ある廃墟にて・・・
「い、嫌だ!助けてくれ!」
「あぁ〜?だったらさっさと吐けよ。こいつは今どこにいるのかをさあ」
「し、知るわけないだろう!僕は全くの無関係だ!」
「わかったわかった、おい!」
「はい、なんでしょうか?」
「ライターと可燃性の高いオイルをもってこい。こいつを燃やす」
「わかりました」
「!僕を、燃やすって⁉︎」
バシャッ!「うわっ!嫌だ嫌だ嫌だ!死にたくない!まだ僕は死にたくないんだ!」
「・・・俺らに関わってしまったことを悔やむんだな」シュボ!
ボウッ!「うあああ!熱い!熱いい!ああああああ!・・・」ゴオオオオオ!
「全く、この程度のオイルで死にやがって。雑魚が」
「どうします?比嘉さん。手がかりをどうやって集めます?」
「根こそぎ人にあたるしかねぇだろ。もちろん情報が皆無だったら燃やす、この比嘉狂四郎様がなぁ」ニヤッ
とても人間とは思えない、悪魔のような顔だった。
功助side
「ここら辺でいいわね」
結局連れてこられたのは屋上。なんの話だろうか。
「どうしたんだ美影、なんかあったのか?」
「実は、桂木翔真君のことなんだけど」
「ん?別にお前はあいつと知り合いじゃないだろ」
「そこはどうでもいいの。実はね、彼は・・・”生きてる”の」
???は?何言ってんだ美影は。翔真は心臓に弾丸を食らって即死だった。施しようがないレベルで葬儀はどうするかの話もしていたぐらいだ(少し)。
「・・・生きてるだと?冗談はやめてくれ美影。今はそんな戯言聞いてられるほど精神は安定してないんだ」
今の俺は女装をしてる時点で調子に乗ってるように見えるが、心の状態は全く落ち着いていない。クラスメイトの死は、俺の心を75%程度蝕んでいた。
「なら放課後、東京大学まで行くわよ」
だが美影の眼は真っ直ぐで、嘘をついている顔ではなかった。
「ほんとだな?本当に翔真は生きてるんだな?」
「ええ、ほんとよ」
「わかった、なら行く」
「決まりね。授業終わったら、教室まで来るから」
「ああ、わかった」
美影は背を向け教室へ帰っていった。しっかし、
(翔真が生きてる、かぁ)
心臓に弾丸をもらった時点で人間はほぼ死ぬ。fat◯のアヴァ◯ンがない限り再生はしない。かなり進展した現代科学でも無理に等しい。
(でも、このことはすぐに千鶴に言うべきか?・・・いや、まだ伏せておこう。あいつもまだ立ち直れてないだろう)
千鶴は翔真が死んで、今日は吐き気と熱が併発して学校に来てない。よっぽど堪えたんだな。
「1限目があるし、早く教室に戻るか」
6限目終了後・・・
「功助ちゃ・・・功助、待たせたわね」
「お、おう。霞ー!今から東大行くんだけどお前も行くか?」
「ごめんなさい、今日は用事があって行けないわ」
「そうか、じゃあまた明日な」
「ええ、今度カフェに連れてってねー」
「おう!よし美影、急いで東大まで行くぞ」
「そうね、彼が待ってるわ」
学校を出て、電車を乗り継いで1時間。タクシーを拾い15分で、東京大学に到着。
「んん〜、やっと着いたか」
「そうみたいね、それでかなり気になることがあるのだけれど」
「ん?」
「あなたは、その服のまま大学の中に入る気?」
「仕方がないじゃないか、着替えがないんだし////」
俺もこの服はまずいと思う。とても気持ち悪いし、コスプレイヤーだと思われるし。
「ま、着たところで気付かれないでしょう。医学部の場所まで行くわよ」
「う、うむ・・・」
数分後・・・
「ここね、医学部事務室・・・」
「ここにいるのか?」
「ええ、そうらしいわ」
ドクッ!ドクッ!ドクッ!ドクッ!
心臓の鼓動が急激に速度を速めた。緊張、いや、違う。この感覚は・・・よくわからない感覚だ。頬から冷や汗が伝う。
ガチャッ
「失礼しましゅ」
勇気を決してドアを開け、一発目から噛み倒した。開けた瞬間、
「功助?功助か⁉︎てかなんで女装してんの⁉︎」
俺は二度見した。だが確かに、目の前に、いつも通りのいきいきした桂木翔真が立っていた。
「翔真!翔真だよな⁉︎女装は気にするな!」
「「うおおおおお!また会えてよかったぞ」」
俺らはすぐに抱きあった。しかし、どうやって蘇生したのだろうか。
「お前、心臓は?」
「ん?ああ、他の心臓に替えたんだよ」
「替えた?」
「もちろん、人の心臓じゃないけどな。最先端技術ばかりが組み込まれているゴムと金属が融合した人工心臓らしいぜ」
「だが心臓だけじゃなくて血液も必要だろう」
「それがなぁ、俺を銃で撃った奴らが血をくれたんだよ。仮死状態の俺に土下座してたらしい」
「そ、そうか。あいつらもそれなりに反省したな」
「そうだ功助、俺は明日からまた学校に登校していいってよ」
「いやいやダメだろ!さすがに傷が開いちまうからダメだ」
「いや、メガネの先生がもう動いていいって言うから」
「ま、まあ先生がいいって言うなら、いいか」
「功助、ちょっと帰るときに千鶴の家に寄らせてくれないか?」
「もう連れて行く予定だったんだ。千鶴は今日吐き気と発熱で学校を休んでるよ」
「!・・・そっか、悪いことしちまったな」
「多分お前の死がかなりショックになってんだろうな」
「翔真、今から会いに行こう。千鶴に」
「もちろんだ功助、明日千鶴が学校に来てくれるように」
俺らはそのまま千鶴の家へ向かった。
千鶴side
今日1日、ずっと翔真のことを考えていた。思い出すだけで涙が出てくる。もう一度会いたい。
「翔真・・・翔・・・まぁ・・・ハア・・・ハア・・・」
熱で頭がくらくらして、意識がぼーっとしている。今の体温は39.2度。高熱真っ只中だった。
「会い・・・た・・い・・・」
呟いた瞬間、
ピーンポーンッ
夜に来客とは珍しい。私の家に用がある家自体がそこまで多くないのに。
コンコンッ
私の部屋に誰か来た。誰だろうか?
「おーい千鶴、容態はどうだ?中に入っても大丈夫か?」
この声は、功助?
「は・・はぃ・・・はいって・・」
「失礼するぞ」「失礼します」ガチャ
「あ、そうだ。こいつは安城美影、Aクラスで俺と幼馴染だ」
「そ・・そうなんだ・・・はじめ・・まして・・」
「こ、こちらこそ」
「そ・・それで・・どう・・・したの・・?何か・・あったの・・?ていうか・・なんで・・・女装・・してるの・・?」
「ああ実はな、千鶴にいいものを見せてやろうと思ってな。あと女装は気にしないでくれ」
「いい・・・もの?」
「翔真、入ってきていいぞー」
「え・・?」
翔真?翔真⁉︎
ガチャッ
「失礼するぜ、千鶴」
!!!!!
「翔真・・・しょう・ま・・しょうまぁ・・!」
瞳から無限に流れ出す水。虚実ではない。自分の視界に、死んだはずの桂木翔真が写っているのだから。
「済まなかったな、千鶴。でも、お前より早くは逝かねえぞ?俺はお前を本気で支えて、本気で愛してから死にてえんだからな」
「翔真・・・ハグ・・・・してよ・・」
「当たり前だ!」ギュッ
翔真の体は、いつもと同じ、優しい暖かさだった。
功助side
(くっ、泣かせてくれるじゃねぇか!)
俺も涙を拭っている。泣けないはずがないだろう。俺も霞ともっと仲良くなろう。
「どうする翔真?千鶴の家に泊まってくか?」
「当たり前だ、千鶴の家の人に迷惑かけない程度にすごすよ」
「そうか、なら俺らはもう帰るぜ。愛を深めろよ!」ぐっ!
「あたりめえだ!」ぐっ!
「じゃあな、千鶴、翔真」
「じゃあな」「おやすみ・・なさい」
そして俺と美影は千鶴の家から出て、家を目指す。
「来てよかったでしょ?」
「そうだな。最初は半信半疑だったけどな」
「でも、さらに悪夢も訪れるはず」
「ん?どういうことだ?なんかあったのか?」
「今日の朝、文月学園近くの廃倉庫で焼死体が発見されたそうよ」
「え?どういうことだ?」
「うちの生徒ではなかったけど、どうやら大人だったみたい」
「犯人は誰なんだ?」
「詳しくはわかってないわ、証拠が全くないらしいの」
「ふーん。俺らに被害が及ばなければいいがな」
「そうね、確かに」
街に出た時に前から誰か来た。現に俺は女装しているので、男だと気付かれるはずがない。と思ったがすれ違い際に、
「よお、瀬良功助」
!!!
後ろを振り向くも、人混みが激しくなったせいか、見失ってしまった。
(今の男、誰だ?)
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
俺の名前を知ってた奴は気にしなかったが、嫌な予感はかなりした。のちに、俺は、いや、俺たちは、地獄を見た。
今回はここでストップです!次回の投稿はいつかわかりません。ですが、見てくれたら幸いです!では、また!