「さ~てっ!今週もこの時間がやってまいりました!!」
画面内から流れるきれいな声色の女性の声とともにMMO STREAMのロゴが大きく表示されオープニングの映像が始まる。
「みなさ~ん!こんばんは!」
「今週の目玉はもちろん!ガンゲイル・オンラインの新イベント![BoB Tmc]の最新情報です」
真っ白なスタジオには中央に大きな液晶画面とその脇に2つの椅子が用意してあり、壁には各国の有名な写真などが飾られており、清潔感のあふれる場所となっていた。
「今日の放送ではッ!いつものGGO NEWSの時間を特別に延長して、番組のすべての時間を使ってお送りしたいと思いま~す!」
「司会はおなじみッ!花ちゃんこと、わたくし!花澤がお送りしたいと思います!」
勢いよく始まったこの生放送は毎週定期的に放送されるMMOVRゲームの情報番組であり、放送時の視聴者数が軽く数万人を超える大人気番組だった。
「さすがに今日の放送は皆さん楽しみにしていたようですね、コメントもとどまることを知りませんッ!」
この放送は視聴者のコメントが司会者たちの後ろにある大画面の横から流れていくようにリアルタイムで表示される仕様のため、弾幕のように連なり、もはや何が書いてあるのかがわからないほどのコメントが流れているその液晶モニターが今日の放送の視聴者の数を物語っていた。
「早速、本日のメインである[BoB Tmc]について発表していきたいと思いますが、その前に!」
「今日のゲストを紹介します!」
「今日のゲストはあの有名な情報屋の店主でありながら、プレイヤーとしても様々な爆発物を扱うことで有名なッ![
「ゴリだぁぁ!」
「いい人選」
「禿きたぁぁぁ!!」
様々なコメントが流れていく。
ゴリ「いや、どうも。」
ほとほと有名な男は、この白いスタジオに用意された椅子にその大きな体を乗せながら軽く挨拶をした。
「今日[Dawn of Dead]に行こうとしていた方には、ほんとすみませんっ!今日は私達が貸し切りです!!」
ゴリ「その点は大丈夫だぁ、店はバイトに任してある」
「そうなんですか~!おっと!早くしろとのコメントが増えたようなので本題に入りましょうか!」
ゴリ「まるでパレードだぜ。」
「それでは皆さんお待ちかねの!GGO NEWS!!スタートですッ!!!」
そうして期待の集中したまるで完熟したあまい果実のような情報がこれから出荷されていくようだった。
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BoB Tmcは二人一組で行われる、2対2でのトーナメント予戦とサドンデスによる本戦にわかれた大会。
本大会は予戦が2日、本戦1日の計3日でおこなわれる。詳しい日付は後日発表。
プレイヤーは、今回配布される本大会専用アイテムでもある
本大会への申込は総督府にある端末にておこなえるが、相片のTMBを持ったプレイヤーしか申し込む事ができない。
大会中出場プレイヤーは、総督府にある待機スペースから出ることはできないが、ログアウトすることは可能。もちろんその時は失格となる。
待機中TMBは運営側に預けられるが、試合中は返却されチーム内での通信手段として利用することができるほか、様々な機能がある。後日発表。
また戦闘時、味方の
プレイヤーが死亡した場合、各予選・本戦が終了するまで総督府内の特別待機スペースに飛ばされる。
さらに、本戦に限り、高所からの落下や建物による倒壊などによるダメージ、つまりプレイヤーからのダメージ以外で死亡する場合を除き、自分を倒したプレイヤーへTMBが奪われる。
チームを失ったプレイヤーは、そのTMBを取り返し蘇生ポイントまで行けば仲間を蘇生することができる。しかし、チームの両方が死亡した場合、TMBは消滅し運営に送られる。蘇生の鍵となるのが相方を倒した者をどうにか見つけ、そのプレイヤーを倒すことにある。
TMBを奪った側のプレイヤーは、一定時間倒した相手の相方の位置がマップに表示されるため、掃討戦に若干有利である。
以上の新ルール、変更以外はおもにサテライトスキャンなどを含み、前回のBoBのルールを引き継ぐ。詳しくは出場時に配布されるメッセージとQ&Aまで...。
「くぅ~!いかがでしたか!?皆さん!」
ゴリ「こりゃ、おもしろそうだ」
この日のために用意された特別映像を見終わった彼らも、この放送を見ているプレイヤーと同じく心が踊った。
「こちらがTMBと呼ばれるアイテムのようですが、一足先に公開します!」
と言って司会の女性は、手のひらサイズの普通より少し大きめな薬莢を手に持っていた。
「様々な機能とありましたが、気になりますね~」
「ところでズバリ聞きますが!ゴリさんはもうチームの方は決まっているんですか!?」
ゴリ「まぁ教えてやってもいいが、俺は情報屋なんでね」
「これはこれは失礼しましたッ!そう簡単にはただでは教えてくれない。渋い!そこに痺れる、あこ...」
ゴリ「...あんたの持ってるそれを見せてもらいたい」
「えっ?じゃ、じゃあ渡したら教えて下さいねッ?」
そう言って笑った顔でこちらをみた彼女に頷き、アイテムを受け取ると男はそれをまじまじと観察した。
ゴリ「なるほどな...これは...」
「はいッ!ゴリさん約束ですよ!」
ゴリ「...」
ゴリ「俺の相棒は...そいつだ」
「...えっ?」
男が指をさした先には、壁にかけられた一枚の写真があった。
「そいつって...自由の女神ですか?」
「もーう!はめましたねゴリさんッ!」
コメントからも嘲笑がもれる中、男は心のなかでニヤリと笑った。
ゴリ(...自由の象徴みたいなやつだ...あいつは)
高まる期待感で満たされた放送を見ていたこのゲームのプレイヤー達は、今後の情報にさらなる期待を抱きつつ大会に参加するための準備を早めていった。全視聴者の中にそれがどれほどいたのかはわからないが、今回の放送の視聴者数は15万人を超えていたのであった。
次回は本編です。