キリト・イン・ビーストテイマー   作:クジュラ・レイ

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10:葬送戦 ―支配者との決戦―

          □□□

 

 

《さぁ、消し炭になりなさい!》

 

 

 アドミニストレータの叫びが空間中に響き、一対の長大な腕の(てのひら)に闇のエネルギーが収束し、巨大な球体が二つ作られた。

 

 リランと冬追(フユオイ)の全長、《EGO(イージーオー)》を(まと)ったグラジオの全長を合わせてもまだ余りある球体の生成を完了させると、アドミニストレータは思い切り投げ付けてきた。

 

 メジャーリーガーの野球選手の投げるボールほどではないものの、巨大な闇のエネルギー球はかなりの速度でリランとグラジオの元へと飛んできた。

 

 もう少し小さいものであるならば、リランの自慢の火炎弾ブレスの連射で迎撃する事もできたのだろうが、あれは流石に難しそうだ。

 

 それをキリトよりも早く把握していたリランは、その大きな翼を一際強く羽ばたかせて更に上空へ昇った。

 

 グラジオもぎゅんと加速して上昇し、エネルギー球の上まで飛んでいく。間もなくして、リランとグラジオの真下をエネルギー球が通過していき、後方で大爆発が起きた。

 

 その規模はリランが全力を込めて放つ圧縮火炎弾ブレスの爆発のそれと同じくらいだった。リランの場合はその場に踏ん張るか、もしくは辛うじて空に留まれるくらいの最低限のホバリング状態になって力を溜め続けた後にようやく放てるというのに、アドミニストレータは軽々とそれに匹敵する威力のエネルギー弾を放てる。

 

 悔しい事に、この時点で戦闘力にかなりの差ができていた。これもアドミニストレータが《最高支配者の力》の欠片を所有しているが故なのだろうか。(ある)いはアドミニストレータが純粋に天変地異に匹敵する力を持つ《EGO(イージーオー)化身態(けしんたい)》であるのか。

 

 砂漠を緑化させる力を持っていたリーファ、物体を即座に生成する力を持ったリズベット、体の一部を臨機応変に変形させてあらゆる局面に柔軟に対応できるなどの純粋に高い戦闘力を持ったメディナ、気象を自由自在に操るシリカと、これまで常軌を逸したような強大な力を持つ《EGO化身態》と何度も戦って、その都度勝利してきた。

 

 だが、今まで戦ってきたどの《EGO化身態》を比較に出しても、今ここにいるアドミニストレータに匹敵するほどの力を持った《EGO化身態》は見当たらない。

 

 アドミニストレータは高火力の攻撃を次から次へと放つ事ができ、尚且つスタミナ切れをしたりする事もない。そして《メイン・ビジュアライザー》に居るが故にそういう事はできないのだろうが、天候操作や地形操作など、《最高支配者の力》も使えるのだろう。

 

 人界を支配していたアドミニストレータがなったのは、人界至上最強最悪の《EGO化身態》。なるほど、当然の帰結には至っている。

 

 クィネラに取り憑いて邪悪な計画と支配を進めていた悪逆の女王アドミニストレータ。彼の女がそんな人物であったからこそ、今ここであのような(おぞ)ましい姿の《EGO化身態》と成り果てたのであろう。

 

 ……本人には醜悪な姿をしているという自覚はないようだが。

 

 

「グラジオ、仕掛けろ!」

 

 

 メディナが号令すると、彼女を(うなじ)の辺りに載せているグラジオが返事をし、アドミニストレータへと突撃を開始した。

 

 グラジオの鎧の背中周辺から生えている翼は、鋼鉄で構成されていて、全く動かなそうに見えるが、しかし本物の鳥のそれのようにしなやかに動くようにできている。

 

 だからこそ、グラジオは自由に急加速や上昇などができるようだ。その力を存分に使い、グラジオはほぼ一瞬のうちにアドミニストレータへ接敵し、懐に飛び込んだ。

 

 

小癪(こしゃく)な! 身の程を(わきま)えなさい!》

 

 

 アドミニストレータは長大な腕でグラジオに殴りかかった。分厚い床を粉々に叩き割るほどの力を持っているのがあの腕である。

 

 あんなもので叩かれようものならば、例え全身に《EGO》を纏っていたとしても無事では済まされないだろう。

 

 グラジオ、避けろ――とキリトが言うより前に、彼は次の行動を起こした。それは回避でもなく、カウンターだった。グラジオはアドミニストレータの腕が迫り来る直前で両手剣を構え、回転斬りを二回お見舞いした。

 

 二連続範囲攻撃両手剣ソードスキル《ブラスト》の直撃を受けたアドミニストレータの長大な腕は、掌から切り離された。切り口よりどす黒い血が噴き出し、アドミニストレータから悲鳴が轟く。

 

 しかしそれはクィネラに似通ったものではなく、獣の声にも機械の発する音にも似た異様極まりない不協和音だった。あれが今のアドミニストレータの本来の声なのだろう。如何にも悍ましい怪物らしいそれであった。

 

 

「オルティナノス家の怒り、その身に受けろッ!」

 

 

 アドミニストレータが体勢を崩した次の瞬間、グラジオの項に(またが)っていたメディナが立ち上がり、その場をジャンプ台にして飛び上がった。

 

 メディナは瞬く間にアドミニストレータの女神像状上半身の目の前にまで辿り着き、空中で乱舞を放った。

 

 アドミニストレータによって二百年以上も苦しめられてきた一族の怒りと憎しみ、平穏を取り戻したいという思いが載せられた刃が何度もアドミニストレータの上半身を切り裂き、どす黒い血を噴き出させる。

 

 連続攻撃刀ソードスキル《東雲(シノノメ)》。

 

 グラジオに続いてメディナから《EGO》によるソードスキルをぶちかまされたアドミニストレータはまたしても悲鳴を上げ、体勢を大きく崩した。今のでかなりのダメージが入ったのは間違いない。

 

 あのアドミニストレータが《EGO化身態》になった姿があれだから、防御力も常軌を逸しているほど高く、《EGO》でも効果的なダメージを与える事ができないのではないかと思っていたが、結局のところアドミニストレータの《EGO化身態》も《EGO化身態》。

 

 《EGO》による攻撃に弱いという共通の欠点は克服できなかったのだ。これならば勝機はある。あいつは不死身の怪物でもなんでもない。ただ火力が高いだけの怪物なのだ。やられる前にやる――これまでずっと繰り返してきた事を同じように繰り返せば、倒せる。

 

 グラジオとメディナが戻ってきたのを認めたタイミングで、キリトは一同に号令する。

 

 

「皆、攻撃の手を緩めるな! こいつは不死でもなんでも――」

 

《くふふふっ、あははははははははははははッ!!》

 

 

 その声は最後まで響かせられなかった。途中で大きな声が割り込んできたのだ。それは他でもなく、アドミニストレータによるものだった。

 

 

《やっぱりお馬鹿ねぇ、あなた達は! この程度で勢い付いちゃうなんて!》

 

 

 アドミニストレータはこれ以上ないくらいに得意げになってこちらを挑発していた。長大な異形の腕は掌が消失し、上半身も傷だらけになって黒い血に塗れているというのに、なんともないかのようだ。

 

 明らかに追い詰められているというのにどうして――そうキリトが思った直後だった。傷を負っていたアドミニストレータの上半身の周辺にどこからともなく緑色の光の珠の群れが湧いてきた。

 

 あれはと思ったその時に、光の珠はアドミニストレータの上半身に吸い込まれるようにして消え、どす黒い血を流していた傷口の数々が全て綺麗に塞がった。

 

 それに留まらず、グラジオによって切断されていた長大な異形の腕もまた本来の形を取り戻した。

 

 

「なんだと……!?」

 

「そんな、傷が回復したというのですか……!?」

 

 

 アドミニストレータの再生の様子を見ていたユージオとアリスが瞠目しきった表情で呟いた。確かにアドミニストレータはメディナとグラジオによって傷を負わされ、天命を減少させたはずだった。

 

 だというのに、一瞬のうちに傷を再生させ、攻撃を受けた事そのものをなかった事にしてきた。今のはいったい何だ。あいつには自己再生能力があったというのか。

 

 正体を掴みたくなり、キリトは背中のシノン、その先に居るクィネラに尋ねた。

 

 

「クィネラ、あいつ傷を治しやがったぞ。どうなってるんだ!?」

 

「まさかあいつ、自己再生みたいな事ができるっていうの!?」

 

 

 シノンも加わって尋ねた次の瞬間だった。自己再生を遂げたアドミニストレータが腕と翼を広げたかと思うと、その翼のあちこちに闇色のエネルギーが収束し、球体を作った。まるで翼に無数の目が開いたかのような姿だ。

 

 

《堕ちなさい!!》

 

 

 アドミニストレータが叫ぶと同時に、その翼に発生していた無数の闇の球体が弾丸となって発射された。放たれた闇色の弾丸は、あるものは真っ直ぐ、あるものは大きく湾曲する軌道を描いてこちらへと向かってきた。

 

 恐らく追尾誘導弾だ。真っ直ぐに飛んでいく弾では当てられないとわかったから、誘導する弾に切り替えたといったところだろう。勿論その数もちゃんと増やして。

 

 明らかに回避不能の攻撃だった。それでもリラン、冬追、グラジオは回避しようと飛ぼうとしたが、その先にアドミニストレータの放った誘導弾が飛来してきた。

 

 拙い、このままでは――とキリトが思ったその時だった。

 

 

領域(ドメイン)展開(エクスパンション)属性(エレメント)遮断(ブロック)障壁(バリア)!!」

 

 

 クィネラの叫びが空中に轟くと、彼女を中心にして半透明の水色の球体状の光が展開された。それは一瞬のうちに膨れ上がり、リラン、冬追、グラジオはすっぽりとその中に収まった。

 

 あまりに突然の事に皆が驚いて動きを止めた次の瞬間、迫ってきていた闇色のエネルギー弾の群れが水色の半透明の光に激突し、次々と大爆発を起こした。

 

 《メイン・ビジュアライザー》内を満たす大気を震わせるほどの轟音と衝撃が響いてきたが、伝わってきたのはそれだけであり、爆発そのものが襲ってくる事はなかった。確認するまでもなく、クィネラの展開した光が防壁となって守ってくれているのだった。

 

 花火大会のフィナーレのような爆発が止むと、キリト達を守っていた水色の光の障壁は消滅し、アドミニストレータの姿が確認できるようになった。

 

 相変わらず何の表情も浮かんでいない顔をしているが、内部に苛立ちの表情が見えた気がした。またしてもクィネラに攻撃を防がれた事に腹を立てているのだろう。

 

 そこでキリトは、改めてクィネラに問うた。

 

 

「クィネラ、あいつの傷が治ったのはなんでだ。あれも《最高支配者の力》なのか」

 

 

 クィネラからようやく答えが返ってきた。

 

 

「そうです、キリトにいさま。《最高支配者の力》のうちの一つ、《天命自在操作能力》によるものです」

 

「《天命自在操作能力》って……あいつがお前に取り憑いていた頃に寿命を克服する時に使ったっていう能力か」

 

 

 クィネラは頷き、詳しい説明をしてくれた。

 

 今しがたアドミニストレータが使用した《天命自在操作能力》、クィネラが普段から使用している《物体生成能力》といった《最高支配者の力》は、実はそれ自体が力そのものなのではなく、その力を使用できる権限の事であるという。

 

 人界に生きる人々には、全員《神聖術行使権限》があり、その個人の現在の権限値に対応した神聖術のみが使用可能になっていて、それ以上の値を要求される神聖術はどうやっても発動させる事ができない。

 

 クィネラとアドミニストレータの《神聖術行使権限》は最上位の値になっているが、それに加えて《《天命自在操作能力》や《物体生成能力》を使用できる権限》を持っているからこそ、二人はこれらを使用する事ができるようになっていた。

 

 この神にも等しい力を持った神聖術を使う事のできる《権限》の事をひとまとめにして、《最高支配者の力》と言うのだという。

 

 把握したキリトはクィネラに答える。

 

 

「そういう仕組みだったのか。って事は、もし仮にお前と同じ値の《神聖術行使権限》を持った奴が現れるような事があったとしても、そいつはお前みたいに物体生成とかは使えないわけか」

 

「はい。もし《神聖術行使権限》を上げるだけで誰でもそういう能力を使えるようになってしまえるようになっていたならば、その域に到達した人々が好き勝手に能力を使ってしまい、結果としてアンダーワールドは滅茶滅茶(めちゃめちゃ)になってしまいます。

 なので、最上位の《神聖術行使権限》だけではなく、《専用の権限》を持った者のみが《天命自在操作能力》や《物体生成能力》を使えるのです」

 

「その《専用の権限》自体を指して《最高支配者の力》っていうのね。だけど、あいつが《天命自在操作能力》なんてものを使える《権限》を持っているなら、どうやって戦えばいいのよ」

 

 

 シノンは戸惑いの声でクィネラに伝えていたが、それはキリトも思った事だった。

 

 アドミニストレータが持っている《天命自在操作能力》はその名の通り、天命――即ち自分自身の《HP》を自由自在に操れる能力だ。

 

 時間経過によって天命が減っていく老衰、老化現象を起こさなくするのは勿論の事、重傷を負っても即座に回復する事ができる。

 

 これによってアドミニストレータは不老不死となり、ベルクーリやファナティオ、ハァシリアン達の天命を凍結させて、外傷以外では死亡しない不老の存在へと作り変えていた。

 

 まだクィネラに憑いていた頃、自分達と交戦した時に何故それを使わなかったのかは謎であるが、アドミニストレータはその力を戦闘に利用するようになり、いくらダメージを負ってもすぐさま全回復するようにしているのが現状だ。

 

 これでは(らち)が明かない。どれだけ攻撃を仕掛けて傷を負わせたところで、すぐさま回復されてしまう。そのうえ、相手はその最強の回復術をいつでも、何度でも使う事ができる。

 

 もし純粋なアンダーワールドの環境下ならば、例え《最高支配者の力》であったとしても、空間神聖力の枯渇によって発動可能回数に限りがあったのかもしれない。

 

 現に空間神聖力がなくなったところでは、クィネラは《物体生成能力》を上手く発動させられなかったのだから。

 

 しかし、ここはアンダーワールドを動かすシステムの中枢の一つである《メイン・ビジュアライザー》の中であるために、空間神聖力の上限は存在していない。

 

 だからクィネラも際限なく神聖術を、《物体生成能力》を使う事ができるが、同時にアドミニストレータも好きなだけ《天命自在操作能力》を使って自身を回復させられる。

 

 一応人界の中で最高且つ最強の神聖術士でもあるクィネラは、最も効果の強い回復系神聖術を使えるため、彼女さえ危機に陥らなければ、こちらがいくら消耗しても回復してもらえはする。空間神聖力も無限なのでリソース枯渇も心配なし。だから攻撃を受けても全回復する事が可能だ。

 

 アドミニストレータと決着をつけ、人界の運命を決める最後の戦いに臨んでいるにもかかわらず、先程からリランや冬追、グラジオの戦い方に余裕があるのはそのためであった。

 

 だが、それはアドミニストレータも同じであり、攻撃を加えて傷を負わせても《天命自在操作能力》で回復してしまう。

 

 双方が攻撃と被弾と回復を繰り返して、進んでは振り出しに戻るという堂々巡り。いつまでも終わる事のない無限の泥沼戦争。それが、明らかになったこの戦いの真の姿だった。

 

 

「どんなに攻撃をしてもあのように回復されてしまうのであれば、《あの悪霊》を完全に討ち祓う事はできません。どうすればよいのですか、最高司祭様……!」

 

 

 ユージオの背中に掴まっているアリスの声には明らかな動揺があった。完全にアドミニストレータの策略に()まってしまったと思っているのだろう。

 

 いや、実際自分達はアドミニストレータの策略に嵌められてしまったのだ。

 

 アドミニストレータは入場規制こそがここに仕掛けた罠であると言っていたが、本当の罠は、アドミニストレータが攻撃を喰らったらすぐさま全回復行動を取り、こちらが優勢を振り出しに戻し続けるやり方を延々と取るようにしている事だったのだ。

 

 恐らくあの女は、この戦いを何時間、何日、何十日、何百日に及ぼうとも続けるつもりでいる。こちらが精神的に摩耗しきり、白旗を上げるまで、攻撃を喰らったら回復という戦法を繰り返すつもりだ。

 

 どこまでも意地汚いったらありゃしない。普通の対戦ゲームでそんな戦法を取ろうものならば、いずれタイムアップになり、引き分けもしくは《HP》等が多く残っていた方の勝ちで終わるだろう。

 

 しかし、ここには制限時間なんてものはないので期待しても無駄である。

 

 VRMMO等のそういう能力を持っているボスエネミーとの戦いであったならば、何かしらのギミックを解く事で回復を封じられ、戦いを進展させられるようになるなどの仕様になっていたりするだろう。

 

 そうでなければ、ただ時間が無駄になるだけの超欠陥コンテンツにしかならない。

 

 

(……待てよ?)

 

 

 もしかしたらこれだろうか。アドミニストレータとの戦いを進展させられないでいる原因はただ一つ、あいつの持っている《天命自在操作能力》のせいだ。無限の戦いを実現させている《最高支配者の力》の一片――これを無効化する事さえできれば、状況は一気にこちら側へ好転する。

 

 だが、どうすれば良いというのだろう。これまで如何なる強敵であろうとも仕留められる策を思い付いてきた頭をフル回転させても、答えを見つける事ができない。

 

 それだけ、このアンダーワールドの理は、アドミニストレータという敵は、これまでのゲーム世界のモノと異なり過ぎている。

 

 だからこそ、キリトはこの世界の人界の管理者クィネラに助けを求めた。

 

 

「クィネラ、あいつの《天命自在操作能力》をどうにかして封じる方法はないか。色々考えたけど、もうそれくらいしか思い付かないんだ」

 

《我も同じ結論に達した。あいつが《天命自在操作能力》を持っている限りは、我らに勝ち目はないぞ》

 

 

 キリト達をその背に載せて飛ぶリランも、妹を含めた自分達に《声》を送ってきた。最早ここに居る全員が同じ結論に辿り着いてしまい、クィネラに助けを求めるしかなくなっていた。

 

 そんなクィネラが何かしらの答えを出そうとしたその時だった。アドミニストレータから不快な大笑い声が轟いてきた。

 

 

《あっはははははははは! 私を倒すなんて不可能だってわかったでしょう! 私はこの世界の支配者。絶対なる支配者! 支配者だから天命をいくらでも操れるのよ! 初めからお前達に勝ち目なんてないの。大人しく負けを認めてくたばって、《最高支配者の力》の残りを渡しなさい! 私を完全なる支配者へ変えるくらいの働きをしなさい!》

 

 

 アドミニストレータは大袈裟に腕を振り回し、完全に勝ち誇っていた。

 

 何度攻撃を受けてもその都度全回復できる能力を持っているのだから、あんなを言って敵対者を煽りたくもなるのだろう。

 

 煽られているこちらとしては腹が立ってきて仕方がない。しかし、どんなに腹を立てて頭をフル回転させても、アドミニストレータとの最終決戦を最後まで進める方法が見つからない。

 

 だからこそ余計に腹が立つ。腹の中から怒りが溢れ出し、溶岩が煮えているのではないかと思えるくらいに胸の中が熱くて仕方がなかった。

 

 その怒りの熱を今すぐにアドミニストレータにぶつけて、そのまま焼き尽くしてしまいたいところだが、それでくたばるような女ではないのがアドミニストレータだ。

 

 寧ろこちらの放つ怒りの炎で燃やされたところで即座に再生して、こちらに更なる怒りを募らさせ、自分の怒りの炎で自ら燃えて無くなってしまうまで煽ってくる事だろう。というか、それを狙っている可能性さえある。

 

 いずれにしても、今すぐにでもこの最悪の循環を断ち切らねばならないが、その方法が見えてこない。本当にどうすればいいんだろうか――と思ったその時だった。

 

 

「《最高支配者の力》の残り……? 完全なる支配者……?」

 

 

 アドミニストレータの取り憑き先であったクィネラの(つぶや)きが聞こえた。限界まで振り返って背後を見たところ、クィネラは俯き、口の近くに指を添えていた。

 

 その仕草は、彼女達の母親であるイリスが考え事をしている時によくやっているものと似ている。

 

 クィネラを含むイリスの子供達には――ユピテルを除いて――母親であるイリスの身体的特徴等が必ず遺伝という形で発現しており、クィネラの場合は現在の身体つきそのものがイリスのそれによく似ているように見え、これこそがクィネラがイリスから遺伝した要素だと思っていた。

 

 だが、どうやらそこだけではなく、細かな仕草などもイリスから遺伝していたらしい。……本人にその自覚があるかどうかはわからないが。

 

 そんな仕草を続ける事数秒後、クィネラはかっと顔を上げた。何かを思い付いてはっとしたような表情がそこに浮かんでいる。

 

 

「これなら、いけるかも……! いいえ、もうこれくらいしか……!」

 

「クィネラ、何か思い付いたのか!?」

 

 

 キリトの問いかけに、クィネラは頷きで答えた。

 

 

「リランねえさま、《あの人》のすぐ近くまで飛んでいただけますか」

 

 

 クィネラが答えたのはリランへだった。その内容に三人で驚く。

 

 

《あいつの懐に飛び込めというのか。そこで何か神聖術でも使うのか?》

 

「はい。今のところ思い付く中で最も《あの人》に効果のある神聖術です。ですが、これは……」

 

 

 クィネラは途中で口籠った。何か言いにくいものがあるのは間違いないようだが――まさか、自爆神聖術を使うとでもいうのだろうか。

 

 その時の光景が一瞬のうちに想像されてしまい、キリトは背筋に悪寒を走らせる。

 

 

「クィネラ、お前何を――!?」

 

「キリトにいさま、リランねえさま、シノンねえさま」

 

 

 言いかけたキリトをクィネラが途中で遮った。そのまま言葉を続ける。

 

 

「その時は短い間でしたけれども、わたくしはこの世へ解き放たれてから、心優しい皆様によって育てられてきました。そしてこの世界で皆様との再会を果たした時からずっと、わたくしは皆様に、幾度となく助けてもらってきました。

 今こうしてわたくしがここに居られているのは、キリトにいさま、リランねえさま、シノンねえさま、アスナねえさま達といった多くの方々がわたくしを助けてくださったからです」

 

 

 そう告げるクィネラからは深い感謝の念が感じられた。直後、それは申し訳ない気持ちを含んだものへ変わる。

 

 

「ですが……今一度、お願いがございます。あと一回だけで構いません。わたくしが危なくなった時、助けていただけますか」

 

 

 これからクィネラが何をしようとしているのかはわからないが、彼女の口ぶりからするに、確実にクィネラの身が危険に晒される事だけは掴めている。

 

 そうなった時にクィネラを助けるかどうか――それに対する答えなど既に決まっている。

 

 

「……勿論だクィネラ。お前がどんなに危なくなっても、俺達が必ず助けてやる。ただし、自爆だとかそういうのだけは絶対にするな」

 

 

 キリトに続いてシノンも告げた。

 

 

「必ず生き残って人界に帰るって約束しなさい。そうでなきゃ、ねえさま達は助けてあげないわよ」

 

 

 二人の正直な思いを受け取ったクィネラは、顔に微笑みを浮かべて頷いた。

 

 

「……はい。皆様で人界へ帰ると約束いたします。それに、わたくしも現在のこの世界の有り様を、皆様にお手伝いいただいた事をかあさまに報告しなければなりませんし、やる事もまだまだ山積みです。ここで死ぬわけにはいきません」

 

 

 クィネラは深呼吸をした。新鮮な空気を身体の中に流し込み、古い空気を全て吐き出す。その直後に、彼女はかっと顔を上げて号令を放った。

 

 

「ユージオ様、アリス様! メディナ様、グラジオ様! 攻撃を仕掛けてください! できるだけ多くアドミニストレータの天命を削るのです!」

 

 

 真実の最高司祭の高らかな声は《メイン・ビジュアライザー》中に響き渡り、この場にいる整合騎士と将来そうなる者達、一度アドミニストレータの手でそうなって、すぐに離脱した戦士の耳にしかと届けられた。

 

 命令を受け取った四人は、指示通りに一斉突撃を開始した。今となっては自身に叛逆者でしかない整合騎士及びその離脱者、将来その地位を得る戦士達の接近を受け、アドミニストレータは怒声を放つ。

 

 

《無駄な事を……消えなさいッ!!》

 

 

 アドミニストレータがぶんっと女神像状上半身の腕を振るうと、その背中から生える翼に再び目が現れた。それはアドミニストレータの力によって発生、収束し、充填された闇色のエネルギーだ。

 

 もう一度ホーミングエネルギー弾幕を展開し、今度こそ彼らを落とすつもりでいるのだろう。更によく確認すると、異形の下半身の前部にある巨大な禍々しい口にも闇色のエネルギーが集まり、バチバチとスパークを起こしている。

 

 翼からのホーミングエネルギー弾に加えて、口からのエネルギー砲弾もお見舞いするつもりでいるらしい。

 

 恐らくアドミニストレータも今度こそ確実にユージオ達を抹殺するべく、最大出力で放とうとしているはずだ。そんなものを喰らってしまえば、ユージオとアリスを乗せる冬追も、メディナと共にあるグラジオも一溜りもないだろう。

 

 ……そう、砲弾としてあのエネルギーが放たれれば。

 

 相手を確実に消滅させる事ができるほどの出力を持つエネルギーの充填されているところに攻撃が入ってしまえばどうなるか。

 

 その答えをいち早く掴んだであろうユージオは、両手を上げつつ冬追の背中から立ち上がった。そのすぐ後に、ユージオの胸が青水色の光を放つ。彼の中に埋め込まれた《フロスト・コア》の輝きだった。

 

 

「フロスト・コア・リリース・リコレクション!!」

 

 

 ユージオの鋭い声が響くと、その手の先に濃密どころではないほどの真っ白な冷気が殺到し、氷の塊を作った。

 

 それは更に冷気を吸い込んで、瞬く間に巨大化していき、やがてただの氷の塊から形を変えていく。まるで姿の見えない彫刻家が超高速で氷を削り、一つの作品を仕上げようとしているかのようだ。

 

 そうして出来上がったのは、剣だった。無論それはただの剣ではない。グラジオが《EGO》を纏った際に使う両手剣の五倍ほど大きく、《青薔薇の剣》のように優美な形はしていない。(つば)(つか)も最低限の、氷の超巨大剣だ。

 

 それがユージオの手の先に構築されて、冷気に支えられて浮かんでいた。通常、あんなものを作り出そうとしようものならば、構築途中で空間を満たす神聖力が枯渇してしまい、もっと小さくなってしまうだろう。

 

 しかし、この《メイン・ビジュアライザー》を満たす神聖力には限りなど存在しない。だからこそ、ユージオはあんなものを作り出せる。人界の常識を超越した何でもありの空間内にいるからこそ、あんな芸当も実現できているわけだ。

 

 ……いや、それ以前にユージオの《フロスト・コア》なるものは、自らの天命を削る事を代償に強大な冷気の操作を可能とするもので、だからこそ彼はソードゴーレムを凍結させた際に、顔を血塗れにして死にかけたのだった。

 

 しかし、今の彼はあんな身の丈を遥かに超える超巨大剣を作り出しておきながら、どこからも血を出していないし、ふらついている様子も見られない。

 

 もしかしたら、この短期間で彼は《フロスト・コア》の制御に習熟し、ごく僅かな天命の消費で、あんなものまで作り出せるようになったのかもしれない――と思ったそこで、キリトはユージオを載せる冬追が、顔を上げて全身から真っ白な冷気を放出している事に気付いた。

 

 どうやらユージオは自身の成長に加えて冬追の力も借りる事で、いつもよりも大規模な氷の創造を可能としているようだ。

 

 何にしても、ユージオの氷の即席超巨大剣の生成はアドミニストレータにとっても予想外であったらしく、その女神像状上半身の視線は完全にそこへ釘付けにされていた。

 

 

「アリスッ!」

 

 

 その時ユージオはアリスに呼びかけた。もう一手加えてくれと頼んだのだ。

 

 アリスはそれを瞬時に把握し、すぐさま《金木犀の剣》を上空へ突き上げる。

 

 

「リリース・リコレクション!!」

 

 

 この場にいる唯一の整合騎士であるアリスの声が轟くと、その手に握られている黄金の剣の刀身が無数の細かい花弁のような刃に変わり、飛翔を開始した。

 

 見方を変えれば、数え切れないほどの蜂の大群にも見える刃の嵐はユージオの生成した氷の超巨大剣を包み込むように飛び、その刀身の周囲を包む真っ白な冷気と混ざり合う。

 

 黄金と白銀の嵐に身を包んだ超巨大剣はふわりとユージオの手から離れ、冬追の上空へ向かう。その刃先の向く先に居るのは、《EGO化身態》のアドミニストレータ。

 

 狙いを付けられているのは――闇のエネルギーの収束する下半身前部の口。

 

 

「「やあああああああああッ!!」」

 

 

 二人が呼吸を合わせて腕を勢いよく振り下ろすと、吹き荒れる黄金と白銀の嵐に包まれた氷の超巨大剣は、更に巨大な弓に打ち出された矢のように放たれた。

 

 そして信じられないほどの速度で飛翔し、真っ直ぐアドミニストレータの異形の下半身の口に飛び込んだ。

 

 それはアドミニストレータの下半身前部に充填されていたエネルギーが砲弾として発射されるのとほぼ同時だったのだろう、次の瞬間、その悍ましい異形の口の中でエネルギーが暴発し、空間を揺るがすほどの大爆発を引き起こした。

 

 

《ぐがああああああああああああッッ》

 

 

 こちらを確実に消し飛ばすつもりで収束させたエネルギーに襲われるとは思ってもいなかったであろうアドミニストレータは、ようやく明確な悲鳴を上げた。爆心地となった下半身の前部は吹き飛び、どす黒い血が濁流のように流れ出ていた。

 

 だが、仰け反っていたアドミニストレータの女神像状上半身はくっと姿勢を戻した。無表情のまま固まっている顔の向こうに、不敵な笑みが見える。

 

 

《今のは効いたわ……だけど無駄よ。いくら私を痛め付けようが、全ては水泡に帰する――》

 

《いい加減、うるせえんだよッ!!》

 

 

 アドミニストレータの言葉は最後まで続かなかった。ユージオとアリスに続き、グラジオがメディナを乗せてアドミニストレータのすぐ眼前まで急接近し、その顔面目掛けてソードスキルをお見舞いした。

 

 赤い光を刀身に宿らせて振り下ろし、唐竹割りの要領でアドミニストレータの顔を真っ二つにしたのは、高出力単発攻撃両手剣ソードスキル《アバランシュ》だった。しかしそこで攻撃は終わらない。

 

 再びメディナがグラジオの項の辺りからジャンプし、ダメージを受けた事で身動きが一時的に麻痺したアドミニストレータに飛び掛かった。

 

 

「今のは痛かったか? まだまだ終わらないぞッ!!」

 

 

 叫びながらメディナは空中で剣舞を踊った。かつては父親から受け継がれた剣であり、今は彼女の利己心が昇華した姿である剣による連続斬撃が、グラジオの付けた傷を更に深く(えぐ)った。

 

 連続攻撃刀ソードスキル《緋扇(ヒオウギ)》。

 

 爆発でずたずたになった下半身同様に、傷口からどす黒い血が噴き出し、グラジオとメディナに振りかかろうとしたが、それより先にグラジオはメディナを乗せて退避していた。

 

 二人の《EGO》使いによる二連撃ソードスキルはかなりの打撃となったようで、アドミニストレータは大きく姿勢を崩した。苦痛のせいなのか声さえ上げてこない。

 

 しかしそれも数秒の事であり、化け物の姿となっているそいつは、致命的であろう傷から血を噴出させながら姿勢を立て直してきた。また先程同様に傷を回復するつもりでいるのだろう。

 

 キリトの読みは当たり、アドミニストレータから声が響いてきた。

 

 

《無駄よ! 何度も言わせるんじゃないわ! 私を倒す事なんて不可能! どんなにお前達が必死になって私を傷付けたところで、いくらでも回復できるんだから――》

 

「――《最高支配者の力》がある限りは、ですよね」

 

 

 アドミニストレータの言葉を遮ったのは、同じ声色による言葉だった。アドミニストレータがそれに驚いた時、キリト達はアドミニストレータの背後に回り込んでいた。

 

 

《な、にぃ……!?》

 

 

 急に後ろから声が聞こえてきて焦ったのか、アドミニストレータは必死に背後へ振り向こうとしていた。そんな怪物の異形の下半身の背中に当たる部分に、アドミニストレータの取り憑き先であった少女――今は女性というべきか――が降り立っていた。

 

 アドミニストレータに取り憑かれ、二百年以上も苦痛を与えられてきた張本人であるクィネラは、弱々しい声で言った。

 

 

「正直なところ、わたくしは《あなた》を恐れていました。もし《あなた》がわたくしに残された《最高支配者の力》をも手に入れてしまえば、今度こそ《あなた》が完全なる支配者になってしまうから。

 ……いいえ、結局のところ、ただ《最高支配者の力》を渡したくなかったのです。この便利で使い心地が良くてたまらない《最高支配者の力》を奪われる事を、何よりも恐れていた」

 

 

 それはクィネラの本心から出ている懺悔の言葉だった。だからこそ、こんな弱々しい声なのだろう。しかし、その弱さはすぐさま声から消えた。

 

 

「ですがそれは、《あなた》も同じなのでしょう。わたくしに、《最高支配者の力》を奪われる事を恐れていた。わたくしにこの術を使われる事を何よりも恐れていたからこそ、《あなた》はずっと傲岸不遜だった!」

 

 

 クィネラは両手を振り上げて、すぐに勢いよく振り下ろして掌をアドミニストレータの下半身の背部に叩き付けた。

 

 

「システムコール・管理者(アドミニストレーター)権限(オーソリティ)復旧(レストレーション)!!」

 

 

 《メイン・ビジュアライザー》の一帯に響くほどの声量で発せられた直後、クィネラとアドミニストレータの身体を光が包み込んだ。

 

 間もなくその光の中にアドミニストレータからクィネラへと向かう奔流が確認できるようになる。

 

 恐らくアドミニストレータからクィネラへ、《最高支配者の力》が流れていっているのだろう。クィネラが唱えたのは《最高支配者の力》を本来の形に直す修理の呪文だったのだ。

 

 

《かかったわね《器》! お前は私の力を奪うんじゃない! 逆に私に力を奪われるのよ! システムコール・管理者(アドミニストレーター)権限(オーソリティ)――》

 

 

 アドミニストレータがクィネラの力を奪い返すべく、同じ呪文を唱えようとしたその時に、

 

 

「させるかぁッ!!」

 

 

 キリトは足に全身の力を込めてリランの背中からジャンプした。空中で白き炎剣の姿を取っている《EGO》を構え、アドミニストレータの女神像状上半身の腹部に着地すると同時に突き立てた。

 

 そのまま足に込めていた力を腕へ、《EGO》へ流し込むと、アドミニストレータの上半身に白い線がいくつも浮かび上がり、続けてそこから白い炎が噴き出して燃え広がった。

 

 

《うがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ》

 

 

 アドミニストレータはこれまで聞いた事がないくらいに悍ましい声で絶叫した。

 

 《EGO》という《EGO化身態》の一番の弱点から生じる炎で体内から焼かれているのだ、尋常ではないくらいの苦痛が伴っているのは間違いない。

 

 そしてそれはキリトの制御によって上半身にだけ広がっており、クィネラのいる下半身には及んでいなかった。

 

 その中でキリトは、一切火傷を負う事もなければ、熱さを感じる事さえもなかった。この炎は自分の《EGO》の一部だからだ。

 

 

「これで《最高支配者の力》は取り戻せないな……! 取り戻そうとすれば、俺の《EGO》の炎で焼き尽くされるし、俺を振り払おうとすればクィネラに《最高支配者の力》を奪い尽くされる! さぁ、どっちにするか答えてみせろアドミニストレータ!!」

 

 

 アドミニストレータは完全なる板挟みに陥っていた。クィネラを止める事も、キリトを止めるもできない。その事を告げられ、煽られたアドミニストレータは、

 

 

《おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ》

 

 

 甲高い絶叫を放ち、傷口から大量のどす黒い血と白い火炎を噴き出させ――倒れた。

 

 全回復する事を前提にして受けていたであろう傷は、少し放置するだけでアドミニストレータの天命を削り切ってしまうほどのものだった。

 

 

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