メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

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ノアの人類抹殺計画により、人口は激減し、人類の活動規模は極めて限定的だった。

切り立った山と毒の海に囲まれた大地。

彼らが生まれ、必死でサバイバルを続ける場所。

かなたの世界の全てだった。

この狭い大地ですら、まだ見ぬ場所、聞いたことの無い街、埋もれた遺跡がゴロゴロしている。

噂では、隣の大地に抜ける秘密の道があり、はるか広大な世界とつながっているのだとか。


第20話  運行管理と業務日誌

戦う事務所「フィリファリーテ」

フルペイロードで150トンをこえる大型戦車だ。

だが、なうての傭兵カンパニーがフラッグタンクに積んでいた程の強力なエンジン。

通称 「コング」 、それをツインエンジンで搭載し、過酷な砂漠をものともせずに進んでいた。

 

アル 「噂は聞いたことあるよ、だが、結局見つけられなかったんだ」

ニコライ 「まー、普通に探してもわからねー場所だからな」

 

 かなた 「ほ、ほんとにあるの? ただの噂でしょ?」

メギ 「かなたは何にも知らないのね、世界はね、あの壁の山の向こうにも広がってるんだよ♪」

 かなた 「うそだー! メギさんだって自分の目で見たわけじゃないんでしょ?」

メギ 「・・・・・、まあね、だけどほら、元トレーダーだから、そっち方面の噂はよく聞いてたの!」

 かなた 「やっぱり噂じゃないのさ」

メギ 「・・・・・・・・・・」

メギ 「うるさいうるさーい!!! かなたのくせにぃぃぃぃーーー!!!」

 

姫子 「まあまあ二人とも、ほんとかどうかはすぐにわかるんだから♪」

 

彼らの眼前には、巨大な人跡未踏の山岳地帯が広がっていた。

 

姫子 「それで♪ どうやって次の大地に渡るの」

ニコライ 「もうすぐ、駅が見えてくるはずなんだ、そこからレールを伝ってだよ」

アル 「その駅なら知ってるが、そんな道は無いぜ?」

ニコライ 「まー、任せとけって」

 

クラクション 「ブッブー!!! ブブブブブー!!!」

 

後ろから、煽ってくるくるまがある。

 アル 「おっと、すまねー」

 

アルは、進路を譲った。

 

 「ブロロロロロロローーー」

 

バスが凄いスピードでフリフリを追い抜いていく。

砂の大地をアスファルトと勘違いしたかのような馬鹿げたスピードで♪

その光景は、まるでサファリラリー!

 

かなた 「野バスだー♪ すごーい♪」

姫子 「今日も元気に走ってるね♪」

メギ 「ニコラ、何でつるつるのタイヤであんなに加速するの?」

ニコライ 「それは俺にもわからねーが、・・・・・」

ニコライ 「野生の本能みたいのがあるんだろ、たぶん」

メギ 「ふーん」

 

 野生化した無人運行バス 「野バス」。

駅の遺跡の周辺で目撃されることが多い。

気性は荒いが、人類の敵ではない、この世界の野生動物感覚だった。

一部のイカレたマニアは、首輪をつけてペットにするなんて噂もあるが、比較的まともな一般の人間なら走り去る彼らを眺めるだけである。

 

----------

 

しばらく走ると 駅が見えてきた。

 

メギ 「誰かいる!」

メギが何かの気配を捉えた。

 

ニコライ 「・・・・・、なんだ、野バスじゃねーか」

さっきの野バスだろうか? 駅の前で停まっていた。

 

メギ 「・・・・・、何だか様子が変よ?」

ニコライ 「ほんとだな、スタックしてるようだな」

野バスが駅前で砂に足を取られ動けなくなっている。

次の目的地のディスプレーを激しく点滅させて。

ディスプレーには、「運行」 「遅延」 「運行」 「遅延」 の文字が繰り返し点滅していた。

何だかか焦っているようだ。

 

 「ブオォォォン、ブロロロロォォォォォン!!!」

 

激しくタイヤを空転させるたび、砂に足をとられていく。

 

 アル 「・・・・・・・・・・」

姫子 「ちょっと、アル、ほっときなって!」

 

アルは、無言で野バスの後ろにフリフリをまわすと、後ろからそっと押し出した。

 

 「ゴツン☆」

 「ブォーン、ブォーン、ブロロロロ~」

 

野バスは、脱出に成功した。

そして。おもむろに Uターン♪

 

 「ブロロロロ、ブロロロロ~、キキー!」

 

フリフリと野バスは至近距離で向かい合って停車している。

 

 アル 「ハハハ、律儀に『ありがとう』って言ってるのかな♪」

姫子 「いーや、どう見ても違うだろ!」

 

クラクション 「ブブブブブブブブーーーーー!!!」

 「ガシャーーーン!!!」

 

 アル 「うわっ! ・・・・・」

姫子 「やっぱり」

 

姫子は頭を抱えていた。

野バスは、ゼロ距離体当たりをかまして、猛スピードで走り去っていった。

 

 アル 「あー、びっくりした!」

姫子 「まー、らし一っちゃ、らしいけどね・・・・・」

 

かなた 「あのぐらいの体当たりじゃびくともしないんだし、悪いことをしたわけじゃないんだからいいじゃないですか♪」

メギ 「・・・・・・・・・・」

 

姫子 「それで、ニコラ ここからどうやって進むのさ!」

視界は良好とはいえないが、見渡す限り砂漠、眼前には断崖、それらしい道は無い。

 

 

ニコラ 「ハハハ、この駅の下に変わった奴らがいるんだ、ハハハハハ♪」




   無人運行バス 「さ 540629」

業務日誌、○月☓日更新

今日、駅前停留所でスタックした、路面状況は悪化する一方だ。
再三にわたる管理部への報告にもかかわらず、改善される気配は無い。
管理部で何かあったのだろうか?
そして、今日も利用者はゼロだった・・・・・

今日の利用者 「ゼロ」
今日の事故 「イチ」
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