限りでは、マキリは俺の事を認めていなかっただけのように思え、そのイメージが出来ていたのだけれど、今のアスナの言葉でそれは根本から覆った。マキリが俺を憎悪していたというのは、どういう事なのだろうか。
「ちょ、ちょっと待てアスナ。それってどういう事なんだ。なんでマキリは、俺を恨んでいたんだ」
「わからないの。なんでキリト君を恨んでいるのか、マキリは何も教えてはくれなかったから。ただ、キリト君を心の底から恨んでいたみたいなの……」
「なんで俺を……あの世界でやった事なんて数えきれないくらいにあるけれど、その中に何かあって、俺はマキリの恨みを買ったっていうのか。一体、いつ……」
「だから怖いの。マキリが、いつかキリト君に報復しに来るんじゃないかって。その時に、とても恐ろしい事が起こりそうな気がして、仕方がないの……」
確かに、心の底から俺の事を憎悪しているならば、マキリは今も尚俺の事を探していて、報復の機会を伺っている可能性が高い。何故血盟騎士団に居た時にそれをしなかったのか、SAOの中で報復をしなかったのかは疑問だが、報復のチャンスを逃したマキリは、きっと今もその機会を、探しているのだろう。
それまで、アスナの話はただのアスナの抱く不安だと思っていたけれど、今になってそれは現実になりそうな気がしてきた。
「マキリ、か……一体俺はマキリに何をしたっていうんだ。それでマキリは今も……」
「ごめんキリト君。何もキリト君を不安にさせたかったわけじゃないの。ただ、そんな気がしてきて、仕方がなくなってしまって……本当に、ごめんなさい」
「いや、アスナが謝る事じゃない。だけど……気になるんだ」
「気になる? マキリが?」
俺はすぐに頷いて、頭の中でSAOの頃の事を思い出す。様々な事があったけれど、最終的に無事にクリアできて、脱出する事が出来たアインクラッド。その中で俺は様々な事をしてきたわけだけど、確かに、その中には人から恨みを買うような事もあったかもしれない。
だけど、何故マキリは同じ血盟騎士団の中にいたというのに、俺にそれを話さなかったのか、もしくは恨みを晴らすべく、俺に報復しなかったというのか。同じアインクラッド、しかも同じギルドの中に居たのだから、いくらでも俺に接触するチャンスはあったはずだし、報復する機会だってあったはずだ。
これらの事を頭の中でまとめて、俺はアスナに話した。その話が終わる頃、アスナは軽く下を向いた。
「確かに、キリト君とマキリは同じところに居たんだから、いつでも会えたはずだよね。だけどマキリは頑なにキリト君とは会おうとはしなかった……」
「それがどうも引っかかってさ。アスナはどう思う」
「どうって言われても、マキリは本当に何も話してはくれなかったの。だから、マキリが本当に何を考えていたのか、わからないの」
やはりアスナでも、マキリの事は良く知らないらしい。当然だ、話を聞く限りでは、アスナとマキリは、そんなに親密な関係ではなく、ただ同じ血盟騎士団の団員の一人と副団長の関係だったのだから。けど、一つだけわかっている事がある。
「なら……マキリの事を知っているのは、シノンだけだな。シノンは、マキリに気にかけられて、よく話してたんだろう」
「うん。多分だけど、シノのんならマキリの事を良くわかっていると思う。だから、シノのんに聞いてみれば、何かわかるかもしれないね」
「そうだな。話してくれるかどうかは微妙だけど……」
「けれどキリト君。本当に、今後には気を付けた方がいいのかもしれないね。わたし達には気を付けなきゃいけないのが、沢山いるから」
ひとまずセブンとシャムロックに気を付ける必要はなくなったものの、アスナの言う通り、俺達には、《ハンニバル》という要注意どころか完全なる敵が存在している。《ハンニバル》はあのPoHさえも手懐けて、動かしているし、今も尚新たなる《壊り逃げ男》を遣わして日本社会を陥れている。そしてそのPoHが俺達の元へ一度やってきているから、確実に俺達は《ハンニバル》のターゲットにされている。
せっかく安全なゲームに来ているというのに、俺達はずっと恐るべき敵に目を付けられ続けている。そこにまた、マキリという存在が増えてしまったかもしれない。
「あぁ。だけど、やっぱりマキリについては程々に気を付けるようにしておこう。マキリが本当に俺達の元へやって来るとは限らないからな。今回はありがとうな、アスナ。マキリの事を話してくれて。君が話さなかったら、俺は全然マキリの事なんて知らなかった」
「うん。わたしの方こそ、話を聞いてくれてありがとうね。それに、攻略の手を止めちゃってごめんなさい。キリト君、攻略進めたかったでしょう」
「まぁそうじゃないって言えば嘘になるけど、アスナの話の方が大事だったよ。とりあえず、攻略が済んだらシノンと話をしてみるよ。きっと話してくれるはずだから」
「そうならいいけど……ねぇ、キリト君」
そこで、アスナは俺と目を合わせてきた。現実のそれとは違う、水色のアスナの瞳。まるで水鏡のように透き通ったそれに見惚れそうになったが、すぐさま意識を戻して、声に耳を傾けた。
「いざとなった時は、シノのんの傍に居てあげてね。シノのんは、キリト君の事が大好きだから……いざとなった時にシノのんの一番の頼りになるのは、キリト君だけだから」
それはもう言われなくたってわかる。俺は極力シノンの傍にいる事にしているし、シノンを守る事を決めている。だからこそ、アスナに言われる前からその気だ。俺はシノンを守り、シノンと一緒に居続ける。
それが、俺にとってのリランの言う宿命や運命そのものだ。
「それはもう、言われなくたってわかるさ。俺はずっと、シノンの傍に居るよ。たとえどんな敵が来ようとも、俺はシノンを守る。そう決めてるんだ」
「……そうだよね。キリト君も、シノのんの事、大好きだもんね。……ん? 大好き? 大好き? 大……好き?」
そこで突然首を傾げ始めたアスナに、俺はきょとんとしてしまう。一体何があったのかと思って声をかけようとしたその時に、アスナはすぐさま顔を下に向けて、もう一度上げた。
「ねぇキリト君。キリト君は、わたしに大好きなんて言って無いよね? そしてわたしも、キリト君に大好きなんて言ってないよね?」
「はい? 何を言っていらっしゃるんですかアスナさん」
「いやね、何だかわたし、キリト君にそんな言葉をかけてたような気がしてならないっていうか、なんていうか、わたしはキリト君の傍に居て、キリト君にそんな事を言っていたような気がして……だけど、そんな事はしてないはずなのに……」
俺も同じようにアスナに首を傾げる。確かに血盟騎士団に入る以前から、俺はアスナと交流があったけれど、いつも一緒に居たわけじゃないし、そんな事を言った記憶さえもない。寧ろ、今アスナの言っている事はアスナにではなく、シノンによく言っていた。
「んーと、話が読めないのですが……もしかしてデジャヴって奴ですか」
「多分そうだとは思うんだけど……ごめんね、つくづく変な話ばっかりして」
「まぁ確かに、俺はアスナの事を信頼してるから大丈夫だよ。けど、アスナが大好きなのは、ユピテルだろ。ここには連れて来てないけれど、大丈夫なのか」
そこでアスナは「あっ」と言って驚いたような顔をする。パーティを解散した時、ユピテルは元の姿に戻っていたみたいだけど、そんなユピテルにアスナは何も声をかけずにここに来た。だから、下手したらユピテルは待ちぼうけを喰らっている可能性がある。それに気付いたのだろうか、アスナは急に立ち上がった。
「いけない! ユピテルに何も言わないで来ちゃった! 迷子になってたらどうしよう!」
「ここじゃあお連れ様をお待ちですとかもないからな。急いで戻った方がいいよ」
「そ、そうさせてもらうねっ!!」
そう言って、先程まで深刻な話をしていたアスナは走り去っていった。アスナが居たテーブルには俺だけが残される事になったが、そこで俺はすぐにアスナの話を思い出していた。
「マキリ……か」
一体どのような理由があって、俺を恨む事になったのか。そしてなぜ、俺と同じところに居たのに、何も言ってこようとはしなかったのか。そして、マキリはどのような関係をシノンと築いていたのか。非常に気になる事が、多かった。
「ちょっと聞いてみないとな」
血盟騎士団三位の実力者、マキリ。
一体いつ出るのか。