メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界 作:KR410
ここの「タイシャー」の町には、こんな終末伝承が残っている。
世界の終わる、そのときも
信じる者だけ、救われた
戦神様は、町救い
お礼にみんなでおだいじん
それ、賽銭箱に投げ捨てろ
みんなで捨てれば恐くない
みんなで捨てなきゃ見捨てられ
有り金はたけば命買え
それでつなげりゃ儲けもん
ありがたや、ありがたや
さあ、行こう、お参りだ
地獄の極楽、天神様に
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神主 「私には、『天神山』の声が聞こえるのです!」
神主 「新しい戦神様が、この大地より生まれいずると!」
神主 「そのためには、この古い先人様にはどうしても旅に出てもらわなければならないのですよ]
かなた 「・・・・・?」
ニコライ 「・・・・・・・・・・」
ニコライ 「こっちも一応、神様なのでしょう?」
神主 「それはそうなのですが」
神主 「その戦神様は、本物を模して作られた2代目なのです」
神主 「本物の戦神様は、世界の終わりの戦争の時にいなくなられたそうでしてね」
ニコライ 「なるほど、レプリカですか」
ニコライ 「(世界の終わりの戦争? 大破壊の事か? まさかな・・・・・)」
神主 「戦神様が不在になると、『天神様』にお参りする人が減りました」
神主 「そのために、ご先祖様(祖父)はこの『ありがたい、ありがたい』2代目をお建てになりました」
神主 「そして、別のご先祖様(父)は、世界の平和を願い、大きな賽銭箱を改築なさったそうです」
メギ 「・・・・・」
ニコライ 「別に、町の人に隠さなくったって、理由を言って撤去すればいいだけじゃないんです?」
神主 「バカなことをおっしゃいますな!」
神主 「そんな事をして御覧なさい、お賽銭が減ってしまうではありませんか!」
ニコライ 「・・・・・」
しかし、その言葉に、お金に執着するものの雰囲気は無い。
詐欺師まがいの言動を胸を張って主張する彼からは、すがすがしささえ感じるほどだ。
神主さんは、賽銭の額を信仰の対象のバロメーターにでもしているのだろうか?
神主さんとの会話から、おおよそ、裏事情が見えてきたニコライ。
彼の親と祖父は、どうやらそうとうガメツイ人間だったらしい。
この一族は、代々、戦神様の伝説を使って、詐欺まがいの商売をしているようだ。
だが、この神主に、守銭奴の雰囲気は無い。
世間知らずで、単純にお金の価値を知らないだけのようだった。
はっきり言って、この世界では奇跡の人間である。
さすが、職業「神様系」だけの事はあった。
しかも、嘘から出た真(まこと)。
真偽のほどは、確かではないが、この神主は神通力を持つと言う。
ニコライ 「依頼主さん、あんた、お金は何に使ってるんだ?」
とても素朴な疑問がわいた。
神主 「・・・・・、お金ですか?」
神主 「そうですね、あまり、お金は使うことが無いのですが・・・・・」
神主 「ですが、町の平和、世界の平和のために、『ありがたい』お賽銭から少しだけ頂いて、善意の活動に寄付をさせていただいております」
ニコライ 「・・・・・」
今回の破格の報酬からして、この人の少しだけが少しであるはずが無かった。
メギ 「きふ? ニコラ、キフ ってどうゆう意味?」
ニコライ 「うーん、どう言ったらいいかな・・・・・」
そう言った、社会的通念が無いこの世界では、説明するのがとても難しい。
神主 「見返りを求めずに、有意義な活動に対して資金などを援助する、社会貢献のことですよ」
メギ 「・・・・・、よくわからないけど、お金を貢がされるってこと? それじゃー「ハッピー教団」じゃないの」
(☆ 元トレーダーのメギは、マニアックな悪徳商法の情報として、この教団の名を知っているだけです)
かなた 「ニコラ、シャカイコウケン って?」
ニコライ 「うーん、そうだなー・・・・・」
寄付に同じく♪
神主 「人間全てに益もたらすような善良な行動に対して、私心を超えて参加することですよ」
かなた 「ししんを超えて? 他人のためにって事ですか? 人の利益が一致するはずが無いよー!」
有意義な活動だとか、善良な行動だとか、人間全てにもたらされる利益だとか、なんだか地球を救済しそうな勢いだ。
そんな新興宗教の誘い文句のような言葉を聞いても、斜めに傾いた世界でまっすぐに生きてきた少年少女には、ニュアンスすらも伝わらない。
ニコライ 「ようするにな、通常のアルを3倍お人よしにして、超めんどくさくなった感じって言ったら伝わるか?」
メギ 「・・・・・・・・・・」
かなた 「・・・・・それは、大事(おおごと)だよね!!!」
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アル 「ヘックシ!」
姫子 「どしたの?」
アル 「・・・・・」
アル 「いや、ほんと寒い場所だな、ここは」
二人は、天神山の麓の町「タイシャー」で補給と情報収集を続けていた。
車載装備屋のおやじ 「だいじょぶかい? こんな、あったかいうちから風邪なんてひいてちゃ、笑われちまうよ」
アル 「あ、あったかい・・・・・」
姫子 「2度だよ・・・・・」
元々、常識なんてものをそんなに当てにしてない二人だが、それでも最低限存在する常識すらも、ことごとく通用しない町だった。
おやじ 「それで、何を見たいんだね?」
アル 「燃料と弾薬の補給、それに食料と水、医薬品の仕入先を紹介して欲しいんだが?」
おやじ 「そのリストを見せてくれよ」
アルは、カンパニー「フリフリ」の補給品リストを店主に手渡した。
おやじ 「ふんふん、あんたたち、旅人だね、この量はカンパニーかい?」
アル 「ああ、かなり遠くから旅してきたんだ、この町には着いたばかりでね」
おやじ 「弾薬以外はすぐに仕入れてきてやろう、安くしとくから一括で手配させてくれよ」
姫子 「弾薬は?」
おやじ 「すまないが、手に入らないんだ、この町では」
アル 「どうゆうことだよ?」
おやじ 「簡単な話さ、商売にならないから置いてないんだ」
アル 「そんなはずは無いだろ。 この町にだってオフィスがあるって事は、ハンター達もたくさんいるだろ?」
おやじ 「まあ、説明するより、うちの商品を見てみなよ」
姫子 「・・・・・?」
アル 「!? まじかよ!」
アルは、目を丸くしてい驚いた。
姫子 「どうしたのよ、何かあるの? 確かに変わった装備が多いけど」
商品のカタログやチラシに目を通すと・・・・・
アル 「冗談だろ? 接近戦用の装備しか置いてないのか?」
姫子 「・・・・・、ほんとだ! 使えそうなのは、鉄球とドリルだけじゃない」
姫子がよくよくカタログに目を通すと、ドリルに鉄球、艦首に装備するバケットや刃物、それで格闘戦でもするのか?とゆうような腕、挙句には、ヒレやツノまで。
あの、神輿戦車にこれらの装備が載るかと思うと、敵味方識別はどうすればいいんだか・・・・・。
とても、悩ましい二人だった。
おやじ 「わかっただろ、ここいらのハンター達は飛び道具は使わねーのよ!」
姫子 「これで、どうやって戦うの? 支援攻撃とか、対空攻撃は?」
おやじ 「個人装備にも優秀なものがあるからな、砲撃戦はソルジャーに任せたほうが効率がいいだろ!」
姫子 「(そんな戦闘理論は聞いたこと無いけどね・・・・・)」
おやじ 「戦車は、なんてったって、一発大穴狙いよ! そうだろーが、にーちゃん!」
アル 「そうか?」
おやじ 「想像してみなよ、このでっかいドリルがお尋ね者のドテッパラに大穴あけるとこをよ!」
アル 「おぉぉぉぉ! そーだな! そーだよな!!! やっぱり♪」
おやじ 「さすが、にーちゃん、ただものじゃねーと思ってたんだ!」
おやじ 「そんならよ、この超伝導二重反転式ツインドリル『AUNーⅨ』なんかどうだい、威力は折り紙付きだぜ!」
アル 「すげーな! かっこいいな! ロマンだな! それ」
姫子・叫 「アルーッ!!!」
アル 「ん?」
店主の熱気に当てられて、だんだんおかしくなってきたアル。
このままでは、「フリフリ」の甲板にキュートな鉄球達が並ぶか、ワイルドなドリル機関車になるか・・・・・。
どっちにしても、メギの激怒する姿が目に浮かぶようだ。
姫子 「今のあたし達に、そんな無駄な物を買うお金は無いだろ!」
アル 「・・・・・」
アル 「おっと、いけね! おやじさん、ドリルはまた今度な!」
おやじ 「そうか? 残念だな、にーちゃんは、ドリルが似合う男だと思うんだけどなー・・・・・」
アル 「おやっさん・・・・・♪」
姫子 「ま・た・こ・ん・ど!!! おやっさん❤」
姫子は、ニッコリ凄んだ。
おやじ 「ハハハ、わかった、わかったよ」
姫子 「その代わりにね、 補給は一括でお願いしてあげる、相場なら値引きもいらない」
おやじ 「ほほ~、なかなか話のわかるねーちゃんじゃねーか♪ それで、条件があるんだろ?」
姫子 「フフフ♪ おやっさんもわかってるじゃん!」
姫子 「商品は、正規のルートで仕入れる事と、おやっさんが直接 目を通すこと! それだけ」
おやじ 「ほー、それだけか? なんだ、もっと無理な注文つけてくるかと思ってたのに。そんなモンお安い御用だ」
姫子 「そうでしょ♪ それじゃー、もう一つ、簡単なお願いがあるんだけど、聞いてくれないかな❤」
おやじ 「・・・・・、ハハッ、そうきたか♪」
アル 「・・・・・・・・・・」
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ガレリア お尋ね者の日常
第6話 3つのカンパニー
「ブロント」のはるか天空に出現した星。
人類陣営最大の軍事組織、「ハンターオフィス」が誇る局地殲滅兵器である。
宇宙での活動も、宇宙に到達する技術も失われて久しい世界だが、そんな宇宙空間にも二つの勢力がこっそりと潜んでいた。
「シードN」と、今は「ハット商会」と名乗る謎のオフィスに協力する組織である。
「シードN」、「ハット商会」、「オフィス」は、それぞれこの世界の真実に近い情報をかなり正確に把握しているのだが・・・・・
はたして、何をたくらんでいるのか?
そして、カンパニー「ガレリア」はこのビッグスリーから、大きな関心を寄せられていた。
「ブロント」の出現は、世界を揺るがす大事件のトリガーになるのだろうか?
勇者の決断しだいでは、人類の敵にも見方にもなりうる危険な綱渡りを続けている、10万トンの「無敵戦車」と「ガレリア」の一同。
その第一艦橋には、彼らの幸せそうな歌声が楽しそうに響き渡っていた♪