くそっ、騙された!! マジ無いマジ無いマジ無いわ~。
凍てついた空気の中、仲間と共に全力で撤退作戦を遂行する俺の背後から恐怖の女王が追いかけて来る。
「何がちょっとしたお使い程度の仕事だ! おもっくそエスデス将軍が陣取ってんじゃねーか!?」
帰ったら
大体少しおかしいと思ったんだ。お出かけが大好きな
あいつ絶対エスデス将軍の北方遠征のことを知っていやがったな。
今頃王都で遊んでるに違いねぇ。
ゴォッと、恐ろしい音と共に全てを凍てつかせる氷の力が後ろから迫る。
舌打ちをした俺は体を反転させながら滑るように止まると、鬼具の力を発動させる。
「
「「「了解!!!」」」
炎を身に
直後、
「逃がすとでも思っているのか?」
「逃がすに決まってんだろぉ!!」
「!?」
俺の真横を駆け抜けようとしたエスデス将軍の腕につかみかかる。
当然のように片腕が斬り飛ばされる。
反射的に出された剣をエスデス将軍はそのまま俺の心臓に深く突き刺す。
「ガハッ!? ……オラッ!!」
蹴りをくれてやるとエスデス将軍は飛び退いて距離を取った。
斬られた腕は炎になって消え、身体に空いた穴と斬られた腕が再生する。
取り敢えず、足止めには成功した。
「死なぬ体に炎の力か……貴様、東方鬼々の
「黙秘する」
「まあいい、捕らえてから吐かせるまでだ」
◆◆◆◆◆
気力尽き果てボロボロとなった俺を引きずってエスデス将軍が戦場に帰還する。
殲滅し終わった北の異民族の拠点に入ったエスデス将軍は俺を放り投げると部下を呼ぶ。
「おや、エスデス様。もうお帰りでしたか」
言ったのは、エスデス将軍に呼び出されてやって来た3人の男の内の一人だった。
三獣士と呼ばれるこの3人は、エスデス将軍の側近中の側近であり、3人とも帝具使いとして優れた武人でもある。
エスデス将軍が特に気に掛けているお気に入りの部下達なだけあって、鬼具使いとの戦闘になっても互角に渡り合えるような実力者だ。
「ふ~ん、今回は東方鬼々も兵を送り込んでいたんだね」
「なよなよしてて、あんま経験値になりそうに無いな」
余り気にした様子の無い部下達にエスデス将軍が笑みを浮かべる。
「見た目で判断するのはよくないぞ? そんななりでも東方鬼々の鬼具使いだ。舐めて掛かると痛い目を見るぞ」
「「えぇ!?」」
「……驚きました。鬼具使いが直々に出て来ていたとは」
さらに嬉しそうな顔をするエスデス将軍は椅子に座ると
「
そのまま俺の頭を踏み潰す。
「ぐぎゅぷ!?」
直ぐに再生するとはいえ、そう何度も踏み潰すのは止めて欲しい。
「おい、取り敢えず北の異民族達の処刑の後に拷問にかける。しばらく閉じ込めておけ」
「「は!!」」
部下達はエスデス将軍敬礼して、俺を運び出すと武器や装備を全て解除したうえで、簡易な檻に放り込んだ。
◆◆◆◆◆
ヤバい、寒い、死ぬ。
死なないけど死ねる。
やってられるかバカやろう。
……う…………………………ぁ……………………………お…………。