メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界 作:KR410
所在、人員構成、保有戦力、目的どころか、その存在自体が完全に秘匿されている。
技術員 「ポリタンクがあと1200個必要です」
議長 「それじゃー、来週のターゲットはポリタン系で決まりだね」
技術員 「ありがとうございます」
議長 「えーっと、次の議題はなんだっけ?」
秘書 「有害ニンゲンの処分についてです」
議長 「ふー・・・・・(困)、今週は何人だ」
秘書 「237人ですね」
議長 「また・・・・・、多いな~、素直に人生やってりゃいいものを・・・・・」
オブザーバー 「それでは皆さん、こちらをご覧ください」
うんたらかんたら・・・・・・・・・
ワーワーギャーギャー・・・
パチパチパチ・・・
オブ 「では、『ブラウン・アミーゴと愉快な中間達』は「お尋ね者」指定と言うことでよろしいですね」
幹部A 「いーいでーす♪」
会場 「パチパチパチ」
オブ 「では、最後に ちょっと気になる、あのコーナーです」
オブ 「今週のホットなターゲットは、彼ら5人。 手元の資料をご覧ください」
議長 「フムフム、う~ん、なるほどねー、確かにヤンチャだが、オフィスに敵対するほどの意思も実力も無いようだけど?」
幹部A 「そうですなー、この程度のカンパニー崩れは、各地のフロンティアにいくらでもいますからなー」
オブ 「ですが、8項目目の将来性をご覧ください」
幹部B 「ほー、自力で大陸を渡る力を持っているのか!」
幹部A 「確かに! いろいろと厄介な事件に首を突っ込んでるようですなー」
幹部C 「この、超極秘事件への関与とは何かね?」
オブ 「先日のガレリアの一件です。 彼らとは、組織は違いますが、それの中心的な活動メンバーだったそうなのです」
幹部C 「なんだと! それじゃー、『クロ』とも接触があるのか!」
オブ 「それだけではなく、『シードN』、『鉄の穴』、『虎』、『鉄道組合』、それに未確認ですが、あの『ドク有連』の「ミンチ」や「バトー」とも接触があるとの報告が上がってます」
幹部C 「おのれー! やはり生きていたか! あの有毒クソジジーども!!!」
幹部A 「なんと危険な! 反逆の意思があるとしか思えませんな!!!」
議長 「これは、ちょっと見逃せないね。 監視部隊の派遣も検討が必要なようだ」
天神山の山頂。
バラバラになった鳥居の赤い丸太が転がっている。
それに座る、神主さんとニコラ以外の「フリフリ」の一同。
神主 「どうなされたのですか? その頭は?」
姫子 「アハハハハ、昨日の戦闘でちょっとね」
神主 「それはそれは、大変でしたね」
アル 「ここも酷くやられましたね・・・・・」
神主 「そうでもないですよ。幸い、本殿は無事ですし、戦神様も無事、旅立たれましたしね」
アル 「・・・・・」
姫子 「それで、依頼の半金のことなんですけどね」
神主 「そうですか、依頼を失敗されたので、辞退したいと?」
姫子 「あれ? 何でそうなる・・・・・?」
かなた! 「うわあっ!!!」
メギ! 「姫子さーん!!!」
アル 「なんだ???」
姫子 「なんだろ?」
神主 「どうかなされましたか?」
メギ 「いえいえ、こっちの話ですので♪ ホホホホホ♪」
かなたが、アルと姫子を引きずり、アフロ3人がその場から立ち去って行く。
姫子 「どしたの、かなた?」
かなた 「交渉はメギに任せて、ね、ね♪ とりあえず席を外そう!」
アル 「何でよ?」
かなた 「いいから!!!」
姫子 「・・・・・、あー、そっか!!!」
かなた 「そうなんだって!」
アル 「・・・・・何が?」
3人は、参道の階段口までやってきた。
雪の残る緑の山に、昨日吹き荒れたハリケーン6号(バトー戦車6号)の傷跡が生々しい。
階段は原型を残さないぐらいにグチャグチャ、頂上ではバトー戦車が駈けずりまわった道が激しく地面を掘り返している。
ここからでは見えないが、ふもとでは参道沿いの建物がどうなってることやら・・・・・
姫子 「さすがに、お金をくれとは言えないよね・・・・・」
アル 「それでも、報告はちゃんとするべきだぞ!」
かなた 「ダメだよ! 絶ー対、ダメだからねー!!!」
アル 「・・・・・?」
姫子 「神様を運んだのは誰よ?」
アル 「バトー博士だろ・・・・・」
アル 「・・・・・」
アル 「確かにまずいな」
かなた 「だから、やめた方がいいって言ったじゃん・・・・・」
ロボを動かすには、あの方法しか無かったのは確かだが、かなたが言った通り、やっぱり大変なことになった。
うっかり、バトー戦車で運ばせたのが「フリフリ」だと喋ったら、莫大な損害賠償が街やハンターたちから来るところだった。
さらに、誤解が解けなければ、指名手配される事も疑いようが無い!!!
アル 「またやっちまった~・・・・・」
姫子 「ドンマーイ♪♪♪」
かなた 「またって何?・・・・・」
しばらくして、メギが嬉しそうに走ってくる。
いつもの格好で、ピョンピョン跳ねながら、手をブンブン振り回しながら♪
そして、「ガシャガシャ」言わせながら。
メギ 「ひゃほーい♪ だーいせーいこー♪♪♪ 交渉がまとまったよー」
姫子 「上機嫌じゃないの♪ どうなった?」
メギ 「残りの半金もふんだくってきた♪♪♪」
かなた 「ええ~~~!!!」
姫子 「アッハッハー♪ やるねー♪」
アル 「駄目だ駄目だ! 返してきなさい! そして、アレと俺たちは無関係だと言ってきなさい!」
メギ 「そんなヘマするわけ無いでしょ。 これでも、元トレーダーなんだから」
かなた 「元ってのが、余計に心配なんだよ~!」
メギ 「なにおー!!! 大体、この状況は誰のせいなのよ!!!」
かなた&アル 「うっ・・・・・・・・・・」
ごもっとも、それは確かにメギの言うとおり!
そもそも、大元の「スリー」の話をふったのは、かなただった。
姫子 「わかってるって♪ 男達はボンクラなんだから、お姉さんにだけ教えなって♪」
姫子 「でっ♪ でっ♪ どうやってふんだくったのかなー♪♪♪」
メギ 「それがね~♪♪♪」
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少し時間を巻き戻し♪
神主 「これも、戦神様の御利益ですかねー♪ いい伝説が出来上がりましてね」
神主 「ナンマンダブ、ナンマンダブ」
メギ 「・・・・・」
メギ 「その話、ずいぶん脚色してますよ、いいんですか?」
神主 「それが、私の仕事なのです」
メギ 「えっ? 仕事なんですか?」
神主 「御先祖様(祖父)は言っておられました。 みんなに都合の良い真実×3=それが伝説なのだと」
神主 「そして、神主とは伝説を作曲する匿名のアーチストなのだそうですよ」
メギ 「アーティストねー・・・・・」
メギは、柔らかく脚色と言葉を選んだが、戦神様にはドリルもハンマーも無かったし、そもそもまったく動かない ただの鉄くず のスクラップだった。
これでお賽銭を取るのだから、まるっきり詐欺だ!
そして、相変わらず、それはそう言うものだ! と清清しい声で言い切る神主さん。
メギ 「(まあ、人の事はいえないんだけどね)」
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アル 「確かに、俺たちも人の事は言えないよなー」
かなた 「依頼人さん、アーティストだったのかー」
姫子 「それで、肝心な「ふんだくる」は!」
メギ 「フッフッフ♪」
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再び、巻き戻しの続き♪
メギ 「その伝説の、目からビームの件(くだり)なんですが」
神主 「いえいえ、目が光って、ビームですよ。 目からビームではありません」
メギ 「それはどっちでもいいんです、この際は」
メギ 「依頼主さんも物書きなら知ってるでしょ、オリジナルとコピーの事」
神主 「はいはい、なるほど、元ネタに情報料が必要なのですか、ふ~む・・・・・」
神主 「・・・・・」
神主 「困りましたねー、わたくし、書き物は得意なのですが、そういった物の相場には、とんと疎いのです」
メギ 「そうですかー、困りましたね、あたしも情報は専門外なんです」
神主 「そうなんですか、弱りましたね」
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姫子 「専門外なの」
メギ 「フッフッフッフッフ♪」
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再々、続き♪
メギ 「それじゃー、残りの仕事料分、伝説の「ネタ」を提供しますからって事でどうでしょう?」
ダメもとで・・・、 ちょっとした思い付きで、提案してみた。
神主 「そうですねー、・・・・・」
神主 「ふむふむ・・・・・」
メギ 「(うーん、ダメだろーなー)」
神主 「なるほどなるほど・・・・・」
メギ 「(我ながら、おかしな条件を出したもんだよ)」
神主 「・・・・・」
メギ 「・・・・・」
神主 「いいですね、とりあえず、その「ネタ」を伺いましょうか♪」
メギ 「乗ってきたーーー!!!!!」
メギは、「情報」ではなく、話の「ネタ」と言ったはず。
そんなものを必要とするのは、酒場の酒の肴ぐらいしか聞いたことが無い。
もちろん、そんなものに、いくらも値が着くはずも無いのがこの世界。
そもそも、メギの言ったオリジナル、コピー、なんてこと自体、一般には廃れていて、一部のトレーダーや数少ない聞屋(ぶんや)、物書き系職業に名残りが残る程度。
それも、刃傷沙汰、強硬手段での解決が常套である。
だって、この世界でそんな職業に就く人達って・・・・・
神主 「それで、今日はどんな「ネタ」を持ってきたんだ?」
メギ 「あ、あれ? 口調が・・・・・」
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かなた 「なーんか、嘘くさいな~」
アル 「アレな職業の人でも手を出さない「ネタ」を買うって・・・・・」
姫子 「でっ♪ でっ♪ でっ♪」
メギ 「フハハハハハハハ♪」
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続続、またまた♪
メギ 「これはどうかな、 ・・・・・・・・・それで渡れるようになったんだって!」
神主 「いまいちだね、60Gだな」
メギ 「今度はね、 ・・・・・・・・・・って言う、無敵狂人大胆ゴローの話♪」
神主 「それはなかなか良い、400Gだ」
依頼の半金には程遠いが、くずネタが金になる♪
当面の趣旨とは異なっているが、メギは楽しくってしょうがなかった。
まったく常識の通じない世界から来たわけだから、逆に手持ちの「ネタ」には事欠かない♪
メギ 「それじゃー、次。 昨日の事件の裏側で起こったこんな話はいかが?」
神主 「よし、1000G!」
メギ 「えっ? 内容を聞かなくて良いんですか?」
神主 「今週は、あの事件のキャンペーン中なんだ」
メギは、ピーンときた!
そこは、元トレーダーの彼女。 なんだか、お金になりそうだ♪
メギ 「それでは先ず、その1000Gは、目からビームの代金にしましょう」
神主 「だから、目が光ってからビームだって!」
神主 「だが、まあいいだろう」
メギ 「ありがと♪ それで、その1000Gはサービスにしときます♪」
神主 「ほー!」
メギ 「その代わりね、ここには「少年兵の伝説」があるでしょ、 それ関係のすっごいネタがあるんだけどな~❤」
神主 「ムホホ~~~♪♪♪ それはいくらだ~!!!」
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アル 「依頼主さんがそんな事を・・・・・、 ちょっと信じらんねー」
かなた 「だよねー」
メギ 「フッフッフ♪♪♪」
メギが不適に笑い続けている、この話は本当なのか?
そして、メギはその場でピョコンと跳ねた。
「シャーン♪ ジャラジャラジャラ♪」
アル&かなた 「!?」
姫子 「メギちゃん! それって!!!」
メギ 「だからー、フッフッフッフッフ♪♪♪」
メギの、行軍マントの下のリュックが、心地の良い、とても重そうな音を立てた!
かなた 「ほ、ほんとーにふんだくってきたー!!!」
姫子 「すっごーい♪」
アル 「あんな、くず情報でか?」
メギ 「フワーッハッハッハ!!!」
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続続続♪
メギ 「あの、街を救った勇敢な少年兵の伝説を彷彿とさせる逸話がね、昨日、起こってたんですよー❤」
神主 「それは?」
メギ 「タイシャーの街を救った影の英雄達、漢ハンターチーム」
メギ 「その彼らのピンチに、どこからともなく突如現れ、窮地から救い出し、反撃の足がかりを作り出した少年、その名を「かなた」!!!」
神主 「ホントだな! それはホントの話なんだなーーー!!!」
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姫子 「少年兵の伝説? 何それ」
メギ 「タイシャーに伝わる、御伽噺ですよ。 大破壊時代に活躍した少年の物語」
姫子 「ふーん、よく知ってたね」
メギ 「いや、何となく かなたの話を聞いてたから、少し調べておいたの♪」
元トレーダーの習慣、職業病だろうか?
とにかく、気になる情報、手に入る情報は、調べずにはいられないメギだった。
メギ 「それから、コツコツと値踏み合戦が始まった♪ 情報を小出しにすること1時間! いやー、激しい戦いだったわー」
メギ 「小出しの情報から話を盛っては、リアリティーの出る表現を探し、あーでもないこーでもない」
メギ 「そして完成していく伝説に、適正に値段をつけていく作業」
メギ 「そして、ついに! あたしの頭の中のネタが尽きたそのとき!」
メギ 「あるときは他のネタから、あるときはどこかで聞いたネタから、そしてあるときは空想から」
かなた 「・・・・・」
メギ 「伝説が完成するにつれ、積みあがっていく代金! いやー、実に激しい戦いだった」
メギ 「そして、完成した『新・少年兵伝説』、そして積みあがった代金1万ゴールド」
かなた 「それ、俺の話でしょ、 ただ、救助を手伝っただけだよ・・・・・」
メギ 「いいの、話を盛り上げる演出よ♪ 完全な嘘は無いから♪」
姫子 「1万じゃ、半金には足りないわよ?」
アル 「・・・・・」
アル 「まだ、何かやったのか・・・・・」
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さらに続き♪
神主 「それで、代金はいくらになった?」
メギ 「えーと、しめて 14290G ね♪」
メギ 「伝説に関係ない 1850G は、貸しにしとくわ♪」
神主 「気前がいいな、気に入ったよ」
メギは、メモ帳を片手に細かく計算していた。
神主 「わかった、賽銭箱から持っていっていいぞ」
メギ 「いえいえ、伝説は真実の3倍なんでしょ❤」
神主 「あ・・・、ああ・・・・・」
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姫子 「それでほんとに、3倍巻き上げて来ちゃったの!」
アル 「ちょっと、やりすぎだろ・・・・・」
メギ 「伝説作りには協力したし、依頼主さんには言えないけど、ちゃんと依頼はこなしてるし、詐欺ではないでしょ」
かなた 「・・・・・」
かなた 「殴り倒して、強奪したんじゃないよね・・・・・」
メギ 「そんなこと、あたしに出来る分けないでしょ!!!」
かなた 「・・・・・」
メギ 「そうそう、かなたにもプレゼントがあるよ♪」
かなた 「プレゼント?」
メギ 「かなたの銅像を作るんだって、後で依頼主さんのとこに行くよ♪」
かなた 「銅像? なんで?」
メギ 「それはね♪♪♪」
かなた 「うん」
メギ 「新しい神様は、キミだぁぁぁぁぁーーー!!!!!」
かなた 「ふーん・・・・・」
かなた 「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
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あとがき
ちなみに、1G は 1$ 的な雰囲気です。
価値観の基準は現在と大分違うので、あくまでも雰囲気です。