メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界 作:KR410
切り立った山と毒の海に囲まれた大地。
彼らが生まれ、必死でサバイバルを続ける場所。
かなたの世界の全てだった。
この狭い大地ですら、まだ見ぬ場所、聞いたことの無い街、埋もれた遺跡がゴロゴロしている。
噂では、隣の大地に抜ける秘密の道があり、はるか広大な世界とつながっているのだとか。
戦う事務所「フィリファリーテ」
フルペイロードで150トンをこえる大型戦車だ。
だが、なうての傭兵カンパニーがフラッグタンクに積んでいた程の強力なエンジン。
通称 「コング」 、それをツインエンジンで搭載し、過酷な砂漠をものともせずに進んでいた。
アル 「噂は聞いたことあるよ、だが、結局見つけられなかったんだ」
ニコライ 「まー、普通に探してもわからねー場所だからな」
かなた 「ほ、ほんとにあるの? ただの噂でしょ?」
メギ 「かなたは何にも知らないのね、世界はね、あの壁の山の向こうにも広がってるんだよ♪」
かなた 「うそだー! メギさんだって自分の目で見たわけじゃないんでしょ?」
メギ 「・・・・・、まあね、だけどほら、元トレーダーだから、そっち方面の噂はよく聞いてたの!」
かなた 「やっぱり噂じゃないのさ」
メギ 「・・・・・・・・・・」
メギ 「うるさいうるさーい!!! かなたのくせにぃぃぃぃーーー!!!」
姫子 「まあまあ二人とも、ほんとかどうかはすぐにわかるんだから♪」
彼らの眼前には、巨大な人跡未踏の山岳地帯が広がっていた。
姫子 「それで♪ どうやって次の大地に渡るの」
ニコライ 「もうすぐ、駅が見えてくるはずなんだ、そこからレールを伝ってだよ」
アル 「その駅なら知ってるが、そんな道は無いぜ?」
ニコライ 「まー、任せとけって」
クラクション 「ブッブー!!! ブブブブブー!!!」
後ろから、煽ってくるくるまがある。
アル 「おっと、すまねー」
アルは、進路を譲った。
「ブロロロロロロローーー」
バスが凄いスピードでフリフリを追い抜いていく。
砂の大地をアスファルトと勘違いしたかのような馬鹿げたスピードで♪
その光景は、まるでサファリラリー!
かなた 「野バスだー♪ すごーい♪」
姫子 「今日も元気に走ってるね♪」
メギ 「ニコラ、何でつるつるのタイヤであんなに加速するの?」
ニコライ 「それは俺にもわからねーが、・・・・・」
ニコライ 「野生の本能みたいのがあるんだろ、たぶん」
メギ 「ふーん」
野生化した無人運行バス 「野バス」。
駅の遺跡の周辺で目撃されることが多い。
気性は荒いが、人類の敵ではない、この世界の野生動物感覚だった。
一部のイカレたマニアは、首輪をつけてペットにするなんて噂もあるが、比較的まともな一般の人間なら走り去る彼らを眺めるだけである。
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しばらく走ると 駅が見えてきた。
メギ 「誰かいる!」
メギが何かの気配を捉えた。
ニコライ 「・・・・・、なんだ、野バスじゃねーか」
さっきの野バスだろうか? 駅の前で停まっていた。
メギ 「・・・・・、何だか様子が変よ?」
ニコライ 「ほんとだな、スタックしてるようだな」
野バスが駅前で砂に足を取られ動けなくなっている。
次の目的地のディスプレーを激しく点滅させて。
ディスプレーには、「運行」 「遅延」 「運行」 「遅延」 の文字が繰り返し点滅していた。
何だかか焦っているようだ。
「ブオォォォン、ブロロロロォォォォォン!!!」
激しくタイヤを空転させるたび、砂に足をとられていく。
アル 「・・・・・・・・・・」
姫子 「ちょっと、アル、ほっときなって!」
アルは、無言で野バスの後ろにフリフリをまわすと、後ろからそっと押し出した。
「ゴツン☆」
「ブォーン、ブォーン、ブロロロロ~」
野バスは、脱出に成功した。
そして。おもむろに Uターン♪
「ブロロロロ、ブロロロロ~、キキー!」
フリフリと野バスは至近距離で向かい合って停車している。
アル 「ハハハ、律儀に『ありがとう』って言ってるのかな♪」
姫子 「いーや、どう見ても違うだろ!」
クラクション 「ブブブブブブブブーーーーー!!!」
「ガシャーーーン!!!」
アル 「うわっ! ・・・・・」
姫子 「やっぱり」
姫子は頭を抱えていた。
野バスは、ゼロ距離体当たりをかまして、猛スピードで走り去っていった。
アル 「あー、びっくりした!」
姫子 「まー、らし一っちゃ、らしいけどね・・・・・」
かなた 「あのぐらいの体当たりじゃびくともしないんだし、悪いことをしたわけじゃないんだからいいじゃないですか♪」
メギ 「・・・・・・・・・・」
姫子 「それで、ニコラ ここからどうやって進むのさ!」
視界は良好とはいえないが、見渡す限り砂漠、眼前には断崖、それらしい道は無い。
ニコラ 「ハハハ、この駅の下に変わった奴らがいるんだ、ハハハハハ♪」
無人運行バス 「さ 540629」
業務日誌、○月☓日更新
今日、駅前停留所でスタックした、路面状況は悪化する一方だ。
再三にわたる管理部への報告にもかかわらず、改善される気配は無い。
管理部で何かあったのだろうか?
そして、今日も利用者はゼロだった・・・・・
今日の利用者 「ゼロ」
今日の事故 「イチ」