01:終わりなき世界
アインクラッド 75層
ヒースクリフが明かした、「自らが創造者の茅場晶彦であり、このアインクラッドの最上階で君達を待ち受ける最後のボス」という驚愕の真実。それを聞かされた俺達は混乱の渦の中に叩き落とされて、俺以外のプレイヤー達の全てが麻痺状態にされて動けなくなった。
その最中で茅場は俺を指名して、自分と1対1の勝負を行い、勝ったならば全てのプレイヤーを解放してやると言う条件を突き付けて、俺と勝負を行った。
その結果、俺の敗北になるはずだったのに、茅場は突如としてバグったような動作をして、そのまま消えてしまった。
茅場との勝負に敗れたはずなのに、肝心な茅場が消えてしまったという状況。わけがわからなくなって、俺はその場に立ち尽くしていた。
「一体……何が……終わったのか……?」
茅場の身に、俺の身に何が起きたというのか。
あの時の茅場に、一体何が起きたというのか。
頭の中に残る、これまで起きた事の全てと照らし合わせようとするが、どれも茅場の身に起きた事には合致しない。何がどうなってしまったから、あんな事になったのか。
いやそもそも、あの時のノイズは一体何なのだろうか。
ぼけーっとしながら頭の中で思考を回そうとしたその時に、不思議な温かさを持つ大きな重みが背中に押しかかってきた。一体何かと思って振り返ってみれば、俺の身体にしがみ付いてきているシノンの姿がそこにあった。
「シノン」
俺が小さく名を呼ぶと、シノンはいきなり顔を上げて叫ぶように言った。その顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
「きらい、だいきらいよ、あんたなんかぁ!!!」
愛する人の突然の大嫌い宣言に、俺はきょとんとしてしまった。茅場との戦いが突然終了したかと思えば、今度は愛する人の大嫌い発言のコンボ。ここは俺のいた世界じゃないんじゃないだろうかと思ったその時に、シノンが口を開けた。
「こんなバカな事をして……死ぬような事をして……思いっきり心配かけて……こんなことするあなたなんて、大っ嫌いよ……もう……こんなことしないでよぉ……」
その言葉で、俺はシノンの想いを完全につかんだような気がした。シノンが言った大嫌いは、「死ぬような真似をして心配かけるあんたなんか、大嫌い」だという意味だったのだ。
シノンは今の今まで、俺が死ぬかもしれない戦いを、動けない身体で見ている事しか出来なかった。そして俺は茅場がバグるまで、本当に茅場に殺されるところだった。
シノンは胸が裂けて、心が折り砕ける寸前だったのだろう。そんな思いをしていたシノンからすれば、あんな真似をした俺を大嫌いだと言って怒りたくなるのも無理はない。
「ごめんシノン。マジでごめん。……ごめんなさい」
そのままシノンの身体に手を回して抱き締めると、シノンは一切拒否しないまま俺の胸の顔を付けて、大きな声を出して泣き始めた。その声と暖かさ、柔らかさを感じ取り、俺はまだこの世界――愛する人の生きる世界で、同じように生きているという事を自覚して、安堵を心に抱いていた。
「キリト君!!」
聞き覚えのある声に答えて目を向けてみれば、そこにあったのはリランとアスナの姿だった。2人はすぐさま俺の元へ駆け寄ってきたが、アスナはシノンと同じように涙で顔がぐちゃぐちゃになりかけていた。
「アスナ……君まで泣いてるのか」
「当たり前だよ! キリト君、本当に殺されちゃうって思ってたんだから……!」
直後、頭の中に怒鳴り《声》が響いてきた。
《キーリト、大馬鹿者!! お前は何度自分の命を軽快に擲てば気が済む!?》
「わ、悪かったよリラン。お前にもアスナにも、散々心配かけた」
《馬鹿者……我も今回ばかりは駄目だと思ったのだぞ……》
そう言いながら、垂れてきたリランの頭を俺はそっと撫でた。リランも主人を危うく失うところだったから、本当に心配だっただろう。酷い事をしてしまったと、心の中で懺悔の気持ちが起こる。
「キリト!!」
今度は男の声が聞こえてきた。もう一度顔を向けてみれば、そこにあったのはクラインとエギル、ディアベルの姿だった。しかもひどい事に、クラインもアスナと同様泣き顔だった。
「キリト、お前、馬鹿野郎、本当に死ぬんじゃないかって思ったんだぞ」
「今回ばかりは、無理しすぎだぜキリト! 散々心配かけさせやがって!」
「キリト、大丈夫だったか」
クライン、エギル、ディアベルの順に話しかけてきたところで、俺は答える。
「3人とも、大丈夫だ。心配かけさせて悪かったよ、マジごめん」
直後、クラインは服の裾で顔を擦って、表情を少し険しくした。
「それにしても、何が起きたっていうんだよ。茅場の奴、まるでバグっちまったかのような動作をした後にいなくなったぜ」
エギルが腕組みをする。
「茅場の話によれば、自分が負けたら俺達をアインクラッドから解放するって話だっただろ。でも何も起きないぜ」
ディアベルがウインドウを動かして、目を細めながら中身を閲覧する。恐らくログアウトボタンを探しているのだろう。
「ログアウトボタンも出てきてない。茅場のあれはブラフだったのか?」
いや、そんなはずはない。
茅場はあんなやつではあったものの、嘘を吐いたり、プレイヤーを騙したり、自ら進んで不正を行ったりするような卑劣な奴ではなかった。恐らく、あいつの身に想定していなかった事が起きて、俺との約束が果たせなくなってしまったのだ。
「いや、そうじゃないだろう。きっとあいつの身に何かが起きて、俺との約束を果たす事が出来なくなったんだと思う」
クラインが肩を落とす。
「なんだよ……せっかくログアウトできるようになるって、期待を込めたってのに……」
アスナが不安そうな表情を浮かべる。
「でも、あの時の団長はすごくおかしかった。一体、何が起きたんだろうね。それに、あの音も……」
「アスナ達も聞いていたのか。一体何が起きてしまったのかは俺にもわからないが……でも、ただならない事が起きた事だけは、何だかわかる気がする」
エギルが険しい表情を浮かべる。
「とりあえず今わかってる事と言えば、茅場は倒れたけれど、このゲームは終わってないって事だな」
「あぁ。管理者が倒れても尚、この世界は動き続けてる。茅場が倒れればゲームがクリアされるっていう話は、どうやらなかった事にされてしまったらしい」
俺の言葉にクラインがどっと肩を落とす。
「マジかよ……って事は俺達、まだ戦い続けなきゃいけないって事なのかよ」
「どうだろう……何も変わっていないから、何とも言えな」
言いかけたその時に、リランが北の方角に顔を向けて、《声》を出した。
《キリト、先に進む扉が開かれたようだぞ》
実際にそこに目を向けてみると、本当に次の階層へ続く階段への扉が開かれているのが確認できた。どうやら76層へ行く事が可能になってしまったようだ。
「76層へ続く階段か……ゲームが終わらない以上、先に進んで……本当に100層を目指さなきゃいけなさそうだな」
ディアベルが腕組みをしながら、扉の方へ顔を向けた。
「やっぱりやるしかないんだな。まぁ、最初からその気ではあったけれど……気が重いな。それにしてもキリト、それはどうするんだ」
「え?」
ディアベルは顔を俺の方へ向け直し、目を俺の手元に向けた。そこには、50層からこの層までずっと俺を支え続けてきてくれた《エリュシデータ》の姿があった。だが、刃が根元付近まで折れてしまっていて、もう使い物にならなくなってしまっていた。よく見てみれば、修復不能の文字も出てしまっている。――リズのところへ持って行っても、もう遅いという事だ。
ただ、長々と使い続けて愛着のようなものが付いていたためなのか、いつまで経っても消滅する気配を見せない。こんな事もあるらしい。
「折れてしまったな。これはもう使い物にならない……」
俺はそっとアイテムウインドウに《エリュシデータ》を仕舞い込んだ。直後、《エリュシデータ》は貴重品ウインドウへと勝手に移動し、そのまま収まってしまった。もう装備する事は出来ないのだろう。
しかし、あそこまで派手に破損したのに、消滅してしまわないというのはどういう事なのだろうか。この辺りはリズが詳しそうだから、後で聞くとしよう。
直後に、クラインが俺に問うた。
「どうするんだキリト。お前はこれからも《二刀流》で戦っていくんだろ。相棒を失っちまって……」
「大丈夫さ。強い剣なら後でいくらでも手に入れる事が出来るだろ」
「強い剣、あったよキリト君」
少し驚きながら、俺は声の聞こえてきた方向に顔を向けた。そこにいたのはアスナだったが、その手には白き剣が持たされていた。
白い刀身に、赤い十字の刻印が刻まれている長剣――ヒースクリフが使っていた剣だ。
「それ……ヒースクリフの剣じゃないか」
アスナは頷いて、俺に白き剣を差し出した。その顔に浮かぶ表情はどこか曇っていた。
「団長はいなくなったけれど、剣と盾だけは残ったみたい。この剣……どうかな」
俺はアスナから剣を受け取ったが、すぐさま手に異様な重みを感じた。その重みのかかり方は、《エリュシデータ》のそれよりも大きく感じられた。悔しいが、この剣は《エリュシデータ》よりも強いらしい。
そのまま、剣を親指でクリックして詳細情報の書かれたウインドウを呼び出した。名前は《インセインルーラー》。性能は……やはり悔しい事に、どれも《エリュシデータ》よりも強い数値が示されていた。しかも片手剣だから、《ダークリパルサー》とセットで装備する事も可能だ。
「これ……使えるな。悔しいけど《エリュシデータ》より高性能だ」
「それ、使ってみたらどうかな。ヒースクリフの剣だから、ちょっと気分悪いかもだけど」
「確かに気分は最悪だ。だけど背に腹は代えられないし、ああだこうだ言ってられる状況でもない。……使わせてもらおう」
そう言って俺は《インセインルーラー》の柄を握った。だけどやはりこのままでは、ヒースクリフを思い出して気分が悪くなるから、やはり後でリズのところに持って行って、リペイントできるかどうか相談してみよう。
そして、シノンを抱き締めたまま、ゆっくりと立ち上がった。
「ひとまず、76層まで行ってみよう。何か起こるかもしれない」
皆は頷き、俺と同じようにゆっくりと立ち上がって、76層の出口にそそくさと移動を始めた。その中に加わるように俺も動こうと、シノンに声をかけた。
「シノン、続きは家に帰ってからにしよう。今はちょっと離れてくれないか」
シノンは何も言わずに頷いて、俺の身体から静かに離れた。その顔にはまだ不安が残っているような表情が浮かんでいた。
「ありがとうな」
そう言って俺はシノンの頭を軽く撫でた後に、皆と共に75層のボス部屋を脱して、76層へ続く階段を登った。これまでと全く変わりない階段、変わらない風景を目の当たりにして、俺はこの世界が一向に終わらない事を自覚する。
それでも胸の中には、階段を登り切ったら、ログアウトできるんじゃないかという淡い希望が抱かれていて、かなり複雑な気分だった。そして、眩しさを防ぐために足元に目を向けながら階段を登り切った先に待っていたのは――76層の街だった。
雰囲気は近代ヨーロッパの街並みによく似ていて、これまで利用してきた街よりもかなり明るく見える街。ただ、まるでビルのように高い建物が並んでいるのが確認できるため、近代にビルなどの建物を持ってきたかのような街並みだった。――こんな事が出来るのは、ゲームの中のみ。
即ちここはまだ、《ソードアート・オンライン》の中。
「……ここはまだSAOの中か」
クラインががっかりしたように言う。
「もしかしたら、76層への階段を登りきったところでログアウトできるんじゃないかって思ってたよ。そうは問屋が許してくれなかったぜ畜生」
「クラインも同じ事を考えてたか。俺も似たような事を考えてたけれど……やっぱりそうもいかないらしいな」
周りの皆を見てみたところ、やはり俺達のように落胆している者がほとんどだった。「終わらないのかよ」「まだ俺達は戦わなきゃいけないのか」「もうどうなるんだよ」と、嘆くような声が次々上がる中、血盟騎士団の騎士の一人が、俺の元へとやって来た。団長が茅場晶彦だった事に絶望していたためか、顔色が蒼く染まっているように見えた。
「なぁ……団長が茅場で、あいつが居なくなった今、俺達のボスはあんたなのか」
「え、なんで」
「副団長と団長から聞いてたんだよ。何かあった時には、あんたが血盟騎士団のボスになって、俺達に様々な指示を仰いでくれるって。実際のところはどうなんだ」
そういえばアスナによると、血盟騎士団に入団した俺は、いきなり団長クラスの権限を手に入れているという話だった。それは俺の実力がヒースクリフに匹敵するもの、二刀流スキルとリランを操っているからというのが理由だったそうなのだが……そうか、ヒースクリフが居なくなった今は、俺が血盟騎士団の中で最も権力の強い存在なのか。
だけどなんだろう、様々な事があったせいなのか、頭の中が上手く回らない。今日は血盟騎士団の今後について考えるのは無理そうだ。
「ごめん。それは明日にしてくれないか。今日のところは総員撤収だ。亡くなったプレイヤー達の葬儀も明日。とにかく今は完全に休む事にしよう」
「わかった。あんたもゆっくり休んでくれよ」
そう言って、絶望していた血盟騎士団の者達はそそくさと転移門の方へと歩いて行った。団長が茅場晶彦で、ずっと騙されていたという事実を知った今、彼らが本部に戻った途端、本部中が通夜状態になるのは安易に想像できた。しかし、ヒースクリフは茅場晶彦だったという事実を広めないわけにはいかないから、これを避けるのはもう無理だろう。そしてこの情報が、血盟騎士団の間だけではなく、アインクラッド中に大混乱を引き起こすのは、間違いない。
「さてと、俺達も撤収するわ。キリト、先に失礼するぜ。今度の攻略のためにも休んでおけよ」
そう言って、クラインも仲間達を引き連れて、転移門の方へと去って行った。クライン達もヒースクリフ達に混ざって骸鎌百足の鎌を受け止めるのに必死だったから、かなり疲れたに違いない。
続けて、エギルが声をかけてきた。
「俺も帰るとするぜ。ひょっとしたら店の方に客が待ち惚けを喰らってるかもしれねえし」
「そうか。商いもいいけれど、お前も必死になって戦ったんだから、休めよ」
エギルは「わかってるって」と言って、転移門の方へ向かって行った。そして最後に、ディアベルがやってきたが、その顔は曇り空のようだった。
「沢山の犠牲が出た上に、ヒースクリフが茅場晶彦だったなんてな。久々に頭の中がぐちゃぐちゃになってるよ」
「ディアベルの指示は的確だったと思うぜ。もしあそこにディアベルが居なかったら、もっと大勢の死者が出てただろう。そう気に病むなって。お前も、今日は休んだ方がよ」
ディアベルは頷き、小さく俺に礼を言って、周りにいる聖竜連合の連中を集めて、転移門の方へと去って行った。そしてその場に残されたのは、俺、シノン、リラン、アスナの4人だけになった。
「さてと……俺達も戻るとするか。ユイとユピテルも、リーファもユウキも心配してそうだし」
今回のボス戦の直前の話し合いで、リーファとユウキには欠席してもらう事をアスナが頼んだ。理由はユイとユピテルがどこかに行ってしまわないように、2人の見張りと世話をしてもらいたかった事と、2人ともこの世界での戦闘にあまり慣れておらず、動きにどこかALOのくせのようなものが残っていて、クォーターポイントのボスと戦わせるのは危険だと思ったからだ。
これには最初2人は反発して来たけれど、俺とシノンとリランとアスナで説得したところ、何とか飲み込んでくれた。2人もきっと俺達を心配しているに違いないし、ユイとユピテルも泣きそうになってる頃だろう。
「早く2人のところに帰りましょう。散々心配をかけさせてしまっただろうから――」
アスナが立ち上がり、俺とシノンも立ち上がろうとしたその時に、街の奥の方から声が聞こえてきた。
「パパー、ママ―!!」
「アスナー、キリトー、シノンー、リランー!!」
「おにいちゃ――ん!!」
「かあさ――ん!!」
声はどれも聞き覚えがあり……というか、今から会いに行こうと思っていた人々の声だった。顔を上げて《声》の下方向に目を向けてみれば、そこにあったのは、今話をしていたユイ、ユウキ、リーファ、ユピテルの姿だった。4人ともこちらに走って来ていて、やがて先頭を走っていたユイが俺の胸の中に飛び付いてきて、続けてユピテルがアスナの胸の中に飛び込んだ。
「パパ、パパ!」
「かあさん、かあさんっ!!」
ユイの身体をそっと抱きしめてやると、じんわりとユイの持つ温もりが身体に広がってきた。胸の中に、生きているという実感が沸く。
「ユイ……わざわざここまで来たのか」
尋ねると、ユイは顔を上げた。
「はい。パパ達の帰りがあまりに遅いものですから……てっきりボスにやられてしまったのではないかと思って、76層がアクティベートされたのを見計らって、飛んできました。でもよかったです。パパ達は無事でした」
確かにいつもならば、ボス戦と言えど30分から1時間ちょいで終わるが、今回のボス戦は3時間ほどかかっていた。しかもその後、茅場との戦いや謎の現象もあったから、4時間ほどかかってしまっていたようだ。
「ユイ……」
シノンが呼び掛けると、ユイは「ママ!」と言って俺から離れ、シノンの身体に抱き付いた。直後にシノンはユイの身体をしっかりと抱きしめて、安堵したような表情をする。
「ママも、ちゃんと生きててくれましたね。おかえりなさい」
「ただいま、ユイ。なんとか、生き長らえる事が出来たわ」
アスナがユピテルを抱き締めながら、ユイに言う。
「でも、ユイちゃんのパパは、ちゃんと帰って来れるか怪しい事をしたのよ。今回は無事に帰って来られたけれど、あの時はどうなるかと思ったわ」
ユウキが驚いたように言った。
「まさか、本当にそんな事があったの」
思わずユウキの方へ向く。
「何かあったのか、そっちでも」
リーファが不安そうな表情を浮かべた。
「おにいちゃん達を送り出してからアスナさんの家に戻って、4人で待ってたら……なんだか胸騒ぎがひどくなっちゃってさ。何かすごく嫌な事が起きたんじゃないかなって思って、ユイちゃん達と一緒に転移門に行って、76層がアクティベートされるのを待ってたんだよ」
リランが怒りながら、《声》を送る。
《キリトの奴、また命を軽快に擲ったのだ。危うく、死ぬところだったのだ!》
リーファが驚いたように言った。
「ええっ、おにいちゃん死にそうになったの!!?」
「あ、いや、死にそうになってるのは日常茶飯事だから大丈夫だ。それよりも、それをひっくるめて、話をしたい人がいるんだ。当然リーファ達にも」
シノンがユイの頭を撫でながら、俺に顔を向ける。
「……イリス先生、ね」
「そうだよ」
茅場との戦いの時に言った通り、俺に茅場と思われる人物の特徴などを教えてくれたのはイリスだ。ヒースクリフが茅場であった事を報告すれば、茅場が基本どんな事を行っているかとか、教えてくれるかもしれない。
「みんな、ひとまず第1層の教会へ行こう。そこで全てを話すから」
その場にいる全員が、俺に頷いてくれた。
原作との相違点
1:75層を過ぎても終わらない
2:76層に来ても前の層に戻れる
3:キリトの剣にインセインルーラーが加わる
4:エリュシデータ破損。しかし消滅せず