メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界 作:KR410
勇者レイト
彼の夢、それは勇者の名の通り 「世界最強」「お尋ね者完全制覇」といった俗っぽいものだった。
何故このカンパニーに人が集まるのか?
彼は大バカだが、夢に向かって本気だった。
勇者レイトは、捜索隊に同行していなかった。
実戦部隊の指揮は、ラスに任せて、外に野営した対策本部のテントの中でふんぞり返っている。
レイト 「くっそー、まずったな・・・・・」
レイト 「警備システムもロボットも、とっくに電池切れだと思ったんだがなー・・・・・」
レイト 「それにしても、ラスのヤツ! 全部破壊するこたねーだろーによ~!!!」
・・・・・・・
・・・・・
・・・
ここで、時間を少し巻き戻して・・・・・。
彼は今、モンスターではない、人類軍のロボット兵器を発見し、歓喜している。
体高は5m、人間型で精悍な顔つき、なかなか強力そうだ!
しかも、数え切れない数のロボが、周囲の壁一面に格納されていた。
そして彼は、勇者の名に恥じない大胆な行動に出た。
調査員 「レイト様、駄目ですって、まだ調査の段階なんですから!」
レイト 「製造から50年は軽く経ってるんだろ、なら、バッテリーが残ってるわけねーじゃん」
調査員 「あー、だめ、やめてくださいって・・・・・」
レイト 「大丈夫だ、見てろ!」
そう言って、強制イジェクトのレバーを下げた。
その瞬間、警備システムが一部生き返り、用心棒が怒り狂ったのだった。
システムがダウンしていると勝手に思い込んでいた レイト調査隊。
ろくな装備を持っているわけも無く・・・・・
その結果、前の話に続くのでしたとさ。
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カンパニー連合は、クロノグラフの地図にある、非常用発電設備で作業をしていた。
燃料の空になって、放置されているディーゼル発電機の整備、補給を行っている。
メカニック 「ラスさん、いいですよ!」
ラス 「警備システムの排除は終わったんでしょうね」
ハンター 「確認した物は、すべて排除してます」
ラス 「いいでしょう、それでは、行きましょうか!」
ラスの合図で、発電機のエンジンを始動した。
全フロアーの非常灯が一斉に点灯し、通常灯の光が徐々に広がっていく。
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フリフリは捜索に参加していなかった。
メンバーが一人も遭難してないことと、捜索活動の専門家がいないため、支援部隊と共にドックフロアーで待機している。
このフロアーの工場灯にも電気が回り始め、徐々に電灯の明るさが増していく。
メギ 「整備終わったわよ」
かなた 「ふー、やけに蒸し暑いね、ここ」
かなたとメギが管制室(コントロールルーム)に帰ってきた。
アル 「・・・・・、メギ、エンジンかけといてくれ」
アルは、モニターでプールの中を監視していた。
メギ 「・・・・・、何よこれ!」
沈没した戦艦から、物凄い熱が放出されていた。
プール全体の水温は、40度を超えて上昇を続けている。
アル 「間違いない、何か知らないが・・・・・、生きてやがる!!!」
姫子 「なになに♪ 面白そうな話ね❤」
アル 「姫子、今回は、冗談ナシだ」
多少の無茶な依頼を振っても、冗談で返すアルが、久しぶりに乗って来なかった。
アルの珍しい真剣な表情に、室内の空気が緊張した。
メギは、ナビシートでエンジンを始動、アルはメインシートに座り操縦桿を握る。
火器管制は姫子が担当し、かなたは火器管制の補助と通信を担当していた。
かなた 「ガレリア、ガレリア支援部隊、応答してください、ガレリア」
無線 「ガガ、ザー、ザ、なんだ、定時連絡の時間じゃないぞ!」
かなた 「すぐ逃げるように言って、フリフリのアルが、すぐ逃げろって言ってるって言えば伝わるから!」
無線 「ザザ、何言ってるんだ、お前誰だ、どこのカンパニーだ?」
かなた 「だから、フィリファリーテだよ、急いで逃げて!」
無線 「あー、さっきの戦闘の狙撃を担当したとこか、アレは凄かったな、ハハハッ」
かなた 「それどこじゃないんだって、とにかく連絡を取ってよ」
無線 「・・・・・、わかった、一応連絡は取ってみるがね、本体はだいぶ下まで降りてるんだ、時間がかかるぞ」
かなた 「とにかく早くね、 急いでよ!」
かなたはついでに、彼らにも、連絡がつき次第撤退するように勧めたが、そんな事を聞いてくれるはずも無かった。
アル 「かなた、もういい、自分の仕事に集中しろ、いつでもスージーで出れるようにしとけ」
かなた 「・・・・・、わかった」
姫子 「で、どうするの、アレが何かわからないんじゃ対策の立てようが無いよ」
メギ 「どっちにしてもこのフロアーには留まれないわね、水温が90度を超えて、湿度と気温が徐々に上がってるの」
アル 「とりあえず、外に出よう」
フリフリは移動を開始、だが、彼らを追う者はまだいない。
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傭兵カンパニー「ガレリア」
リーダーの 勇者レイトは、テントの簡易シートでふて寝している。
傭兵 「レイト様、誰か出てきました、・・・・・、あれは?」
傭兵 「フィリファリーテの移動要塞だ、スゲーなー、零細の割には豪華なもんに乗ってんだよな、あいつら」
レイト 「フリフリだと~!!!」
レイトは、ほとんどのロボを姫子が破壊したと、嬉しそうに語るラスから報告を受けていた。
レイト 「くっそ~!!!、あそこの女連中は最悪だ、絶対、関わっちゃ駄目だぞ、お前らも」
傭兵 「・・・・・」
このカンパニーに集まった者は、勇者を尊敬している変わり者ばかりだ。
「彼はいずれ、ビッグなことをするに違いない!」
だが、さっきの戦闘で姫子に命を救われた者も多い、傭兵は複雑な気分だった。
対策本部に、臨戦態勢で迫る移動要塞。
レイト 「オイオイ、あいつら、攻撃してくるんじゃないだろうな?」
傭兵 「まさか・・・・・」
物々しい雰囲気でどんどん近づいてくる。
レイト 「やばいぞ、やっぱりそうだ、うわぁぁぁぁぁ!」
傭兵 「いやいや、気のせいです・・・・・よね?」
フリフリは、対策本部のテントに横付けで停まった。
ハッチからアルが少し急いで飛び出し、テントに駆け込んだ。
アル 「お前ら、無線切ってただろーが、何かんが・・・・・、何やってんだ?」
テントの中の総勢十数名が、妙な格好で機関銃を手に取りおかしなポーズを決めてこちらに銃口を向けていた。
アル 「・・・・・」
アル 「そんな事をやってる場合じゃねーんだぞ、お前ら!」
アルは、施設の中の脅威を手短に説明した。
レイト 「ぬわぁぁにぃぃぃぃ!!! あの戦艦が生きてただぁぁぁ~!」
アル 「いや、何かはわからねーが、何かいることは間違えないって言ってんだ」
レイト 「陸上戦艦か、ははは、ハハハハハー、ハッハー、いいぞ、アレが生きてるってのか♪」
アル 「だからな、戦艦かどうかはわからねーんだって」
レイト 「よーし、ロボが駄目でも機動要塞か♪ やっぱ、俺は運が良い、これは、天命に違いねーな♪」
レイト 「お前ら、なにやってんだ、レイト調査隊出動だぞ」
傭兵A 「えー、今帰ってきたとこですよ・・・・・」
レイト 「陸上戦艦が、あるんだぞ、世界最強だぞ」
傭兵B 「世界最強ですか!」
レイト 「世界最強、無敵戦車だ♪」
傭兵C 「無敵戦車が手に入ったら・・・・・、いよいよ、お尋ね者殲滅作戦ですね」
レイト 「そうだ!」
傭兵D 「勇者レイトの名が、ついに世界に轟くんですね!」
レイト 「違う! ガレリアの名がだ!!!」
傭兵達 「おおおおおおおおおお!!!」
レイト 「諸君、我々の長い不遇の時代は終わりを告げた!」
レイト 「これより、超大型陸上戦艦奪取計画を発動する」
レイト 「全隊に通達、現時刻を持って、他の作戦を放棄! 速やかにアルファ計画に参加せよ」
傭兵E 「わかりました! 速やかに全隊に伝令を送ります」
レイト 「作戦開始だぁぁぁぁぁぁぁ」
傭兵達 「ウォォォォォォォ~!!!!!」
レイトは、凄いカリスマ性を秘めていた。
一瞬にして対策本部はもぬけの殻になった。
アル 「勇者レイト 、あいつはいつか凄いことをするかもしれん・・・・・」
・・・・・。
あとがき
すいません、戦艦登場の予定だったんだけども、勇者の話を書いてたら、何だか楽しくなっちゃって・・・・・
勇者は、バカもんです。
だけど、何かある。
いや、何も無いんだけど、何か予感させる、期待させる。
レイトは、そんな雰囲気を持ってます。
そんなカリスマ性にアルまでも・・・・・。
彼が、社長や代表でなく、リーダーを自称するのもそんなわけがあるのかな?