メタルマックス 終わりの始まりのその後が終わらなかった世界   作:KR410

9 / 80
 
 勇者レイト 

彼の夢、それは勇者の名の通り 「世界最強」「お尋ね者完全制覇」といった俗っぽいものだった。

何故このカンパニーに人が集まるのか?

彼は大バカだが、夢に向かって本気だった。




第7話  陸上戦艦とアルファ計画

 

勇者レイトは、捜索隊に同行していなかった。

 

実戦部隊の指揮は、ラスに任せて、外に野営した対策本部のテントの中でふんぞり返っている。

レイト 「くっそー、まずったな・・・・・」

レイト 「警備システムもロボットも、とっくに電池切れだと思ったんだがなー・・・・・」

レイト 「それにしても、ラスのヤツ! 全部破壊するこたねーだろーによ~!!!」

 

・・・・・・・

・・・・・

・・・

ここで、時間を少し巻き戻して・・・・・。

 

彼は今、モンスターではない、人類軍のロボット兵器を発見し、歓喜している。

体高は5m、人間型で精悍な顔つき、なかなか強力そうだ!

しかも、数え切れない数のロボが、周囲の壁一面に格納されていた。

そして彼は、勇者の名に恥じない大胆な行動に出た。

 

調査員 「レイト様、駄目ですって、まだ調査の段階なんですから!」

レイト 「製造から50年は軽く経ってるんだろ、なら、バッテリーが残ってるわけねーじゃん」

調査員 「あー、だめ、やめてくださいって・・・・・」

レイト 「大丈夫だ、見てろ!」

そう言って、強制イジェクトのレバーを下げた。

その瞬間、警備システムが一部生き返り、用心棒が怒り狂ったのだった。

システムがダウンしていると勝手に思い込んでいた レイト調査隊。

ろくな装備を持っているわけも無く・・・・・

その結果、前の話に続くのでしたとさ。

 

----------

 

カンパニー連合は、クロノグラフの地図にある、非常用発電設備で作業をしていた。

燃料の空になって、放置されているディーゼル発電機の整備、補給を行っている。

 

メカニック 「ラスさん、いいですよ!」

ラス 「警備システムの排除は終わったんでしょうね」

ハンター 「確認した物は、すべて排除してます」

ラス 「いいでしょう、それでは、行きましょうか!」

ラスの合図で、発電機のエンジンを始動した。

全フロアーの非常灯が一斉に点灯し、通常灯の光が徐々に広がっていく。

 

----------

 

フリフリは捜索に参加していなかった。

メンバーが一人も遭難してないことと、捜索活動の専門家がいないため、支援部隊と共にドックフロアーで待機している。

このフロアーの工場灯にも電気が回り始め、徐々に電灯の明るさが増していく。

 

メギ 「整備終わったわよ」

 かなた 「ふー、やけに蒸し暑いね、ここ」

かなたとメギが管制室(コントロールルーム)に帰ってきた。

アル 「・・・・・、メギ、エンジンかけといてくれ」

アルは、モニターでプールの中を監視していた。

メギ 「・・・・・、何よこれ!」

沈没した戦艦から、物凄い熱が放出されていた。

プール全体の水温は、40度を超えて上昇を続けている。

 

アル 「間違いない、何か知らないが・・・・・、生きてやがる!!!」

姫子 「なになに♪ 面白そうな話ね❤」

アル 「姫子、今回は、冗談ナシだ」

多少の無茶な依頼を振っても、冗談で返すアルが、久しぶりに乗って来なかった。

 

アルの珍しい真剣な表情に、室内の空気が緊張した。

メギは、ナビシートでエンジンを始動、アルはメインシートに座り操縦桿を握る。

火器管制は姫子が担当し、かなたは火器管制の補助と通信を担当していた。

 

かなた 「ガレリア、ガレリア支援部隊、応答してください、ガレリア」

無線 「ガガ、ザー、ザ、なんだ、定時連絡の時間じゃないぞ!」

かなた 「すぐ逃げるように言って、フリフリのアルが、すぐ逃げろって言ってるって言えば伝わるから!」

無線 「ザザ、何言ってるんだ、お前誰だ、どこのカンパニーだ?」

かなた 「だから、フィリファリーテだよ、急いで逃げて!」

無線 「あー、さっきの戦闘の狙撃を担当したとこか、アレは凄かったな、ハハハッ」

かなた 「それどこじゃないんだって、とにかく連絡を取ってよ」

無線 「・・・・・、わかった、一応連絡は取ってみるがね、本体はだいぶ下まで降りてるんだ、時間がかかるぞ」

かなた 「とにかく早くね、 急いでよ!」

 

かなたはついでに、彼らにも、連絡がつき次第撤退するように勧めたが、そんな事を聞いてくれるはずも無かった。

 

アル 「かなた、もういい、自分の仕事に集中しろ、いつでもスージーで出れるようにしとけ」

かなた 「・・・・・、わかった」

姫子 「で、どうするの、アレが何かわからないんじゃ対策の立てようが無いよ」

メギ 「どっちにしてもこのフロアーには留まれないわね、水温が90度を超えて、湿度と気温が徐々に上がってるの」

アル 「とりあえず、外に出よう」

フリフリは移動を開始、だが、彼らを追う者はまだいない。

 

----------

 

傭兵カンパニー「ガレリア」

リーダーの 勇者レイトは、テントの簡易シートでふて寝している。

傭兵 「レイト様、誰か出てきました、・・・・・、あれは?」

傭兵 「フィリファリーテの移動要塞だ、スゲーなー、零細の割には豪華なもんに乗ってんだよな、あいつら」

レイト 「フリフリだと~!!!」

レイトは、ほとんどのロボを姫子が破壊したと、嬉しそうに語るラスから報告を受けていた。

レイト 「くっそ~!!!、あそこの女連中は最悪だ、絶対、関わっちゃ駄目だぞ、お前らも」

傭兵 「・・・・・」

 

このカンパニーに集まった者は、勇者を尊敬している変わり者ばかりだ。

「彼はいずれ、ビッグなことをするに違いない!」

だが、さっきの戦闘で姫子に命を救われた者も多い、傭兵は複雑な気分だった。

 

対策本部に、臨戦態勢で迫る移動要塞。

レイト 「オイオイ、あいつら、攻撃してくるんじゃないだろうな?」

傭兵 「まさか・・・・・」

 

物々しい雰囲気でどんどん近づいてくる。

レイト 「やばいぞ、やっぱりそうだ、うわぁぁぁぁぁ!」

傭兵 「いやいや、気のせいです・・・・・よね?」

 

フリフリは、対策本部のテントに横付けで停まった。

ハッチからアルが少し急いで飛び出し、テントに駆け込んだ。

アル 「お前ら、無線切ってただろーが、何かんが・・・・・、何やってんだ?」

 

テントの中の総勢十数名が、妙な格好で機関銃を手に取りおかしなポーズを決めてこちらに銃口を向けていた。

アル 「・・・・・」

アル 「そんな事をやってる場合じゃねーんだぞ、お前ら!」

 

アルは、施設の中の脅威を手短に説明した。

レイト 「ぬわぁぁにぃぃぃぃ!!! あの戦艦が生きてただぁぁぁ~!」

アル 「いや、何かはわからねーが、何かいることは間違えないって言ってんだ」

レイト 「陸上戦艦か、ははは、ハハハハハー、ハッハー、いいぞ、アレが生きてるってのか♪」

アル 「だからな、戦艦かどうかはわからねーんだって」

レイト 「よーし、ロボが駄目でも機動要塞か♪ やっぱ、俺は運が良い、これは、天命に違いねーな♪」

レイト 「お前ら、なにやってんだ、レイト調査隊出動だぞ」

傭兵A 「えー、今帰ってきたとこですよ・・・・・」

レイト 「陸上戦艦が、あるんだぞ、世界最強だぞ」

傭兵B 「世界最強ですか!」

レイト 「世界最強、無敵戦車だ♪」

傭兵C 「無敵戦車が手に入ったら・・・・・、いよいよ、お尋ね者殲滅作戦ですね」

レイト 「そうだ!」

傭兵D 「勇者レイトの名が、ついに世界に轟くんですね!」

レイト 「違う! ガレリアの名がだ!!!」

傭兵達 「おおおおおおおおおお!!!」

レイト 「諸君、我々の長い不遇の時代は終わりを告げた!」

レイト 「これより、超大型陸上戦艦奪取計画を発動する」

レイト 「全隊に通達、現時刻を持って、他の作戦を放棄! 速やかにアルファ計画に参加せよ」

傭兵E 「わかりました! 速やかに全隊に伝令を送ります」

レイト 「作戦開始だぁぁぁぁぁぁぁ」

傭兵達 「ウォォォォォォォ~!!!!!」

 

レイトは、凄いカリスマ性を秘めていた。

一瞬にして対策本部はもぬけの殻になった。

 

 

アル 「勇者レイト 、あいつはいつか凄いことをするかもしれん・・・・・」

 

・・・・・。

 




   あとがき

すいません、戦艦登場の予定だったんだけども、勇者の話を書いてたら、何だか楽しくなっちゃって・・・・・

勇者は、バカもんです。
だけど、何かある。
いや、何も無いんだけど、何か予感させる、期待させる。
レイトは、そんな雰囲気を持ってます。
そんなカリスマ性にアルまでも・・・・・。

彼が、社長や代表でなく、リーダーを自称するのもそんなわけがあるのかな?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。