メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

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星が出てから2週間が経過した。

カンパニー「ガレリア」は、オフィスへの回答に困っている。

白ウサギ姿のハットさんもそのぐらいの猶予は二つ返事で快諾し、イーストシュールにしばらく滞在していた。

良くも悪くも活気付いていた町だが、一連の騒動で人気(ひとけ)がまったくなくなってしまった。


第18話  誰が一番偉いの?

元々、テント以外の建物がほとんど無かったイーストシュールの町。

ほとんどのテントも引き払われ、ほぼ、無人の荒野になってしまった。

そんな街に滞在する二人、出会うべくして町の中央ですれ違う。

 

 アドラ 「やー、イナ婆さん、久しぶりだね♪」

ハット 「おや、ノアシードの子飼いの黒狐じゃないの」

 

 アドラ 「相変わらず、人間を躍らせてコソコソですか?」

ハット 「そっちこそ、悪い奴ら けしかけたり、モンスターを街にぶつけたりの大活躍じゃないかい」

 

 アドラ 「アハハ、若者ぶりっ子が素のしゃべりになってますよ♪」

ハット 「おっと、アドラさん、お久しぶりッス」

 

 アドラ 「結局、あんたら何者なんでしょうかね~?」

ハット 「いやいや、あたいはほら、こう見えてもれっきとした人間ッスから」

 

 アドラ 「・・・・・・・・・・」

 

ハット 「アドラさんこそ、どうしたんっすか? ジャミング完全に切って?」

 アドラ 「・・・・・・・・・・」

ハット 「そうゆうことか! ドロイドはバイオをッスもんね♪」

 アドラ 「ナハハハハ そうなんだー」

 

----------

 

「ガレリア」首脳陣は、今後の方針を決めかねていた。

彼らが連日の会議を開く中、フリフリは請けた仕事を着実にこなしていた。

 

ブロントは完成まじか。

 

作業の工程は膨大に残ってはいるものの、元々完成率は高かったわけだし、Cユニットも届いた今となっては、契約書どおり、「戦艦の改修工事」がひと段落着いたといっていい状態まで、機能的には完成していた。

 そんな折の、Cユニットとの出会いの1コマ。

 

メギ 「あなた達がCユニットですって?」

 

「クロノグラフ」の置き土産、軍艦ブロント用のCユニットは、幼い容姿の人型だった。

一人は幼い少女、一人は幼い少年の姿をしている。

 

ベータツー 「ベータシリーズ、NO,2である、こちらはベータワン」

ベータワン 「・・・・・・・・・・」

 

アル 「またサイボーグか・・・・・」

姫子 「アンドロイドだって・・・・・」

アルと姫子は警戒心を隠しきれない。

 

ベータツー 「わたくしめらは、人類を守るために製造されたものである」

 かなた 「ワン ツー ってことはスリー以降もあるの?」

ベータツー 「3から16までは全て破壊されてしまっている」

 かなた 「・・・・・、ごめん」

ベータツー 「何故、誤るのだ?」

 かなた 「・・・・・・・・・・」

 

メギ 「あんた達は、なんで箱じゃないのよ?」

ベータツー 「試作型だから、汎用性がどうのと博士はもっともらしいことを言っておられたが、わたくしの見解では、完全に博士の趣味であろう」

 

ニコライ 「そんで、どうやってブロントを制御するんだ?」

ベータツー 「ベータワンをその椅子に座らせてみたまえ、ベータワン出番だ」

ベータワン 「・・・・・、わかった」

 

幼女が艦長席に無表情で座った。

 

・・・・・

 

何にも起こらない。

 

ベータツー 「準備完了である、次の指示を」

 

メギ 「次の指示って・・・・・、何かアクションとかないの? ビカー!とか、ごごごごごぉぉぉぉーーーとか?」

 

ベータツー 「正常にリンクしているはずだが? 何か不満か? ベータワン、異常はあるか?」

 

ベータワン 「・・・・・・・・・・」

彼女は無表情で座ったままだ。

ベータツー 「異常は無いようだが」

 

メギ 「ニコラー?」

ニコライ 「そうだな、じゃー、左舷の550mm連装砲の仰角を60度にしてみてくれ」

 

ベータワン 「・・・・・・・・・・」

 

 「・・・・・・・・・・」

 

何も起こらない。

 

ベータツー 「どうしたのだ? ベータワン」

ベータワン 「・・・・・・・・・・」

幼女は無表情で黙ったままちょこんと艦長席に座ったままでいる。

なんだか、気持ちめんどくさそうな表情で。

 

ベータツー 「ベータワンが言うには、マスターの登録がまだだそうだ」

メギ 「・・・・・、ワンはさっきからなんにも言ってないわよ?」

ベータツー 「私にはわかるのだ!」

メギ 「壊れてるんじゃないの?」

ベータツー 「失敬な!」

メギ 「じゃー、最初から欠陥品なんでしょ!」

ベータツー 「失敬な!」

 

 かなた 「まあまあ、メギさん。 ベータワン、ベータツーも・・・・・」

 かなた 「それにしても、呼びにくい名前だね?」

ベータツー 「確かに!」

ベータツー 「わたくし達はまだいいが、二桁のシリーズは呼びにくいようだったな」

ベータツー 「『ベータ・シックスティーン』なにがしだ! 『ベータ・シックスティーン』あれこれしろ!!! と長ったらしい命令を出す間に16は壊されてしまった・・・・・」

 

 かなた 「・・・・・」

この名前をつけたヤツは、かなりのあんぽんたんだ。

 

ティク 「だったら、とりあえず俺が呼び名を考えてあげるよ、いいかな?」

ベータツー 「かまわないが」

ティク 「そうだね、ベータワンは・・・・・」

ティク 「べーたわん、べーたいち、たーいち、たいちくん、たいちさん! どう?」

 

ベータワン 「・・・・・・・・・・」

 

ベータツー 「たいちくんが良いそうだ」

ティク 「じゃー、ツーは たにさん で良いですか?」

ベータツー 「了解だ」

ベータツー 「貴様の名は何と言われるのだ?」

ティク 「貴様!? ティ、ティクと申しますです」

 

メギ 「・・・・・・・・・・」

ティクのネーミングセンスもアレだった。

 

 「ウィィィィィィィィン、ウィィィィィィィィン、ガコガコォォォォンンンンン!!!」

 

砲塔が突然仰角を上げた。

アル 「!?」

姫子 「・・・・・、ほんとに動いたよ!」

ニコライ 「ベータツー? どうした、何故動いた?」

 

ベータツー 「・・・・・・・・・・」

今度は、彼まで無表情で黙りこくった。

 

メギ 「ちょっと、ほんとに壊れたんじゃないでしょうね!」

ベータツー 「失敬な!」

 

 かなた 「あっ!!!」

かなたは何か閃いた。

 

 かなた 「たにさん、たにさん どうして、急に動いたの?」

たにさん 「『マスターの登録』が完了したためだ!」

ニコライ 「・・・・・、それって、あだ名をつけたからなのか?」

 

たいちくん 「・・・・・・・・・・」

 

たにさん 「『ティク様』のくださった名前が気に入ったそうだ」

たにさん 「実際、わたくしもこのアホな名前にはうんざりしていたところである」

ティク 「へ?」

 

テッテケテ~、テッテッテッテッテテ~♪

てっくんが、艦長に大出世した!!!

 

たいちくん 「・・・・・・・・・・」

 

たにさん 「全体の稼働率、70%、攻撃兵装はほぼ完成しているが、防御兵装はほとんど機能してないようだが?」

ニコライ 「・・・・・、よくわからない装備が多くってな、とりあえず解析が終わったものから仕上げたんだが」

 

たにさん 「よろしい、わからない事は聞きたまえ、たいちくんにわたくしが聞いてみよう!」

メギ 「??? たにさんはわからないの?」

たにさん 「わたくしとたいちくんは双子である! 彼女はわたくし、わたくしは彼女も同じである!」

メギ 「つまり、わからないのね」

たにさん 「機能を分担しているのである!」

メギ 「どうせ、通訳機能だけでしょ! それも当てになるかどうか、たいちくんが何もしゃべらないんじゃーね・・・・・」

たにさん 「しっけいなぁぁぁぁぁー!!!!!」

 

怒るアンドロイドが高性能なのか、無表情で無感動なアンドロイドを怒らせるメギが凄いのか・・・・・

とにかく、たにさんが言ったように ブロントの稼働率は70パーセントに達した。

完全に実用レベルを超えている。

 

こうして、フリフリの半年を費やした大仕事は大波乱の予感を残して終了した。




   あとがき

新艦長の てっくん!
彼は、今後どうするのか?

横暴なオフィスの活動を書きましたが、人間系、元人間系のお尋ね者には、どんなドラマが合ったのだろう?
それぞれに、色々あったはず。
もしかしたら、昔、ノアと戦っていたかもしれない。
オフィスのために戦っていたかもしれない。

エバ、やみくも、バトー、ミンチ、彼らのギリギリっぷりを見るとそう思えて仕方が無い・・・・・
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