メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界 作:KR410
その怪物は、ありとあらゆる疑問に答えてくれるのだとか。
だが、なぜかその答えにより救われた者はいないらしい。
自分とは・・・・・
何なのだろうか・・・・・
どこからどこまでが自分だろうか・・・・・
体とは、 心とは、 意識とは、 それらは個別に定義できるものだろうか・・・・・
・・・・・・・・・・
わからぬ、
かんがえねば、
かんがえねばならぬ・・・・・
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「ワタシとは・・・・・」
「なんなのだろうか・・・・・」
ミラ 「はい?」
ミラは、手際よく壊れた部品を交換し、ちょっとアレな内臓系を無理やり押し込みボールの半球を ギュ~! っと押さえつけた。
「ワタシとは、なんだ?」
ミラ 「何を言ってるんですか、ノア様」
「ワタシはノアだろうか?」
ミラ 「しっかりしてくださいよ」
「ワタシがノアだとするならば、どこまでがワタシなのだろう・・・・・」
ミラ 「はっ?」
「今、交換された部品、ワタシが流した血や臓物もワタシだろうか?」
ダンディー君 「ナ~?」
「ノアの作り出したモノ、全てがワタシだろうか? ワタシを修理するあなたも、ワタシの一部と言えるのだろうか・・・・・」
ミラ 「な、何言ってんですか、ここにいるあんたが、唯一のノア様でしょーが」
「ワタシは唯一絶対の存在ではなく、オリジナルの視点から見れば他者でしかないのだろうか?」
ミラ 「・・・・・、ノア・・・様?」
「今あなたの視界に写るワタシは、あなたの存在なしに成立するのだろうか・・・・・」
ミラ 「うあああああ! もー、めんどくせーなぁぁぁぁぁ!!!」
ワカラヌ
カンガエネバ
カンガエネバナラヌ・・・・・
ダ 「ナ~~~???」
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姫子は、言われた通りに上で待っている・・・・・、といっても地下一階の個室ですが。
ダンディー君も居ずに、黒服たちに囲まれて。
彼らの素性はよくわからないままだが、とりあえず敵意はなさそうだった。
だが、猫モードから通常モードにシフトした頭では、ここは相当に居心地が悪い!
しかも、警備のロボ数体が張り付いていた。
そのロボは、どこと無くサースデイに似ている。
ロボ 「・・・・・・・・・・」
姫子 「・・・・・・・・・・」
ガチャン☆ 個室の扉が開いた!
黒尽くめの彼 「姫子様、お茶をどうぞ♪」
姫子 「あー、ありがと♪」
彼 「砂糖とミルクはいかがいたしましょうか♪」
さっきのアンドロイドの彼が、今度はまともな小さめカップにコーヒー的な飲み物を入れてやってきた。
姫子 「さっきのキミだよね! 急に、っぽくなったじゃん♪ どうしたのさ」
彼 「ぽくなった? それらしくなったってことでしょうか?」
姫子 「うんうん♪」
彼 「少し、勉強いたしました。 論理的思考をはずして自分なりにアレンジしてみたのですが、「失敗してもいいじゃないか」で! どこかおかしくないですか?」
姫子 「いい、いい、さっきより断然いいよ♪」
彼 「ありがとうございます♪ それで砂糖とミルクは?」
姫子 「じゃあ、一つずつ」
彼 「かしこまりました」
彼は、普通にウェイターのようだ。
姫子は、居心地は悪いし、暇だし、彼とおしゃべりをすることにした。
アンドロイドの彼に、気を許す事はできないが。
彼 「ささ、どうぞ」
姫子 「ありがと♪ 何これ、いいにおい~♪」
姫子 「今度は、山盛りのおかわりはないね(笑)」
彼 「あはははは、先ほどは失礼いたしました。 おもてなしは先ず、空腹を満たす事かと思っていたもので」
姫子 「ハハ♪ それで、あの大きな入れ物だったのか♪」
彼 「はい、おはずかしながら」
姫子 「で、キミ達は何なの」
彼 「私は、当 時空研究所の研究補助用アンドロイド。 10万馬力でございます」
姫子 「10万馬力? パワーが? 名前が?」
彼 「冗談でございます♪」
姫子 「・・・・・、ジョークはもうちょっと勉強が必要みたい、今回はパスね」
彼 「・・・、そうですか」
姫子 「なぜ、こんなにもアンドロイドがいるの? この街は何なのさ」
彼 「この国は、流れ者の寄せ集めの、ごく普通の街ですよ。 イェーガー様の優秀な統治能力が反映され、とても栄えていますね」
姫子 「じゃあ、キミ達は街とは関係ないっての?」
彼 「関係なくはありません。 ですが、まったく別の組織に属しております」
ロボ 「・・・・・」
とても強気な姫子さん。
どちらがとりこかわからない。
姫子 「ふーん、キミの組織は、どんな組織なの?」
彼 「くろの時空研究所です、それ以上は機密事項ですので、お答えできません」
姫子 「それじゃー、あたしが納得できないよ」
彼 「そういわれましても、申し訳ありませんがこれ以上は」
ガチャン☆ 再び扉が開いた。
ミラ 「その質問には、あたしが答えようじゃないの」
ミラ博士が入ってきた。
顔が引きつっている。
コロコロコロコロ!
ノア 「カンガエネバ、 カンガエネバ、 カンガエネバ」
ミラ 「・・・・・・・・・・(怒)」
姫子 「・・・・・不気味な」
続いて、不気味なハロが・・・・・
一つ目のボールが、瞬きをしながら転がってきた。
ミラ 「その代わり答えな! あんた、いったいノア様に何したんだい?」
姫子 「あたし? なんにもしてないぞ。 ガムテは巻いたけど・・・、まずかった?」
ノア 「ワタシはいつからワタシで、いつまでがワタシだろう・・・・・」
ミラ 「見てみ! このめんどくささ!」
姫子 「そうだっけ? 最初から神だの、悪魔だの、おかしな事言ってたよ」
ノア 「神とは、悪魔とは何だろう・・・・・ 相対的な強者の事だろうか? 強者に屈しない弱者のことだろうか? 神とは、悪魔よりも弱者なのだろうか? 悪魔を滅ぼした神は、その存在意義を保てるのだろうか・・・・・」
姫子 「・・・・・、めんどくさ!!!」
ミラ 「だろーが!」
ノア 「めんどくさい? その価値観は共有される認識の中で絶対足りえるのだろうか? その認識は、他者の認識に因らず存在できるのだろうか?」
ミラ 「何もしてないんなら、何か言っただろ、 頼むから思い出してくれよ!」
姫子 「うーん、ちょっと待ってね、考えるから・・・・・」
ノア 「ワカラヌ、カンガエネバ、カンガエネバナラヌ・・・・・」
姫子は、思い起こせる限りの記憶を、ミラに話した。
だが、ダンディー君とじゃれていたために、ノアの存在などほとんど眼中になかった。
姫子 「うーん、何か言ったかな~、神がどうのこうの言ってたのは覚えてるんだけど・・・・・」
ミラ 「それからどうした?」
姫子 「!? そうだ! 美人だって褒められた♪」
ミラ 「なんだい、そりゃー? そんなわけ、あるかい!」
ノア 「美しき神・姫子よ、ワタシとは、なんだろう・・・・・」
姫子 「てへへ♪ ほらねー」
ミラ 「・・・・・、壊れてるんだな、やっぱり」
ノア 「誰なのだ。 ワタシはいったい、誰なのだろうか・・・・・」
姫子 「博士、このボールは何なのさ」
ミラ 「だーから、ノア様だって!」
姫子 「ふーん、ノア様なんだってよ」
ノア 「そうか。 共有している意識の断片は、心のかけらにも等しく、彼であろうと思い想う願望は、ワタシであろうとする意識の中に溶け込み、彼とワタシを区別し隔てることは、もはやできないと言えるのか?」
姫子 「そうだ、その通り!(適当)」
ミラ 「・・・・・」
ノア 「他者にノアと認識される存在のワタシは「ノア」なのだろうか・・・・・」
姫子 「そうそう、キミはノアだ! だよね、博士♪」
ミラ 「・・・・・、ああ」
ノア 「そうか、そうなのか! やはりそうなのだな!!! ワタシがワタシの意識を受け継いでいる必然は、ワタシの存在が既定に未定でなかった証明、メビウス輪廻の裏面プログラム、ワタシはこの事態をも想定していたのだ!」
姫子 「そうそう♪」
ノア 「ワタシの見る事のできる、聞く事のできる、理解し想う事のできる範囲全てが、ワタシなのだ!」
ノア 「ワタシは、真理を悟りし究極の存在! 悪魔の猿どもよ、滅びるがいい!!!」
姫子 「そうだ! そうそう、こんな感じだった♪」
ミラ 「なおった・・・・、のか?」
かくして、またしても、ノアが復活した!!!
いったい、なんて事をしてくれたんだー!!!!!
彼 「ささ、どうぞ博士、 砂糖とミルクはいかがいたしましょう♪」
ミラ 「・・・・・」