メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

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とある駆け出しハンターのアファヒー君(17)。
彼は、立ち止まらなかった!

どんなに困っている町の人がいても。
   (当然のように請合わない)

トレーダーのくるまがエンコして困っていても。
   (時間の無駄)

ハンター達の、お尋ね者との戦闘に遭遇しても。
   (眼中に無い、逃走)

凄い戦車の眠っていると噂される洞窟に誘われても。
   (興味が無い、スルー)

どこまで続いているのかわからないトンネルを、偶然見つけたときも。
   (崩落、燃料切れも気にせず迷わず奥へ奥へと!)

そんな彼のことを、周りの人は敬意を込めてこう呼ぶのだった!

 「アファヒーだとー!!! 兄さん、悪い事は言わねー、奴に関わっちゃいけねー」
 「あいつぁードライだぜ! スーーーパーーードライだぜぇぇぇぇぇ!!!(怒)」

彼は、何か大いなる目的のために立ち止まる事を許されない! に違いない。
それは、とても重大な使命を帯びて!!!
そして、抗えない運命をも変えてしまう、大いなる意思に導かれるかのように!!!

ものすっごい貧弱な装備のまま、何かに誘(いざな)われるかのように発見した(適当に見つけた)長いトンネルをくぐってきたら、ここまでたどり着いていた。

非武装の改造四輪車を、荒野の雪原に潔く乗り捨てて歩き始める彼の眼前で、山の一部が不意に消し飛ぶ!


   ぐわぁぁぁぁぁぁんんん!!! ごごーーーんんん!!!!!


アファヒー 「・・・・・」

爆音と爆風が凶暴に襲い掛かる!
空を飛ぶモンスター、荒野に潜むモンスター達も一斉にパニクって、殺気立って逃げ惑っていた。
何か、とんでもない事件が起こっているのでは無いだろうか?

だが、そこでも彼はまったく動じる様子も無く、ただ歩き続けるのだった・・・・・

とてもハードボイルドな レベル3 のアファヒー君♪


善と悪の壁 第23話  アンじゃすてぃす

マグラニカを囲む小高い山々。

 

 

  ごごおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんんん!!!!!

 

 

その一角が、小高い山の山頂、山の5分の1が突如として消し飛んだ!!!

 

 

 

  ごごごおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんんん!!!!!

 

 

すさまじい轟音がこだましている!

大気は激しく振動し、なんだか視界までも歪んでいるようだ。

 

 

  ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご!!!!!

 

 

それは錯覚ではない、城全体が、いや、街全体が、周囲の大地全体が震えていた。

室内にいる3人と一人には直接爆発は見えないが、物凄い衝撃が建物を揺さぶってくる。

 

アル 「おわわわわわわわわわ!!!」

姫子 「わわわわわわわわわわ!!!」

かなた 「うわああああああああ!!!」

たにさん 「・・・・・・・・・」

 

4人は、とっさにテーブルの下に避難した。

 

姫子 「う、嘘でしょ、ほんとに有効射程に入ってるっての?」

アル 「そう考えたのが・・・、良さそうだ」

かなた 「なんだよ、冗談じゃないよ!」

たにさん 「・・・・・・・・・」

 

たにさんは、無言で固まっている。

たいちくんにデータを送っているようだ。

 

 

  「たいちくん、目標を大きく外しているのだ、しっかりしたまえよ」

   「・・・・・ちょっと問題発生なの、・・・・・あの人、また邪魔したの」

  「あの人? レイト殿であるか? まったく、困った御仁である」

   「正確なデータがいるよ、次は遠隔操作なの」

  「了解である」

 

 

姉弟の今生の別れの会話には、悲壮感がちっとも無い。

 

たにさん 「次弾発射まで・・・・・、あと600秒である!」

 

かなた 「次弾だって!?」

アル 「これ、あの大砲か! まじかよ・・・・・」

姫子 「サイボーグ・・・・・」

 

 

---------------

 

 

アル達のいる城のゲストルームの遥か下層には、街の防災司令室があった。

 

リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

 

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

 

 「なんだ! なんなんだ! 今の爆発は!!!」

 「わかりません。 ですが、観測隊の報告では攻撃の可能性「大」とのことです」

 「攻撃だと! 敵勢力の規模、使用された兵器の種類は! 」

 「全て未確認」

 「何でもいい、何か情報は無いのか!」

 「可能性のある勢力のどの情報にも該当しません」

 「この時期に未知の勢力だと!!! なんて事だ、これより非常事態を宣言! ただちに首脳部を緊急招集、ケース3-1-6、デフコン・赤、まっかっかだー!!!!!」

 

 

---------------

 

 

城中に警報が響き渡る!

職員風の人が走り回っている、軍服姿の集団がどこかに向かって行く、料理人や奇抜な服装の人達、様々な人が慌てふためき、てんやわんやだった。

 

アル 「おわあぁぁぁぁぁ」

かなた 「わわわわわ」

姫子 「おおおおお?」

たにさん 「・・・・・」

 

なぜだか、またもふんじばられた。

 

そして、ドタドタバタバタと、どんどん下層に運ばれて行く。

さらに、エレベーターに放り込まれて、ウィィィィィン と降りていく。

 

アルは、たにさんに問いただした。

 

アル 「この攻撃はなんなんだ! なんで「ガレリア」が俺達を狙うんだよ! レイトの奴が命令してんのか!」

たにさん 「・・・・・・・・・・」

 

姫子 「アル、そんな事やってる場合じゃないぞ!」

かなた 「メギが外に出たままだよ、助けなきゃ!」

 

だが、4人は頑丈に縛られて身動きが取れない。

 

 チーン♪

 

エレベーターが、少し乱暴に停止した。

ドアが開く。

そこは薄暗い大部屋で、至る所に配置されたモニターが赤く点滅している。

そして、同じユニフォームを着た大勢の人々が、怒号交じりに会話をしていた。

 

 チーン♪

 

少し遅れて、隣のエレベーターの扉が開いた。

中からは先ず、颯爽と彼女が先頭で出てくる。

 

ミヤコ 「状況を簡潔に報告しなさい!」

  「先ほどの爆発を攻撃と断定、非常事態を宣言、幸い壁の内側から被害報告はありません」

ミヤコ 「それで、敵はどの勢力なの!」

  「勢力、規模、目的も含め、依然不明のままです」

ミヤコ 「何も解らないって事!」

  「申し訳ありません、ですが、周囲100キロ圏に展開中のどの偵察部隊からも、敵襲の報告はありませんし」

  「情報部の分析でも、この時期、大規模な戦闘を仕掛ける可能性のある勢力に、該当情報はありません」

ミヤコ 「情報部には、もう一度情報分析を要請しておきなさい。 それと、例の4人は何処」

  「そちらのエレベーターです」

姫子 「こらー! ミヤコー! あたし達に、こーんなことしてる場合じゃないだろー!!!」

 

ミヤコは、チラッと3人を確認すると、テーブルの上のマイクに向かって叫んだ。

 

ミヤコ 「みんな、聞いて! イェーガー様が負傷されました、階級無しですが非常事態ですので、あたし「ミヤコ」が司令代行を行います。 異論が無ければ、2秒間の沈黙をお願い」

 

1・・・2・・・シーン・・・・・

 

2秒の間、全会話、全無線が切られ、その大部屋はほぼ、静まり返った。

 

ミヤコ 「ありがとう、みんな。 次の命令があるまで、各部署において最善を尽くしてください、以上」

 

ミヤコの館内放送が終わると再び司令室は活気付き、ミヤコ司令官は容疑者の尋問を開始した。

 

ミヤコ 「今のは何なの! なんでここを狙ってるのよ! 目的は何?」

アル 「まってくれ、話してる時間がねーんだ、次の攻撃まであと10分切ってる!」

たにさん 「次弾発射まで、あと450秒」

ミヤコ 「次弾! やっぱり攻撃だったのね、何を狙ってるの! あなた達、どこの組織よ!」

姫子 「だから、議論してる場合じゃないっての! さっきのは威嚇じゃない、外れただけなんだぞ!」

たにさん 「我々の目的、それは最凶最悪の悪魔「ノア」の排除である、キミ達には申し訳ないがこの町は消去される」

 

ミヤコ 「な、なにーーー!!!」

 

 

----------

 

 

 「どおおおおおおおおおーりゃりゃりゃりゃりゃあああああああああああああーーーーー!!!!!」

 

 「ああああああああああああああああああああ」

 

 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

 「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・・・・・」

 

 

勇者が勢い良く、4段飛ばしで階段を駆け下り、2段飛ばしで階段を駆け上がり、艦内を疾走している。

散々、足をもつらせながら、よろめきながら、作業員にぶつかりそうになりながら。

だが、彼はそれでもこけない、スピードも落とさない。

追いかける、てっくんをもふりきって。

 

レイト 「おりゃおりゃぁぁぁぁぁ!!!」

たいち 「・・・・・・・・・・」

レイト 「どけどけぇぇぇぇぇ!!!」

たいち 「・・・・・・・・・・」

 

レイトは、なぜに走っているのか?

たいちくんには、勇者の行動はいつも不可解だった。

 

たいち 「ねー、レイトはなんでそんなに一生懸命?」

レイト 「どおおおおりゃぁぁぁぁぁ」

たいち 「敵はね、全人類の宿敵、悪なんだよ」

レイト 「何言ってんのかわからねーから、ラスが判断できねーって言った、てっくんはだめだと言った、俺が迷う理由はねーよ」

たいち 「あの悪魔をね、今消さないとニンゲンがたくさん死ぬ事になる、レイト間違ってる」

レイト 「だったらティクも間違ってるな?」

たいち 「・・・・・、うん」

レイト 「くっくっく♪ そっか、お前なりの正義と覚悟があるのはわかった」

 

レイト 「うぉぉぉぉぉ!!! 燃ぉえてきたぜぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

たいち 「・・・・・、なんで???」

レイト 「ティクに逆らってでもやり遂げたいことがあるんだろ、だったらそれはやるべきだ!」

たいち 「!?」

レイト 「だけどな、ティクにだって正義はある、俺にもラスにも、他のみんなにだってそうだ、だろ」

たいち 「正義とか悪に普遍性が無いのは知ってるよ、けどノアが悪だから人類は正義なの」

レイト 「よくわからんけど、ティクやガレリアを裏切ってでも遂げたい正義があるんだろ、だったらそれを実行しろよ」

たいち 「マスターを裏切る・・・・・」

レイト 「真顔のティクが珍しく俺を頼ってきた。 だから俺は、この攻撃は間違いだと信じる、コレが俺の正義だ! 正しいのか間違ってるかは関係ねーよ!!!」

たいち 「それはマスターの正義、レイト間違ってる」

レイト 「かもな♪ でも誰だって間違ってる、たいちだって」

たいち 「あたちは間違ってない」

レイト 「少なくともティクやラスも含めた、「ガレリア」は納得してないぜ」

たいち 「・・・・・」

レイト 「ティクが間違ってるって言ったろ、だからガレリアのみんなも間違ってるって言うさ。 たいちはうちのみんなを信用できないか?」

 

正義の黒い炎に焼かれているたいちくん。

勇者の問いかけに、「ガレリア」の傭兵達の顔を思い出す。

いろんな人間に出会った、善良な人間ばかりとは言えなかった、だが信用に値する顔ばかりだった。

そして、いつも一緒にいる艦橋付きのクルー達の笑顔、彼女の思考では形容の難しいデータ上の感覚、「信頼」と呼ばれるものだと気が付いた。

自分の正義をラスやティクが「間違い」だと言う?

 

たいち 「・・・・・」

 

たいち 「あたちが間違ってる?」

レイト 「ああ、間違ってる。 お前だけじゃねー、ラスもティクも、俺だって。 いいや、この世界自体が」

レイト 「だけどそんな事は重要じゃないんだぞ! たいちは間違ってねーかもしれない、俺が間違ってるかもしれない。 けどな、間違ったっていいんだ、間違ってもずっこけないように背中を守ってくれる奴らがいるからな♪ だから俺も、あいつらの背中を守るんだ、全力で!!!」

 

相変わらず、勇者の熱い言葉はスマートではなかった。

 

レイト 「大事な事は、そいつを仲間と呼べるか! そいつに仲間と呼ばれるかだろ!!!」

たいち 「・・・・・」

レイト 「どうしても、ガレリアに納得行く説明ができねーってんなら、それは、俺には止められねー。 いや、全力で阻止はするけど」

 

たいち 「・・・・・、攻撃を強行したら、みんなを裏切った事になる?」

レイト 「そうだ」

たいち 「・・・・・、人類のためでも?」

レイト 「正義とか悪じゃないんだ。 今、この瞬間の信頼を守れるか、裏切るか、そいつと仲間でいたいかどうか、それが大事なんだよ」

たいち 「・・・・・」

レイト 「うちはずうずうしい奴が多いからなあ・・・、居心地悪かったか?」

たいち 「・・・・・、みんなと、マスターと・・・・・、仲間でいたいな♪」

 

不機嫌そうだったたいちくんが、笑った。

 

レイト 「そっか♪」

 

レイトも、いつもは見せないちょっと大人なやさしい笑顔で笑った。

立ち止まったレイトに、全力で後をおっていたティクが追いついてきた。

 

ティク 「ま、待ってください、レイトさん・・・・・」

 

ティクは息も絶え絶え、よっぽど慌てて追ってきたようだ。

レイトは、たいちを抱えたまま、右手でブイサイン♪

 

たいち 「ごめんなさい、マスター・・・・・」

ティク 「そっか、・・・・・、まあさ、言いたい事も聞きたいこともあるんだけど・・・・・」

たいち 「・・・・・」

ティク 「とりあえず、いつものようにてっくんって呼んでよ♪」

 

レイト 「(ウムウム)♪」

 

レイトが満足そうに、年長者キャラに浸っている。

め、珍しいこともあるものだ!

 

ティク 「それにしてもさすがです、レイト様♪」

レイト 「なにがよ?」

ティク 「勇者の腕力は半端ないっすね♪」

レイト 「腕力?」

たいち 「あたちの体重、100キロだよ」

 

ミッション終了で、我に返った勇者の自己暗示が解けた。

 

レイト 「(う、うおぉぉぉぉぉ!!! お、おもてえぇぇぇぇぇ!!!)」

 

勇者は、艦橋までたいちを抱えたままで上っていく。

ティクの期待を裏切らないために。

 

レイト 「ナハ、ナハハハ・・・・・、俺は勇者だからな!」

 

 

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