功助side
開店してから1時間が経過して、俺は明久に大きな疑問を問いかけた。
「なあ明久」
「ん?なんだい功助」
明久はウエイターの仕事をがんばってこなしている。
「お客様達はなんで俺の方をガン見しているんだ?気になってしようがないのだが」
Fクラスにいるお客様はおそらく俺を女と認識しているようだ。残念だったな、俺は男だ。
「なんでって、それは功助が可愛いからでしょ?」
「一応俺は男だ、流石に気持ち悪いぞ」
中学の時の忌まわしき記憶が溢れ出してくる、考えるだけで気持ちが悪い。
「まあいいんじゃない?客寄せにもなるし」
「お前は軽く考えすぎだ、俺の教室でも同じことになった」
俺は今日1日この姿で過ごすと考えると、怖気が立つ。
ガラッ
Fクラスの扉から入って来たのは、沙也加と霞だった。
「あ、明久、この服、どうかな?」
「功助、ちょっと来て」
結局明久にメイド服を見せに来たのか。って霞はなぜ俺を指名するんだ?明久は沙也加のメイド服を見て、顔を逸らしたり見たりしている。
「いや、その、すごく、綺麗だよ」
「んで正直なところは?」
「エロい(キリッ)」
あ、やっぱり本音はこれか。
「それで、霞からのご指名は?」
「え?ああ、やっぱり良かった」シュンッ
どこか悲しげな表情を浮かべる霞。なんか悪いこと言ったっけ?
「んじゃあ、沙也加、霞、そろそろ教室に戻るぞ」
「わかったわ(わかった)!」
また後で様子見に来よう、あとこの店の食べ物食べてなかったな。そう思って出ようと思った瞬間、なにか異変に気づいた。
「Fクラス前の廊下に人がいない?どういうことだ?」
廊下に人がいない=客が来ないことと比例する。なんでだ?そして、最後の客が店内から去った瞬間、Fクラスが静かになった。
「なんか急に静かになったね」
「今からお昼時だというのに」
「このままじゃまずいなあ」
島田と姫路、雄二が発言する、確かにその通りだ。すると、扉が開いた。
「「「いらっしゃいませ!ってん?」」」
そこには、小さな子供がいた。
「すいません、バカのお兄さんを探してるんですけど」
「ん?何だチビッ子?」
「チビッ子じゃありませんです!葉月です!」
雄二が応答するが、どうやらバカのお兄さんを探しているようだ。皆目検討も付かんが。ここは俺が情報を掴まなければ。
「そのバカのお兄さんって」ピクッ
その子の顔を見たとき、体が動かなくなった。
「ん?なんでしょうか?」
俺はその時、願いが叶ったと思った。だが現実は違う。
「あ、愛華?」
久しぶりにその名前を出したその時、
ズキッ!
「ぐっ⁉︎うっ!くっ!」
今までの記憶が脳の中で激しく回転し、妹との思い出が風のように流れていく。激しい頭痛、そして立ちくらみ。どんどん視界が捻じ曲げられていく。その上に呼吸も荒くなって来て、心臓にも激痛が走る。
「どうしたの功助⁉︎功助⁉︎」
バタンッ!
霞が瞬時に反応して支えてくれたが、俺の体が動かない上に、脳への激痛で頭が回らない。そして、その子の顔を頭に残したまま、俺は倒れた。そしてその子、葉月は俺の死んだ妹・瀬良愛華にかなり似ていたのだ。
「だ、誰か功助を保健室に運んで!早く!」
明久の声が聞こえたその瞬間俺は気を失った。葉月ちゃん、ごめんな急に倒れて。でも勘違いしないでくれ。このことはもう変えることのできない、現実であり、心に乱雑に刻まれた”悪夢”だから。
投稿が遅れたことは本当に申し訳ございません!明日も少し予定が入っているので、おそらく書けません。時間が空けば書いて行こうと思います。では、また!