メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

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この世界で、彼等に取り扱えない商品は無いとさえ噂されていた。
その彼らとは ハンター稼業に並ぶ浮浪職、トレーダー達である。
もちろん「情報」も彼らの商品だが、そんな彼らでさえ大破壊に関する情報を持つものは少ない。
なによりも、情報の伝達手段が無いこの世界では、それはあまり魅力的な商品ではなかった。

 「大破壊」

その言葉通り、人類にとって大切なものは、何もかもが破壊され尽くしていた。
そして、大破壊の起きた事実さえも、今では砂塵に霞んで熱砂に揺らめく廃虚の街と同じく蜃気楼である。

世界のどこかの、ありふれた砂漠の蜃気楼

そこは、今日も暑かった


  アドラ 「・・・・・」(合掌)


その白昼夢の揺らめく廃虚にて。

彼が、半分砂に埋まった鋼鉄の廃虚に、鋼鉄の漆黒の卒塔婆を立てて、手を合わせている。
それはなんだか、お墓のような雰囲気だ。

  「復活の奇跡を記念して」

アドラ 「コレでよしと♪」


善と悪の壁 第22話  アルアル三度(みたび)

メギ 「コピーに会ったですってぇぇぇぇぇ!!!」

たにさん 「ノアはいったい何処にいるのだ!(怒)」

たにさんの表情が、またも険しい!

 

姫子 「だ、だからすぐそこだよ」

 

たにさん 「だから、それは何処なのだー!!!」

メギ 「何処なんですかー!!!」

なんだか、メギの鼻息が荒い!

 

姫子 「えと、ミラの研究所だけど」

 

 

たにさん 「その研究所にいるのだな! 間違いないのだな!」

姫子 「うん、間違いない・・・けど?」

たにさんは、険しい表情のまま無言になった。

メギ 「あたし、ちょっと行って来るわ!」

メギは飛び出していった。

 

かなた 「ミラノ・ケン?」

姫子 「ミラノじゃなくてミラだよ、ミラ博士。 だから、ミラ・ケン? じゃなくて、グレイ・ケン? あれ? 時空・研だったっけ?」

アル 「時空研だと・・・・・」

またも、研さんの名前を聞いたアルとかなた・・・・・、背筋に、激しく嫌な予感が走る。

 

かなた 「時空研のミラ博士・・・・・」

かなたは、白衣のくそじじいを連想していた。

 

 

それと時を同じくして!

 

 

 ガチャン☆

 

相変わらず、艦橋のドアをノックせずに開ける、器の大きな勇者♪

 

レイト 「うーーー、さぶー!」

 

勇者が背中を丸め、縮こまってブリッジイン。

 

ラス 「急に冷えてきましたねー」

レイト 「たいち、外は何度だ?」

 

たいちくん 「二度アル、ここは三度アルよ」

 

レイト 「アル? なんで訛ってんの?」

ティク 「あはは、この間の交渉人の影響なんですって」

たいち 「マイブームアル、ドアを開けるときはノックするアル、非常識アル」

レイト 「あー、変な喋り方のあいつか。 ハハハ♪ たいちはやっぱ、ガキだなー♪」

たいち 「あたちはガキじゃないアル、大人はルールを守るものアルよ」

レイト 「クックック♪ なあラス、ファミリーに子供がいるってのもいいな♪」

ラス 「フフフ♪ 戦争に子供は似合わないんですけどね~♪」

たいち 「ガキっぽいリーダーは、不発弾よりも厄介者です、誰とは言いませんが」

レイト 「ハハハ♪ 可愛いもんだ!!!(怒)」

たいち 「鉄くずはリサイクルできますが、人間のクズは再利用も効きません、どうしようもないのです」

レイト 「ハハハハハ!!!(怒)」

たいち 「役に立たない不発弾は、バビロンに詰めて捨てちゃいましょう。 あっ、だめだ、弾詰まりしちゃう」

勇者 「こんガキャーーー!!!(怒怒怒)」

 

ラス 「まあまあ、たいちくんが厄介者って言ったじゃないですか。 無用者じゃなくなっただけでも進歩してますよ♪」

ティク 「大きな進歩ですね~♪」

レイト 「てっくんまで・・・・・」

 

たいち 「アルアル♪」

 

いつもの、ほのぼのガレリアの日常。

だが彼らは、ある依頼を受けて戦争に向かう途中だ。

実は束の間のそんな時だった。

 

警報 「ワーン! ワーン! ワーン! ワーン! ワーン!」

 

警報 「攻撃目標 入電中 入電中 入電中」

 

ティク 「え? 早すぎるよ! 先行した部隊は大丈夫でしょうか」

ラス 「全艦に伝達! 第一種戦闘配備! みんな、落ち着いて準備してちょうだい」

レイト 「俺も出るぞー!!!」

不発弾レイトは、仲間のことを心配していた。

 

たいち 「偵察部隊からじゃないです」

ブロント 「グオォォォォォォォォォンンンンンン!!!」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

ブロントが雄たけびを上げ、あさっての方向に旋回を始めた。

 

レイト 「お、おいおい、そっちじゃねーだろ?」

 

 

 ---------------

 

 

たにさん 「5分後に開始である!」

アル 「なんだと!?」

姫子 「ガレリアは近くまで来てるの?」

たにさん 「いや、まだあの谷からそう移動してないはずアル、アル?」

姫子 「じゃあ、どうやって攻撃するのさ」

たにさん 「このポイントならば、長距離砲の射程内である」

姫子 「超長距離射撃でここを狙撃するっての? いくらなんでもねー」

かなた 「ですねー」

 

いくらなんでも、距離がありすぎる。

姫子とかなたは、その攻撃の精度をまったく信用していない。

 

たにさん 「警告はした! あと4分39秒アル、逃げるなら早くしたまえ」

かなた 「そう言うたにさんは逃げないの?」

たにさん 「逃げないアル? いや、ここを離れる訳にはいかないのである!」

かなた 「どうしたの? 喋り方が変だよ、調子が悪いの?」

たにさん 「おかしいアル、言語プログラムに異常はないのだが」

姫子 「なんだ、壊れてるのか。 たにさんの情報、当てになるの? 怪しくなってきたなー」

たにさん 「壊れてないア・・・、壊れてないのである!!!」

 

たにさん 「すでに3分を切った、殲滅攻撃は予定通り進行中アル、早く退避するアル」

かなた 「アルアル?」

姫子 「アルアル♪」

アル 「アルアルうるせーよ! で、たにさん、何でガレリアがこの街を攻撃するんだ?」

たにさん 「諸君、それどころではないのだぞ! 逃げないと本当に全滅なのだぞ!」

アル 「それはわかったから、ちゃんと理由を説明してくれよ、いくら何でもぶっ飛びすぎだろ!」

姫子 「ラスもレイトもバカもんだけど、いくらお尋ね者の街だからって理由も無しに無差別先制攻撃かけるタイプじゃないよねー?」

たにさん 「ほんとに時間がないのだ」

かなた 「それは、たにさんも一緒でしょ」

たにさん 「超長距離での精密射撃遂行のため、目標は わたくし なのである!」

かなた 「え? どうゆう事?」

 

 

 ---------------

 

 

ティク 「なんだって!」

たいち 「射撃まであと2分30秒です。 艦内作業員の人は所定の行動をとって下さい」

ティク 「ちょっと、たいちくん! たにさんを狙ってるって、どうゆう事なのさ!」

たいち 「D-24バルブ作動不良です、メイン・バイパスバルブを手動で閉鎖して下さい」

ティク 「たいちくん!!!」

たいち 「最重要破壊目標が、ノアがいるの、そこに」

ラス 「ノアですって!?」

ティク 「そこには、フリフリのみんなと、それにたにさんがいるんだろ!」

たいち 「しょうがないです、そのぐらいの犠牲は・・・・・♪」

たいち君は、少しダークに微笑していた。

 

ティク 「!?」

ラス 「!?」

 

女の子が、ためらいも無く双子の弟を殺そうとしている。

実は戦闘用兵器の彼女。

それは当然の行動なのか。

だが、普段の外見は4~5歳の無邪気な幼女、それにガレリアでは家族の末っ娘。

 

たいち 「悪魔め」

 

 

 ---------------

 

 

たにさん 「どんな犠牲を払おうと、あの悪魔だけは消しておかねばならない!」

かなた 「そのために、家族や仲間を犠牲にしても、この街を消してもしょうがないって!」

たにさん 「その通りだ」

アル&姫子 「・・・・・・・・・・」

 

 

 ---------------

 

 

たいち 「発射まであと30秒、射撃管制フルオート、目標の変更は不可能です」

ティク 「だめだ! 納得いかないよー!」

レイト 「え? な、なに? 何がどうなってるんだ???」

ラス 「・・・・・・・・・・」

たいち 「最重要指令です、ごめんなさい。 マスターの命令よりも優先される事項ですから」

ティク 「止めてくださいよ、ラスさんも」

ラス 「・・・・・、ノア」

ティク 「レイトさんも!」

レイト 「何がどうなってる? さっきから何の話をしてるんだよ???」

たいち 「発射まで20秒です」

ティク 「やっぱりだめだよ! レイト様、射撃を止めて!!!」

レイト 「お、おう、止めた方がいいのか? ラス?」

ラス 「・・・・・、正直、わかりません」

ティク 「ラスさん!!!」

 

警報 「発射まで10秒・9・8・・・」

 

ティク 「お願いします! レイトさーーーん!!!!!」

普段あまり、人に頼ろうとしない、真剣な眼差しのティクが叫んだ。

 

レイト 「わ、わ、わかったよ、止めればいいんだな!」

レイトはあわてて走り出した!

 

レイト 「うおぉぉぉぉぉ!!! 止めろって言ってもよ、どうすんだよーーー!!!」

 

どうしたらいいのかわからないので、とりあえず叫ぶ勇者。

何をしたらいいのかはわからないが、雄たけびを上げながら、艦橋を猛ダッシュ。

気合だけは十分だ!

 

レイト 「てっくん! ドア開けとけー!!!」

ティク 「は、はい!」

レイト 「おおりゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

レイトは、メインシートにちょこんと座る、0.1トンの彼女をお姫様抱っこで抱えあげると、その勢いのまま全力で艦橋から駆け出て行った。

 

レイト 「どぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」

 

レイト 「ああああああああああーーーーー」

 

レイト 「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー」

 

レイト 「ーーーーーーーーーー」

 

ティク 「・・・・・・・・・・」

 

ティク 「は! ちょっと待ってくださいよー!」

 

警報 「6・5・4・3・・・」

 

 

 ---------------

 

 

たにさん 「5・4・3・2・1・ゼロ・発射」

 

アル&姫子 「・・・・・」

かなた 「・・・・・・・・・・」

 

 

  ・・・・・・・・・・

 

  ・・・・・・・・・・

 

  ・・・・・・・・・・

 

 

ぐぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!

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