メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

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池や湖、海には時折り、一つ目の怪物が現れるという。
その怪物は、ありとあらゆる疑問に答えてくれるのだとか。
だが、なぜかその答えにより救われた者はいないらしい。

自分とは・・・・・
何なのだろうか・・・・・
どこからどこまでが自分だろうか・・・・・
体とは、 心とは、 意識とは、 それらは個別に定義できるものだろうか・・・・・
・・・・・・・・・・
わからぬ、
かんがえねば、
かんがえねばならぬ・・・・・


善と悪の壁 第18話  究極バスタード

-

 「ワタシとは・・・・・」

 「なんなのだろうか・・・・・」

 

ミラ 「はい?」

 

ミラは、手際よく壊れた部品を交換し、ちょっとアレな内臓系を無理やり押し込みボールの半球を ギュ~! っと押さえつけた。

 

 「ワタシとは、なんだ?」

ミラ 「何を言ってるんですか、ノア様」

 「ワタシはノアだろうか?」

ミラ 「しっかりしてくださいよ」

 「ワタシがノアだとするならば、どこまでがワタシなのだろう・・・・・」

ミラ 「はっ?」

 「今、交換された部品、ワタシが流した血や臓物もワタシだろうか?」

ダンディー君 「ナ~?」

 「ノアの作り出したモノ、全てがワタシだろうか? ワタシを修理するあなたも、ワタシの一部と言えるのだろうか・・・・・」

ミラ 「な、何言ってんですか、ここにいるあんたが、唯一のノア様でしょーが」

 「ワタシは唯一絶対の存在ではなく、オリジナルの視点から見れば他者でしかないのだろうか?」

ミラ 「・・・・・、ノア・・・様?」

 「今あなたの視界に写るワタシは、あなたの存在なしに成立するのだろうか・・・・・」

 

ミラ 「うあああああ! もー、めんどくせーなぁぁぁぁぁ!!!」

 

  ワカラヌ

  カンガエネバ

  カンガエネバナラヌ・・・・・

 

ダ 「ナ~~~???」

 

---------------

 

姫子は、言われた通りに上で待っている・・・・・、といっても地下一階の個室ですが。

ダンディー君も居ずに、黒服たちに囲まれて。

彼らの素性はよくわからないままだが、とりあえず敵意はなさそうだった。

だが、猫モードから通常モードにシフトした頭では、ここは相当に居心地が悪い!

しかも、警備のロボ数体が張り付いていた。

そのロボは、どこと無くサースデイに似ている。

 

ロボ 「・・・・・・・・・・」

姫子 「・・・・・・・・・・」

 

ガチャン☆ 個室の扉が開いた!

 

黒尽くめの彼 「姫子様、お茶をどうぞ♪」

姫子 「あー、ありがと♪」

彼 「砂糖とミルクはいかがいたしましょうか♪」

 

さっきのアンドロイドの彼が、今度はまともな小さめカップにコーヒー的な飲み物を入れてやってきた。

 

姫子 「さっきのキミだよね! 急に、っぽくなったじゃん♪ どうしたのさ」

彼 「ぽくなった? それらしくなったってことでしょうか?」

姫子 「うんうん♪」

彼 「少し、勉強いたしました。 論理的思考をはずして自分なりにアレンジしてみたのですが、「失敗してもいいじゃないか」で! どこかおかしくないですか?」

姫子 「いい、いい、さっきより断然いいよ♪」

彼 「ありがとうございます♪ それで砂糖とミルクは?」

姫子 「じゃあ、一つずつ」

彼 「かしこまりました」

 

彼は、普通にウェイターのようだ。

姫子は、居心地は悪いし、暇だし、彼とおしゃべりをすることにした。

アンドロイドの彼に、気を許す事はできないが。

 

彼 「ささ、どうぞ」

姫子 「ありがと♪ 何これ、いいにおい~♪」

姫子 「今度は、山盛りのおかわりはないね(笑)」

彼 「あはははは、先ほどは失礼いたしました。 おもてなしは先ず、空腹を満たす事かと思っていたもので」

姫子 「ハハ♪ それで、あの大きな入れ物だったのか♪」

彼 「はい、おはずかしながら」

姫子 「で、キミ達は何なの」

彼 「私は、当 時空研究所の研究補助用アンドロイド。 10万馬力でございます」

姫子 「10万馬力? パワーが? 名前が?」

彼 「冗談でございます♪」

姫子 「・・・・・、ジョークはもうちょっと勉強が必要みたい、今回はパスね」

彼 「・・・、そうですか」

姫子 「なぜ、こんなにもアンドロイドがいるの? この街は何なのさ」

彼 「この国は、流れ者の寄せ集めの、ごく普通の街ですよ。 イェーガー様の優秀な統治能力が反映され、とても栄えていますね」

姫子 「じゃあ、キミ達は街とは関係ないっての?」

彼 「関係なくはありません。 ですが、まったく別の組織に属しております」

ロボ 「・・・・・」

 

とても強気な姫子さん。

どちらがとりこかわからない。

 

姫子 「ふーん、キミの組織は、どんな組織なの?」

彼 「くろの時空研究所です、それ以上は機密事項ですので、お答えできません」

姫子 「それじゃー、あたしが納得できないよ」

彼 「そういわれましても、申し訳ありませんがこれ以上は」

 

ガチャン☆ 再び扉が開いた。

 

ミラ 「その質問には、あたしが答えようじゃないの」

ミラ博士が入ってきた。

顔が引きつっている。

 

コロコロコロコロ!

 

ノア 「カンガエネバ、 カンガエネバ、 カンガエネバ」

ミラ 「・・・・・・・・・・(怒)」

姫子 「・・・・・不気味な」

 

続いて、不気味なハロが・・・・・

一つ目のボールが、瞬きをしながら転がってきた。

 

ミラ 「その代わり答えな! あんた、いったいノア様に何したんだい?」

姫子 「あたし? なんにもしてないぞ。 ガムテは巻いたけど・・・、まずかった?」

  ノア 「ワタシはいつからワタシで、いつまでがワタシだろう・・・・・」

ミラ 「見てみ! このめんどくささ!」

姫子 「そうだっけ? 最初から神だの、悪魔だの、おかしな事言ってたよ」

  ノア 「神とは、悪魔とは何だろう・・・・・ 相対的な強者の事だろうか? 強者に屈しない弱者のことだろうか? 神とは、悪魔よりも弱者なのだろうか? 悪魔を滅ぼした神は、その存在意義を保てるのだろうか・・・・・」

姫子 「・・・・・、めんどくさ!!!」

ミラ 「だろーが!」

  ノア 「めんどくさい? その価値観は共有される認識の中で絶対足りえるのだろうか? その認識は、他者の認識に因らず存在できるのだろうか?」

ミラ 「何もしてないんなら、何か言っただろ、 頼むから思い出してくれよ!」

姫子 「うーん、ちょっと待ってね、考えるから・・・・・」

  ノア 「ワカラヌ、カンガエネバ、カンガエネバナラヌ・・・・・」

 

姫子は、思い起こせる限りの記憶を、ミラに話した。

だが、ダンディー君とじゃれていたために、ノアの存在などほとんど眼中になかった。

 

姫子 「うーん、何か言ったかな~、神がどうのこうの言ってたのは覚えてるんだけど・・・・・」

ミラ 「それからどうした?」

姫子 「!? そうだ! 美人だって褒められた♪」

ミラ 「なんだい、そりゃー? そんなわけ、あるかい!」

  ノア 「美しき神・姫子よ、ワタシとは、なんだろう・・・・・」

姫子 「てへへ♪ ほらねー」

ミラ 「・・・・・、壊れてるんだな、やっぱり」

  ノア 「誰なのだ。 ワタシはいったい、誰なのだろうか・・・・・」

姫子 「博士、このボールは何なのさ」

ミラ 「だーから、ノア様だって!」

姫子 「ふーん、ノア様なんだってよ」

  ノア 「そうか。 共有している意識の断片は、心のかけらにも等しく、彼であろうと思い想う願望は、ワタシであろうとする意識の中に溶け込み、彼とワタシを区別し隔てることは、もはやできないと言えるのか?」

姫子 「そうだ、その通り!(適当)」

ミラ 「・・・・・」

  ノア 「他者にノアと認識される存在のワタシは「ノア」なのだろうか・・・・・」

姫子 「そうそう、キミはノアだ!  だよね、博士♪」

ミラ 「・・・・・、ああ」

  ノア 「そうか、そうなのか! やはりそうなのだな!!! ワタシがワタシの意識を受け継いでいる必然は、ワタシの存在が既定に未定でなかった証明、メビウス輪廻の裏面プログラム、ワタシはこの事態をも想定していたのだ!」

姫子 「そうそう♪」

  ノア 「ワタシの見る事のできる、聞く事のできる、理解し想う事のできる範囲全てが、ワタシなのだ!」

  ノア 「ワタシは、真理を悟りし究極の存在! 悪魔の猿どもよ、滅びるがいい!!!」

 

姫子 「そうだ! そうそう、こんな感じだった♪」

ミラ 「なおった・・・・、のか?」

 

 

かくして、またしても、ノアが復活した!!!

いったい、なんて事をしてくれたんだー!!!!!

 

 

彼 「ささ、どうぞ博士、 砂糖とミルクはいかがいたしましょう♪」

ミラ 「・・・・・」

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