キリト・イン・ビーストテイマー   作:クジュラ・レイ

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 実はすでにこの名前は出てきている。

 


12:マキリ ―黒猫との戦い―

          □□□

 

 

 キリトには気になっていた事があった。かつてSAOに閉じ込められていた頃、一番最初に所属する事になったギルドである《月夜の黒猫団》。自分のやってしまった事が原因で全員が死んでしまった、暖かな場所。

 

 その構成員の一人にとある少女がいた。もっとも戦闘能力に秀でていて、尚且つ《月夜の黒猫団》という名前をギルドに付けた張本人である少女であり、自分が守ろうと思った少女であるサチの妹である。

 

 マキという名前で呼ばれていたその少女は、《月夜の黒猫団》の壊滅以降、行方知れずになっていたのだが、その行方がキリトはずっと気にしていた。

 

 自分同様姉であるサチを思い、サチのために戦っていたというそのマキは、どこへいってしまったのだろうか。《月夜の黒猫団》という全てを喪ってしまった彼女は、どこへ消えたのだろう。

 

 もしアインクラッドの中だったならば、まだ探す事はできたかもしれないが、アインクラッドが解放された今となっては探す手段はない。SAO事件の対策を進めていた菊岡に聞いても答えをもらえるわけがない。気になりはするが、知る事はできなくなっていたマキという少女。

 

 それが今、キリトの目の前にいる。ヴェルサという偽名を名乗って。

 

 

「《月夜の黒猫団》……君はマキなのか。あの時のマキだっていうのか」

 

「マキ……あなたはそんな名前で呼ばれていたの、マキリ?」

 

 

 キリトの隣にいるアスナが、目の前の少女をマキリと呼んだのにも驚かされた。それがトリガーとなって、記憶がフラッシュバックする。そういえばアスナから聞いた話の中に、かつて自分が団長を勤めたギルド、血盟騎士団には団長となった自分を恨んでいるプレイヤーがいたとあった。

 

 そのプレイヤーの名前はマキリといい、シノン――或いはリーファくらいの年齢の少女であったという。実力は他の団員達よりも遥かに抜きん出ていて、血盟騎士団の戦闘力ランキングの三位に位置ほどのそれであったという。

 

 しかし二代目騎士団長となったキリトの事を恨んでいる様子で、いつもキリトが団長になった事を認めないでいた。言動の中にはキリトを殺せる機会を伺っているように見えるものもあったらしい。

 

 

「やっと思い出しただなんて、お前こそどうかしてる。キリト」

 

 

 猫耳帽子を取り払い、素顔を見せたヴェルサと呼ばれた少女は笑みを浮かべていた。純粋なものではなく、怒りと激情と恨みによって作られたものだ。そしてその口は自分がマキである事を否定していない。やはりこいつは、あの時の《マキ》であり、血盟騎士団の三位の騎士だった《マキリ》なのだ。マキは略称で、本当の名前は別にあるが、マキに一文字加えれば出来ると聞いていた。

 

 《マキリ》こそが彼女の本名だったのだろう。何かが繋がったのを感じたようにユウキが驚きの声をあげる。

 

 

「マキリって血盟騎士団にいた、あの滅茶苦茶強いプレイヤーの事!?」

 

「キリト、こいつと何があったっていうの。こいつ、どう見てもまともな感じないよ!?」

 

 

 ユウキの隣のカイムに言われても、咄嗟に返す言葉はキリトに見つからない。わかってもらうには《月夜の黒猫団》とマキの事を細かく話す必要があるが、それだけの暇をマキリが与えてくれるとは思えない。直後、キリトの隣にプレミア、更にティアが並んできて、プレミアが声をかけてきた。

 

 

「キリト、あの人はなんなのですか。シノンをあんなふうにさせたのはあの人なのですか」

 

 

 問いかけに答えたのはキリトではなく、マキリだった。

 

 

「そいつはあたしの全てを奪ったんだ。《月夜の黒猫団》の先輩達を殺して、おねえちゃんをおかしくさせた。おねえちゃんを洗脳して、本当のおねえちゃんじゃなくさせたんだ。だからあたしはおねえちゃんを元に戻そうとしたんだ。アミュスフィアの強制ログアウト機能を麻痺させて、痛覚抑制機構(ペインアブソーバ)も麻痺させる電撃の感覚を与える武器を使って! おねえちゃんにありったけの電撃を浴びせて!!」

 

 

 自らやり方を暴露したマキリによって誰もが言葉を失う。キリトもその中の一人だった。シノンにあんな悲鳴をあげさせていたのは、そんな常軌を逸した拷問めいたものだったのか。意識を失っているようにぐったりとしているシノンを見た時、ユピテルがあんな反応をしたのはそれがわかったからだったのだろう。

 

 

「どうして、どうしてそんな酷い事が出来るっていうんだ! 何の関係もない朝田さ――シノンに!」

 

 

 彼にしては珍しい方に入る明確な怒りを乗せた声でシュピーゲルが問いかけると、マキリは無表情になった。

 

 

「全部キリトのせいだ。キリトがおねえちゃんをおかしくした。だからあたしは元に戻そうとしたんだってば。でも全然効いてくれないんだ。キリトの洗脳が強すぎるせいでさ。何度も何度も電撃を浴びせても、元のおねえちゃんに戻ってくれないんだ。ひどいでしょ」

 

 

 全員がぎょっとしたような顔になる。話がマキリに通じている気配がまるでない。マキリは支離滅裂な話をしている事を、自分でわからないでいる。直後、レインが怒鳴った。

 

 

「シノンちゃんにひどい事をしてるのはあんたでしょうが! 大体、あんたのおねえちゃんはなんだっていうの!?」

 

 

 ゆらり、とマキリとの顔がレインに向けられる。一応声のある場所に反応する事はするようだ。

 

 

「……サチ。おねえちゃん、サチっていうんだ。すごい人なんだよ。誰よりも強くて、皆を守って戦うような勇敢な人で、あたしを守ってくれた。それに誰よりも優しくて、いつもあたしに優しくしてくれたんだ」

 

 

 逆だ――キリトは唖然としつつそう思った。サチは強くなく、寧ろ誰よりも弱かった。気も小さくて勇敢からほど遠い。しかし思いやりがあり、特に妹であるマキリの事を強く思い、愛していた。マキリの言っている事は後半だけが真実で、前半は全く異なっていた。咄嗟にキリトは叫ぶ。

 

 

「違う! サチを守ろうとしていたのは君じゃないか、マキ。サチは君が守ってやりたいと思えるほど、強くない人だったじゃないか! 君はサチを守りたいと思って、強くなろうと思っていたんじゃないか! それにサチは、もう……」

 

「嘘を吐くな! おねえちゃんは誰よりも強かった。誰よりも強かったから、皆を守ろうとしてた。あたしの事を守ろうとさえしてくれた! なのにお前が、お前がおねえちゃんをそんなふうに変えて……!!」

 

 

 キリトは瞠目するしかなかった。今言ったのは真実であるはずなのに、マキリには全くと言っていいほど通じていない。マキリに言っているのは真実ではなく、自分が真実だと思っている嘘なのかという気さえしてきた。《月夜の黒猫団》の思い出は自分が改竄した都合のいいものだったのか?

 

 自分の記憶へ疑問が湧いてきたその時に、ある事に気付いてキリトは我に帰る。もし《月夜の黒猫団》の思い出が虚構だったとしても、サチが既に死んでいるという事実は覆らない。サチが死んだのは真実だ。

 

 それはマキリもわかっている事のはずだが、彼女はその真実に一向に目を向けようとしていない。

 

 

「……そうだよ、俺のせいだ。俺が余計な事をやったせいで、《月夜の黒猫団》の皆は、サチは死んだ。サチはもう死んで、いない――」

 

《キリト、無駄だ》

 

 

 言いかけたところの相棒の《声》で、キリトははっとする。《声》は続く。

 

 

《そいつは最早お前の知っているマキリではない。もう、違うのだ》

 

「リランお前、何言って……!?」

 

 

 告げてくるリランの表情は苦いものになっていた。狼竜となっていても明らかにわかる顔だ。

 

 

《そいつの感情の波、精神の波、心の状態は――何もかもが滅茶苦茶だ。もう、どうにもならないくらいにまで崩壊している。何を言ったところで通じはしない》

 

 

 リランとユピテル、ユイとストレアは《MHHP》、《MHCP》が本来持つ能力を使う事で、プレイヤーの精神状態や心の有り様を診る事が出来る。それでプレイヤーの状態を確認しなければ、どのような治療が必要であるか把握できないからだ。

 

 恐らく、隙を見つけてマキリの状態を診たのだろう。そして結果を見て、ありのままを伝えてきたのだろう。その内容についてキリトは問い合わせる。

 

 

「どういう事なんだ。マキはどうなってるっていうんだ」

 

《奴の心の状態は崩壊してしまっているのだ。最早我らの治療さえも役に立たぬ。あいつはもう、ただの狂人だ》

 

 

 キリトは息を呑んだ。かつてのマキリ――マキとの思い出が蘇ってくる。《月夜の黒猫団》の者達と仲良くし、彼らを、最愛の家族である姉を守るために決意をし、誰よりも早く強く戦うマキは、とても優しい少女だった。話していても楽しかったし、一緒に戦うと心強かった。もしマキと一緒に戦い続ける事ができたならば、どれ程早くアインクラッドを終わらせる事ができたかと考えた事もあった。

 

 そのマキが全てを喪ってしまった結果は何もかもが狂い、正常な判断もできず、シノンに姉であるサチの幻影を映して信じ混んでしまっている狂人。あんな優しくて強かったマキをこんなふうにしてしまったのは他でもない、俺。

 

 俺のせいで一人生き延びたマキは狂ってしまった――キリトは歯を食い縛る。《月夜の黒猫団》を滅ぼしただけではなく、その生き残りをあんなふうにさせてしまった罪までもがあっただなんて。

 

 涙が出てきそうだったが、飛び込んできた声でキリトはそこへ向き直った。マキ/マキリは尋常ならざる怒りを顔に浮かべていた。

 

 

「おねえちゃんと先輩達が居たから、毎日楽しかった。SAOに閉じ込められても、皆が一緒だったから、楽しかった。なのに、キリトが来たせいで先輩達皆死んじゃった。あたしとおねえちゃんだけを遺して、死んじゃった。全部キリトのせいで、キリトのせいでこんな事に、あんな事になった」

 

 

 何もかもがその通りだ。マキリの言っている事は何も間違っていない。《月夜の黒猫団》の皆が死んだのも、サチが死んだのも、マキリが狂ってしまったのも、すべて自分のせいだ。そう思うキリトの横で、アスナが首を横に振って否定する。

 

 

「違う、違うわマキリ! キリト君はそんな事してない。キリト君はずっと皆を率いて、皆を守って戦ってくれたのよ。キリト君が血盟騎士団の団長になってからSAOをクリアするまで誰も死ななかったのも、皆で現実世界に帰る事ができたのも、皆キリト君のおかげなんだよ! あなたの言ってるそれは、きっと何かの間違いよ。SAOでは何が起きても不思議じゃなかったんだから――」

 

 

 アスナの説得に周りの仲間達も加わるが、マキリは一切耳を貸していなかった。直後、マキリはぎりっとキリトを睨み付けてきた。全身が怒りの炎で燃えたぎっているように見えた。

 

 

「ねぇキリト……よくもあたしのギルドを……よくもあたしの先輩達を殺して……よくもおねえちゃんをおかしくして……よくも、よくも……よくもあたしの全部を滅茶苦茶に変えてくれたなぁぁッ!!!」

 

 

 マキリの怒りが声になって空へ響いた次の瞬間、マキリの背後に黒くて巨大な影が飛来し、落下した。どすんという大きなものが衝突するような轟音と衝撃が地に走り、分厚い砂煙が舞い上がって、落ちてきたものの姿が隠された。しかし煙は塔の頂上を流れる風によって吹き飛び、煙に隠れていたそれはすぐさま姿を見せた。

 

 そこにいたのは黒猫だった。エジプトの女神を思わせるデザインの、黒い布と鎧を着込み、禍々しい猫科の獣の顔をしている。尻尾の先は槍の穂先のような形で、背中には紫色のエネルギーで出来た翼。キリトは思わずその名を呼んだ。

 

 

「セクメト!?」

 

 

 前から突如として現れるようになっていた、主人が不明の《使い魔》である猫龍。その主人が誰なのかと気にされていたが、その答えがついに出た。同時に線と線が繋がる。

 

 そういえばマキリがヴェルサとして活動している際、彼女にも竜の《使い魔》がいるという情報があり、それが故に《白の竜剣士》と呼ばれているとあった。一体どんな竜が彼女の《使い魔》なのかと予想していたりしていたものだが――驚くべき事に、それこそがセクメトだった。

 

 

「セクメト……わたし達を襲っていたそれは、あなたのものだったというのですか!?」

 

 

 セクメトとの交戦経験のあるプレミアも驚きを隠せない。あのセクメトがヴェルサ/マキリの命令を受けて襲ってきたという事なのだから。セクメトの話を聞いていた仲間達も同じように驚いている。その中でマキリは思いきりジャンプし、セクメトの項付近に飛び乗り、跨がった。自分とリランのやる《人竜一体》だ。

 

 

「キリトも、キリトの味方する奴らも、全員……全員ぶっ殺してやる! 全員ぶっ殺して滅茶苦茶にしてやるぅッ!!!」

 

 

 マキリが咆吼するや否や、セクメトも続いて咆吼した。完全に戦闘体勢に入られてしまった。皆はそれに応じて武器を構え、迎撃体勢をとる。

 

 間もなくしてマキリを乗せたセクメトは飛びかかってきた。当然その先にいるのはキリトだった。報復に燃えるセクメトとマキリの顔が迫り来る。咄嗟に動き出そうとするが、あちらの方が早かった。

 

 最初の一撃を決められる――そう思ったそこで、目の前に大小の黒い影が躍り出てきて、セクメトとマキリを止めた。キリトの前で壁になっていたのはリランとティアだった。ティアはどうかはわからないが、タンクポジであるリランは防御姿勢を作ってセクメトを受け止めていた。ティアも水平に構えた大剣で盾を作り、セクメトの攻撃を止めてくれている。

 

 

「リラン、ティア……!」

 

 

 思わず名を呼ぶと、ティアが少しだけ顔をこちらに向けてきた。

 

 

「キリト、何をしているの。剣を持って戦って! こいつはあなたの敵!」

 

「違う! マキは、マキは……!!」

 

《キリト、我の話を忘れたか! こいつはもうただの狂人だ。我らを、お前とシノンを殺すまで襲う敵なのだ!》

 

 

 リランまで声を飛ばしてくるが、キリトはそれでも立ち上がれない。確かにマキリは自分達を襲っているが、その原因は自分なのだ。自分があの時《月夜の黒猫団》の皆を死なせたから、マキリは襲ってきている。これは自分の因果応報なのだ。だから受け入れなくてはならない。

 

 

「キリトッ!!!」

 

 

 リランの《声》の直後、セクメトに斬りかかる者がいた。親友のカイムだった。カイムはリランとティアがセクメトを止めている隙を狙い、引き抜いた刀でセクメトに一閃を浴びせていた。鋭い斬擊を顔面に受けたセクメトは獣の悲鳴を上げて後退する。更にすかさずユウキが接近して片手剣で更にもう一閃追い討ちを仕掛けた。

 

 ダメージを二連で受けたセクメトはターゲットをユウキに向けて攻撃を始めるが、ユウキは軽い身のこなしで避けていく。その時に、カイムがかっと顔を向けてきた。

 

 

()()、なにしてんだよ! 戦えよ!!」

 

「カイム……だって、マキは……」

 

「マキリは君の大切なシノンさんを襲った奴だ。君の大好きな人を奪おうとしてるんだぞ! 君はシノンさんを守るんじゃなかったの!?」

 

 

 そうだ。確かに自分はシノンをあらゆる敵や危機から守る事を決めて、ここまで成し遂げてきている。そのシノンを襲ったのはマキリだ。マキリは今もセクメトと一緒にシノンを襲おうとしている。守らなければならないが、マキリに斬りかかっていいはずがない。

 

 自分があの時《月夜の黒猫団》を守れば、こうなる事もなかったのだから。そんな事ばかりが頭にちらついて、キリトは立ち上がれなかった。思わず俯いたその時、またカイムの声がした。

 

 

「それに、マキリのおねえちゃんはこんな事を望んでいるの! マキリがキリトへの報復をして、シノンさんを殺そうとするような事を、マキリのおねえちゃんは望んでいるって思ってるの!? マキリのおねえちゃんは本当にそんな人だっていうのか!?」

 

 

 キリトははっとした。更に続けて声がする。プレミアの声だった。

 

 

「キリト、カイムの言うとおりです。マキリはマキリのおねえさんが優しかったと言っています。もしそれが本当ならば、マキリがわたし達を襲うのをその人が願うとは思えません。キリト、マキリのおねえさんはマキリがあんな事をするのを望む人だったのでしょうか」

 

 

 その問いの直後、世界がスローモーションになり、頭の中にマキリの姉であるサチとの思い出がフラッシュバックする。

 

 誰よりも弱くて、弱気で、弱腰。しかし誰よりも妹のマキリの事を思っていて、愛していたのがサチだ。そんなサチが、今のマキリを見たらどう思うだろうか。自分への報復に狂い、無関係のシノンを姉と思い込んで襲うマキリを、サチはどうするだろうか。

 

 誰よりもマキリを思っていたサチならば、今のマキリを――止めようと思うだろう。どんなに恐ろしくても、どんなに怖くても、マキリを止めようと立ち向かっただろうし、もし自分に頼み込むならばきっとこう言ったはずだ。

 

 

 ――お願いキリト、マキを止めて。マキのためにも、シノンのためにも――

 

 

 脳内のイメージの中にサチの姿が浮かび上がり、こちらを向いてそう言った気がした。きっとサチが生きていたとしても、同じ事を言われただろう。次の瞬間には、キリトの頭の中は澄み渡っていた。やるべき事を再確認する。

 

 

 ――マキを止めて、おとなしくさせる。それでマキから皆を、シノンを守る。今の俺のやるべきとはそれだ。

 

 

 胸のうちに落とし込むと、足が動いた。そのまますくりと立ち上がる事ができ、剣を引き抜く事もできた。

 

 身構えて向き直った先にいたのは、暴れ狂うセクメトとマキリ。先程までユウキを狙っていた彼女らは今も引き続きユウキを狙っているが、ユウキの近くにはアスナとティア、シュピーゲルとレインも加わっている。

 

 報復に燃えるマキリは叫びながらセクメトに攻撃させているが、五人が翻弄するように動いているために狙いが定まらず、あちこちを出鱈目に攻撃しているだけだ。

 

 そしてここにはいつもより数は少ないものの、アインクラッドを乗り越えた仲間達が結集している。皆と力を合わせれば、マキリを止める事もできるだろう。

 

 

「ごめん皆、力を貸してくれ。一緒にマキを、マキリを止めてくれ!!」

 

 

 皆に指示は行き通ったようだ。頷いてくれたのが見えた。皆は力を貸してくれるようだ。これまでと同じように。可能であれば自分一人だけでどうにかしたかったが、ついこの前ティアに人との繋がりを説明したばかりだ。皆との繋がりを基にして戦うしかあるまい。直後、セクメトに乗るマキリが動き出した。

 

 

「このぉ……全員ぶっ殺してやるんだから、あたしの力はそのためにあるんだッ!」

 

 

 そう言ったマキリは蟀谷(こめかみ)の辺りを人指し指でとんとんと二回叩いた。その動作には見覚えがあった。

 

 ジェネシスだ。デジタルドラッグの新型であるという《エヴォルティヴ・ハイ》を使って戦闘能力を爆発的に上げる直前、ジェネシスは自身の蟀谷を二回叩く動作を行っていた。ジェネシスとマキリが同じ事をしているという事は、この後起こる事は一つしかない。

 

 

「は、ふ、うぉああああああああッ!!!」

 

 

 予感は当たった。マキリは天に向かって咆吼した。全身より発せられる怒気と殺気が爆発的に濃くなり、マキリを中心に空気が渦を巻く。汗は悉く蒸発して水蒸気になり、マキリをうっすらと包み込むようになる。《エヴォルティヴ・ハイ》を使用した際の状態そのものだった。

 

 更にマキリの身体の下のセクメトも身構えて咆吼して、禍々しい声を出す。セクメトを中心にして白紫の炎の竜巻が起こる。ジェネシスの《使い魔》であるアヌビスの時と同じだ。

 

 

「それは、アヌビスの……!!?」

 

 

 いつも間近で見ていたと思われるティアは瞠目していた。彼女の視線の先のセクメトが姿勢を戻した時、セクメトの目は赤い球体となり、光を放っていた。唇の捲り上げられた口からは涎が垂れ、紫の炎が燻っている。

 

 この世界の《使い魔》が使う事のできる、カーディナルシステムの防衛機構を流用した凶暴化だ。それはジェネシスの《使い魔》であるアヌビスもよくやっていて、手を焼かされた。

 

 今のセクメトとアヌビスだったならば、セクメトの方が上だ。恐らく実力もマキリの方が上に違いない。

 

 

「く、くふ、あははははははははははははッ!! 全部殺したげる、皆殺しにしたげるぅッ!! あはははははははははははははッ!!」

 

 

 マキリは背筋の凍るような声で笑っていた。身体から水蒸気を出しながら笑って戦うなど、常軌を逸している光景だ。だが、その時キリトは気が付いた。

 

 背筋も凍る声で笑いながら戦い、すべてを皆殺しにする女性プレイヤー――ある時ジェネシスとの戦いに乱入してきた、ある意味注目を浴びていた存在《黒服のブルーカーソル》。

 

 あれが乱入してきた時、「黒の竜剣士を殺すのはあたしだ」と言っていた。そして高笑いしながら一心不乱に双剣を振るっていたが、どうやらジェネシス同様に《エヴォルティヴ・ハイ》を使っていたらしく、途中で強制ログアウトされて、接触できないでいた。

 

 今さら、その《黒服のブルーカーソル》とマキリに共通点がある事に気が付いた。

 

 

「その笑い方、それに《エヴォルティヴ・ハイ》……!!」

 

「キリト、やっぱりこいつだ! 《黒服のブルーカーソル》はマキリだったんだ!!」

 

 

 戦闘中にヴェルサ/マキリが《黒服のブルーカーソル》のように笑い出したところを間近で見た事のあるユウキが驚いていた。マキリはヴェルサとして有名人でもあって、《黒服のブルーカーソル》としても有名人だった。

 

 そして《黒服のブルーカーソル》はあらゆる存在を殺し尽くす戦闘能力を持っている――それとマキリが同一人物ならば、マキリは尋常ではない戦闘能力を持っているという事になる。恐らく彼女は二つのアカウントを用意していて、片方が《黒服のブルーカーソル》だったのだろう。

 

 そんな事をする目的が自分に報復し、姉であると思い込んでいるシノンを奪い返すためならば、とても強い執念と言えるだろう。最早マキリにとっては報復こそが生きる目的なのかもしれない。

 

 どす黒く染まった情熱が覗き、キリトは震え上がりそうだった。何より自分がマキリをそうさせたならば、尚更止めねばならない。

 

 

「だあああああッ!!」

 

 

 次の瞬間、マキリはセクメトの背から飛び降り、双剣を引き抜いた。そのままレインに斬りかかったが、同じ二刀流使いのレインも双剣で受け止める。デザインの異なる四本の剣が衝突し合い、金属音と火花が散る。

 

 

「あんたッ、おねえちゃんのためとか言ってるけど、本当にあんたのおねえちゃんがそんな事を望んでるとでも思ってるの?」

 

 

 七色/セブンという妹を持つ姉であるレインには明確な怒りがあった。間違いに対する純粋な怒りだ。しかしマキリは聞く耳を持たない。

 

 

「おねえちゃんは、あたしが取り返すんだッ。あたしが元のおねえちゃんに戻してやるんだぁッ!!」

 

 

 マキリはぎりぎりとレインを押していく。レインの顔が徐々に苦痛で歪んだそれに変わってくる。マキリから発せられる熱に肌を焼かれているのだ。

 

 

「何もわかってない……あんたはおねえちゃんの事なんか何もわかってない、ただの馬鹿妹だよッ!」

 

「わかったような口、聞くな……あたしのおねえちゃんを返せえええええええええええッ!!!」

 

 

 マキリは一気に力を込めてレインの剣を弾くと、目にも止まらぬ速さで縦斬りを連続して放った。その動きはまさしく二刀流ソードスキル《ボルティッシュ・アサルト》であったが、驚くべき事に剣は光もしなければ、静電気も起きていない。マキリはソードスキルを使わずにソードスキルの動きをしてみせたのだ。そんな芸当は自分達の誰も成し遂げられていない。

 

 

(なんていう……)

 

 

 全てを失ったマキリにはエネルギーがたんまりとあった。《月夜の黒猫団》を滅ぼした自分に対する憎悪と報復がエネルギーとして彼女に宿ったのだ。彼女はそのエネルギーを糧に剣を振り続け、無限とも言える数の敵を塵に変えてきたのだろう。

 

 その中で彼女は自分の身体と脳そのものにソードスキルの動きを焼き付け(インプット)して、ソードスキルを使わないでソードスキルを放てるようにまでなったのだ。

 

 彼女は血盟騎士団の三位であったというが、実際は一位だったのかもしれない。もしくはそんな枠組みを飛び越えているか。いずれにしてもマキリの力は常軌を逸している。

 

 続けてマキリはレインに向けて斬りかかった。レインも応戦しようと双剣を振るっているが、明らかにマキリの方が勢いも強さも上だった。そもそもレイン自身あまりログインする時間を設けていないので、いつまでも潜り続けていたであろうマキリの実力との差は歴然だった。

 

 

「あはははははははッ! 壊れろ壊れろッ! どんどん、どんどん壊れろッ!!」

 

 

 マキリは狂い笑いながら剣を振るっていく。連続攻撃がレインを襲うが、その動きは今度は二刀流ソードスキル《ブレイズ・スピナー》に酷似していた。自分達がソードスキルを発動させないと出来ない動きを、彼女は生身で繰り出せる。

 

 ブルーカーソルになりながら生き延びられたり、ソードスキルを使わないでその動きを再現できるなど、どこまでもマキリは規格外だった。かつての規格外だったジェネシスなど遥かに凌駕している。

 

 

「いい加減に頭を冷やしなよッ!!」

 

 

 レインに怒涛の攻撃を仕掛けるマキリにシュピーゲルが側面から不意打ちした。光を纏った剣で水平に二回斬り付けて怯ませる。二連続攻撃片手剣ソードスキル《ホリゾンタル・アーク》が決まったが、マキリはダメージを物ともしていないようにくるりと身体を(ひるがえ)してシュピーゲルへ斬りかかる。

 

 

「あははははははははッ!」

 

「ぐうッ、うあああッ!」

 

 

 今度のマキリの動きは突進を伴う連続攻撃だった。二刀流ソードスキル《デュアル・リベレーション》に近しい連続斬撃でシュピーゲルを襲う。元々あまり防御を重視しないスタイルのシュピーゲルは瞬く間に身体を斬り刻まれて吹っ飛ばされた。

 

 マキリは血盟騎士団時代には三位の実力を持っていたというが、当時から時間が経過して強くなっているに違いない。今やマキリの実力は血盟騎士団の初代団長であるヒースクリフもいなせるくらいになっているだろう。

 

 そしてヒースクリフこそが創造者である茅場晶彦なので、創造者を倒してデスゲームを終わらせる事も出来ただろう。

 

 その刃がこちらに向けられているのだから、たまったものではない。本当に勝てるのかさえもわからなくなってきそうだった。

 

 だが、こちらにだって策がないわけではない。こちらにはセクメトよりも遥かに賢く、強い《使い魔》であるリランがいる。リランと最大限力を合わせる事が出来れば、マキリを止める事も出来るはずだ。いや、それくらいしないとマキリを止める事など出来やしないだろう。

 

 キリトは咄嗟にリランの方を見たが、そこでまた息を呑んだ。リランは今セクメトと戦っている最中だった。カーディナルの防衛機構を利用して凶暴化したセクメトをこちらに向かわせないように、抑え付けてくれていた。実際リランがセクメトをマキリから離させている事によって、一応はマキリに狙いを絞る事が出来ていた。

 

 その戦況はリランに傾いていた。セクメトの全身にダメージエフェクトが出ている。リランの攻撃によって負わされた傷だ。セクメトはかなり追い詰められている。この前よりも進化して強くなっているのはセクメトだけではなく、リランだってそうなのだ。

 

 しかもリランはセクメトよりも非常に高度なAIだから、あらゆる面でセクメトに勝っている。このままいけばリランがセクメトに勝つだろう。

 

 自分が追い詰められている事がわかるのか、セクメトは力強く咆吼した後に慌ただしくリランに飛び掛かるが、リランは軽やかに側面へステップして回避、即座に反撃の突進攻撃をお見舞いした。他の狼竜には無いらしい額の大剣のような角がセクメトの身体に突き刺さり、更なるダメージを与えた。

 

 《HPバー》は既に黄色になっており、もう少しで赤くなるところだ。あと少しでセクメトを撃破し、マキリだけにターゲットを絞れるだろう。一方でマキリはというと、対象をアスナに変えて襲い掛かっていた。

 

 

「うぉあああああああッ!!」

 

「はあああああッ!!」

 

 

 マキリが目にも留まらぬ早さで双剣を振るうのは変わりないが、アスナは細剣で追従していく。流石SAOで血盟騎士団の副団長を務め、閃光の如き速度で細剣を振るう事の出来る実力者であり、ユピテルの母親である彼女だ。どんなに相手が早かろうとも付いていく。

 

 嵐のようなマキリの刃をいなしながら、アスナは声を掛ける。

 

 

「お願いだから話を聞いて、マキリ! あなたのやってる事は――」

 

「うるさいよ。アスナの事は信じてたのに、なのにアスナはキリトの傍に居て、キリトの味方をしてぇッ!!」

 

 

 マキリは更なる怒気を募らせて剣を振るって来るが、アスナも速度を上げて付いていく。しかしアスナの顔には曇りが見えてきていた。マキリは速度もそうだが攻撃力も高くなっている。受け止めていなすだけでも、かなりの衝撃が来ているはずだ。いくらアスナでも長くはもたせられそうにない。

 

 普段ならばここでユピテルがフォローに入るが、彼は今シノンの治療に集中しきり、母親の許へ行けそうな状態ではない。妹であるストレアもユピテルに力を貸しているので動けない。戦闘音を聞いてはいるが、動いてはいけない状態だろう。

 

 その時一際大きな音が聞こえて、キリトはそちらに向き直った。リランとセクメトが戦っていたが、いよいよリランはセクメトを追い詰めていた。セクメトの《HPバー》は赤色になるまで減り、肩で息をしている。後数撃叩き入れる事が出来れば、そのまま倒せるはずだ。咄嗟にやるべき事が見え、キリトは叫ぶ。

 

 

「リラン、そこだ! 叩き込めッ!!」

 

 

 《ビーストテイマー》の指示を受けた《使い魔》は咆吼し、地面を蹴って地表を捲り上げた。そのままどんどんと走っていき、途中で額の角を前に出した姿勢になる。ユニコーンの一突き、もしくは大槍の突撃を連想させる一撃をお見舞いするつもりだ。そのまま行け――そう思ったその時だった。

 

 

「そうするよねえ」

 

 

 突如としてリランとセクメトの間に影が躍り出た。マキリである。いつの間にやらアスナとの攻防戦から抜け出していたマキリは一瞬のうちにセクメトの前に出て、リランを迎撃する姿勢を作っていた。彼女は自分の戦いに夢中になっているわけではなかった。セクメトがどうなっているかもよく見ていたのだ。

 

 流石にマキリの登場を予想する事は出来なかったのだろう、リランは驚いた顔をしたが、すぐに勢いを取り戻す。マキリ諸共セクメトに一撃与えるつもりだ。いくらマキリとは言え、リランの一撃を受ければ無事では済まされない。そのまま行けるはず――。

 

 

「あははははああッ!!」

 

 

 リランの額が迫る刹那、マキリは空中で勢いよく回転した。恐らく《エヴォルティブ・ハイ》を使っているからこそできる芸当である回転斬りを放った次の瞬間、その刃は信じがたい事にリランの額を切り裂いた。

 

 

 ――ばきぃんッ。ほぼ時を同じくして、金属で出来たものが折り砕けるような音が木霊した。

 

 

 キリトは目を疑った。リランの額の角が根元から砕けて、刀身と言える部分が宙を舞っていた。SAOの時に一度だけ折れたがすぐに再生した角が、折られなかった最強の武器が折り砕かれた。リランは悲鳴を上げて姿勢を崩し、地面を転がりながら後退させられる。

 

 

「リラン――――ッ!!!」

 

 

 キリトの声は仲間達のそれと重なっていた。皆が信じられないような顔をしている。自分もまさにそんな顔をしているだろう。セクメトに止めを刺すかと思われたのに、実際はリランがマキリに角を折られた。到底信じられるものではあるまい。

 

 

「やった……やったあああ」

 

 

 マキリは歓喜に震えていた。先輩達の仇を取った事に喜んでいるようだ。誰もそんな事は望んでいないのに、望んでいると一方的に信じているがために歓喜に包まれているのだ。

 

 だが、そんな事を考えている余裕はキリトにありはしなかった。瞬く間に視界が赤くスパークし、胸の奥から激しい怒りが湧き上がり、胸と頭をいっぱいに満たした。

 

 

「マキリッ、マキリぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!」

 

 

 気付いた時にはキリトは走り出していた。それはマキリと同時だった。マキリはリランに追撃を仕掛けるために駆け出していたのだ。

 

 キリトがリランを追い越した時には、マキリがすぐ目の前にいた。最早フレーム単位の時間だっただろうが、キリトは構わずに剣を振るった。マキリも同じように狂ったような声を上げて剣を振り降ろしてきていたが、僅かにキリトの方が上回った。衣装が故に剥き出しになっている腹部を双剣が水平に抉った。

 

 

「ひあぐッ!」

 

 

 マキリが悲鳴を上げた。まるで現実で腹を斬られたような声だ。だがキリトは止まる気はない。現実世界と同じ痛みならばリランも受けた。リランにとっての現実はこの仮想世界なのだから。

 

 それだけではない。シノンもまた現実世界と同じ感覚で、想像を絶する痛みを与えられた。こいつに与えられた痛みはこんなものではないのだ。

 

 怒りを乗せた二本の剣を今度は斜め方向から斬り下ろすと、硬いものに当たって火花が散った。一瞬で体勢を取り戻したマキリが剣で防御してきていた。しかし力を込めて押し込むと、安易に崩す事が出来た。傷による痛みが効いたのだろうか。

 

 ならばまだ足りないぞ。お前のやった事への報いはまだまだこんなものではない。いつの間にかそう思ったキリトは、ソードスキルの発動姿勢を作った。硬直など知った事ではない。

 

 こいつを斬り崩す事が出来れば、それでいい――。

 

 

「でああああああああああッ!!」

 

 

 腹の底から声を出すと、怒れる狼のようなそれになった。構わずにキリトは双剣に青水の光を宿らせて、剣舞を踊った。水平斬り、縦斬り、斜め下からの斬り上げ、突き。あらゆる方向からの斬撃の嵐でマキリを斬り刻む。

 

 《エヴォルティブ・ハイ》の使用によって身体に負荷がかかっているのだろう、マキリは防御も出来ずにキリトの双剣に斬り裂かれた。本当に身体を切り裂かれている痛みに襲われているかのような悲鳴を上げるが、キリトはソードスキルの仕様のせいで止まれない。

 

 

「があああああああッ!!!」

 

 

 渾身の咆吼と共に、最後の一撃の突きを右手の剣で繰り出した。咄嗟にマキリは双剣をクロスさせて防御姿勢を作ったが、それはリランの角の時のように砕けた。光を纏う剣はマキリの顔へ近付き――その左目に突き刺さった。

 

 

「い゛ッ、ああ゛あ゛――」

 

 

 十六連続攻撃二刀流ソードスキル《スターバースト・ストリーム》の最後の一撃を受けたマキリは、強い衝撃に吹っ飛ばされて大きく後方へ向かった。そのまま管制塔の頂上から飛び出し、その身体を宙に投げ出させる。

 

 

「あ、ああ゛――」

 

 

 マキリはか細い悲鳴を上げた次の瞬間、キリトの眼前より消えた。管制塔の遥か下の地表へ真っ逆さまに落ちていったらしく――少し時間をおいたところで、破砕音がした。間もなくその《使い魔》であるセクメトも、主人の消滅を把握したように身体を光に包ませ、消滅させた。

 

 

 報復心に取り憑かれた少女の脅威は、呆気なく去っていった。

 

 

 


























――おまけ――

シュピーゲル「なんかマキリにデジャヴ感じるんだけど」

キリト「そりゃあ、なぁ」

プレミア「原作のホロウリアリゼーションでは、マキリの行為はあなたがやってる事らしいです」

ティア「原作だとあなたがシノンを襲ってるの」

シュピーゲル「えぇ……」
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