愛華への古傷
功助side
翔真が蘇生してから一夜明け、千鶴の症状も治ったらしい。あいつらは今日は休んでゆっくり愛を育みたいと言って、学校を欠席している。ちなみに俺は屋上で仰向けになって寝ている。
「翔真、かぁ・・・」
俺は、辛い思い出、愛華のことを思い出していた。愛華は俺が学校から帰ってくると、決まりのように頬にキスをしてくるかわいい妹だった。正直、生きがいとも感じたこともあった。でも、”あの日”を境に、早すぎる別れが来た。愛華が死んだ公園を訪れても、愛華の葬式に行っても、一滴の涙も出さなかった。だって、俺が泣いたら、愛華は安らかに眠らなくなると思っていたから。その悲しみを耐えて、霞の前で号泣した。その時は、霞に俺の辛さを和らげて欲しかったのだと思う。
(俺は・・・俺は・・・)
そして、俺はそのまま眠った。
そして、愛華との思い出が浮かび上がってきた。
3年前…
「・・・・・・」
「お兄ちゃん、お兄ちゃん」
「・・・・・・」
「むぅ、お兄ちゃんってばぁ!」
「わわっ⁉︎びっくりしたぁ!どうしたんだ愛華?」
「お兄ちゃん全然起きてくれなかったもん!もう私プンプンだよ?」
俺はどうやら寝ていたようだ。愛華の呼びかけに気づかず、爆睡していたのか。
「悪かった悪かった、んでどうしたんだ?」
「ここの問題の解き方教えてよー!難しくてわかんないー!」
(んーどれどれ・・・げっ!俺もわかんねぇ)
「お、お兄ちゃん?大丈夫?すごい汗の量が」
「俺も、わかんない。すまん」
「えー?お兄ちゃんたら本当に数学できないんだね。ま、苦手なのわかってて読んだんだけど」
「し、仕方ないだろ?俺なんて小学生が解けるような計算も間違えるんだから」
現にこの問題も小学生の問題なのだ。
「もー私が教えてあげるからちゃんと聞いててね?」
「え?お前この問題わかんないんじゃないのか?」
「いや、わかるよ。さっきの嘘」
「・・・コチョコチョ食らいたいかぁ?」
「ひっ!ごめんお兄ちゃん!それだけはしないで!」
「はぁー。とりあえず俺眠いからまた寝るな」
「えー寝るのダメ!お外で遊ぼ!」
「もう勘弁してくれぇ。眠い」
「あーもう!いい年した中学生が今更何言ってるの⁉︎ほらお兄ちゃん、はーやーくー!」
「あーわかったわかった!外に行けばいいんだろ?なら早く行くぞ」
「わーい!大好き、お兄ちゃん!」
「あ、ああ」
(なんで妹に大好きって言われてマジ照れしてんだ俺は。とりあえずテキトーに遊んどきゃいいか)
そう言って、俺と愛華は公園に行った。
こんな何気ない日常も、愛華のおねだりを味わうことももうできない。
俺の中から消えない古傷も、苦痛だった。
なんか中途半端な内容になりましたね。今回は功助と愛華中心の物語でしたが、次回はこの話の続きです!とりあえず手っ取り早く終わらせて、試験召喚大会の準決勝以降を書きたいと思います!では!