キリト・イン・ビーストテイマー   作:クジュラ・レイ

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10:もう一人の心の守護者

「ストレアじゃないか……」

 

 ストレアの名を呼んだイリスに、俺達は驚かされる事になった。イリスとストレアが会うのは、これが初めてであり、互いに名前や存在を知っている事など無いはずだ。なのに、イリスの方は最初からストレアを知っているかのような反応を示した。

 

「イリス先生、ストレアさんを知ってるんですか」

 

 アスナの言葉に、イリスは頷く。

 

「あ、あぁ。あまり大きな声では言えないけれど、私は確実にこの人を知っているよ。ストレア、間違いない」

 

 まだ名乗っていないのに、名前を呼ばれたストレアは首を傾げる。

 

「あれ、貴方にアタシ自己紹介したっけ? もしかして、してた?」

 

「……これは……」

 

 ストレアの言葉を受けて、イリスは増々驚いたような顔をする。やはり、イリスはストレアを知っているようだ。そして、イリスがストレアを知っているという事は、ストレアはもしかしたら……。

 

「君達、ストレアをどこで見つけたんだ。というか、どこで出会った」

 

「よ、48層の街です。そこでストレアと出会いました」

 

「なるほど、フィールド上を彷徨っていたという事か……」

 

 イリスは首を傾げっ放しになっているサーシャに顔を向けた。

 

「サーシャ済まない、子供達の調理実習の監督は君に任せる。私はこれから、診なければいけない患者が出来た」

 

「別に構いませんが、イリス先生はお医者様でしたね」

 

「そうだ。だから、子供達の事は君を含めた保母達に任せるよ。急で済まないとは思ってるけれど」

 

「わかりました。そういう事なら、お任せください」

 

 イリスはウインドウを操作して、アイテムを送信する時のような仕草をした。直後に、サーシャの元にアイテムが届き、サーシャはウインドウを操作して見せた。恐らく、手に入れた食材をサーシャへと送信したのだろう。

 

「待たせたな君達。教会の中へと向かおう。そこで部屋を設けるから、しばらく待っていてくれ」

 

 俺達が頷くと、イリスはそそくさと教会の中へと向かって行き、石畳に倒れ伏しているクラインを起こして中へと入って行った。その後を追うと、かなりの数の子供達に囲まれて動けなくなっているイリスを見つけたが、イリスは一度に子供達3人ずつを抱擁して満足させて道を開けさせ、俺達がよく寝泊まりしていた部屋のある廊下の方へ入って行った。その後を更に追うと、イリスの部屋の前に辿り着き、その扉の前にイリスは立っていた。

 

 話を聞くと、「ストレアを院長室で診る」と言って、ストレアに指示。天真爛漫なストレアは面白そうな事を楽しみにしているような顔をしてイリスの元へ行き、院長室の中へと入って行き、続けてイリスは「君達がよく使っている部屋で待っていてくれ」と俺達に指示。それを受けて、俺達はいつも使っている空き部屋に向かい、そこでしばらく2人を待つ事にした。

 

 俺達がよく使うためか、手入れされている部屋の中、ソファに腰を掛けていると、アスナが俺に声をかけてきた。

 

「ねぇキリト君。あの時のイリス先生の反応、前にも見た事なかった」

 

 俺は顔を上げてアスナの顔と、隣に座っているユイとシノンの顔を注視した。3人の顔には、ほとんど同じ表情が浮かんでいる。恐らくだが、俺の顔にも同じような表情が浮かんでいるのだろう。

 

 あの時のイリスの反応は、以前ユイとユピテルを合わせた時の反応に酷似している。その時の理由は、ユイとユピテルが、イリスの作り出した超高機能AI、即ち子供達だったからだ。その2人の時と同じような反応を、ストレアを見た時にイリスはした。

 

「あぁ。イリスさんはストレアを知っているんだ。この事から考えられる事は……」

 

 直後、フィリアとクラインが戸惑ったような表情をした。

 

「ね、ねぇキリト。なんでイリス先生はストレアさんの事を知ってたの。イリス先生は、一体」

 

「そうだぜ。あの人、すっげぇ美人さんだけどよ。なんか腹に抱えているような人だったぜ。一体あの人は、何を知ってるんだ」

 

 この2人には、ユイやユピテルの正体、そしてイリスが何者であるかを教えていなかった。最初の俺達のように戸惑うだろうけれど、イリスと関わって行く以上は、この事を話しておかなければいけないだろう。

 

「……信じられないかもしれないけれど、イリスさんは」

 

 俺はイリスから教えてもらった事を、ユイの事、アスナのところにいるユピテルの事を全てフィリアとクラインに話した。話が終わるころには、フィリアとクラインは瞠目したまま表情を変えなくなっていた。

 

「えっと、つまりユイちゃんとユピテル君はわたし達プレイヤーを癒すために作られた超高性能AIであり、その設計者があのイリス先生で」

 

「イリス先生はこのゲームを作ったアーガスのスタッフの1人……って事か」

 

 やはり、信じられないような顔をしている。まぁ確かにユイとユピテルはプレイヤー達と謙遜のない雰囲気と言動が出来るから、2人がAIなんてのは信じがたいだろうし、この世界に元アーガスのスタッフが囚われているというのも信じられない事実だろう。

 

「だけど、それは全部本当の事なんだ。イリスさんは、最初からユイとユピテルの事を知っていた。その時と同じ反応を、ストレアに出会った時にしたんだ」

 

 リーファが驚いたような顔をする。

 

「って事は、ストレアさんももしかしたら……」

 

「あぁ。もしかしたら――」

 

「もしかしなくても、そうだよ」

 

 俺達は一斉に驚いて、部屋の出入り口の方に顔を向けた。そこには、ストレアを診ていたはずのイリスの姿があった。顔にはかなり険しい表情が浮かんでいる。

 

「い、イリス先生」

 

 シノンの呼びかけに答えるように、イリスは口を開いた。

 

「……君達はあぁいうのに関わりやすい運命でも背負っているのかな」

 

「やっぱり、ストレアは……」

 

 イリスは立っている者達の間を潜り抜けて、俺の隣に座ってから、軽く溜息を吐いた。まるで大仕事を終えた後のような雰囲気を放つイリスに、アスナが声をかける。

 

「イリス先生、ストレアさんは?」

 

「ストレアなら診ている最中に眠気を訴えて、私のベッドで眠ってしまった。だけど、彼女の正体ならば、掴む事が出来たよ。もっとも、君達は既に掴んでいるような感じだけれど」

 

 俺は息を呑んで、イリスに話しかけた。

 

「イリスさん、ストレアの正体は」

 

 イリスは俺を横目で見た後に、皆を見回しながら、言った。

 

「《MHCP試作2号機》、コードネーム《ストレア》。私の作り上げたメンタルヘルスカウンセリングプログラムの2号機であり……マーテルとユピテルとユイの妹だ」

 

 やはりと思ってはいたものの、俺は内心驚いてしまった。イリスの反応は、MHCPであるストレアに出くわした事によるものだったのだ。

 

「わたしの、妹……」

 

 驚いているユイを見て、イリスは軽く笑う。

 

「君よりも身体の大きな妹だよ。なんだかおかしいね」

 

 シノンがユイの肩に手を置きながら、イリスに問いかける。

 

「ストレアがMHCP……ユイと言いユピテルと言い、なんでこの世界にMHCPやMHHP(エムダブルエイチピー)が立て続けに現れているんですか。確か、カーディナルシステムで封印されているんじゃありませんでした?」

 

 イリスは頭を抱えた。

 

「そうだよ。彼女達はカーディナルシステムの下で封印されているはずだった。だけど、彼女達は普通にこの世界に出てきてしまっている。答えは簡単だろう」

 

 ユイが不安そうな顔をする。

 

「カーディナルシステムが、麻痺をしている……?」

 

「そう考えるのが妥当だろう。もっとも、ゲームバランスには影響が出てないみたいだから、ゲームそのものを管理する部分は麻痺していないみたいだけど、不具合監視部分が麻痺している可能性が大きい。ストレアが出て来れているのも、それが理由だろう」

 

 イリスは顔を上げた。

 

「しかも彼女、何をしたんだか、プレイヤーとしてこの世界に認識されているようだ。恐らく、ゲームサービス開始時にログインしておらず、余っていたアバターを使用して、この世界に具現したんだろう」

 

「そんな事が……じゃあ、ストレアのMHCPとしての機能は? 彼女には記憶が無いみたいなんですけれど」

 

 俺の言葉を聞いて、イリスは頷いた。

 

「あぁ。彼女はユイやユピテルと同じように、機能のほとんどを破損して、記憶喪失に陥っている。しかもプレイヤーのデータを利用しているせいか、自分の事を他の皆と同じプレイヤーだと誤認してしまってるらしい。実際、彼女のウインドウはプレイヤーのそれと同じだし、《MHCP_002》という言葉も見当たらなかったからね」

 

 リーファが眉を寄せる。

 

「その事をストレアさんに言わなかったんですか」

 

「そもそも彼女は何らかの負担を受けて破損し、記憶喪失になったうえでこの世界に具現しているんだ。自らをプレイヤーと認識してしまっている彼女に、君はプログラムなんだなんて真実を教えれば、間違いなく更に酷い破損を起こす。もう、削除する以外に方法が無いくらいにね」

 

 ユイが悲しそうな表情を浮かべる。自らの妹が破損する瞬間を想像してしまったのだろう。

 

「そんな、そんなの……」

 

「だから間違っても彼女にMHCPの事を教えてはならないよ。彼女が自ら、自分の記憶を欲するようになるまでは」

 

「じゃあ、どうすれば彼女の記憶や役目を復元できるんだ」

 

 俺の言葉に反応したように、イリスは俺へ目を向けた。

 

「ストレアを元に戻す方法は、ユイの時と同じようにカーディナルシステムにアクセスして、言語機能や記憶を修復するしかない。

 だけどそれは、ストレアという出てきてはいけない存在を、カーディナルシステムに認識させる事。いくらカーディナルシステムが麻痺しているからと言って、ストレアの存在を見逃したりはしないだろう。現に、ユピテルやマーテルを作り出せるくらいに、基盤のしっかりしたシステム群だからね、カーディナルは」

 

「という事は、ユピテル同様、記憶を取り戻す事は出来ないって事ですか」

 

 アスナの言葉に、イリスは渋々頷いた。

 

「カーディナルシステムにアクセスすれば、直る。でもそれをやると見つかって削除される。彼女がカーディナルシステム下にいる限り、修復は難しいだろう。それこそ、彼女の大元をカーディナルから移さないと」

 

 イリスはユイの方に顔を向けた。

 

「しかし、ユイは初対面の時破損していたのに、いつの間にか元に戻っているじゃないか。一体何をしたんだ。カーディナルにアクセスして、言語機能とかを復元したのか」

 

「はい。あの時私は、カーディナルシステムに会った復元データを利用して、現在の状態に戻りました。その時、わたしはカーディナルの監視機関に発見されて削除されそうになったんですが……」

 

 ユイに続いてシノンが言う。

 

「ユイが消されそうになった時、リランが突然ユイを串刺しにして、そのまま身体を斬ってしまったんです。そしたらユイは消えなくなって」

 

 最後に俺が言った。

 

「ユイは俺のローカルメモリに転送されました。おかげでカーディナルシステムから逃れる事が出来たんです」

 

「なんだと? そんな事があったというのか」

 

 クラインが眉を寄せて腕組みする。

 

「え、えっと、一体何がどうなんだか」

 

 シノンが混乱する皆の方に顔を向ける。

 

「つまり、ユイはリランに助けられたのよ」

 

 アスナが俺の肩に居座るリランの方に顔を向ける。

 

「リラン、貴方は一体、何をしたっていうの。どうやってそんな事をしたの。ずっと気になっているんだけど」

 

 リランの顔が複雑な事を考えているようなものに変わる。

 

《我も何をしたのか全く分からぬ。咄嗟に行動を起こしたら、あんな事が出来てしまった》

 

「私も君みたいな常識はずれな行動を取るAIは初めて見るよ。一体君はどこの人が作ったAIなんだ」

 

《わからぬ》

 

 リランの言葉を最後に、部屋を重いのか軽いのかわからない沈黙が覆ったが、すぐさまイリスが口を開いた。

 

「まぁいい。とにかく、彼女の名はストレア。《MHCP_002》、コードネーム《ストレア》だ。事実を知ったからって、ストレアにこの事を話すんじゃないよ。彼女を、これ以上崩壊させたくないと思っているのであればね」

 

 俺はすぐに頷いた。ストレアはユイやユピテルと同じように、膨大なエラーを呑み込んで崩壊してしまい、この世界に具現している存在だ。しかもユイの時のように修復したりできないから、あれ以上崩壊してしまえば、彼女が死んでしまいかねない。

 

 出会ったばかりだけど、彼女だって俺達と仲良くしようとしてくれたし、一緒に居てとても心地が良かった。たとえプログラムでも、ストレアはユイの妹であり、ユイやリランと同じ、この世界に生きる大事な命の一つだ。

 

「とはいえ、ストレアはかなり天真爛漫な性格に育て上げてあるから、あっちにふらふら、こっちにふらふらしてしまうだろう。そんな彼女の身柄は、私が確保しておく。

 しかし、彼女の戦闘能力はかなりのものだから、時に君達の力となってくれるだろうし、攻略にも参加してくれるだろう。その時は君達に彼女の事を頼みたいが、それでもいいかな」

 

「はい。ストレアは破天荒で天然な人ですが、もう俺達の仲間です。仲間を守るのは、当たり前の事ですから」

 

「そうか。ならばストレアを頼むよ皆。プログラムの彼女でも、私の娘なのだから」

 

 俺達はイリスの言葉に頷いた。次の前線はボス戦。きっとストレアも参加したいと言い出すだろうし、きっとストレアはそんなに素直にいう事を聞いてくれないだろう。戦いになったら、その時は彼女を守ってやらねば。

 そう心で決意した直後、イリスがパンパンと手を叩いた。

 

「さてと、辛気臭い話はこれで終わりだ。どうだね、食材はあるから、君達も歌でも歌いながらビーフストロガノフの調理実習でも……」

 

 しかし、イリスの言葉を遮るようにアスナの方から大きな音が聞こえてきた。メッセージが届く音だった。目を向けてみれば、アスナがウインドウを開いて中身をじっと見つめている。が、すぐに驚いたような顔に変わった。

 

「えっ!?」

 

「どうしたのアスナ」

 

 シノンの言葉に答えるように、アスナは顔を上げて、叫ぶように言った。

 

「ユウキからだったんだけど、ユピテルが大変だって……!!」

 

 その言葉に、イリスが最初に反応を示した。

 

「ユピ坊が? 一体何があった!」

 

「わかりません。ただ大変としか書いて無くて、しかも、送られてきた場所が街じゃなくて、56層のフィールドなんです! ユピテルにはフィールドに出ちゃいけないって言っておいたのに……!」

 

 ユピテルは自己進化能力を持ったM(エム)HH(ダブルエイチ)P(ピー)だが、戦闘能力は今のところ持ち合わせておらず、戦い方も知らない完全な丸腰の子供だ。そんな子がフィールドに出てモンスターに出くわせば、たちまちやられてしまう。

 ユウキが守っているかもしれないけれど、今のアインクラッドは何が起きてもおかしくないくらいに不安定化している。もしかしたら、ユウキでも苦戦するような56層に恐ろしく強いボスが出現してしまって、ユピテルが狙われているのかもしれない。

 

「まずいぞ! 早くユピテルの方に向かわなければ!」

 

「えぇ! 早く行かないと!!」

 

 アスナが立ち上がると、俺達も全員で立ち上がった。その内の一人であるクラインが、少し険しい表情を浮かべて言う。

 

「俺達も付いていくよ! 何だか非常事態みたいだしな!」

 

「みんな、ありがとう!」

 

 直後に、イリスが腰に剣を携えて、アスナに向き直った。

 

「私も行くぞアスナ。私でも想定していない事が、起きた可能性がある」

 

「ありがとうございます、イリス先生」

 

 すぐさま、ユイの方にシノンが顔を向けた。

 

「ユイ、ストレアを見ていてほしいんだけど、出来る?」

 

「大丈夫です。いざとなった時はサーシャさんを呼びますので」

 

「そうしてくれ。だけど、俺達もなるべく早く戻れるようにはするから、少し辛抱してくれ」

 

 ユイが頷いたのを確認すると、アスナが部屋を飛び出し、それに続いて俺達も部屋を出て教会から脱し、人々の行き交う街を抜けて転移門に辿り着き、56層の街へと飛んだ。そして56層の貴族街のような豪勢な街並みを、嫌な予感を胸に抱きながら駆け抜けて、フィールドへ出た。そこで姿を元に戻したリランが俺達に《声》を送り付けた。

 

《気配はここから真北だ! 草原地帯の一角に、ユウキとユピテルはいるぞ!》

 

 アスナが今にも泣き出してしまいそうな顔になる。

 

「ユピテル、わたしが目を離したばっかりに……!」

 

 イリスがアスナの肩に手を乗せる。

 

「まだ後悔するには早いよアスナ。とにかく今はユピ坊の元に一刻も早く辿り着く事だ!」

 

 アスナは表情を変えぬまま顔を上げて、走り出した。その後を追いかけて、俺達はそこら辺にいるモンスター達にも目もくれず、56層の草原地帯を走り続けた。そして、およそ2分ほど走り続けた後に、アスナが突然立ち止まった。何事かと思ってその隣に並んでみれば、目の前にあったのは、腰に届くくらいの長い紫色の髪の毛を生やし、同じく紫色の戦闘服を身に纏った女の子――ユウキの姿だった。

 

「ユウキ!」

 

 アスナにその名を口にされると、ユウキはゆっくりと振り返った。しかし、その表情は恐れと驚きが混ざり合った、これまで見た事が無いようなものになっていた。

 

「ア……スナ……あれ……あ、れ……」

 

 ユウキはゆっくりと前方を指差した。これほどまでに勇気を驚かせる者とは一体何なのか――そんな事を考えながらユウキの前方に目を向けたが、そこにあったのは瞠目すべき光景だった。

 

 ユウキの前方にいたのは、背中に巨大な結晶を生やしたアリジゴク型のフィールドボスだった。しかし、いつもなら俺達を見つけるなり襲い掛かってくる凶悪なそれは、現在地面に横たわって動かなくなっており、まるで死骸のようになっていた。

 

 しかも、その身体は千切られたような大きな穴が開き、同じく引きちぎられたような欠損した足が目立っており、そんな死骸に銀色の髪の毛の男の子がしがみ付いていた。――そう、ユウキが大変だと伝えてきたユピテルだった。だったのだが――

 

「ゆ、ユピテル……?」

 

 アスナの声に反応するように、ユピテルは振り返った。その口には赤い光が発生している大きな肉片が咥えられて、手にはアリジゴク型のモンスターのそれによく似た、赤い光の滴る千切れた足が持たされていた。

 




ユピテルの異変で、第25話完結。

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