メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

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霧が立ち籠めている。

とても濃い霧だ。

その霧は、人の視力を封じるにとどまらず、電子の目と耳をも、ほぼ完全に無力化していた。

この戦場で、正確に状況を把握できている者は誰一人いない。

人ではない彼でさえ。


第9話  霧の中の怪物と怪人

かなたが戦場にばら撒いて歩いた、ビーコン杭。

その信号を便りに、フィリファリーテは地響きから想定された巨大な何かの進撃ルートを、大きく迂回しながら逃走を続けていた。

 

姫子 「メギちゃん、何か見える?」

メギ 「ダメですね、どのセンサーもカメラも、みーんな・・・・・」

姫子 「さっきから、音も振動も感じないよ?」

メギ 「そうなの、変なんですよ、しばらく前からあの桁違いの足音も聞こえなくなってるの」

メギ 「ソナーに問題はないんですけどね、動いてないのかしら?」

姫子 「まさか! ガレリアがしとめたとか!!!」

 かなた 「だったら良いですねー♪」

姫子 「つまんないー! せっかくだから姿ぐらい拝みたいじゃん♪」

かなた&メギ 「・・・・・」

姫子の表情は、場を和ませるため半分、本音半分と言った感じだった。

 

メギ 「あれっ・・・・・、何かしら? 何だろう、この反応・・・・・人?」

至近距離にかすかな熱反応を捉えた。

 

メギ 「人が倒れてる!!!」

アル 「なんだと!」

フリフリが一旦停車した。

逃走中なので、なるべく足を止めたくないアルだったが、情報収集もかねて救助することにした。

 

メギ 「足音は依然、沈黙中だけど・・・・・」

アル 「よし、5分捜索する、5分で見つからなければ諦めること! いいな、みんな」

メギ 「それだけどね、予測してた戦場とはまったく別方向よ、 助けてもしょうがないんじゃないの?」

アル&かなた 「・・・・・」

アル 「まー、なんだ、その・・・・・、なあー、かなた」

 かなた 「そそ、そうだよね・・・・・、も、もしかしたら、もしかして、何か情報が手に入るかもしれないよ!」

アル 「そーだ! それだ!」

メギ 「・・・・・、万が一ね、万が一なら、盗賊の類の可能性だってあるわ! それに、あたし達も追われてること忘れないでよ」

ドライな発言をする冷静なメギ。

正論だが、お人好しの入ってる2人には、彼女の言動は未だ凶器だった。

 

そして、昔と少し正確が変わったお調子者の姫子さん。

姫子 「メギ! ここはね 素直にアルのゆうことを聞こーよ! アルはアレでプロフェッショナルなんだぞ!!!」

その表情は、アルを信頼してるとゆうより、何かフラグが立つ事を期待してなのがみえみえだ。

 

メギ 「・・・・・、わかりました。 でも姫子さん、危険を感じたらすぐ逃げてくださいよ、いいですね!」

姫子 「はーーーい」

メギ 「・・・・・姫子さん、伸ばさないの」

姫子 「ハイ、了解、メギ少尉!」

元気な小気味良い返事に、やっぱり冗談をこめる姫子だった。

そして、姫子はパチリとウインクを返した。

無理はしないよと。

 

メギ 「姫子さん、みんなも気をつけてね!」

メギを残し、フリフリのメンバーが車外に出て行った。

 

 かなた 「なんだ! 何も見えない」

数メートルしか離れてないはずの二人が、すでに視界から消えていた。

 

 かなた 「アルー! 姫子さーん!」

姫子 「かなたー、はぐれちゃ駄目だぞ!」

アル 「遅れるな、もしはぐれたらその場でじっとしてろ、いいな」

 かなた 「う、うん」

かなたは、二人からはぐれないように、必死で後を追っていた。

 

しばらく周囲の捜索をした3人だが、この状況では見つかりそうも無い。

アル 「このままじゃ、二次遭難が落ちだぞ」

アルは、歩きながら二人に語りかけた。

・・・ 「ムギュ!」

 

姫子 「これじゃー、さすがに捜索どころじゃないね、しょうがない、あきらめようか」

姫子も、歩きながら返答した。

・・・ 「ムギュ!」

 

かなた 「ちょっと、二人とも、どこにいるの?」

かなたは、早足の二人の後を必死で追いかけている。

・・・ 「ムギュ!」

 

 かなた 「!?」

 

何かを踏んづけた感覚がした!

もう一度踏んでみる。

・・・ 「ムギュ!」

 

やっぱり、何かある。

もう一度。

・・・ 「ムギュ、ムギュ、ムギュ」

 

ねんのため、もう一度!

・・・ 「ムギュ、ムギュ、ムギュ、ムギュ、ムギュ」

 

かなたは、行き倒れの人を発見した。

どうやら、意識は無いようだ。

 かなた 「アルー! 見つけたー!!!」

アル 「見つけた!? そうか! それじゃー長居は無用だ、引き上げるぞー」

姫子 「やるね、かなた♪」

 かなた 「こっちこっち、手を貸してよ!」

なんだか、妙なかっこで行き倒れてる人を引きずって、3人はフリフリに戻っていった。

 

アル 「きゃしゃなくせに、結構重いな、コイツ」

 かなた 「うぅぅぅー! おぉーもぉーいぃぃぃ~~~!!!」

姫子 「・・・・・」

 

----------

 

 かなた 「ふー、ただいま メギさん。 みんな無事戻ったよ」

メギ 「そう、それならすぐ出発しましょう、もう5分過ぎてるわよ」

 

アル 「オイ、かなた! こいつ、お前の知り合いの何とかって奴じゃねーか!」

 かなた 「えっ?」

 かなた 「・・・・・、えぇぇぇぇぇっ! あぁぁぁぁぁ!!! アドラだぁぁぁぁぁーーー!!!」

行き倒れは、踏んづけられた足跡だらけで、険しい表情で寝ているアドラだった。

 

 かなた・動揺 「アドラ! アドラ! どうしたの? 目を覚ましてよ、アドラァー!」

アドラの顔から血の気は引いてないが、脈が無い。

姫子 「・・・・・、やっぱり」

 かなた・泪 「姫子さん、どうしよう、アドラの脈が無いんだ」

アル&メギ 「・・・・・」

アルとメギは、フリフリを動かしながら、成り行きを見守っていた。

 かなた・叫 「アドラァァァァァ!!!」

 

姫子 「・・・・・」

 

姫子 「心配ないよ かなた、コイツはね・・・・・」

姫子さん 「コイツは・・・・・、コイツ・・・・・サイボーグだ!!!」

そう言って、全盛期ほどではないが、それでもかなり強力な拳を、横たわるアドラの腹部に叩き込んだ!

 

アドラ 「・・・・・、おっと!」

アドラは、突然意識を取り戻し、姫子のパンチをギリギリでかわした。

アドラ 「・・・・・」

アドラ 「・・・・・おや、少年じゃないか、こんなところで何やってんの?」

アドラ 「・・・・・って、どこ? ここ?」

アドラは、周囲を見回して、混乱気味だ。

 

アル 「姫子、 そいつ、サイボーグなのか! やけにスマートだぞ」

姫子 「間違いないね、なんとなく「人のような、人で無いような」感じがあるもん」

アドラ 「ハハハッ、何となくですか♪、ハハッ・・・・・」

アドラは、珍しくまじめな顔で笑っていた。

 かなた 「・・・・・、何言ってるの? 姫子さん・・・・・」

姫子 「かなた! コイツとかかわっちゃ駄目だ」

アドラ 「でも、サイボーグじゃないですよ、俺♪」

 かなた 「さいぼーぐ???」

姫子 「あんた、何が目的で かなたに付きまとってんのか知ら無いけどね!」

姫子 「今すぐ手を引かないなら、後ろの組織ごとぶっ潰すぞ!!!」

 

アドラ 「いやー、恐い人だ、ハハハハハッ」

アドラ 「それにしても凄いです、さすがは噂に名高い バスタークイーンさんです♪」

アドラ 「戦闘以外で人造人間を見抜く人間をはじめて見ましたよ、それも何となく雰囲気がですか❤」

アドラ 「ハー、俺もまだまだですね、自信なくしちゃいました、ほんとに」

 

 かなた 「えぇぇぇ! アドラは、サイボーグ(人造人間)なのぉぉぉぉぉーーー!!!」

アドラ 「ナハハハハッ♪ 違う違う、ア・ン・ド・ロ・イ・ド(人造人間)♪」

アドラ 「サイボーグよりもアドリブがきいて、クローンよりもスマートでしょ♪」

 

 「ズズゥゥゥゥゥンンン」

 「・・・・・・・・・・」

   「ズズゥゥゥゥゥンンン」

   「・・・・・・・・・・」

     「ズズゥゥゥゥゥンンン」

     「・・・・・・・・・・」

 

メギ 「アル、また動き出したわよ!!!」

車内の会話は、終わってないが、目前の脅威が動き出した。

メギ 「・・・・・、えっ! なんで? まっすぐこっちに向かってくるわ!」

姫子 「コイツだ、コイツのせいだ!」

 かなた 「どうしたのさ、姫子さん。 アドラは・・・・・、変わってるけど、いい奴だよ」

アル 「かなた、そいつには関わるな!」

 かなた 「なぜだよ、ねー、アルー!」

アル 「・・・・・、俺たちの経験上、サイボーグはな・・・・・、そのバックも含めて例外なく人類の敵だったんだ!」

アドラ 「ハハハッ、人類の敵か~、 俺たちのカンパニーはね、世界を救済するために活動してるんだよー♪」

姫子 「かなた、だまされちゃいけないよ、何か魂胆があるに決まってるんだ」

アドラ 「ちがうちがう、そこは完全に誤解ですよ、 少年に出会ったのも、その後に再開したのも、ただの偶然、そこに他意はないです、そこだけは断言しちゃいます」

 

アドラ 「しょうがないですね、助けて頂いたみたいですし・・・・・」

アドラ 「と言っても、助けてもらいたくは無かったんですが・・・・・」

 

姫子は、ホルスターの拳銃に手をかけている。

アルも、いつでも戦闘に参加できるように身構えていた。

だが、アドラに戦闘の意思はなさそうだった。

 

アドラ 「まってまって、ちゃんと説明しますから」

 かなた 「そうだよ、二人とも、とりあえず話を聞こうよ」

メギ 「みんな、手短にね。 どんどん近づいてきてるわ」

 

アドラ 「そうだね、何から話したもんか・・・・・、少年、何か聞きたいことある?」

 かなた 「何でも聞いていい?」

アドラ 「いいよ、答えられないとこはこっちで判断するから、とりあえず何でも聞いてよ」

 

 かなた 「・・・・・、アドラの正体? アドラは敵じゃないよね・・・・・」

 

アドラ 「アハハハハッ、いきなりその質問か! 参ったな・・・・・」

アドラ 「少年、最初はもうちょっと当たり障りの無い質問しないと♪ コミュニケーションの初歩だよ」

アドラ 「例えば、あの大きな足音の怪物の正体とか」

 かなた 「アドラ! そんな事はどうでもいいの! アドラは敵じゃないんだよね!!!」

アドラ 「・・・・・、どうでもいいか、 少年は ストレートだ♪」

 かなた 「アドラ!!!」

アドラ 「ハハハッ、恐い顔しないでよ。 大丈夫、今は敵じゃないからね」

アドラ 「ただね、味方でもないよ、俺はカンパニーの利益のために行動してるわけだからね」

アドラ 「単純に少年達とは、仕事に対する理由とか目的が違うだけさ♪」

 かなた 「・・・・・?」

アドラ 「あれ? わかりにくかったかな、 そうだなー・・・・・」

アドラ 「少年もカンパニー所属だろ、お互いの会社の方針がぶつかったならね、カンパニーのために戦わなければいけないよね」

 かなた 「・・・・・、そうなのかな?」

アドラ 「ハハハッ、大人の世界はそうなってるの!」

アドラ 「でね、今はお互いの会社が敵対してないって事、敵じゃないって事だよ♪」

 かなた 「・・・・・、ほんとだね」

アドラ 「うん、ほんと♪」

 かなた 「あー、よかった~、アドラと戦うなんて嫌だからね、オレ」

アドラ 「・・・・・、ナハハッ 嬉しいこと言ってくれるじゃないの♪ 俺だって少年と戦うのは嫌だよ」

 

アル 「まだ質問に半分しか答えてねーぞ、おまえの正体は? カンパニーは何の目的で動いてんだ!」

アドラ 「やー、鋭いです、うまいこと話をそらしたつもりだったんだけどな」

 かなた 「えっ!?」

アドラ 「いやいや、少年、さっきの話に嘘は無いから、心配しなくても」

アドラ 「カンパニーの目的ですかー、そうですねー・・・、うーん、一言で説明するのは難しいですが」

アドラ 「・・・・・、人類皆殺し計画とかをね、やって・・」

 

アル 「!?」

かなた 「えっ!」

姫子 「!? やっぱり敵だ!!! 」

 

姫子は、アドラに殴りかかった。

姫子 「おぉぉりゃぁぁぁぁ!!!!!」

 「ドドドドド、ガガガガガ!!!」

アドラ 「ちょ、ちょっと、あぶない、おわっととと」

アドラ 「だから、敵じゃないんだって、少年、何とかしてよ~」

アドラは姫子の、猛攻を全ていなしてしまった。

 かなた 「ちょ、ちょっと、姫子さん、落ち着いて、話を、話を聞きましょうよ」

姫子 「はぁー、はぁー、はぁー、はぁー、」

姫子 「ちくしょー、あたらない・・・・・」

アドラ 「バスタークイーンさん、体を壊してリタイアって噂、ほんとだったんだね・・・・・」

 かなた 「アドラ、それより話の続きを」

姫子 「かなたぁー! そいつに近づくなぁー」

 かなた 「はっ、はい!!!」

アルもメインシートから立ち上がり、隙を見て加勢に飛び掛りそうな雰囲気だ。

 

アドラ 「たしかに、人類皆殺し計画とかをね、やってたらしいんだ、大分昔にね」

アドラ 「だけどそのときのボスはやられてね、今は情報収集が主な目的だよ」

アドラ 「そのボスは、俺たちにとって偉大な指導者だったんだ、だから彼の意思の断片を探して、偉大な彼がいったい何を考えていたのかを研究してる感じかな、目的って言えるのはそれぐらいですよ」

 

アドラは、自分達の素性の核心部分を、ためらいもせずに話していた。

だが、フリフリのメンバーは色眼鏡で半分聞き流し、半分は理解できないことだった。

もちろん、それがわかった上で話を続けるアドラだが。

 

 かなた 「ア、アドラ? アドラのカンパニーは人間を殺すの?」

アドラ 「うん、殺す♪   おっと、言い方がまずかったね」

アドラ 「目的も無く無差別殺人なんてしないよ、犯罪者集団じゃないからね」

 かなた 「・・・・・、でも、それってやっぱり、オレたちの敵ってことかな?」

アドラ 「そこがねー、難しいんだよ少年、大人の世界は」

アドラ 「うちのカンパニーも、よそのカンパニーと同じでいろんなことをしてるから」

アドラ 「見方によっても変わってくるしね、だけど今のところ、君達と敵対する関係には無いと思うよ♪」

アドラ 「それに、組織が一枚岩じゃなくてね、何かってゆうと突撃ーとかぶっ壊せーとかって危ない連中がいるんだよ、ほんと困ったもんだね」

 

アル&姫子 「・・・・・」

 

アドラ 「いけない いけない、愚痴っぽくなってしまったね♪」

アドラ 「ナハハハハッ まー、皆さん、そう暗い顔をせずにね、一生は一度きり、楽しく生きましょうよ、ハハハッ♪」

 

アドラ 「よっと!」

 「ググ! ガチャン!」

アドラは、すばやいバックステップで後ずさり、緊急脱出用のハッチを開けた。

 

アドラ 「俺の話に嘘はないよ。 まー、すぐに信じられないとは思うけどね」

アドラ 「少年、君とは縁があるからね、一つ忠告だ♪」

アドラ 「ウサギ耳には気をつけなよ、彼女はやたらと親切だからね♪」

 かなた 「えっ、なに?」

アドラ 「それじゃー、またねー❤」

 

そういい残して、彼は真っ白な幻想世界に飛び出して行った。

 

かなた 「ウサギ耳? バニーガール???」

嵐のような アドラ騒動は去ったが、謎は深まるばかりだった。

 

 

メギ 「ちょっと、みんな、 いい加減 操縦に集中しなさいよ、追われてるのよ!!!」




   あとがき

アドラの正体はサイボーグ!
そしてその組織とは・・・・・

なんだか、かなたとメギの物語 っぽくなくなってきましたね。
カンパニー メインで話を作ると、どうしても二人の力じゃ役不足。
特に かなた君が・・・・・

かなたの特殊能力
自分は凄くないけど、何故だか凄い人たちとよく出会う♪
・・・・・、いや、違いますね。
実際、そこらじゅうに、凄い人たちは転がってるんだけど、それに目を向けない人がほとんど。
彼は、巻き込まれた感はあるものの、積極的にその人達に絡んでいく。
素直なのか、バカなのか、相変わらずそんな感じ。
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