メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

48 / 80
突如街を襲った大災厄、ハリケーン「バトー」が去っていく。

その光景を目撃した人は、少なくないらしい。

あの戦闘は、「天神様」伝説の一つとして語り継がれるのだろうか?

 「知ってるか? 戦神様が、ダイダロスと戦ったらしいぜ!」
 「戦神様が!?」
 「街を襲うミサイル! 絶体絶命のタイシャー! その時!!! 戦神様の目が光り、迫り来る悪意を燃えるような神の雷(いかずち)でなぎ払ったそうだ!!!」
 「へー!」
 「襲い来るダイダロスに、戦神ハンマーを振りかざし、戦神ドリルで応戦する戦神様! それは激しい戦闘だった!」
 「ほー!」
 「しかしヤツの強さも尋常ではない! 勝負は膠着し、劣勢で迎えた戦闘13日目、ダイダロス懇親の右ストレートが戦神様に迫る!!!」
 「わー! ・・・・・、ボクシング?」
 「すでに、戦神様にそれを回避する余力は残っていない!!!」
 「えー!」
 「そこで戦神様は、街を守るため、やむなく、渾身捨て身のクロスカウンタードリルを放った!!!」
 「うおぉー!」
 「とてつもないカウンターは、ダイダロスを粉砕!!!  撃退には成功したんだが、まともに攻撃を受け止めた戦神様だ!」
 「うんうん!」
 「ついには相打ちで力尽き、そのまま天に帰られたんだってよ」
 「そうなのか・・・・・、 戦神様は、ほんとに戦神様だったんだなー・・・・・」
 「ちくしょー、こんな事なら、お賽銭をケチるんじゃなかったぜー」
  「・・・・・・・・・・」
 「・・・・・あれ? ヤツが来たのって昨日じゃなかったっけ?」


第42話   伝説の当事者達

事実(客観)と真実(主観)は、別物だ。

より近い、同じ経験をした当事者達でさえ、真実はまったく異なっていた。

人が互いを理解しあうのは、とても難しい・・・・・

 

 

バトー 「たーかが500トン、ボクの戦車で運べないだとー!!!」

サースデー 「補助推進機破損、重量オーバーです、ロボを捨てて下さい」

アル 「博士! ありがとう、ここまでで十分だ! もういいからロボを捨ててくれ」

バトー 「せっかく拾った鉄くず500トンだよ! テストを放棄してまで拾った500トンだよ! ボクとボケナス達との友情の証、500トンなんだよー!!!」

 

「グラマーダロス(バトー6号)」は、軽く自走不能に陥っていた。

 

----------

 

 メギ 「ねー、『ダイダロス』の反応が消えたけど・・・、 どうしたの?」

スリー 「なぜか知らねーけど、機関完全停止したみたい」

 メギ 「完全停止? ダロスが? モンスターも、休憩とかするのかなー?」

ニコライ 「まあ、夜だからなー」

スリー 「そうか、ダイダロスも眠たかったのかー! それで不機嫌だったのか?」

 メギ 「・・・・・」

 

昔の彼女なら、激しくツッコミを入れてるトコだが・・・・・

もしかしたら、そんなこともあるかもしれない、と少なからず思うメギだった。

ニコラの影響で・・・・・

 

スリー 「おお!!! 何してんだ、アイツ・・・・・?」

 メギ 「なに?」

スリー 「かなたー!!!」

 メギ 「え?」

 

----------

 

停止した「グラマーダロス」に追いついた かなた。

車外で、姫子が待っていた。

 

 かなた 「どうしちゃったの、 壊れた?」

姫子 「重量オーバーだってさー」

 かなた 「ふーん、あのロボ、そうとう重そうだもんねー」

姫子 「だけど、これで今回の仕事も無事終了だよ♪」

 かなた 「無事じゃなかったでしょー! もー!!!」

姫子 「まあまあ、みんな無事だったんだから、良しとしようよ♪」

 かなた 「だから言ったのに、ほんとにもー」

 

何とか、死者は出ていない。

たぶん、オフィスにも「フリフリ」の関与はバレて無い。

姫子の中では無事終了だった。

 

街は損壊多数、負傷者も多数、救助で知り合った熱い漢たちの事もあって、かなたはちょっと怒っていた。

無事終了だと言う姫子の事も。

 

 かなた 「姫子さん! いつもいっつも結果オーライじゃー、次は俺たちが「ガレリア」だよ!!!」

姫子 「ガレリアのみんな、元気でやってるかな?」

 かなた 「姫子さん!!!」

姫子 「はーい、 ごめんなさーい」

 かなた 「まじめに聞いてよ!!! 神輿ハンターのおじさんね、良い人達だったんだよ!!!」

姫子 「そうなんだ、それは確かに悪いことをしたね・・・・・」

 かなた 「・・・・・」

姫子 「・・・・・」

 

「ダイダロス」が、右腕で40mオーバーの超合金ロボを担ぐポーズのまま、停車する姿を前に、真面目なお説教をする かなただった。

その、おかしな光景の中で、かなたのお説教はしばらく続く。

 

 

バトー戦車の甲板では、博士とアル、サースデーが、復旧作業に取り掛かっていた。

 

バトー 「そこの、4番と5番コンテナを開けてくれないか?」

アル 「どうやって?」

バトー 「ヒッヒッヒ♪ キミはほんとにカワイイやつだね♪」

アル 「・・・・・?」

バトー 「このグリップを右に回して引く! 簡単だよ、引くを忘れないでね」

アル 「こうか?」

 

 「ガゴォォォォォォォォン!!!」

 「ゴオォォォォォォォン!!!」 

 「ゴンゴロゴォォォン!!!

 「ボトッ!!!」

 

アル 「ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

大型のSEが無造作に転げ落ちた。

 

アル 「わわわわわ、博士ー、すまねー!!!」

バトー 「なにが?」

アル 「壊しちまったー!!!」

バトー 「それのことかい?」

 

博士もコンテナのグリップを回して引いた。

すると!

 

 「ゴンゴロゴォォォン!!!

 「ボトッ!!!」

 

アル 「おわあああああ!!!!! ちょ、ちょっと、博士ー!!!」

バトー 「うるさいなー!!! しょうがないだろう! 何かを捨てなくちゃ走れないことぐらい、解かるよね?」

サースデー 「博士、砲弾の投棄完了しました」

バトー 「こっちも、迎撃装置を捨て終わったところだよ」

アル 「へ! なにー! あの迎撃装置を捨てたってぇぇぇぇぇ!!!」

 

バトーが捨てたのは、彼の20年分の夢と人生、それに重量45トンの『炎熱マルコシアス(セパレートタイプ)』だった。

それを、えらい簡単なアクションで、ためらい無く捨てる博士。

 

バトー 「どうしたんだい、さっきから大きな声を出して?」

アル 「いやいや、だって、アレ、あの、それ!」

バトー 「落ち着きたまえ、ほら」

アル 「フー、ハー、フー、フー(深呼吸)」

アル 「それ、アレだろ! あの迎撃ビーム兵器なんだろー!!!」

バトー 「どのビーム兵器のことを言ってるかは知らないけど、さっきテストで使った試作型迎撃装置の『マルコ』だよ」

アル 「だから、それじゃねーかー!!! やっぱりー!!!」

アル 「いいのかよ! そんな凄い兵器を捨てちまっても?」

バトー 「だから、重量オーバーで走れないんだって! 仕方ないだろー」

アル 「いやいやいやいや、そうじゃなくってね」

サースデー 「完全ではないですが、データの収集も出来ましたので、投棄には問題ありませんが?」

アル 「いやいやいやいや」

 

アルは、パニックった。

試作型とは言え、こんな凄い装置を平然と捨てるバトー博士。

その道のトレーダーに売れば、未完成でもそれなりの金額になりそうな迎撃装置。

まして、試作型とは言え、完成品をポイ捨てしたー!!!

アホな鉄くず(ポンコツロボ)のために!

 

アル 「・・・・・」

アル 「ほんとにいらないんなら、貰っていい?」

バトー 「良いよー、ねー?」

サースデー 「問題ないです」

アル 「・・・・・」

バトー 「それじゃー、帰ろうか♪」

サースデー 「はい、バトー博士」

 

 

かなたに叱られて、しゅん、としている姫子。

そこに、呆然と、フラフラ、ヨタヨタと、アルがやってきた。

 

かなた 「もー! アルもアルだよ!!! ちゃんとやってよねー!!!!!」

かなた 「街もメチャクチャだったんだよー!!!」

かなた 「・・・・・」

かなた 「アル?」

姫子 「どうした? アルも叱られて落ち込んだ?」

 アル 「信じらんねー・・・・・」

姫子 「何が?」

 アル 「ありえねー・・・・・」

姫子 「かなたの説教?」

かなた 「・・・・・」

 

 「グオオオオオォォォォォォォォォォンンン! ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!」

 「オオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

呆然とするアルのそばで、バトー戦車のエンジンが始動した。

 

----------

 

スリー 「ヤベー! 息を吹き返しやがった!」

 メギ 「3人がいるって、間違いないの!」

ニコライ 「こりゃー、グダグダやってる場合じゃねーぞ! 主砲、鉄鋼弾装填!!!」

 

----------

 

サースデー 「博士、彼です」

バトー 「え? 戻ってきたの?」

サースデー 「信じられないスピードでこちらに突っ込んできます」

バトー 「サースデー、記録開始♪ 実験を再開しようか♪」

サースデー 「『マルコ』と砲弾を捨ててしまいました」

バトー 「誰が?」

バトー 「・・・・・」

バトー 「ゴルゴ、『レーザーゴーゴン』は!!!」

警報 「ビィィィィィィィィィィ!!!」

 

サースデーは、横に首を振りながら冷静に続けた。

サースデー 「目標が射撃開始! 着弾まで6秒」

バトー 「補助推進器全開だぁぁぁぁぁ!!! 緊急回避ー!!!」

 

 「グワアァァァァァァァァァァァァァ!!! ブワァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!」

 

補助推進器が、車体下の地面を弾き飛ばし、爆風と爆発した地面が3人を襲う。

かなた 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

姫子・叫 「ふせろぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!!」

アル 「は!? うわ! なんだぁぁぁぁぁ!!!」

 

そして!!!

 

 「キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンンン!!!!!」

 

  「キュゥゥゥゥンンン! キュゥゥゥゥンンン! キュゥゥゥゥンンン!」

 「ガァァァァァァン! チュドォォォォォン!!! ドドドォォォォォォンンン!!!」

 

バトー 「スモーク射出ー! 砂煙全開! にぃぃぃげろぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

----------

 

 メギ 「当たった? 当たってる! いける! いけるわ!!!」

ニコライ 「・・・・・」

ニコライ 「いや・・・・・、無理だ。 急襲して引くぞ!」

 メギ 「どうして? 迎撃装置は沈黙してるのよ! 寝ぼけてる今がチャンスでしょ!」

ニコライ 「今は言う通りにしろって!」

 

スリー 「・・・・・」

 

 メギ 「あれ? モニターが・・・・・、まさか!」

 メギ 「うちの寝ぼすけも沈黙しちゃったの・・・・・」

スリー 「・・・・・」

 メギ・叫 「スリイイイィィィィィーーー!!!」

 

スリー 「・・・・・クー、スピー、むにゃむにゃ」

 

----------

 

 「ドドォォォォォンンン!!! バァァァァァンンン!!!」

 「キュゥゥゥゥンンン! バガァァァァァンンン!!! ガァァァァァァンンン !!!」

 

バトー 「退避!退避ーーー!!!」

 

 「チュドォォォォォンンン!!! ドォォォォォンンン!!!]

 

攻撃兵装を放棄し、防御兵装をポイ捨てする、豪胆な老人が大慌てで撤退して行く。

そして、入れ違いでスリーが滑り込んできた。

 

 「ギャギャギャギャギャギャギャリギャリギャリギャリギャギャァァァァァ!!!」

 「ガガガガガァァァァァァァァ!!! ザザザザザァァァァァァァァァ!!!」

 

ガチャン☆ と天井のハッチが開きメギが這い出てきた!

 

メギ 「3人とも無事!!!」

 アル 「・・・・・」

 姫子 「・・・・・」

 

 かなた 「・・・・・さっきまでは、ね」

 

3人は、しばらくの爆裂大熱風にさらされ、こんがりまっくろんぼの大アフロ。

どう見ても、作戦失敗の姿をした3人組だが・・・・・

どうにかこうにか、今回も依頼をこなしたのだった。

 

 

 かなた 「ケホケホ」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。